早くもChapter7の中盤戦なゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は裕美音が過去の精算を済ませたところで終わりましたね。今回は図書館から再開です。
ちなみに前回との間に乃々がレズ眼鏡に告白される回と村上親子が喧嘩する回がありますが、燎原くんも百武照も出てこないのでカットとなりました。原作買って、読め!(ドゲンジャーズ)
さて図書館では悩める子羊ことユミーネ様……ではなく裕美音が、いつものようにうちの制服を着ている百武照に相談をしていました。
ずっと前から思っていたことをたまちゃんに伝えたいが、断られたらどうしようと悩んでいるらしいですね。うるせ~~~しらね~~~燻ってる暇があったら当たって砕けて来い~~~!
という正論パンチで黙らされていました。ちなみに前回で小さい頃の問題は終わっているので、この悩みはまた別の問題です。
『明日死んでも後悔しない生き方を』がモットーである虚無の擬人化こと百武照は、今しか出来ないことは今やろう! とアドバイス。
明日やろうは馬鹿野郎っつってなぁガハハということらしいですが、ネガティブなワードであることに変わりなく、仮に自分が死んだらたまちゃんは悲しむだろうと裕美音は涙ぐみます。*1
横で清聴していた燎原くんがハンカチを渡しますが……あ゛゛゛────!! 鼻をかむのはやめろチュン!!(セッちゃん)
……えげつない表情でハンカチをしまう燎原くんを見つつ、勇気を出すべく図書館から居なくなった裕美音を見送り、改めて喋るブラックホールこと百武照と二人っきりになりました。
…………。空気が……空気が重い……!
よく考えたらこいつは大学中退というやべー戦績持ちなんですよね、今日も高校生に混じって再受験のための勉強をしに来たのだとか。しかも図書委員に
こんなとき、空気を一変させてくれる人が来てくれたらな──っ!!
──居たよ! Iri§先生が!*2
なんかめちゃくちゃ発光しているIri§先生こと関あやめがしれっと我々の席に混ざっており、そんな彼女も悩みがあるご様子。
†来月からもう高3って空気でみんなギスギスなんです。進路決めてない奴は出直してこいみたいな。稀代の物書きIri§は正直お話書くだけで生きていきたい†
†でも枠組みにはまった商品しての執筆ではなく、ボクが奏でるシナリオをパトロンが買ってくれるような純然たる執筆のみで暮らしたい†
……らしいです。ノムリッシュ翻訳すら原文に戻せるアプリが翻訳を拒否してきました。
なんやかんやで進路に困っているあやめに、物理的に猫を被る女こと百武照は創作だけで生きていくのは大変だと冷静に返答。
そんな百武照に、あやめは『照先輩はそこで奮い立たせる人だろ』とのこと。偽物扱いで草。
大学中退の浪人生こと百武照と関あやめと燎原くんの三人でそうして話していると、通り掛かったたまちゃんが中に入ってきました。
百武照が浪人したことを今知ったたまちゃんもまた、何やら悩みがあるのだとか。このゲームのヒロイン悩み多くない?
曰く、2年からは文系と理系でクラスが別れるらしく、裕美音やはーちゃんは文芸に行くのですが、たまちゃんは部長の影響で理系に行ってゲームを作りたいようですね。
燎原くんは当然ですが文芸です。あやめは……同じ理由で去年に理系へ進んだけど、今でもなんもわからんそう。全然わからない、俺たちは雰囲気でゲームを作っている。
やっぱり燎原くんたちと一緒に授業が受けたいからと、たまちゃんは改めて文芸にすることにしたようです。……が、ここでも皆殺しのレビューこと百武照がその選び方でいいのかと忠告。
特に根拠もなくへーきへーきと応援するちゃらんぽらんの百武照は何処へ行ったのかと、あやめとたまちゃんに心配されていますね。
それでは偽物(本物)の百武照が退散した辺りで今回はここまで。次回は歌夜の知り合いの打ち上げに参加します、お楽しみに。
──照さんが出ていった直後、俺はせめて見送ろうかと荷物を纏めて席を立つ。
「りょーくん?」
「照さんを見送ってくる」
「わかった、行ってらっしゃい」
閉じられた出入口の扉のノブに手を伸ばすと、不意に廊下の方から、小さくも絞り出すような照さんの声が聞こえてきた。
「──羨ましい、なあぁ……」
「────」
その声はきっと、俺が今までで初めて聞いた、紛れもない照さんの本音だった。
一拍置いてガチャリと扉を開けると、驚いた様子でぶつからないように飛び退いた照さんと目があって、気まずそうに口角を歪めている。
「……えー、っと」
「見送ろうかと」
「あ、あはは~、そっかあ」
「行きましょうか」
「…………」
隣り合って廊下を歩くと、照さんは黙り込んだまま着いてくる。ずっとこのままかと思っていたら、数分経っておもむろに口を開く。
「──生きることは、全てがエゴだと私は思ってる。何かを消費し、過ちを犯し、誰かを傷つける。それでも誰かの為に行動し、誰かと一緒に人生を歩もうとする。
ああいう在り方が、きっと──私には恐ろしくて、妬ましいんだと思う」
「────」
「『先輩の出来ないことを一つ見つけました。他人を信じること』……誰の言葉だったかな。──明日死んでも……なんていつも言ってるけど、これだって、明後日の誰かが悲しむ顔は考えないようにするってことだからね」
自虐気味に薄く笑い、照さんは続ける。
「君たちはそんな『明後日の誰か』の傍に居てあげられる。その選択が出来る君たちが、最高につまらなくて、けれど最高に──」
「……羨ましい、ですか?」
「──不思議だなあ、りょーげんくんには、つい、醜い部分を晒せちゃうね」
ギギギッ、という錆びた音が聞こえてくるような、ぎこちない笑み。案外この百武照という人間は、『なんでもできる』という自称からは程遠い不器用な人なのだと、俺はようやく気づく。
その事を本人こそが誰よりもわかっているから、せめて部の後輩にはと──言ってしまえば、格好つけてるのだろう。それでもどこか照さんの価値観はおかしい。
俺に本音を語っているが、まだ本心は隠そうとしている。信頼されていないというよりは、
「──あっ、この話は、オフレコでお願い」
「……ええ。わかっていますよ、
人差し指を口許に当てて、俺は頷く。二人だけの秘密、などと思ってはみたが──これは中々どうして……甘美な響きである。ここまで考えてしまえば、確信せざるを得ない。
──俺はどうしようもなく、この怪しく掴み所の無い、道化気取りの女性に惚れている。
「あっ、照先輩、りょうくん」
「…………、おっと迷える子羊ガール。さっきぶりだね、どうしたの?」
「裕美音……なんだその荷物」
「ふふふふ、私は決心したんだよ……!」
廊下の奥からやって来た裕美音は、そう言いながら持っていたビニール袋を出す。
「『今期アニメに超可愛い鬼畜攻めの♂キャラがいるんですけど、背が小さいからたまちゃんならコスが出来ると思うんだ!』って、服も買ってきたから早速伝えようと思うの!!」
「わあ行動力」
「まさかとは思うが、さっきの悩み云々ってこれのことだったのか……?」
──あ、スカーフの色どっちがいい? などと聞いてくる裕美音の『いつもの』具合に安心と呆れが同時に訪れつつも、俺はちらりとスカーフを見ている照さんに視線を向ける。
「裕美音~っ」
「はっ……噂をすればたまちゃん」
「あのね、進路の件なんだけど、裕美音たちと一緒にお勉強したいし、一緒のクラスになれるかもだから……文系にしようかなって」
照れくさそうにそう言って、たまは笑みを浮かべる。そんなたまに、裕美音は吠えた。
「──なにその受けっぽい発言!? クラスが別でも放課後に『お待たせ、寂しがりなウサギちゃん。今日はどこから触ってやろうか……?』ってねっとりプレイ出来るでしょ!!?」
「しないよ!!?」
「こいつ強いな……」
「ゆみーねちゃん凄いねぇ」
この間まで小さい頃の些細なやり取りを長年気にしていた人間とは思えない言動に、俺と照さんは後方で眺めながら苦笑を浮かべていた。