流星のロックマン Arrange The Original 3   作:悲傷

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 ミソラ生誕祭2023!
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 あとがきネタが無くなって来たので、新しいネタを始めます。いや、まだ出してない流ロクの専門用語とか登場人物とかあるんですけれど、今出せる奴は少ないなという。


第30話.ダイヤ

 オクダマスタジオの屋外。あまり人目につかない場所。ここはスタッフたちもあまり立ち寄らず、普段は使わない道具がまとめられている場所だ。

 その近くの木陰に一人の女性がいた。彼女の視線の先では、青いウィザードが張り裂けんばかりの声で吼えている。彼女の後ろから、ガサリと音が聞こえた。

 

「来たわね」

「ああ、急に呼び出すだなんて……どうしたんだよ姉ちゃん」

 

 ジャックは疲れた顔でクインティアに尋ねた。

 

「任務に決まっているでしょう。星河スバルと仲良いふりする時間は終わり。今からアレを利用するわよ」

 

 クインティアは先ほどから喚いているウィザードを指さした。

 

「アイスのやつ、こんなところで何やって……いや、そうなるか」

 

 スズカの出番をロックマンに取られたのだ。呪いの言葉の百や千は吐きたくなるだろう。

 

「あら、知ってるの?」

「ああ。響ミソラの友人……いや、ブラザーだったな。そいつが持ってるウィザードだ」

「スズカっていう名前かしら?」

「知ってるのかよ、姉ちゃん」

「本人が言ってるわよ」

 

 よく聞くと「スズカの才能を潰された!」と嘆いていた。

 

「あのアイスってウィザード、マグネッツのように力は大したことないわ。けれど、怒りは大きなエネルギーになる。星河スバルのブラザーである響ミソラが狙われれば、ロックマンは必ず動くでしょうね」

 

 ようは戦闘データを取りたいと言っているのだ。

 

「さあジャック。このノイズドカードをアイスにつけるわよ」

 

 クインティアがカードを取り出した。表面にはダイヤのマークが書かれている。3枚しかない、特別製のノイズドカードだ。歩き出そうとするクインティアの手を、ジャックは掴んだ。

 

「姉ちゃん、今日はやらなくてもよくねえか?」

 

 クインティアが勢いよくジャックに振り返った。異常なものを見る目をしていた。

 

「どうしたの、ジャック?」

「いや……その……」

 

 あのドリル女の顔が浮かんだ。星河スバルと、ゴン太とキザマロ、ミソラは自分のために頭を下げてくれた。おせっかい極まりないが、それでも彼らは自分のためにしてくれたのだ。

 

「あなた、さっき牛島ゴン太にノイズドカードを使って、オックス・ファイアを暴れさせたじゃない」

 

 ジャックはポケットを抑えた。そこには、先ほどゴン太の背中に張った使用済みのノイズドカードがある。どさくさに紛れて回収しておいたのだ。

 

「いや、そうなんだけれどさ……」

 

 今アイスが不幸な目になってるのは、元を正せば自分のせいである。あのウィザード監督に「撮影から出て行け」と言われて、むしゃくしゃしてやった結果が、ロックマンの活躍とスズカ降板である。

 それで怒り狂ってるアイスを利用するのは、どことなく気が引けた。

 

「ま、まあ今回くらいは星河スバルたちを見逃してやっても……」

「ジャック……」

 

 姉の静かな声。ジャックは思わず視線を足元に逃がした。また「任務以外に勝手なことをして、任務を放棄するのか」と怒られるのだろう。

 

「あなた、私たちの目的を忘れたの?」

「え?」

 

 違った。別のところだった。そして姉は怒ってなどいなかった。氷のようにいつも無表情だが、弟のジャックには分かる。これは不安になった時の声色だ。

 

「私たちが目指すものは何かしら?」

「そんなの決まってんだろ!」

 

 この胸に灯った憎しみの炎。あの時から一度たりとも消えたことはない。今も燃え盛っている。

 

「俺は……」

「それでいいわ」

 

 皆まで言わずとも、姉には伝わった。そしてダイヤのノイズドカードを手渡された。

 

「ジャック、あなたがやりなさい」

「ああ……」

「それでいいのよ。私はMr.キングに連絡を入れて、ヒールウィザードを何体か派遣してもらうわ」

 

 そうだ、何を言っていたのだ自分は。しょせん、友達のふりをしているだけだ。あいつらの能天気に巻き込まれるところだった。

 自分の目的は変わらない。目指すべき場所は不変。あいつらはそのための障害でしかないのだ。

 

「安心してよ姉ちゃん。俺は、いつだって姉ちゃんの味方だからさ」

 

 そうだ。姉に比べたらあいつらなんて……。

 ジャックはダイヤのノイズドカードを投げつけた。アイスの背中にカードが張り付く。アイスの動きが急に止まる。そして悲鳴。ノイズがウィザードの体を侵食し、プログラムを書き換えていく。アイスの体が変化し、大きくなっていく。

 

「そうだ……これで良いんだ」

 

 自分がそう呟いていることに、ジャックは気づいていたのだろうか。




〇ハープ・ノート
 メテオサーバーの情報解析に成功。
 ロックマンの味方の一人。地球人の響ミソラとFM星人のハープが電波変換した姿。
 音を操る力を持ち、音符型の弾丸を放ったり、ギターの弦を絡ませる戦いをする。遠距離型の戦闘スタイル。体重は0キロらしい。
 戦闘能力は大して高くないと見られる。

 参照.ハートレスの書記より抜粋
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