プロット『倫也と英梨々デート①(ボート)』
※※※
「倫也~!ボート乗りにいくわよ!」
「まて・・・英梨々。まったくわけがわからん」
「何がよ?」
「まずはこの状況がわからん」
「いいじゃない?ボートを乗りにでかけるんだから」
「・・・どうしてそう、イベントをこなすことばかり考える?」
「だって、そういうプロットでしょ?」
「目的と手段がごっちゃになってないか?」
「どういうことよ?」
「目的はなんだ?」
「ボートに乗ることでしょ?」
「じゃあ、手段は?」
「電車で移動する?」
「・・・いいか、ボートに乗るのが手段。目的は2人の関係性を深めることだろ?」
「はぁ?なんでそんな理屈っぽいのよ」
「じゃあ、お前は誰かまわずボートデートするのか?しないだろ?」
「するわけないじゃない」
「俺とボートを乗りたい理由はなんだ?」
「・・・す・・・す・・・二度も言わせないでよ!」
英梨々が俯いて顔が赤くなる。
「その反応は正しい・・・」
「なんでそんな上目線なのよ?」
「お前の女子力というか、恋愛力というか・・・コミュニケーション能力が不足しているからじゃないか?」
「コミュ障で悪かったわね」
「まぁ落ち着け。まずはナレーションさんにお任せしよう・・・」
※※※
四月が過ぎ、倫也と英梨々は2人で過ごす時間が徐々にではあるが増えてきていた。英梨々の同人活動を手伝ったことがきっかけで、漫画制作の話題なども増え、今までの深夜アニメやゲームの感想などとは少し違った会話も多い。
詩羽の助言を頼りに英梨々は商業誌への漫画投稿を考えていること倫也に伝えると、倫也は少女漫画雑誌を買い集め、作品傾向と英梨々の作風にあったものがどこかを調べはじめる。登下校中の話題が応募する漫画の内容になったのが四月の終わりごろで、その熱を帯びたままGWに突入していた。
「っと、まぁこんな感じでどうだ?」
「そうだったのかぁ・・・」
「別に18禁同人誌制作でもいいけどな。腐女子である英梨々よりも幾分か明るめな設定になってしまうし」
「それはどうしてなの?」
「基本的に退廃的な世界観が似合ってしまうからだよ。大学生ならその方がいいかもしれない」
「退廃的?」
「うん、18禁エロを描きながら、2人で爽やかな関係を築くというのはミスマッチだ。どちらかといえば、タバコでもふかしながら、ふしだらな恰好で部屋をうろついたり、ベッドで自然と肌を重ねたあとに内容を相談したり・・・するイメージだな」
「でも、あたしはそのギャップが魅力的なんじゃないの?」
「属性を盛りすぎてよくわからんというのは再三、この負け犬シリーズで話してきたような気がする。それこそ、お嬢様モードのままデートすることも可能だろうけど、それは仮面をかぶった印象はぬぐえないだろう?」
「そうね」
「だからといって、髪の毛ぼさぼさでジャージ姿のままボート乗りにいくのか?」
「いかないわよ」
「ということは、お嬢様モードと18禁同人作家モードは、ボートデートするには相性が悪いことになるよな?」
「そうなるのかしらね」
「そこで、今度はどんな格好でデートにいくのか?が大事になってくるよな」
「見ればわかるでしょ」
「残念だけど活字だからな、説明文ないとわからないんだ・・・」
「不便ね・・・」
「そういうわけで、またナレーションさんに簡潔に説明してもらおう。
その日、英梨々は淡い黄色の長袖のシャツに細い黒のリボンをあしらった服を着ていた。黒の短いキュロットスカートから伸びるスレンダーな足には黒ニーソを履いていて、それがとてもよく似合っている。髪をツインテールにまとめているリボンも服と同じ色のもので統一され、黒を基調した服装がより一層、彼女の美しい金髪を引き立てている。活発な印象を残しながらも、どこか落ち着いて見えるのはやはり彼女の育ちが良いからだろう。(詳しくはアニメ一期三話を参照)
「えっ?この作品って描写するの?」
「描写力の低さを隠すのと普段の演劇風のため簡略化されているようだけどな」
「こんな可愛い子とあなたデートするの?」
「光栄だよ!」
「倫也がどーしてもボート乗りたいっていうなら、乗ってあげてもいいけど?」
「方向性としてはいんだけど、ちょっと早い」
「まだ何かあるの!?」
「ああ、でも疲れたから次回だな」
「慣れないことするから・・・」
(つづく)
ヒロインの自覚がないんだよなぁ・・・