後半戦はーじまーるよー。前回から引き続き合宿中のお話です。
暫く薄味な話が続いて編集も気が乗りませんが、次でとうとうラスボス──じゃなくてメインヒロインが初登場するので頑張りましょう。
時間は進んで夜、なんとか完成したプロットを印刷したコピーを渡されるので読み進めます。声に出さないで黙読しろと言われますが、身内に自作の小説を読まれてるようなもんなのでそりゃ恥ずかしいですよね、わかるよ……(マリア様)
制作中のノベルゲームの
詳しくは原作……読もう! ウチも、単行本1~9巻買ったんやからさ!(同調圧力先輩)
簡潔に言うとあやめ作のシナリオは『誰も遊ばなくなったゲームの登場人物』のお話で、トゥルーエンドに行くためにはデスクトップに現れるファイルをクリックする──というものとなっています。うわぁDDLCみたいだぁ(直球)
まあ『まるでウイルスみたいだぁ』と却下されますが。あとそのような技術力がSNS部には無いので実装できません。悲しいかな。
その後はあれやこれやとプロットの添削をしたり腐の女神ユミーネ様から『もっと男と男を絡めるとかさ!(アテム)』というありがたいお言葉を賜ったりしつつ、時間経過でイベントが進行。
歌夜の会話から発展して「お前さあやめさ、確か書きためてたストーリーあったよな」「なんで出す必要があるんですか」と空手部めいた会話になり、裕美音が例の
そう、みんなでお風呂です。しかし、スクショしようとしたノンケのホモには残念ですが、燎原くんの方を優先するため映るのは男湯です。
くそーなんてことだー! サービスシーンがおじゃんになってしまったーっ! こんなとき……燎原くんが女の子だったなら……!
(男じゃないと百武照攻略がかなり難しくなるので)駄目です。そんなに見たかったら原作買うかアニメを見ろ! 好評発売中!(ダイま)*1
その後は寝るだけなので、これにて合宿イベントも終了となります。部員たちはたまちゃんの部屋で雑魚寝しますが、当然ですが燎原くんが寝るのは居間です。今は好感度低いからね……ふふっ(シンボリルドルフの調子が上がった)*2
そんなわけで今回はここまで。
次回、ようやく物語が動きます。乞うご期待──って、なんで
──女性陣の風呂の長さを考えて一足先に一番風呂をいただいて暫く、俺とたま、歌夜さんは、関さんのプロットを読み進めていた。
やや独特な設定のストーリーを読んでいるが、関さんは恥ずかしがって黙読してくれと言っていた。とはいえ、俺も人に絵を見せるのが恥ずかしかった時期があるから分からなくはないが。
「なーんかすごいメタメタしかった」
「私はいいと思います……!」
「その評価は最後の方のおまけ程度のおじさま要素への評価だろう」
「私は男同士の絡みを加えて腐女子受けを狙うといいと思います……!」
「だからなんで君まで居るのさ!?」
当然のように混ざっている裕美音はともかくとして、俺たちは関さんのプロットの添削を進めて行く。それから少しして、歌夜さんがおもむろに関さんに質問を飛ばした。
「そういえば関さん、以前から話を書き進めてたってやつは?」
「えっ、ああ、今回は私らだけで作る初作品だし? あれはちょっと規模が大きいかなって……ほら、まずはこじんまりとさ」
「いい心がけね」
「──それってこれですか? えっと……『星屑のインテンツィオーネ』?」
「ストォォォップ!!」
関さんの荷物からこぼれていた本を拾い上げた裕美音が、なんとなしにタイトルを読み上げる。よりにもよって関さんが最も恐れていただろう内容だったこともあって、彼女は裕美音を止めようとするが──最悪なタイミングでたまのおばあ様が現れ、ぶつかった拍子に舞ったお茶が俺を頭から濡らした。
「あ、ごめ──」
「……関ぃ……」
「『さん』は!?」
「俺はこの状態で相手を敬えるほど器が大きい訳じゃない……」
「わああ待って待ってりょーくん、折角だし銭湯行こうよっ」
一度強めに言っておこうかと思ったが、たまに制止させられる。
数回の深呼吸で頭の熱を取り、それから俺たちは、着替えを手に銭湯へと向かった。
──湯船の中で足を伸ばし、深くため息をつく。俺が女だったらたまたちと一緒に仲良く会話でもできたのだろうが、性別の差は大きい。
……小学生の頃までは俺と一緒に入りたがっていたたまがおかしいだけだろう。
『百合……そういうのもアリかもな』
『ちょっと! なに掛け算してるんですかっ』
「……声デカいな」
こちらにまで聞こえてくる声に耳を傾けると、関さんと裕美音がなにやら会話をしていた。
『たまちゃんは攻めですよ! 男体化したら少し線が細い風で……ベッドでは常に上! みたいな~~~っ! あっでも誘い受けなのもいい』
『そういう見方のが不健全だろ!!』
『男体化は必要なのか……?』
「……公衆浴場だぞ……まったく」
湯船に首まで浸かりながら、俺はそう言ってまぶたを閉じ────おっと、寝そうになった。いかんいかん……そろそろ出るか。
──更に暫く経ち、裕美音が家に帰って数時間後。居間の一角をお借りして布団を敷いてから歯磨きを済ませた俺が戻ってくると、布団の真ん中辺りが盛り上がっている。
「…………ふんっ」
「────あっ」
布団をめくると中には、パジャマに着替えて髪を下ろしたたまが寝転がっていた。じっと顔を合わせて、思い出したようにたまは言う。
「に、にゃーん」
「随分と大きい猫だな」
「あっ、あーあーっ」
ひょいと持ち上げ、小脇に抱えてたまを部屋に持っていく。ピシャッと襖を開けて、ぎょっとした様子の先輩方を余所にベッドへ放る。
「……むーっ」
「高校生にもなって、男の布団に潜り込むんじゃない。いい加減恥じらいを覚えなさい」
「りょーくんなら良いんだもん」
「俺が良くない。おやすみ」
「……おやすみっ」
くしゃっと髪を撫でてから、踵を返して襖を閉める。たまになつかれているのは悪い気はない。悪い気はしないが、心臓には悪いのだ。
──そうして部屋に残った少女四人は、かしましく話し合う。
「……本田さんってさ、犬井さんちに泊まったりしてたの?」
「はい! そうですね……小学生までは休日に泊まり込んだりしてたし、中学時代も連休の時に遊びに行ってそのまま泊まったりしました」
「へぇ、本田ちゃん、犬井くんと一緒に寝たりするの抵抗ないんだ」
「? はい、いつも一緒のお布団で寝てましたよ?」
「うっ……善良な心が眩しいっ」
きょとんとした顔で答えると、他三人は眩しいものを見るようにまぶたを細めていた。
翌朝、俺にしがみつくように眠っているたまの頭を視界に納めて呆れるのは、別の話。