プロット『波島出海』②
※※※
「こんばんは。日中読まれる方はこんにちは。さて、今回も引き続いて退屈なお話をさせていただきます。再三繰り返されていますが、この物語はキャラクターが自立して動き出すことを目標としていますね。「負け犬1」は澤村先輩がどうしたら恵先輩に勝てるか?ということをテーマに会話をしていました。恵先輩本人の出演予定はありませんでした。そこで同じく出演予定のないわたしが恵先輩の家に行くという舞台が用意されました。さすがに遠い昔のことのように思います・・・」
出海が準備体操をしはじめた。
「そこでの会話のやりとりが『リテイク』の繰り返しだったわけで、作品に対して真摯な恵先輩とそれを見習う後輩という図式はよかったかなと思います。ただこういう話はオチが難しいので、最初は『夢オチ』になりました。これは安定です。夢オチにするために、わたし波島出海は『最初に寝るというフラグ立て』を『物語を書き終わりそうな最後に』冒頭に戻って立てました。それで『負け犬1』が完成し投稿されました。ここで大事なのはこの『寝るフラグ』があとから付け加えられたということです。これは作者の意図を感じますね。物語をつくっているわけです。でもそれって、キャラの自立という主題とは離れていませんか?」
足の屈伸を入念に行う。
「この『負け犬6』の冒頭での控室でのやりとりはわたしが勝手に行ったもので、作者にも不明だったようです。しかし、ここまでやってきた仲間たちのやりとりなので、自主性を尊重し物語を静観してくれました。恋人英梨々とクラスメートBの恵という構図で物語が成立するなら、わたしが立てたフラグは必要ないものになります。ですから、今度は冒頭に戻って削除する可能性がありました。まだ、投稿されていなかったら、作品は作者のものだからです」
次に柔軟体操を始める。
「わたしが『罪』を侵した動機は・・・ただの悪ふざけではなく・・・。『加藤恵エンド』を阻止することが目的だったのではないでしょうか?」
ストレッチは毎日入念に行っており、体は柔らかい。
「整理してみるとわかりますが。綺麗に物語全体をまとめるなら次のような構成になったはずです。
① 出海(負け犬1)
② 美智留(負け犬2
③ 英梨々現在(負け犬5)
④ 英梨々過去1 vsクラスメートB (負け犬6)
⑤ 英梨々過去2 vs坂の上のメインヒロイン (負け犬7)
⑥ 恵(フィーネ)
恵先輩が投げ出した『負け犬3』そして、恵先輩のいない『負け犬4』の発生が、全体の構成を狂わせたのだと思います。
5→7は変な能力があるので、話としては繋がります。これが負け犬7を前倒しにした理由と考えられます。もし『ラブコメ』をまじめにやるなら、この『負け犬6』しか場所がありません、それがこの『負け犬6』が後回しに投稿された理由のようです」
制服姿に着替え始める。
「わたし達は遠回りをしていますが、ラブコメをしっかりやるためにキャラを育ててもらい、自我を芽生えさせる必要があったのだと思います。言い方を変えるならわたし達はあまりにも未熟なためにどうやってラブコメをやっていいかわからなかったのではないでしょうか」
髪の毛をくしでとかし、お団子頭にする。
「わたしが退屈な話をしたのは、未来を『観測』することで、目標をはっきりさせるためです。ですから、わたしは作中人物として、この物語は『英梨々のハッピーエンド』を目指していくんだということをここに宣言します」
靴を履く。
「あまりにも倫也先輩を好きになりすぎた恵先輩が当面の問題になります」
ドアを開ける。
「では、波島出海のイデアこと、赤モブ。初陣の気持ちです。次回・・・『加藤家にて、ヒロイン集合』をお届けします」
出海はつまらないそうに台本をくしゃくしゃに丸めて、ゴミ箱に捨てた。
(つづく)
日本語でおk