複雑な人間関係とプログラミングなゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は乃々が炎上したところで終わり……じゃなくて部長に逃げられたところで終わりましたね。今回は翌日から再開です。
色々とあって絵を描くことに不安がある部長は、逃げてしまったあとにたまちゃんから『プログラミングでわからないところがある』という旨のメールを受けたわけですね。
あの場で追いかけて謝罪をしたら逆効果になるだろうと判断したのでしょう。
成長したな、珠輝。幼い頃のお前はただ泣くことしか出来なかった。*1
そんなわけで翌日、我々は部長とたまちゃんのおデートの尾行をしていたのだ。
メンバーは燎原くん、あやめ、歌夜の三人です。三人は……どういう集まりなんだっけ?
……と、喫茶店に入ったので追いましょう。三人には会話しか聞こえていませんが、イベントのアングルで我々は二人が何をしているかを事細かに把握することができます。
たまちゃんは照から借りてるパソコンでプログラミングを学びつつゲームの制作を進めているらしく、現在は迷路を組んでいました。
ですが『ただ迷路をクリアして終わり!』にはしたくないようで、アイデアを纏めてきたご様子。成長したな、珠輝(二回目)
1.スコアになるアイテムを置きたい。
2.プレイヤーを追いかける敵。
3.マップが毎回変わる。
内容は大きく分けてこの3つ、1はアニメ表示させる機能で解決。しかし問題はここから。
2の『プレイヤーを追いかける敵』は迷路を進んできて
3の『マップが毎回変わる』……というのも、いわゆる不思議のダンジョン的なのをイメージしているのでしょう。ですがそれもダンジョン生成AIが必要になり、自分でやる場合は部屋の配置、敵の配置、アルゴリズム、そもそもランダムに出来た迷路は通行できるか? などを考えなくてはならない障害があります。
たまちゃん……貴女もしかしてプログラミングを魔法か何かと勘違いしてらっしゃる? というツッコミはさておき、始めるときは小さい目標からにした方がいいと部長も指摘。完璧よりまず完成ってやつですね! グオオオオオ!*2
そうして指摘する部長ですが、そこであることに気づきます。そう──『自分が母に言われた事を言ってる』ということに。
本作ではカットした村上家親子喧嘩の奴ですね。泣きを見るから自分の力量を見極めるべきとか、間違えてほしくないとか。
自分はそれに反発したのに今こうして同じ事を言おうとしていると悩む部長に、たまちゃんも自分のしたことはワガママだったと、店を飛び出していきました。勘定は……おめぇの出番だぞ、燎原くん!(サイヤ人)
などといったところで短いですが今回はここまで。……Chapter9まで見に来たホモの皆さんには、このゲームの実況が無い理由がもうお分かりでしょう。
そう、原作の時点でキャラが濃すぎてオリ主くんの介入の余地がほとんど無いんですよね。あと単純に攻略キャラによってはやらないといけないChapterが長い。
いったい何時になったら百武照の攻略が出来るのか!? ではまた次回をお楽しみに。
──たまが荷物を抱えて出ていくのを見送って、俺たちは部長の元に向かう。
「いやー難しい」
「難しいなあ」
「難しいですね」
「来ていたんですか……」
まさか俺まで付いてきているとは想定してなかったのか、信じられないものを見る顔で俺たち三人を交互に見る部長。その背後の窓の外では、ポツポツと雨が降り始める。
「難しいねえ、キリンの首のように高望みする難しさ!」
「その成長に失敗した野菜みたいなウネウネの化物がキリン……?」
「うるへー!」
なぜこうも絵心の無い人に限ってここまで自信満々になれるのか──という話の是非はおいておくとして、一言謝罪しつつ相席する。
すると、おもむろに部長が取り出した携帯にたまのメールが届いていた。
部長の視線で
『突然逃げちゃってごめんなさい。部長さんを困らせるつもりはなかったんです。
部長さんが楽しんでお絵かきすることが難しいのであれば、無理に頼むつもりは無いんです。
こう書くとまるで失望しているみたいで、昨日は伝えるのをためらっちゃったんですが、部長さんが絵を描くか描かないか、改めて決めてほしいと思っています。
本当は直接聞きたかったんですが、あのままだと泣き落としっぽく言ってしまいそうで、こんな聞き方になってしまいました』
……こうしてみると、たまも色々と考えるようになったのだな。それもそうか、体型がああだからとはいえいつまでも子供という訳でもない。ふう、とため息をついてから、部長は呟いた。
「諦める……というのは、卑怯なことでしょうか。『こっちを選んだ方が楽だから』って、難しい道を避けて、失敗しないように、って」
「月並みな言い方になりますが、時と場合によりますよ。部長はたまに自分が言われたことを言おうとして悩んでいましたが、それは相手を慮った結果です」
「……なぜそれを」
「勘です。で、ですね。貴女はきっと、それは諦め『させる』事になるのではと思った。だから一瞬悩んだ。結局のところ、諦めるのが卑怯なら、諦めさせるのも卑怯になるでしょう」
俺の言葉に、部長は顔をうつむかせる。
「とはいえ……所詮は限界がありますからね。諦めながら生きるしかないんでしょう。ここまではやれないと折り合いをつけて、やりたくても仕方ないとして。
それでも、俺はたまが『仕方ない、諦めよう』で終わらせる人間ではないことも知っている」
「……犬井さん」
「結論付けるには、まだ早いですよ。部長」
──なぜなら、たまは当然として、ここまで相手のために悩める部長もまた、内気なわりには諦めが悪いだろうから。
「そうだぞしー。とりあえず、今回は甘いもん食って英気を養っとこうぜ?」
「今なら燎原くんが奢ってくれるよ」
「いや奢らな…………まあいいか。たまを食い逃げ犯にするわけにもいくまい」
テーブルの端に置かれた伝票を取った俺の行動を見て、関さんと歌夜はメニュー表を広げる。その光景を前に、小さく笑みを浮かべる部長を一瞥して、俺は『仕方ない』と苦笑するのだった。
「それにしても、あいつ傘持ってきてたか?」
「あの時から、たまたまちゃんは『まほう』が使える子なんだな~って思ってたんだよね」
「まほう……?」
「そう。一言で言えば──とっても諦めが悪い」
雨に気がつき、珠輝の分の傘を持ってきていた照は、帰路を歩きながら会話を交わし、振り返った先で図星を突かれたような表情の珠輝を見る。燎原がそんな会話に気づくことは、ない。