STAGE 8-1
残り2Chapterなのにヒロインがヒロインらしくないゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は闇のメインヒロインに当て付けがごとく部をやらないか♂と誘われたところで終わりましたね。今回は部活PRから再開です。
なんやかんやでPVが完成したSNS部。
しかし疲れからか、不幸にも乃々が自分のファンとかち合ってしまう……。
という一幕があったのですが、乃々メイン回はカットするので詳しくは原作を以下略。
後々(乃々が原因の)大問題を引き起こすヒロインの一人こと鶴瀬まつりちゃんは、ちょっとというかかなりアレな子なので……まあこの話はその時になったら続けます。
その子に会いたくなかったからと甲冑の兜を被っていたが無駄になった池谷乃々さん(高等部に進学)にシフト交代の知らせをしに向かうと、なんかしれっとSNS部の方に来てるイラスト部所属のユミーネも会話に混ざってきます。
くだんのファン……まつりちゃんにポテンシャル♂を感じて妄想に励んでいるので部の活動はしてる? それは屁理屈と言うんですよ。
ともあれ燎原くんの鶏マスクとPVのインパクトで新入部員は見に来てくれます。
来てくれる──のですが、やはり学生の身で『うおおおゲーム作りてぇ!!』なんてなる子はまず居ないので、興味は持たれても部員になりたがる人はいません。
ネタバレですが、結局乃々が最終メンバーとしてSNS部は戦うことになりますからね。世は全てこともなし……ってコト!?
んにゃぴ……緩く活動したい人が部活をやるんだから、そりゃイラスト部に逸れるよねぇ……というユミーネのありがたいお言葉。
それはそれとして、イラスト部のテントだけなんかデカくない? マップを確認すると他のテント9つ分くらいあるんですけど!
まあ、これに関しては卒業した元生徒会書記の槍居智亜が残したコネですし仕方ない。などと嘆いていると、人影が現れます。
すわ新入生かと思っていると、それは紛れもなくヤツ──姉が生主にガチ恋してしまったせいで作中唯一のまともな人間という不名誉な称号を得た……はーちゃんでした。
──Iri§先生リスペクトのダサ……イカす男装をしていますね。
更には『イラスト部は星ノ辻のオタクの受け皿として盤石な地位を確立しつつある。SNS部は小規模制作が限界の弱小同好会としてイロモノ扱いされるのがオチ』とのこと。はぁ……はぁ……弱小同好会……? 正論はやめろよ……!*1
……とかなんとか言われていると、何故か決闘することになりました。なんかデジャヴを感じますね(STAGE 2-1参照)
突然の提案に理不尽も感じていたところ、いつぞやに生徒会に所属していた同級生のハーフこと清水マリカが乱入。助かりました。
──決闘は法律で禁止されているから駄目だけど、ゲリライベントとしては面白いから個人的な権限でイベントとして開催するとのこと。お前味方じゃないのかよ!(悲哀)
やめろー! 絵は人を笑顔にするためのものだ! 傷つける為にあるんじゃない!
それがわからない奴は……俺とイラストバトルで勝負しろ!*2
……はい、この戦いには私も参戦します。
急遽始まったライダーバト……ではなく、新作ゲームのビジュアルポスター風ラフを描く戦い。ここでの勝敗は、シンプルに『そのキャラクターのスキルレベルの合計』で決まります。
つまり、イラストなどを重点的に上げているたまちゃんやはーちゃんよりも、百武照攻略のために各スキルを均等に上げている燎原くんの方が有利ということなんですね。
んだらば三つ巴の決闘開始。2年1組のおじさま大好き獅子! 本田珠輝────! そしてもう一人は同じく2年1組、SNS部のメンタルセラピー担当! 怪人鶏マスクこと犬井燎原────!!
チャレンジャー・イラスト部のエース! 飯野水葉が相手になるぞ──!!
……はい。そんなこんなでゲーム制作部を掛けた戦いが始まりました。
別に複数あってもよくない? というたまちゃんと燎原くんの当然の疑問はありますが、実はわりと痛いところを突かれてます。
なぜなら最近のSNS部は新しいゲームを作っていないので、ぶっちゃけ新企画がパッとしなかったらわりとガチでゲーム制作部の派遣を規模も人員も多いイラスト部に持っていかれます。
SNS部からイラスト部に精鋭を集め、同人ゲームで一発当てて名を馳せるのだ──!! というのが、はーちゃんの目的なんですね。
はえーすっごい壮大……まあ上手くいくわけないんですけどね、初見さん。
──はいスタートォ! となったので描きましょう。30分は短いですが、先んじて計画を立てていたはーちゃんが有利すぎるのであちらには10分で描いて貰うから五分五分ですね。
では、ここで燎原くんのスキルレベルを確認しておきましょう。
以前『ちなみに均一化が条件ですが、公式にも良心があるのか3つの内1つだけ数字が上下にはみ出ていても照の攻略はできます』と書いた通り、例えば
そんな燎原くんのレベルは……?
【イラスト】がレベル3、【プログラミング】がレベル0、【シナリオ】がレベル2、【サウンド】がレベル3、【ボイス】がレベル1。
合計レベル9で、3つのスキルレベルが3/2/3と器用貧乏化しているので条件を満たせていますね。この先、百武照とのイベントで彼女の好感度を稼ぐことが出来るようになっております。
更に、【イラスト】のレベルが4だけど他がおざなりなたまちゃんや、Iri§先生ラブで【シナリオ】のレベルも高いとはいえ合計レベル9未満のはーちゃんに圧勝しているため、今回のイラストバトルは燎原くんの勝ちとなります。
なんかふわっとした感じのオタク受けしそうな映えるイラストを喰らえ──!*3
などといったところで今回はここまで。ではまた次回をお楽しみに。
──水葉のプレゼンに、VRアバターまで持ち出した池谷の裏切り。池谷への折檻はまた後日として、次の番が回ってきた俺は、スケッチブックを司会の裕美音と清水に見えるように広げる。
『では怪人鶏マスクさん!』
「清水、俺は犬井──」
『テーマと設定をどぞ!』
「無視か。────んん」
咳払いを一つに、俺は清水から周りに──マスク越しに──目線を移して続けた。
「テーマは──
望まずして怪物の姿となった少女が、人の心に触れて、元の姿を取り戻して行く物語。少女は他人への関心が無い冷たい人間だったが、怪物という扱いで迫害され、それでも人間に戻るために人と関わる内に、他人への関心を抱き人間として成長する……そんな話です」
次いでたまの番となったのだが、緊張しいで人からの注目が苦手なたまにとって、この手のプレゼンは致命的に相性が悪かった。
「わ、私は、えっと……主人公の女の子の『シング』、は……大人たちが忘れてしまった、『星』を追いかける……旅に、出ます。げ……ゲームの内容は…………先輩たちも時間が取れないと思うので、ミニゲーム……くらいの、規模で──」
だんだんと顔が下を向き、声も小さくなって行く。これ以上は無理だと判断して、ちらりと裕美音を見てそれとなく首を降る。意図が伝わったのか、企画を中断してもらおうとしたその時、おもむろに聞きなれた声の主がこの場に現れた。
「──本田さん。犬井さんも……なんだか滅茶苦茶な催しですね……」
「ぶ、部長さん……っ」
SNS部の部長が、──主に水葉と清水の──騒ぎを聞き付けてやって来ていた。
「ごめんなさい、部長さんたちの力がないとゲームは作れなくてっ……でも、今の小さい企画じゃ誰もっ、応援してくれない……」
「──犬井さん」
「俺たちは、『SNS部で』ゲームを作りたいってことですよ。イラスト部ではなく」
「…………。そうですか。大丈夫です、よく頑張りましたね本田さん」
とぼけたように、わざとらしく首をかしげると、すがり付くたまに優しく声をかけてから、部長は珍しく厳しい口調で水葉に言った。
「……飯野さん。インディーズゲーム投稿サイト……『storm』で一発当てる、それは大層な夢ですが、重要なことを見落としています」
「む、村上先輩……っ!?」
リュックから取り出したタブレットの画面を見せると、部長は続ける。
「これはstormの売上データです。
……例えば昨年リリースしたタイトル数は6700、このうちのトップ2000に入るには売上が約15万ドル必要となります──!」
「な、なんですって!?」
「つまり『一発当てる』というのは、英語力・制作力・運・政治力、その他色々の全てが求められる茨の道ということ!
そんな現実味のない人生設計、Iri§先生が知れば呆れて貴女を見放すことでしょう!」
──そんなにも安定しない将来が嫌ですか。とは、口が裂けても言えなかった。
部長の捲し立てる言葉を前に、言い返せない水葉は、三流悪役もかくやと言わんばかりの捨て台詞を吐いて逃げ去るのだった。
『飯野水葉、場外! よって勝者は好評だった怪人鶏マスク氏率いるSNS部の勝利──!!』
「ただの不戦勝じゃないかなこれ!?」
「勝ったからいいんじゃないか?」
「…………つ、疲れた……一生分喋ったような気がしてきました……」
よくわからないままよくわからない拍手喝采を受け取る俺とたま。
そして喋りすぎで息切れを起こした部長に、改まってたまが声をかけていた。
「あの、ありがとうございましたっ」
「いえ、自分の未来を守ったまでです」
「私も味方だよたまちゃん!」
「ありがとう裕美音……その紙なに?」
しれっと会話に混ざる裕美音は、その手に折り畳まれた紙を握っていた。
「いやー……実はSNS部の勝利に賭けてて」
「さあ大穴を掴んだ勝負師ドモ! 紙と景品を交換しチャイナYO!」
「最後まで凄い理不尽だ……」
げんなりとした様子で、多くない列を作る先で景品を渡す清水を見て、たまはそう呟く。
──それはそれとして、マスクを脱いだ俺もまた、ポケットから取り出した紙を手渡す。
「おうリョーゲンさん!」
「怪人鶏マスクに賭けてた犬井です」
「りょーくん!?」
「それアリなんだ」
「……ちゃっかりしてますね」
こうして俺は、あのような茶番に参加するリターンをしっかり貰ったのだった。すっかり不機嫌になっているたまは、景品のお菓子でどうにかするとしよう。世は全てこともなし。