ファイナルコミックマーケットなゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は最後のゲームが完成したところで終わりましたね。今回はコミマ当日から再開です。
イベント当日、歌夜のサークルと一緒にゲームを販売しているSNS部……しかし不幸からか、商品を出せない状況に追突してしまう。
割引狙いで行ったデザインとゲームの納品をした前回のアレが、どうやらジャケットと印刷物とCDが別々に納品されていたらしく、忙しさで2重チェック出来ないまま当日を迎えてしまったようですね。現在急いで組み立て中です。
そこにちょうどやって来た照さんと部長ですが……挨拶回りに行きたい歌夜が部長に売り子を頼んで行ってしまいました。同じバイトで磨いた接客術があるしへーきへーき! とか言ってましたがそこはカットされてる話ですね。
仕方ねぇ俺がちょっとだけホモになるわ……ではなく売り子に協力するわ。
照さんにもCDジャケットに印刷したイラストを挿し込みCDを入れる作業を手伝ってもらいつつ、ウサ耳部長と鶏マスク燎原くんのタッグで列を捌きます。……いやちょっと客多いな。*1
はいうちの新作は300円~
──はい、所々を切り抜いたけどもうお分かりでしょう。ここは地獄です。
まるで栄養ドリンクとトマトを買いに来るわにゃのアレを難しくしたような接客を味わいつつも数分、後ろで必死こいてCDとケースとイラストを合体させていたたまちゃん乃々照さんの死体(死んでない)を尻目に、なんとか列を捌ききれました。コミュ力パワーを使い果たした部長と乃々に売り子を交代させ、休憩してもらいましょう。
そのうちしれっと姿を消す照を余所に、ちまちまと新作のストックを作っていると、サークルスペースの前をコスプレしているロリが歩いていました。プリキュ……ゆめピュアの変身ヒロインのコスプレをしていましたが、なんかどこかで見たことある顔をしています。
手を引かれて歩いていたロリの隣に居たのは、最初のコミマイベントの頃からの付き合いであるスケブを頼んできたあの方でした。──そう、何を隠そうあの女性は子持ちだったのです。
言うなれば年に2度の付き合いの友人とも言える彼女もこちらに気付き、新作と新譜をお買い上げ。娘さんは怪人鶏マスクマンを見てすげぇ顔をしています。そりゃそんな顔するよね。
今日は娘連れなのもあって直帰しないといけないのでスケブは無しですが、差し入れと手紙を頂けました。なんか……あったかい……!
などといったところで短いですが今回はここまで。順調に進めば残り4part、照攻略自体はあと2partですかね、では次回をお楽しみに。
──暇な時間ができ、俺がマスクの嘴部分にストローをねじ込みスポーツドリンクを呷る横で、たまは部長と会話を交わしていた。
「素敵なお手紙を貰えてよかったですね」
「はい、とても! やっぱり即売会って大変だけど楽しいですね。今日は椎奈先輩も来てくれたし、素敵な手紙も貰えたしっ」
ウキウキ、と擬音が湧いていそうなたまは、けれども今回でこの思いでも最後になると感じうつ向く。部長はそれを見て口を開いた。
「あのっ、本田さん」
「椎奈先輩?」
「あ、あの……いつか……その」
「?」
「部長」
──いつか。
彼女が言いたかったことはわかる。そして言い淀む理由も、わかる。無責任なことは言いたくないのだ。いつかとはいつだ、と、おそらく自問自答して部長は黙った。
口ごもる部長に対し小首をかしげるたまの横から顔を覗かせて、俺は言う。
「部長、またいつか、ゲームを作りませんか」
「──それは、えっと」
「別にいいじゃないですか。言うだけならタダですよ、俺はまた、卒業しても、いつかのどこかで、皆でゲームを作りたい」
「はいっ! 私も作りたいです、椎奈先輩!」
「…………っ」
俺に賛同して部長を見るたまは、その瞳は、キラキラと輝いていて。
彼女にはきっと眩しすぎる。だけど、それでも──これで終わりにはしたくないと、部長だって思ってくれているかもしれない。
その期待に応えるように、部長は、いつもの暗い表情を僅かに緩めて言葉を返した。
「……そうですね、いつかのどこかで、またゲームを……作りましょう」
部長がそう言い終えると、その直後に荷物を抱えた歌夜が戻ってくる。
「お待たせ~! 結構話し込んじゃった」
「随分と大荷物だな」
「いやーお陰さまで私もそこそこ名が知れ渡ってるみたいでさぁ~」
「贅沢な悩みですね……」
「この前公開していたゲームのOPも再生数伸びていましたしね」
あっはっはー、と笑う歌夜が荷物を仕舞いつつ、ちらりとスペースに置かれた商品の売れ行きに機嫌を良さそうに言葉を続ける。
「おっ、私の新譜完売してるじゃん」
「ああ。こっちもそこそこ売れている。……どういうわけか想定より多いのだが」
「へえ?」
歌夜が呟くと、早速と客が足を運んでくる。しかし客の女性は、携帯と
「あ、あの! このあいだ宣伝の配信に出てた猟犬先生ですよね!?」
「…………ええまあはい」
「やっぱり! SNSのアカウントフォローしてますっ! 新作一部ください!」
「…………300円です」
──そう、あの配信に居た俺を目当てに一目見に来る客が、ついでとはいえ買ってくれていたのだ。逆じゃないかとは思うが、売れてるならまあ、いい……のかもしれない。
「りょーくんモテモテだね」
「いやりょー先輩が配信主の私より人気っておかしくないですか!?!?」
──人知れず現場を離れて帰路を歩く照は、燎原たちの即売会に参加し、裏で歌夜とも話し、僅かな満足感と共に思考する。
「うーん活気があってよかったなあ、ふよんちゃんとも話せたし」
喧騒に掻き消される声が、軽やかさとは裏腹に、どうしようもなくおぞましく。
「もう、いいかなっ」
あっけらかんとした声色は、誰にも聞かれることなく、姿と共に会場から消え去った。