プロット『英梨々が詩羽に相談をする』
プロット『GWの過し方』
サブプロット『倫也と英梨々デート①』
※※※
学校生活もだいぶ慣れてきた四月の中旬。とても暖かい春らしい日だった。
昼休み。英梨々と詩羽が屋上でランチを食べながら相談している。
「長かったわ・・・(じみじみ)」
「どうしたのよ詩羽?」
「あら、あなたフルネームで呼ばなくなったのかしら?」
「いちいちめんどくさいのよ、テンションあげなきゃならないし・・・」
「まぁ問題ないわね。ところで、やっと普通のプロットが来たわよ」
「ついに倫也とあたしのデートイベントね!」
「ええ、ここでしっかりアピールして主役の座を守るわよ」
「で、どんな感じにするの?」
「まず、GW中の加藤さんは北海道に家族旅行中。すなわちこのGWは澤村さんの独壇場なのよ」
「ほうほう・・・」
「わかっているのかしら?」
「わかってるわよ」
「ここで物語の2人の関係性を決定づけていきたいわ。まず暇な倫理君には目的をもってもらいましょう」
「目的?」
「本来はゲーム制作のための企画に悩んでいるのよ、悩んでいるだけで何もしていなかったけれど・・・」
「ゲーム企画がないから本当に暇だということね?」
「そういうことになるわね。そこで、あなたのマンガを手伝ってもらいなさいよ」
「ああ、それは原作にもあったわね」
「ええ、なんなら通常の少女漫画でも応募して、そして漫画家デビューして、倫理君をアシスタントにしてしまえばいいわ」
「なんかどっかで聞いた展開よね・・・」
「いいのよ、それで。そして応募作品のための取材を名目に、GW中にデートをしなさいよ」
詩羽がデートの口実を用意した。英梨々は詩羽に頼りきりになる。
「わかったわ。で、どんなデートがいいかしら?」
「少しは自分で考えなさいよ・・・って言いたいところだけど、無難なレトロイベントを消化していくのが王道ね」
「映画とか?」
「映画は私が原作でしているから却下ね」
「そこでまた私情をはさむわけ?」
「・・・映画イベントってね、映画鑑賞中のことはあんまり描写されないじゃない?あとの感想を言うぐらいなのよ」
「それのどこがいけないの?」
「喫茶店で会話するなら、話題は限定されてないほうがいいのよ。むしろ、お店自体に話題がある方が話を発展しやすいわね」
「新しいお店にいくってことね?」
「そうね、元町のおしゃれなケーキ屋とかね」
「なんとなくわかってきた」
「そうなのよ、結局ね、盛り上げるためのツールがデートの内容であって、究極的には部屋で2人が過ごす描写が恋人っぽくなっていれば、もはやデートイベントは必要ないわ・・・」
「そういえば、あの2人はこの作中でデートしてないのに恋人ぽかったわね・・・」
「あなたも倫理君と2人で部屋で過ごす様子が原作でも描写されているのよね」
「ゲームしていたわ」
「そう。英梨々の理想とする恋人との過ごし方はインドアなのよ。ゆえに読者から見ると変化がなく物足りなく思える。言い方を替えるなら、英梨々が倫理君と2人でまったりとした時間を過ごしているのを、『ああ、幸せそうで良かったな』と思ってもらえたら成功なのだけど、見ようによっては手抜きなのよね」
「うーん。だから外でデートするわけね?」
「そういうわけで、第一弾はボートね」
「また、ずいぶんとレトロね?」
「人類史とともに歩んできたデートイベントはそれなりの意味があるのよ」
「そんなに長いの!?」
「注意点は水に落ちないことね」
「余計なアクシデントは起こさずに無難にこなすってこと?」
「普通に楽しめばいいのよ」
「わかった」
「あとは倫理君と相談しておくわ」
「・・・」
「心配しないでいいわよ。あなたを裏切るようなことはしないから」
「うん」
「いい?英梨々と倫理君でデートを重ねて恋人になっていくのよ。『付き合っている』事実なんてなんの免罪符にもならないじゃない?」
「やっぱりあたし自身に魅力がないといけないってことよね?」
「そうね、あなたが魅力を出して、しっかり英梨々ルートに行くのが・・・」
「なに?」
「いえ、なんでもないわ・・・とにかく、しばらく英梨々のターンが続くわよ」
「わかった。それでもあたしが恵の魅力に勝てなかったらどうなるの?」
「その発想がタイトルそのものよね・・・」
「あっ、負け犬ヒロインか・・・」
(つづく)