流星のロックマン Arrange The Original 3   作:悲傷

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 ミソラ生誕祭2023!
 カウントダウン!
 残り6日!


第31話.結成、ミソラサポーターズ

 スバルたちはミソラと別れて、ライブ会場へと移動した。ミソラはライブの準備があるらしい。浦方マモロウと会った場所に向かう中で、スバルはその時のことを話していた。

 

「大きなプロジェクターでさ、ミソラちゃんのライブ会場になるんだって。それを作っていたマモロウさんって人がすごくってさ!」

「そうなんですか。ぜひ会ってみたいです!」

「うん、タイピングがすごく早くって、見る見るうちにプログラムが……」

「分かった、分かったから……」

 

 盛り上がりだすスバルとキザマロを、ルナがげんなりとしながら抑える。ゴン太はというと、歩きながらレトルト牛丼を食べている。オックスと一緒にだ。レトルト牛丼を携帯していることにも、ウィザードが人間の食べ物を食べれることにも驚いたが、突っ込まないことにした。

 そうしているうちに、ライブ会場に着いた。

 

「で、スバルくん。そのマモロウさんてどんな人なの?」

 

 なおも止まりそうになかったオタクコンビの話を遮るように、ルナが尋ねた。

 

「えっと、ドレッドヘアーが八方向に伸びてて……」

「あの人ですか?」

 

 モードが実体化した。指さす方を見てみると、八本のドレッドヘアーの男性がいた。例のプロジェクターの前でかがみ、必死にエアディスプレイを操作している。スバルはそれを見て違和感を覚えた。

 先ほどのスムーズなタイピングとは違う、何か苦戦してるような印象を受けた。

 

「マモロウさん!」

 

 浦方は振り返ることもなく答えた。

 

「スバルくんか。今手が離せなくて……この!」

 

 エアディスプレイの画面がちらりと見えた。電波ウイルスの姿が見えた。

 

「もしかして、プロジェクターに?」

「ああ、そうなんだ!」

「すいません、アクセス権限をください」

 

 浦方は驚いたように振り返った。だが隣に出てきたウォーロックを見て、頷いた。

 

「本当はよくないんだが、それ!」

 

 スバルのハンターVGにアクセス権限が贈られた。タッチして承認。そしてウォーロックに告げる。

 

「ロック!」

「任せておけ!」

 

 スバルのエアディスプレイにプロジェクター内の様子が映された。電波ウイルスたちが右へ左へと闊歩している。そこに、電脳内に飛び込んだウォーロックが映る。

 

「バトルカード、マッドバルカン!」

 

 ウォーロック手がバルカン砲に変わる。銃口から多数の弾が飛び出し、ウイルスたちを次々に砕いていく。脅威を覚えたのか、生き残った何匹かが逃げようとする。

 

「スカルアロー!」

 

 ウォーロックが手に弓矢を持った。斜め上に向かって、弧を描くように放つ。逃げようとしていたウイルスたちを奇麗に射抜いた。

 

『他にはいねえみたいだぜ、スバル』

「ありがとう」

「助かったよ、スバルくん」

 

 浦方は肩の荷が下りたという顔でスバルに礼を言った。

 

「俺もウイルス退治は苦手ではないんだが……やはり今はウィザードがいないと難しいな」

「そうですね、ウイルスも強力になってきていますし」

 

 どうやら浦方はウィザードを持っていないらしい。

 

「これで、最終チェックさえ終わらせれば完成だ」

 

 浦方がプロジェクターに触ろうとした時だった。ウォーロックが中から出てきた。険しい顔をしている。

 

「スバル、倒したウイルスからこんなのが出てきたぜ」

 

 手には一枚の手紙があった。どうやら文章データらしい。

 

「なんでウイルスが?」

 

 データをハンターVGに読み込み、開く。

 

「……え?」

 

 中身を見て、スバルは言葉を失った。

 

「どうしたんだ、スバル?」

「何が書いてあったの?」

 

 ルナも覗き込んでくる。そしてスバルと同様に青ざめた。

 

「響ミソラのライブを中止にしろ。中止にしなければ、観客は無事では済まない……」

 

 スバルはゆっくりとマモロウを見た。

 

「これって……」

「脅迫状……だな」

「そ、そんな!」

 

 ルナの言葉を最後に、沈黙が下りた。だが浦方がすぐにそれを破った。エアディスプレイを開いて、何人かに同時に回線を繋げた。

 少々早口で分かりづらかったが、彼らは『ミソラサポーターズ』のメンバーらしい。この脅迫状に対抗するよう指示を出しているようだ。

 

「以上だ。皆、俺たち『ミソラサポーターズ』の結束力が試される時だ。ウィザード監督たちにも伝えておいてくれ」

『分かった。任せておいてくれ』

 

 そこで通信は終わった。

 

「というわけだ、スバルくんたちは大部屋に避難しておいてほしい」

 

 これはオクダマスタジオの問題だ。スバルたち小学生を巻き込むのは違うだろう。だが、はいそうですかと下がれるスバルではない。

 

「マモロウさん、僕にも手伝わせてください」

 

 浦方は面食らったようだが、すぐに手を横に振った。当然の対応だろう。

 

「スバルくん、これは俺たち大人の仕事だ。さすがに任せられない」

「お願いです。ミソラちゃんが危険なのに、じっとしているなんて無理です!」

「いや、けどな……」

 

 するとウォーロックが口をはさんだ。

 

「そうか、ならスバル。俺たちは勝手にやらせてもらおうぜ」

 

 そう言いながらも、目は浦方を見ていた。つまり、スバルを目の届く範囲に入れておくか、勝手に行動させるかのどちらかを選べと言っているのだ。勝手に動かれる方が困るのだが、だからと言って前者も選びづらい。

 困った顔をする裏方。あともう一押しといったところだろうか。どう手を打とうか。

 

「裏方さん……」

 

 そこで援護を入れてくれたのはルナだった。

 

「私はスバルくんのブラザーで、白金ルナと言います」

「ん、ああ……そうなのかい」

「私からもお願いします。スバルくんを『ミソラサポーターズ』に加えてあげてください」

 

 ルナの後ろで、ゴン太とキザマロが飛び上がった。

 

「先ほども見た通り、スバルくんの電波ウイルスを退治する力は本物です。これまでも、いくつもの大きな問題を解決してきた実績もあります。きっと力になってくれると思うんです」

 

 浦方がプロジェクターの方を見た。先ほどのウォーロックの戦いぶりを思い出しているらしい。

 

「裏方さん、さっき言ってくれましたよね。僕に、ブラザーとしてミソラちゃんを支えてあげてほしいって。僕にとっては、今がその時なんです」

 

 スバルは小細工なしに、ただ自分の気持ちを伝えた。浦方が目をつぶる。そして意を決した。

 

「分かった。ただし、俺が常に同行する。俺が危ないと思ったら、すぐに引く。約束してくるか?」

「はい、もちろんです!」

 

 ようやく浦方は認めてくれた。浦方がハンターVGを操作する。スバルのハンターVGに『ミソラサポーターズ』への勧誘が来た。承認ボタンを押すと、レゾンが書き換わった。

 

―― レゾン結成 ――

 

―― チーム名:ミソラサポーターズ ――

―― レゾン :ライブを成功させる ――

 

 メンバーには、スバル、浦方……それと何人かのスタッフたちがいた。

 

「い、良いのかよ委員長!?」

「見てくださいよ。ルナルナ団のメンバーから……」

 

 キザマロのエアディスプレイにはルナルナ団のメンバーが映っている。ルナ、ゴン太、キザマロはいるが、スバルがいなくなっている。レゾンは基本一つしか設定できないため、スバルが外れてしまったのだ。

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。ミソラちゃんが大変な目にあっているのよ」

 

 ゴン太とキザマロと異なり、ルナは何一つ動じていなかった。

 

「ごめんね、委員長。終わったらすぐに戻るから」

「馬鹿ね、ここはお礼を言うところよ」

「そうだね、ありがとう」

 

 ちょうど裏方のハンターVGが着信を告げた。メールらしい。

 

「……スバル、倉庫のオートロックが動かないらしい。ライブに使う機材が取り出せない状態だ」

 

 ウォーロックが鼻を鳴らした。

 

「ほ~、さっそく妨害をおっぱじめやがったか!」

「ウイルスかもね。マモロウさん、行きましょう!」

「ああ」

 

 浦方が先に走り出した。スバルの道案内をするためだろう。後を追うように、スバルも走り出した。

 

 

 ルナは黙してスバルを見送った。とんがり頭が角を曲がって見えなくなる。そして、大きくため息をついた。

 

「私って、ほんとおせっかいね……」




〇オックス・ファイア
 メテオサーバーの情報解析に成功。
 ロックマンの味方の一人。地球人の牛島ゴン太とFM星人のオックスが電波変換した姿。
 口から吐き出す炎が強力。また、巨体を生かした拳や体当たりも脅威である。単純な攻撃力のみなら、ロックマンを凌駕する。
 しかし、力任せの攻撃が多いことと、巨体ゆえの鈍重さが目に付く。
 総合的な戦闘能力はそれなりと見られる。


 参照.ハートレスの書記より抜粋

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