流星のロックマン Arrange The Original 3   作:悲傷

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 4月10日はシドウの日、おめでとうございます!
 いや、一日遅いってね……。

 この小説で出てくるのはいつかって?
 ……もう少し先かな……。


第4話.認証?トランスコード

 サテラポリス。文字通り警察だ。その規模は強大で、ニホン国のみならず、世界一の大国アメロッパや、シャーロ、アジーナ、アッフリクと主な国々にも支部を置いている。世界中の事件を取り締まっている電波警察……いや、世界警察と言っても過言ではない。

 その治安組織からメールが送られてきたのだ。一介の小学5年生でしかないスバルのハンターVGにだ。

 

「ちょ、え? 何これ!?」

 

―― 電波変換を確認……     ――

―― サテラポリスにアクセス…… ――

―― 認証中……         ――

 

 もう一度同じ音声が繰り返されると、表記が変わった。

 

―― 認証完了…… ――

 

「何が認証されたの? な、なんかこれ、まずくない!?」

『な、なにも悪いことしてねえぞ俺ら!?』

 

 厳密に言うと、地球に不法入星している異星人がハンターVGに住み着いているので、無実とは言い難い。

 慌てる彼らを他所に、自動音声は勝手に物事を進めていく。

 

―― 星河スバルことロックマンを     ――

―― 電波変換ID「003」に登録……   ――

―― IDカードの発行終了         ――

―― 認証コードは「シューティングスター」 ――

 

 電子音が鳴り、「CODE VERIFIED」という表記が浮かび上がる。続いて、ハンターVGの画面いっぱいに大きな銀色のカードが表示された。

 右側にはロックマンの横顔が載っており、左側には黄色いマーク……上部が重なった三つの輪に、中央には十字星のエンブレム。間違いなくサテラポリスのものだ。

 

―― 電波変換の際は       ――

―― 認証コードの送信を要求する ――

 

 プツリとという音と主に、自動音声は無言になった。メッセージウインドウも閉じられ、ウォーロックの手には開封済みとなったメールだけが残った。

 

「……003? シューティングスター? な、何だったの?」

『いまいち事態が飲み込めねえが、サテラポリスに登録された……ということか? ……このメール、削除できねえぞ?』

「保護されているみたいだね」

 

 一体何が起きているのだろうか。だが一つだけ問題は解消された。

 

「ロック、試してみようよ、この認証コードっていうの」

『そうだな。細かい事考えてもしかたねえ。さっさと行くか』

 

 こうしている間も、科学部は暴走スプリンクラーと格闘中だ。早く助けに行ってあげたい。

 スバルは改めてハンターVGを掲げると、認証コードに書かれている言葉を読み上げた。

 

「トランスコード! シューティングスターロックマン!!」

 

 ハンターVGから電波粒子が発生し、スバルを包み込んだ。1秒にも満たないこの時間で、スバルはロックマンへと変身していた。青い服と装甲、頭にはヘルメットと赤いバイザー。そして左手には腕と一体化した銃。ハンターVGが連結されているのが大きな特徴だ。

 

「……あれ?」

 

 スバルは慌てて左腕を持ち上げた。ハンターVGと同化した銃のデザインが凄くカッコいい。のだが、無い。いつもここにあったウォーロックの顔が無くなっているのだ。

 

「ろ、ロック!? どこに……」

「ここに居るぜ」

 

 スバルの体から青い電波が飛び出し、ウォーロックへと変わった。

 

「あ、あれ?」

 

 スバルは左手とウォーロックを交互に見た。顔だけになって動けなくなる代わりに、口からエネルギー弾を放ったり、バトルカードを読み込んでくれたのが今までのウォーロックだ。

 だが今はどうだろう。電波変換する前と変わらない、いつものウォーロックが隣にいる。

 

「OSがハンターVGに書き換えられた影響だろうよ。どうやら、電波変換中もこの姿でいられるようになったらしい」

 

 ウォーロックが見るからに獰猛な爪を振り回して見せた。

 

「これならお前の戦いを援護することができるな。思いっきり暴れられるぜ!」

「っていうか、僕の体も少し変わってない?」

 

 肩や足の装甲に白い線が入っているように見える。前に比べると少々おしゃれな格好になったかもしれない。

 

「まあ細かいことは気にすんな。それよりも電波ウイルスだろ」

「そうだね、急ごう!」

 

 スバルとウォーロック……ロックマンは跳躍して、屋上からウェーブロードへと飛び移った。折れ曲がったオレンジ色の道の先には、今も部長に特大シャワーを浴びせているスプリンクラーがあった。

 ウェーブロードを駆けてスプリンクラーの側にやってくると、ロックマンは右手をそれに向けた。

 

「ウェーブイン!」

 

 ロックマンの体がスプリンクラーへと吸い込まれる。そして一面の景色が変わっていた。そこは水色の空間だった。一面が水色で、あるかどうかもあやふやな壁には、水滴が振りまかれる様が、繰り返し映し出されていた。そして四角くて、学校の運動場よりも広そうな足場が一つ。ロックマンはそこに着地した。

 

「いつ来ても変わったところだよね、電脳空間って」

「そうだな。現実世界と比べたら変わったところだろうな」

 

 四角い足場はなにも平坦なわけではない。電線や水道が一面に張り巡らされている。これはプログラムだ。全てスプリンクラーの機能を支えているプログラムだ。

 そんな大事なプログラムに、一所懸命にツルハシを振り下ろしている奴らがいた。例のヘルメットの電波ウイルスたちだ。5体もいる。

 

「よし、さっさと終わらせよう!」

 

 ロックマンは左手を前にかざした。銃口に緑色のエネルギーが凝縮されていく。

 

「俺がいなくてもできるか?」

「大丈夫だと思うけれど、練習!」

 

 いつもはウォーロックがやってくれていた仕事だ。感覚を思い出して、十分にエネルギーが溜まったところで、電波ウイルスの一体に放った。

 

「ロックバスター!」

 

 緑色の光弾は高速で直進し、ウイルスを的確に撃ち抜いた。ウイルスは「メット~」と叫びながら霧散していく。

 これで残りのウイルスたちもロックマンの存在に気づいた。ツルハシを掲げ、甲しかない足を小刻みに動かして近づいてくる。

 

「バトルカード……どんな感じかな?」

 

 左手に意識を集中させた。ハンターVGに登録しておいたバトルカードの情報が、スバルの頭に入ってくる。キャノンのカードを使おうと考えたとき、ロックマンの左手に変化が起きた。

 ロックバスターの形が崩れ、瞬きをする間も無く、白くて四角い大砲へと変わった。先ほど科学部が使っていた物と、まったく同じ物がそこにあった。

 

「バトルカード、キャノン!」

 

 ドカンという音と共に大口径の弾丸が発射され、ウイルスの一体を木っ端微塵にした。

 

「どうだ?」

「凄い! 物凄く使いやすいよ!」

 

 元々はスバルがバトルカードを選んで、ウォーロックがそれを食べるという面倒な作業をしていた。

 端末の改良によってその手間は省けるようになったが、ウォーロックに使いたいカードを指示するという手順は残っていた。

 だがこのハンターVGはどうだろう。ウォーロックへの負担を完全に無くし、スバルが考えただけでカードの力を引き出せるようになったのだ。

 

「よし、次は俺の番だな!」

 

 ウォーロックは近づいてきていた2体のウイルスに向かって、自慢の爪を大きく横に振った。

 

「ビーストスイング!」

 

 5本の太い爪が、ウイルスを6つに切断した。計12個の物体は床に落ちる前に塵となって消滅した。

 

「どうだ見たか!?」

「うん、凄い威力……!」

 

 そう言いながら、スバルはソードというバトルカードを使用していた。左手と一体化する形状で、色は薄緑だ。それを振り下ろしてウイルスを一刀両断した。

 スバルだってこのように接近戦はできる。だがウォーロックの爪は、並みのバトルカードを凌駕する威力があった。これからは傍らでその爪を振るってくれるというのだ。これ以上に頼もしい力があるだろうか。

 そうしている間に、水道管の形をしたプログラムの陰から、ヒョコヒョコと新たな電波ウイルスが出てきた。今度はヘルメットをかぶった奴らだけではない。鳥のような奴、炎の拳を纏った奴、くるくると回っているペンギンに、両手が電気の槍となったロボットのようなウイルス……。

 

「おいおい、より取り見取りじゃねえか。こりゃ暴れがいがあるってもんだ」

「ハハハ……僕は早く終わらせたいんだけれど……うん、練習にはちょうどいいか」

 

 せっかく素晴らしい力が手に入ったのだ。この機会に体に慣らしてしまおう。四方から襲い来る電波ウイルスの群れに、スバルとウォーロックは背中合わせになって迎え撃った。




○ウェーブロード
 電波で構成された、電波が通る道である。これらが世界中に張り巡らされたことにより、人は有線ネットワークから更に一歩前進することに成功した。
 優先ネットワークは、拡張の度に工事を行わなくてはならないが、電波ネットワークは半無限に広げていくことが可能だからである。
 電波人間を始めとする電波生命体にとっては、空に架けられたもう一つの道であり、あらゆる機械に入り込むための入り口でもある。

○電脳空間
 機械のシステムを司る空間。人間でも理解しやすいように、視覚情報化の処理が施されており、それぞれの機械を象徴する風景をしている。
 例えば車の場合、プログラムがハンドルやタイヤといった姿となって配置されている。冷蔵庫ならば床のあちこちが凍り付いていたりしている。古い機械の場合、プログラムが破損した影響で、床に穴が空いていることすらある。

○電波変換
 電波生命体であるFM星人、およびAM星人が、地球人と融合することである。彼ら異星人が発するZ波を応用したものであり、地球人を電波情報に書き換え、自身と融合する。
 これは彼ら異星人が、地球では本来の力を出せないという弱点を補強するための行為である。
 地球人に一方的に取り付いて操ることもできるらしいが、地球人との相性や了承なども問題になってくるらしい。
 詳しい事はまだほとんど分かっていないのが現実である。

○ゼット波
 電波生命体であるFM星人、およびAM星人の体から発せられている、特殊な周波数を持つ電波である。
 これを物体に浴びせると、電波化することが判明している。
 この効果は人間の体にも作用することが判明しており、彼らはこの力で地球人と融合……電波変換を行う。


 参照.ヨイリーレポートより抜粋
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