プロット『恵の帰り道』
プロット『英梨々と対峙』
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恵は教室で課題をやって時間を潰していた。
(そろそろいいかな)
部活も終わる頃になった。帰り道が混み始める前に教室を出た。
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恵は水色の生地に細い柄の傘を手で開いた。
雨の中、防水のローファーが水を弾いていく。
花壇を横に歩いていくと植物の匂いがいつもよりする。
上をみて傘の生地を内側から指ではじくと、ボッという水を弾く音がする。
(やっぱり音がいまいちだなぁ)
学校の前の道は車がほとんど通らない。塀を右手に駅へと向かう。
下校中の生徒はまだ少なく、周りには傘をさしている人が数人見える程度だった。
反対側には傘を差しながら器用に歩きスマホをしている人もいる。
このまま真っ直ぐ歩くのが通学路だが、途中で右手に曲がり住宅街を進んでいく。
いくつもの紫陽花が咲いている。
恵は立ち止まって、ケータイで何枚か写真を撮る。紫陽花の大きな葉を手にもって裏を見ると小さなカタツムリもいた。
(ここでエスカルゴの話をしたら、つっこんでもらえるかな?)
騒がしい小学生が数人、傘を差したまま走ってくる。わざわざ小さな水たまりに飛び込んではしゃいでいた。子供たちの履く色とりどりの長靴が少し羨ましいと思った。
空を見上げると鉛のように重い雲が低かった。
(もう少し、雨脚が強くなるのかな?)
それから、恵は迂回して通学路に戻り駅へと向かった。
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倫也と英梨々が改札の見える場所に立っている。
深夜アニメの話題をしつつ、恵が来るのを待っていた。
「少し遅いわね」
「まぁ、そろそろだろ・・・で、なんの用があるんだ?」
「このイベントを終わらせるのよ、『相合傘』イベントが次に持ち越されると、どっかで雨が降ってさりげなく行われるのよ。それもいい雰囲気でね。わかるでしょ?ハーレム型主人公なら」
「ああ、そうだな・・・確かに条件を提示した。いずれ行われると考えるのは自然だけどな・・・でも、そんなに警戒するようなイベントか?」
「それをさっき一緒に歩いた彼女に対して言うの?」
「・・・ごめん」
「だからね、倫也。イベント・・・消化してもらうわよ」
「そういうことかぁ」
「あたしは倫也を好きってことを今は強調しないわ。そして別に倫也があたしを好きじゃなくても構わない。でもね、あたしが今できることはね・・・倫也を信用することなのよ?言っている意味、わかる?」
「なるほどね・・・」
2人が改札の方を見る。水色の傘を持った恵が改札を通過した。
「しまった・・・真剣な話をしてしまったわね・・・」
「がんばれよ、英梨々・・・」
「なんで、他人事なのよ・・・」
倫也は紆余曲折をへて、なんとかラブコメっぽくなってきてな・・・と思った。
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一方で霞ヶ丘詩羽は大きくため息をついて、淹れたてのブラックコーヒーを一口飲んだ。
英梨々が綴っていく物語を読みながら、無理やりのイベント進行は加藤さんの機嫌を損ねるだろうと考えていた。
(つづく)