流星のロックマン Arrange The Original 3   作:悲傷

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 今回出てくる新キャラですが、原作で語られている得意なことは「おしゃれスポットの検索」なのですが、作中で活かされるシーンはほぼありませんでした。なので、この作品では設定を加えています。

 次回更新日は、7月14日(金)です。


第24話.ルナのウィザード、モード

 ドラマ撮影の当日。スバルは忘れずにミソラに渡すものをカバンに入れ、キザマロに指定された時刻にウェーブライナー乗り場に向かった。そして驚愕の光景を見ることになる。

 

「ゴン太。もう来てたの!?」

 

 そこにはゴン太がいたのだ。隣にはキザマロもいる。

 

「聞いてくださいよスバルくん。ゴン太くんったら、今日は一番乗りだったんですよ」

「おう、目覚まし三つぐらいかけたぜ!」

『いつもそうしろよ』

 

 ほんとうになとスバルはウォーロックの発言に頷いた。それならルナのお怒りだって減るのだから。

 

「ところで、その背中のリュックは?」

 

 ゴン太とキザマロの背中にはリュックサックがある。大体予想はしていたが、一応聞いておいた。

 

「そんなの決まっているでしょう?」

 

 二人が中を取り出して見せる。予想と寸分違わぬ結果だった。

 

「ミソラちゃん応援グッズです!」

「ミソラちゃんファンクラブとして当然だろ!?」

「……そう」

 

 ミソラのことは好きだが、ファンというわけではないスバルには、理解できない領域だった。

 

『で、後は委員長とジャックか?』

『ジャックくんは先にオクダマスタジオに行ってるってメールが来てたから、後は委員長だけだね』

「委員長ってば、珍しく遅いよね」

「俺、頑張って早く来たのにな……」

「たぶんあれですよ。昨日帰る前に行ってた、あれ」

「あれか~」

 

 昨日下校する際、ルナのハンターVGにメールの着信があったのだ。彼女は飛び上がって喜ぶと、勿体つけるように宣言したのだ。「明日、皆に見せたいものがあるの。楽しみにしていてね」と。

 

「一体何なんだろうね」

『統計的にはそろそろ来るはずなんだけれどね』

『そんなことまで分析してんのかよ』

 

 ペディアの分析力に脱帽していると、そのルナがやってきた。その姿を見て、スバルは目を細くした。

 

「ごきげんよう、皆」

「……委員長、僕たちエキストラ役だよ?」

「あら、私の格好がどうかしたかしら?」

 

 大ありである。黒いドレスをイメージさせる服を着ているのだから。女優にでもなったつもりなのだろうか。

 

『おい、頭大丈夫か?』

「なんですって!」

「あ、うっすらと化粧してる」

 

 顔を真っ赤にしてルナが数歩下がった。

 

「そ、そんなことより、あなたたち……昨日言ったことを覚えているかしら?」

 

 覚えてるも何も、ちょうどその話をしていたところである。

 

「なにか見せてくれるんだっけ?」

「フフフ、よく訊いてくれたわね」

 

 本当に頭は大丈夫だろうか。いつもよりテンションがおかしい。

 

「さっそく紹介するわ」

 

 そういって、ハンターVGを取り出した。

 

「ウィザードオン!」

「え?」

 

 ハンターVGから緑色の電波が飛び出した。それは耳の長い兎だった。緑色で、目は黄色い。さかさまになった赤い帽子にすっぽりと収まって、ちょこんと手だけを出している。

 

「かわいい~」

「かわいいですね」

「いいんじゃねえの!?」

 

 スバルたちの賛辞を受けて、緑の兎は帽子ごとくるりと一回転して見せた。

 

「こんにちは。私、ルナちゃんのウィザード。名前はモードです。よろしくお願いします」

 

 最後に一礼。とても丁寧なウィザードだ。

 

「委員長、ついにウィザードを持ったんだね!」

「なんとも委員長にお似合いのウィザードですね」

「当然よ。大事なパートナーですもの。じっくり時間をかけて設計したし、お小遣いもつぎ込んだわ。お父様とお母様のお手伝いをして、ちょっと融通してもらったし」

 

 そこで買ってくれるのではなく、対価として労働をさせるところがルナの両親らしい。厳しさと優しさを持っていると言える。

 

「得意なことはおしゃれスポットの検索と、ファッション情報の情報収集です。今日は私がコーディネートしてみました!」

「ああ、だからか……」

 

 なのでこんなトンチキな格好をしているらしい。

 

「ルナちゃんのクールさを出すために、まずはメインカラーを黒に設定。白いブラウスに黒いジャンパースカートです」

 

 長袖の白い服。フリルなどはついておらず、シンプルだ。ジャンパースカートは胸元からひざ下までの長いものだった。

 

「ルナちゃん、丈はもっと短いほうがよかったですか?」

「い、いえ。これで充分よ」

「白色のソックスと、黒いブーツ。今回はツインテールの止めリボンも黒っぽいのに変えました」

 

 配色が黒と白しかない。だがルナの金髪を考えると、これ以上色を足すのはよくないかもしれない。カラフルというよりは落ち着きのなさにつながりそうだ。まじめなルナにはかえって合わないだろう。

 

「ど、どうかしら?」

「良いと思います」

「ばっちりだぜ委員長!」

 

 ゴン太とキザマロからは好評だった。スバルもたぶん良いと思う。

 

「うん、いいんじゃないかな?」

「そう、よかった!」

 

 スバルが称賛すると、ルナはようやく緊張した顔を崩した。

 

「さすがモードね」

「やった。ルナちゃんの役に立てました!」

 

 ぴょんぴょんと飛び跳ねるモード。愛くるしいことこの上ない。

 

「そっか、これで俺だけか……ウィザード持ってないの……」

 

 ゴン太がしょんぼりと項垂れた。量産型のウィザードですら予約が殺到しているのだ。ゴン太の番が回ってくるのはだいぶ先のことかもしれない。

 

「まあまあ、そのうち持てますよ」

「そうそう、私だってオーダーメイドだけれど、こうしてモードが来てくれたわけだし」

「それに、いても煩いだけってこともあるよ」

『おい、それは俺のことかスバル!』

 

 ハンターVGからウォーロックが飛び出してきた。

 

「他に誰かいる?」

「てめえ、本当に一度いなくなってやろうか!」

「ロックがいない、静かな暮らしか。それも良いな~」

「おい、家出していいかまじで?」

 

 言うまでもないことだが、これはスバルとウォーロックのじゃれあいである。互いに本気で言ってはいない。

 そんな他愛ない話をしているとウェーブライナーが来た。

 

「さあ行きましょう。ジャックと合流しないと」

 

 四人とウィザード三体が乗り込むと、すぐに発車した。目指すはオクダマスタジオだ。




〇白金ナルオ
 委員長のお父さん。企画開発の仕事をしている。結構なお金持ち。
 厳しい人らしい。でも委員長は良い人だと言ってます。家族リッチ自慢コンテストとかに出て、優勝してきたとか。

〇白金ユリ子
 委員長のお母さん。三角形の眼鏡が似合う。委員長のお父さんと一緒に働いている。
 こっちも厳しい人らしい。最近は委員長のために料理を勉強してるらしいです。


 参照.マロ辞典より抜粋
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