プロット『詩羽と英梨々』
プロット『倫也と恵』②
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いつもの喫茶店で詩羽と英梨々が話をしている。
「それにしてもすごいわね・・・加藤さん。いったい何回リテイクしているのよ・・・」
「なんか『相合傘』イベントをしなそうね?」
「ええ、厳密には何度も何度もしているのよ、ただどれもボツのようね。あなたの予測通りだったわけ」
「倫也が恵ルートの発生フラグを全部回避したってことでしょ」
「そうね。際どい場面もあったようだけど、ぎりぎりで倫也くんが踏ん張ったわね」
「あたしの泣き脅しが効果をあげたかしらね」
「まぁそうなんでしょうね・・・ただ、あの夫婦漫才の真意なんて他人にはわからないわよ?」
「確かに」
英梨々が苦笑いをした。あまりにもお似合いの2人なのだから・・・
※※※
2人はパスタを注文し、その注文通りにきたパスタを食べている。
「つまらない店になったわね・・・」
「これが当たり前なのよ。だいたい本人たちが注文したもの以上に本人たちが欲しているものが出てくるなんて、おかしな話だもの」
あの真のメインヒロイン、ウエイトレスさんはもういない。
英梨々がフォークでパスタをくるくる回している。
「・・・それで、『相合傘』イベントを回避して、電車で過ごしているわけ?」
「そうみたいね。少なくとも澤村さんのいう『完勝』にはなっていないわね」
「だからって、いつまでも電車に乗っているわけにもいかないでしょ」
「さぁ、このまま銀河鉄道にして宇宙にいっても不思議じゃないような物語だけどね」
「やめてよ・・・やっとラブコメ風になってきたのに」
「そうなのかしらねぇ・・・?」
詩羽は笑う。
「ラブコメ風」・・・しかしシリーズも最後だ。もう訂正はきかない。
せめて、最後ぐらい「ラブコメ」にしたいものだと思っている。
※※※
倫也と恵が電車に乗っている。
「だいたいね、『相合傘』イベントっていうのは、はじまり部分の方が大事なんじゃないのかな?」
恵の声は少し非難がましい。
「だよな。俺もそう思うよ」
「それをこんな風に傘を折って無理やりやってくださいって言われてもさー」
「うんうん」
「できないよ!」(20回ぐらい敗北しました)
・・・そう。恵と倫也は文章化される前に幾度とのなく相合傘をしている。どんな物語がいいかを模索していた。それを恵がすべてボツにした。倫也がことごとくフラグを回避したからだった。
倫也は少し疲れてきている。ため息をつく。もちろん倫也もそのことを覚えていて、英梨々ルートのためとはいえ、心が苦しかった。
「わたしの話、退屈?つまらない?」
「そんなことは些細なことだよ」
「それ、フォローになってないよ?」
「ん~、加藤はさ、どんな『相合傘』イベントがいいと思う?」
「やっぱり基本は、女の子の心を救う展開なんじゃないの?」
「例えば」
「女の子が何かで上手くいかなくて凹んでいて・・・なのに雨が降ってきて傘がない。もう何もかもいやになってしまって投げ出したい、泣きだしたい」
「そこにそっと傘を差しだす意中の人」
「そう。それだよやっぱり、そういう少女マンガみたいな演出は大事なんじゃないかな」
「ちょっと気まずくって、無言で歩く展開もいいよな」
「うんうん、そういう時はやっぱり周りの演出が生きてくるんじゃないかな」
恵がかばんをゴソゴソする。中からチョコレートを二つ取り出した。包装紙を破ってから倫也に一つ渡した。
「食べる?」
「ありがと」
倫也が口に含む。
「・・・だいぶ、味が本物に近づいてきたな」
「まだ見破られちゃう?包装紙はやっぱ難しいよ」
「うーん、で、お前は完全再現の精度あげて、何を目指しているんだ?」
「暗殺者(アサシン)」
「似合いすぎてるよ!」
電車が止まる。客を乗せ、また出発をする。ラッシュ時のようで混んできているが、ぜんぶモブなので、倫也たちの近くに人はいない。ただ雨のせいで床はだいぶ濡れている。
「だってさー、ステルス性能に完全再現された毒薬入りお菓子だよ?他に適役あるのかなぁ」
「可愛いし、普通にヒロインやりませんかね?」
「普通のヒロインの役まわってこないじゃん!」
「・・・まぁ、そうだな・・・」
「あとね、あんまり好意をもっていない女の子に可愛いなんて言わないほうがいいよ?」
「そうだな・・・」
「その反応もむかつくんだけど?」
「だったら、もう少しで感情込めていいましょうか」
恵が考えこむ。打開策はみえてこない。4月はじまりだから、まだ関係性が薄いか、そういえば日直一回しかやってない。それで恋人フラグを立てようというのが間違いだったか?けれど・・・予定では、8月でこの物語は終わるはずだ。時間はもうあまりない。
(つづく)
普通のラブコメになんでならなかったんだろ・・・(反省