不穏なChapter6もクライマックスなゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は辻メインヒロイン斬りされたところで終わりましたね。今回は部室から再開です。
今日は藤川歌夜と池谷乃々と燎原くんの胃痛マシマシメンタルヘルトリオ、俗に言うメンヘラコンボで作業しております。*1
作業中は喋らない歌夜! 相手によっては強気に出られない乃々! そうそう自分からは話さない燎原くん! うぬら、五人か……!(バーン)*2
……この世は地獄かな?
こんな時、空気を一変させてくれる潤滑油的存在が居てくれたらなぁ~~~!!
──居たよ! BL成分不足で妄想
空気が大分ヤバいSNS部にやってきた裕美音は、入ってくるなり『池谷さんって実は池谷くん♂で女装自撮り配信してる設定だったりしない?』と軽いジャブから打ってきます。*3
そんな妄言を場を和ますギャグだと思った乃々に礼を言われた裕美音は、もっとBL妄想を垂れ流してもいい……ってコト!? と判断しました。君もう帰って良いよ!
──それはそうと、乃々は実は歌夜に嫌われているのではないかと相談してきます。
以前に声の収録でスタジオに行ったときも、失敗の度に反応に間が空くのが恐ろしかったそう。うん、まあ、わかるよ……(マリア様)
でも乃々はスケジュール管理係なのでもっと言ってやってもいいのでは、と返されます。裕美音に藤川先輩は総受けだから大丈夫! と言われますが、ちょっと欲望漏れ気味ですね……。
早速とコーヒーの差し入れをしていますが、ブラック派の歌夜は微糖のコーヒーを一口飲んで乃々に返しました。せちがれぇ~~~。
──そんなこんなで本題に。今日が締切の作曲のタスクがある歌夜ですが、歌夜は息抜きにと何故かスクリプトの解説ページを見ていました。
効果音の調整は乃々がやると言われていたのですが……単純に遊んでいるらしいですね。
のらりくらりと流される乃々を見て、裕美音も妄想が絶好調。音を扱う同士で相性もいいとして、乃々♂受けもアリとかなんとか。君もう帰って良いよ!(2回目)
んまぁそう、私も歌夜と乃々は相性良いとは思うんですがね。いかんせん見ている方向が真逆なので合いそうで合わないんですよね。
姉の音楽に執着していて人気は二の次の歌夜と、人気のために生配信やらに手を出している乃々は、ある意味爆弾×2なんですよ。
乃々本人も尊敬はしているけど着いていけないし自分も人気になって適当にちやほやされたいというのが本心なのでしょう。
しかしそれにすらカップリングを見出だすのかユミーネ様であらせられるぞ。
『ケンカップル 最後は床で 格闘技 (ふだふだ)』という心の一句も受け流しつつ、乃々は本来の目的である【ゲーム作って配信でファンにちやほやされてえ!!】を思い出します。
なんとしてでもゲームを完成に持って行きたい以上、歌夜に遊んでもらっていては困ります。
そんな乃々はいまだスクリプトのページを見ている歌夜へとアクションを起こしますが────といったところで今回はここまで。
激闘の歌夜戦はどんな結末を辿るのか? 次回はChapter6ラストですが、イベントのみだから実況はありません。そんなわけでChapter7でお会いしましょう、ではまた。
──俺の横で勝手に部員を男体化させて妄想に励む裕美音をよそに、視界の奥では、歌夜と池谷がなにやら話をしていた。
「き、曲のクオリティで悩んでるのかもしれませんが、今は遊んでる時間は……」
「大丈夫、夜には展開浮かぶよ多分」
……歌夜は特段、池谷を嫌っているわけではない筈だ。いわゆる方向性の違いがあるというだけ。しかし……なんというか。
「──『広く浅くちょっとだけ深く』でしたっけ。息抜きも、大事だと思いますけど」
──今回は、少しばかり、お互いに、配慮が足りていなかった。ピリ、と歌夜の纏う空気が変わって、俺は池谷が地雷を踏んだのだと悟る。
「……まずい」
「でも、それでいいんですか? 先輩は私と違って、音楽で成し遂げたい何かがあるんじゃないんですか?」
「ちょっ、池谷さ──もご」
「待て」
池谷を止めようとした裕美音の口を塞ぐ。……ここまで言わせてしまったなら、いっそ言い切らせた方があとに確執は生まれないだろう。
「裕美音、言わせておけ」
「むぐ……りょうくん、いいの?」
「ここで止めたら後日の空気が悪くなる。なら、互いの腹を割らせた方がいい」
俺と裕美音の眼前で、二人の会話は熱を帯びて行く。そして──
「……その目標は、今のままの先輩で届くと思いますか? 今、先輩が遊んでる時間を──」
「…………ないよ」
「えっ」
「届く筈ないんだよ! 私なんかじゃ──ッ!」
──部室に、歌夜の
──その直後、出ていった歌夜と入れ替わりでたまが部室に訪れてきた。
「お疲れ様~~……って、なにやってるの?」
「助けてくれたま」
「うわあ引っ付き虫」
たまは俺──に半泣きでしがみついている裕美音と池谷を見てぎょっとする。
それからことの発端から顛末までを聞いて、きょとんとした顔で返した。
「本当に遊んでたの? 藤川先輩、スクリプトを書いたりしてなかった?」
「へっ?」
「昨日、藤川先輩から連絡が来て──」
そういって、たまは携帯の画面を見せる。画面には、通話アプリの文章が載っていた。
それは体験版を作る際の収録でボツにした音声を、映画のNG集のようにオマケとして追加できないか、という内容であった。
息抜きに自分で調べるから、池谷には言わないでほしい、とも書かれている。文章を読み終わった池谷は、頭を抱えて口を開いた。
「い、言ってよ──!? NGも使うって言ってくれたら収録の時に『間違えましたてへ♡』したのに────!!」
「大事なのはそこなのか?」
「どうしよう、私決めつけで酷いこと言っちゃった……! とりあえずメールしなきゃ……【たまき先輩から聞きました、ごめんなさい。私の今日の失態はネットに晒さないでください】」
「欲望には忠実なんだな」
……池谷も妙なところで肝が据わっている。それはそれとして、歌夜もまた、姉を切っ掛けとした音楽に執着していながら、姉──奏さんに自分の才能は届かないとどこか諦めている。
──ここが分岐点か。
「たま」
「──! うん、ののちゃん」
「は、はいっ!」
「一緒に藤川先輩の家に行こう」
「そんなご無体な!?」
さながら死刑宣告をされた囚人のような、地獄に突き落とされたと言っても過言ではない顔をする池谷に、たまは強く続ける。
「ののちゃんは藤川先輩が触って欲しくないところを刺激しちゃったんだと思う。もちろんスクリプトのことを黙ってた私も藤川先輩も悪いし、止めなかったりょーくんも悪い」
「俺に流れ弾を飛ばすんじゃない」
「どうせりょーくん、喧嘩になるとわかってて止めなかったんでしょ」
「……まあな」
流石に、たまにはバレるか。
「──会ってみんなでお話ししようよ。藤川先輩、顔は怖いけど分かってくれるから」
力強く、そう言って、たまはののを奮い立たせる。歌夜なら話せばわかってくれるとは言うが、一筋縄ではいかないと思うがな……。
「乃々攻め……先輩攻め……論争が霞むレベルのこの総攻めパワーアッッッッッ!!
総攻めたまちゃん! ッァッッハァ!! 私は……行けません!!」
「そ、そう……」
「……この人大丈夫なんですか?」
「俺たちには救えぬ者だ」
本当にごく稀に、俺は、なぜこのような人間と親友なのかと疑問に思ってしまうのだが、決して俺のせいではないのだろう。