【完結】ステラのまほう/百武照攻略実況   作:兼六園

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LAST STAGE 10-5

 本シリーズ最後の同人ゲーム制作が終わるゲームの実況プレイはーじまーるよー。

 

 前回は祟りが起きたところで終わりましたね、今回は部室から再開です。

 生徒会がカチコミ(ではない)してきたあれから数日、〆切まで残り1日になったところに部室棟の清掃を終わらせたマリカがやって来ます。

 

 進捗の方は、一応はコミックマーケット前日まで作業すれば十分間に合うようにしているそうですが、どうやら今回は光沢紙の見栄えのいいジャケットを注文したいようで、焼く用のデータと一緒に入稿して15%OFFを狙うみたいですね。

 

 それからマリカにすっかり悪霊扱いされているあやめが彼女にコントローラーを渡し、テストプレイをさせますが……ただ遊ばせるだけで終わるわけないだろ! 

 

 バグが起きないか逐一チェックしながら遊んでもらい、あとついでに途中で挟まるシナリオの校正もさせます。あわよくばタダでゲームを……とでも思っていたのか、マリカはげんなりしながらパソコンに向き合いました。では夜まで倍速。

 

 

 

 ──夜、今日が部室棟を使う最終日だからと様子を見に来た会長が、差し入れとして食事と飲み物を買ってきてくれていました。

 更には必要なものがあれば近所のスーパーに行ってくるとまで言い、SNS部メンバー全員が献身的な会長に『なんでそこまでしてくれるの……こわ……』と恐怖を覚えています。

 

 まあわからなくもない。

 

 とはいっても、生徒会の役目は生徒の活動のサポート。協力をすることに細かい理由は要りません。この作品にしては珍しく人間性がマトモなキャラですが、登場が遅いのが難点ですね。

 

 それから会長は、見張りも兼ねて椅子を借りると、そのまま持ってきたゲームを始めました。なんでも我々SNS部の活動を理解するためにと、とりあえず有名処の同人ゲームをここ一週間ほど片っ端からプレイしまくってるのだとか。

 

 燎原くんたちが『凄いけど逆に怖い』となるのも、まあわからなくもない(2度目)。

 

 ……と、たまちゃんが何故ここまで親切なのかと問いかけます。生徒会はSNS部──というよりかつて部活を荒らし回った照さんを目の敵にしてるのでは? という疑問があるからですね。

 

 会長曰く、『部室の広さは人数と合ってないけど申し訳ないが個人の感想や偏見で決めるのはNG』とのこと。その後少しして完成したゲームをいざ入稿……しようとした辺りで、会長がうちのゲームを遊んでみたいと提案してきました。

 

 超真面目にシナリオを読み込んでいる姿を見て、たまちゃんは心臓がドキドキ。

 しかし『パズルを解くごとにシナリオが進む辺りがヘルテイカーみたい』というド直球のデッドボールを食らいます。やめろ──!(飛電)

 どうしてわかってくれないんだ! 同人ゲームは別の人気ゲームに似ちゃうんだよ! 

 

 

 それはそれとしてカチカチとゲームを進めて行く会長でしたが……ここでたまちゃんの解説を受けながら操作をしていたところ、『そういうの、ゲームの中で説明するものなんじゃないの?』という2発目のデッドボール。

 

 一応、ゲームと一緒に文章ファイルを入れてはいるものの、まあそういうの読む人そんないないよね……というわけで、部長に代わりプログラムを担当しているたまちゃんは悩みます。

 

 それでは『今から余裕で作れちゃいますよ!』とたまちゃんが啖呵を切った辺りで今回はここまで、次回をお楽しみに。

 

 

 

 

 

 ──素直に難しいと言えばいいのに出来ると言ってしまったがゆえに苦しんでいるたまを尻目に、俺と清水は会長のプレイに解説を挟んでいた。子供でもクリアできるようにとあまり難しくしないように調整されているとはいえ、会長がパズルを解く速度はかなり早い。

 

「あ、ちょっとおテアラい行ってきま~」

「ん」

「電気は消すんだぞ」

「ういうい~」

 

 パタパタと部屋を出ていった清水に代わって、俺は会長の疑問に適宜答えて行く。

 

「……ここはどういういみ?」

「これは……ああ、ネットスラングですね。──という意味です」

「なるほど」

「しかし、解くのが早いのは冥利に尽きると言えばいいのやら。清水は苦戦していましたが」

「あの子がなにも考えずにそうさしてるだけ」

 

 そう言いながらまた1面クリアし、シナリオを読み込む会長。それからふと、ちらりとたまの方を見てから俺に質問してきた。

 

「あの子はなにをあせってるの?」

「今日中に帰らないと親父さんが赴任先に帰ってしまうそうで」

「……そうだったの。変な提案をして、こまらせてしまったかしら」

「まあ、会長殿に言われて、俺もさきほどようやくチュートリアルステージの存在を思い付いた側でしたからね。入稿前にその辺りの調整が出来たのは僥倖でしたよ」

 

 パソコンに向かってむぎゃお──!? ともがいているたまの奇行からは目を逸らしつつ言葉を返す。それから俺自身あまりやることがなくて暇になってきた頃、お手洗いから戻ってきた清水を連れて、不意に乃々が提案をして来た。

 

「りょー先輩っ、こちらのブロンド髪先輩と一緒に三人でコラボ配信しませんか?」

「やだ」

「即答!?」

「えー、いーじゃんリョーゲンさん。なんかタノしそーだしやりましょーよう」

 

 清水は乗り気なようだが、俺はやる気はない。だが──コミマで売る予定のゲームの宣伝が目的と言うのであれば、吝かではないか。

 

「わかった、いいだろう、ただし念のために俺は顔を隠すぞ。……そも、男がお前の配信に混ざったら余計な誤解を与えそうなものだが」

「──あっ」

「まあ問題あるまい。もう既にお前の株はストップ安だ、これ以上は下がらん」

「まあまあ酷いことを言われてるのにやらかした数が数だから否定できない……」

 

 苦い表情をしながらも、乃々はてきぱきと配信の準備を始める。その横で、俺はいつぞや振りの鶏マスクを被って顔を隠した。

 

 

「ほほろ~! 恋詩露咲るるなです~! 今日はゲストの二人と一緒に新作の紹介をしま~す」

「へっ!? あ、ど、ドウモ……へ、へへ」

「イラスト担当の猟犬です」

 

 二人の横で挨拶をし、乃々たちのゲームプレイと解説の邪魔にならないように、声を挟むのは最低限に控えつつ後方で腕を組む。

 

 その後、『声ひっく』『威圧感やば』『鶏なのに名前犬なんだ……』『鶏マスクマンの後方腕組みの""圧""のせいで解説が頭に入らない』などのコメントで、俺が『猟犬先生』と呼ばれ妙な人気を博していたことを知ったのは、このあと巻き起こったゴタゴタを解決したあとにアーカイブを覗いた時だったが……それはまた別の話。

 

 

 

 

 

 ──宣伝を兼ねたステージの一部をなんとかクリアした清水がダウンし、配信も終盤へ。

 

「『BGMがすてき』? ありがと~、そう! 今回も短めですが歌録ったんですよ~! Singnaさんが後日アップしますので────はい、それではまたそのうち~、ほほろ~!」

 

 乃々がそう締め括ると、チュートリアルステージの実装を大急ぎで終わらせたたまが、後ろの方からカメラに入り込みながら声を荒らげた。

 

「ほ、ほほろ~~~!! 頑張ったので!! コミマ! 来て下さ~~~い!! ほっ、ほろろ、ろろっ、ろ~~~!?!?」

「たま、もう休め……」

 

 今なら飛べそうなほどに腕を振るたまを窘める裏で、乃々は苦笑を溢しながら配信を切る。制作も無事……ではないが終わり、部室棟の鍵を閉めた会長を最後に全員が外に出る。

 

 いっそ清々しいほどに、恨めしいほどに、夜空は爛々と輝いていた。

 

「はぁ……今回もみなさんに支えられっぱなしでした、私は帰ってパパ充を──」

「あー、それなんだけどさたまちゃん」

「はい?」

「たまちゃん()の方、もう終電終わってない? 今、確か23時過ぎてるし」

「────、────。あ゛」

 

 関さんにそう言われると、ぴしりと固まり、それからたまは口からズモモモ……と煙を吐きながら意気消沈して膝をついた。

 

「わ、わたっ、私は……私は……いったい……なんのために……」

「ああっ、悪霊がついに正体を──!?」

「それは退散しないであげて!!」

 

 会長を羽交い締めにする清水を余所に、俺はそっと、たまを担ぎ上げるのだった。

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