LAST STAGE 10-1
ファイナルラスト最終章なゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は部長編が完結したところで終わりましたね。今回は自宅から再開です。
本日は、何故か、家に関あやめがいます。
先日、色々とあって燎原くんの家にたまちゃんと照が泊まり込んでいるのが楽しそうだとあやめがごねた結果、なんかあやめとたまちゃんが泊まる先を入れ換えることになりましたとさ。
──家主を差し置いて交渉を完了させているっていうのは、どゆことぉ!?(ヒゲクマ)
……ままええわ、なんか家事とかやってくれるっぽいのはありがたいので。というかあやめは前にも泊まりに来たことあるでしょ。*1
ちなみに燎原くんもたまちゃんと一緒に関家に行きますが、あやめに照の相手をさせるには力不足なので途中で帰りましょう。
そんなわけで関家へ、いざぁ……♂すると、どうやら大掃除の真っ只中だった様子。
娘の突拍子の無い行動も受け入れる関母の懐の広さを見つつ、中学に上がった春馬くんの心配もしておきましょうか。彼は
掃除を手伝ったり信人くんの宿題を見てあげたりゲームに付き合ったりと時間を潰し、ついでにたまちゃんと信人くんの操作キャラを叩きのめしておきます。オラァ崖下にメテオ!*2
いや……だって手加減する方が失礼だし……。と言い訳していいわけ? 状態になったので、違うゲームしますか。オラァ青甲羅!
──はい。あんまりいじめるのもアレなので、信人くんが疲れて寝付くまで程々にします。その後は晩御飯の準備の手伝いを名乗り出て、たまちゃんには春馬くんの看病をさせましょう。想い人に看病なんてされたらいよいよ昇天するかもしれませんが、なあに却って免疫が付く。
……と、当番表を見るに今日の担当はあやめだったようですね。あいつ面倒くさがって逃げてきましたね間違いない……(名推理)
んだらばサクッと料理を済ませ、食卓を囲みましょうか。飯作ったら帰ろうと思ったのに『手伝わせてポイは罪悪感ある(意訳)』と引き留められたので仕方ないね。
それから関父のコップにビールを注いだりして楽しく食事を進めていると、関母が燎原くんとたまちゃんにあやめの話を振ってきました。
彼女は今でも物語を書くときはナイーブらしく、文芸部だった頃ですら話を考えるのが恥ずかしかったようで。
しかしいつからか、突如として†お話をバリバリ書ける別人格†を心に飼うようになったのだとか。それがIri§先生オリジンですね。
などといったところで、我々にも甚大な精神ダメージが及ぶ過去を暴露してもらった辺りで今回はここまで。次回をお楽しみに。
あやめが照の闇に呑まれていないか心配なのでそろそろ帰り──うおおっ飯が旨い! あやめのお母さんおかわりください!*3
──暗い夜道を歩き、関さんの家から自宅へ向かう。もっと早くに帰る予定だったのだが、料理を作らせて帰らせるのはどうかという関さんの母のご厚意を無下にすることは出来なかった。
たまが迷惑を掛けないか些か心配ではあるが、それはそれとして、俺の家でも何か起きていないかと心配なのだ。
「──ただいま」
「お、お帰り~りょーげんくん」
「照さん。……関さんは」
「お風呂だよー。私はもう済ませた」
「さいで──なにかあったんですか?」
ちょうど鍵を開けた先の玄関で鉢合わせた照さんは、どことなく
「やっぱ鋭いなぁりょーげんくん。いやあ、まあ、あやちーとちょっとね」
「関さんに変な質問でもされまさたか」
「ん、大学辞めた理由とかが気になったらしくてね。でも私も猫を被りたい時があるし、それはあやちーが部室でやってるのと似たようなもんだから、お互い詮索は無しね~って感じで穏便に終わったから安心してよ」
「そうでしたか」
「……まさか私とあやちーが殴り合いの喧嘩でもするとか思った?」
「貴女がそれをやっても負ける側でしょう」
おおよそフィジカルに優れているわけでもないだろう照さんが物理的に戦っても、勝てるのはおそらく部長と乃々辺りにだろう。
玄関先での会話を切り上げて、足元にすり寄ってきたみたらしを抱き上げて居間に向かう。すると、テーブルの前に、珍しく自室から出てきている親父の顔を見つけた。
「親父、仕事に一区切りでもついたのか」
「ああ。ようやく文章に悩んでいた部分が煮詰まってね、景気付けにこのまま酒の力でも借りようかと思った次第だ、アッハッハッハ」
「わあ凄い。良かったらお酌しますよっ」
「いいのかい? いやあ悪いね」
よく見れば既に半分空いている酒瓶を片手に、ほぼほぼ出来上がっている親父。
照さんはそれを見て、瓶を受け取り中身をコップに傾けている。
「おっとっとっとっとっと」
「まあまあまあまあまあ」
「それを言うの逆だと思うが」
どぼどぼと注ぐ照さんとコップを掴む親父が、冗談か真剣かわかりづらいギャグを披露し、俺もまた向かいに座った。
頬杖をついて照さんを見れば、どうやら心底
あまり聞かないようにしていたが、おそらく彼女は、親との仲が良くないのだろう。
親父を通して『親子らしさ』を得ようとしているのだと気付き、しかして俺は、それを指摘するのは不味いのではと悟る。
母譲りの観察眼が警鐘を鳴らしているのならば、それには従った方がいい。
──俺は、この百武照という女性の危うさを再認識して、そのまま何事もなかったことにして一夜を明かすのだった。
翌日も特に何か起こるわけでもなく、俺と関さんは照さんに見送られながら外へ出る。
「関さん、昨日何かありましたか」
「あ~~……ちょっと色々聞き出そうとして失敗した感じだな」
「さいですか」
暫く歩いて通学路の生徒らに合流するついでにそう問いかけると、関さんは言葉を返す。
照さんの証言とは食い違っていないことから、お互いに禍根が残るような喧嘩などはしていないということかと安心する。
「照さんは自身の行いを良いものとは思ってませんから、問い詰めるよりは会話の中でさらっと聞く方が話してくれるかもしれませんよ」
「マジか……今度そうし……ようと思ったけど流石にやめた方がいいか」
「懸命ですね」
仏の顔もなんとやら。であるならば、仏ではないと自覚している者の顔は何度までなのか。
などと会話を交わしていると、関さんの家の方角から、昨日以来のたまが現れる。
「おっ、おはよーたまちゃん」
「あやめ先輩、りょーくんもおはよっ」
「おはよう。あれからどうだった」
「楽しかったよ? そっちも、あやめ先輩は?」
「私も楽しかったぜ、犬井の親父さんも混ざって四人でゲームとかしたし」
三人で並んで通学路を歩くと、それからたまは、ふと思い出したように口を開いた。
「そういえばおばさんからも色々と聞きましたよ、Iri§先生誕生秘話とか。あやめ先輩も制作で悩むことがあるんだなって安心し」
「ミ゜ッ」
「……あ」
──バタンと、関さんは唐突に倒れる。
「えっ!?」
「『関あやめは自分の中で最も恥部となる創作の礎が後輩に知られたこと、そして実母にバレていたにも関わらず気づかぬ振りをされていた優しさを悟り、恥ずかしさのあまり──死んだ』」
「あやめ先輩──っ!?」
「関さん? 関……し、死んでる……自分でモノローグを語りながら……」
黒歴史が確定した事実を前に、死んだ方がマシとまで考えた関さん。彼女を引き摺って学校に到着したのは、今から30分後のお話。