プロット『7月のクラスメートB』①
※※※
「ねぇ安芸くん」
「ん、どうした加藤?」
「ここがどこだかわからないけど、ちょっと相談のってもらっていいかな?」
「うん?もちろん」
「あと、呼び方かえってもらっていいかな?」
「ん?ああ、その方がやりやすいなら、いいんじゃね?」
「えっとね、倫也くん。まずは確認したいのだけど、わたしはクラスメートBとして、倫也くんと英梨々の恋をサポートするんだよね?」
「そういう結論にヒロイン集合でなったみたいだね」
「他人事なの?」
「俺はよくわかんないけど・・・」
「ふーん」
※※※
「えっと・・・なんか怒っている?」
「怒っているようにみえる?」
「加藤の気持ちも分かるよ」
「呼び方変えてっていったよね?」
「・・・恵のいいたいこともわかるよ」
「どういうこと?」
「恵はサポートしたくないんだろ?」
「それはもちろんだよ。でも、それはいいんだよ。原作のわたしだって英梨々と倫也くんの恋を静観しようとしていたし、この『負け犬3』の時だって、サポートしようとしていたでしょ?」
「そうだな」
「だから、その役目を引き受けることはいいよ。納得できないけど、できるところまでがんばるよ」
「ごめん」
「謝るぐらいなら、最初から英梨々ルートなんて入らなければよかったんじゃないかな?」
「それは違うよ、恵」
「ん?」
「・・・わかるだろ・・・」
「わかんないよ?」
「・・・」
「そこは黙るんだね」
※※※
「で、相談ってなんだよ?」
「・・・『で、相談ってなんだよ?』って、冷たい言い方だね」
「そんなつもりはねぇよ」
「でも、わたしは傷ついた」
「・・・ごめん」
「倫也くんの一言一言にわたしは傷ついていく」
「落ち着けよ」
「ごめんね、落ち着けないわたしで、いつもイライラして怒って、わがままで、ぜんぜん辛抱できなくて、フラットになれなくて・・・」
「・・おい・・・恵」
「ちょっと、時間ちょうだい・・・」
※※※
「あのね、倫也くん・・・わたしはクラスメートBを演じるにあたって・・・二つの案があるの」
「ほう?」
「でね、1つはこの『負け犬シリーズ』で成長してきたわたし。もう一つはこの物語を進めるためのクラスメートBのわたし」
「キャラが定まらない?」
「うーん。こうすべきってことがわかっても、できないわたしがいるんだよ」
「頭に感情が追いついていかない感じ?」
「うんうん。そう、そんな感じ」
「そういうことはあると思うよ。人間だからね。役目通り感情をコントロールできたら、それは楽だろうけどさ」
「なんか倫也くんの言い方は達観していて、感情がはいっていない気がする」
「感情を持ち、かつ、その感情を殺すのが人間だから・・・」
「・・・複雑だなぁ・・・」
※※※
「それでね、どう考えてもこの物語のためにはクラスメートBのわたしを演じないといけないんだけど・・・」
「ふむ・・・?」
「でも、わたしの感情が邪魔をして、できる気がしないんだよ。だからね、一度ボツにしないといけないわたしを一度やってみていいかな?」
「恵がそれを望むなら」
「そういう言い方ってずるくない?」
「じゃあ、どんな恵だってみてみたいし、どんな恵だって俺は・・・」
「・・・愛している?」
「それは、『負け犬6』の俺がいっちゃいけないセリフだろ?」
「じゃあ、わたしが・・・クラスメートBに徹しないといけないわたしがいっちゃいけないセリフを言ったらどうなるの?」
「恵がいったらいけないセリフなんてないよ。キャラ崩壊が進むかもしれないし、原作に迷惑がかかるかもしれないけど・・・禁止なんてされていないし、誰にもできない」
「それでもいったらいけないセリフはあるんじゃないの?」
「最悪、アカウントがBANくらうだけだろ?」
「うーん。なんかうまくごまかされてない?」
※※※
「とにかくね、わたしが言いたいのは・・・わたしは倫也君のことがっ・・・んぐっ」
「ん・・・」
「・・・」
「・・・」
「これはほんとにずるいよ!」
「・・・ぴゅーぴゅー♪」
「口笛でごまかさないでよ!」
「・・・信じてるから、恵ならできるって・・・信じてる」
「もう、そういうのいいから・・・怒るから」
「怒るんだ?」
「うん」
(つづく)