夜が来る。
当たり前のように全てを飲み込む漆黒の黒が日本の都市部を包む。
恐怖が、困惑が、諦めがその感情達があらゆる国を包み込み絶望を伝播させていく。
外は春にしてはとてもおかしい。見えるのは4月だと言うのに空の全てを覆う真っ白な灰と昼なのに明かりもつけずに誰もいない都市、街には人どころか生物さえ居ずありんこ1匹の生気すら感じられない。
世界は灰に覆われて人々が絶望している姿が見える…見えてしまう。
日本列島はとある火山の噴火により局所的に雲が覆われ光が差し込まなくなり……いずれ世界を覆う。
あぁまたダメだった。
そう思いながらビルの上に立つ一人の男がいた。
ピンク色の髪の毛に緑色のメガネ、そしてどこにでもあるしま〇らのセールで買った服を着た一人の男。
男は眼下の景色を眺める。目には後悔、懺悔、苦痛、様々な感情がないまぜになって顔に出す。はなから嘘が苦手なのだろう、顔に出してしまっている。だがそれを見るものは誰もいない。
失敗した、失敗した、失敗した。まただ。もう何回だ。僕の力はそれ以上強くならなければならない。今回もその力が足りなかった…それだけだ。それでも悔いは残る。いつまで続ければいい?いつ終わるんだ?この▉▉▉は。
ああ、でも大丈夫だ。また
そう思いながら手のひらを地面に付ける。
行使するのは世界中を探しても自身にしかない権能、緑のオーラが辺りを包み込み周りを優しく照らす。それはまるで奇跡の前兆、イエス・キリストのような死者蘇生は出来ないが充分奇跡と言われるべきことは起こせる。
あぁきっとこのΨ難な出来事は続くのだろう。けれども諦めたりはしない。
僕の平穏のために……どこまでも自分の都合だがそれだからこそ頑張れる。
あぁでもいつかは必ず終わらせよう。そして歩みを未来に進めよう。
ーーーーーそう、自分に誓ったのだ。
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チリリリリリ、チリリリリリ
プツリと目が覚める。何だろうか。とても大切な夢を見ていた気がする。孤独で、冷たい振りをして誰かの為ならばこっそりと力を貸すような人間が世界を救うための戦いに挑んでいるような……そんな夢を見ていたような気がする。
「んん、今何時だったっけ?」
そんな夢を思い出しながらもベットから顔を出して時間を確認する。
時間は5時45分、もうすぐで自身の後輩が起こしに来る時間だ。そう思いながらのそのそとおっさんぽくオレンジ色の髪を掻きながら少女は動く。
見た目は16歳…もしくは17歳の少女がワンルームの部屋に住んでいる……犯罪的だ、もしこの場に警察がいたら職質は免れないであろう。
しかしここには警察は存在しない。しかも警察と同じように治安……と言うよりは未来を守る仕事をしている。端的に言うと正義の組織だ明らかにやばい実験をしているが。
その組織の名は『フィニス・カルデア』人理を守りそして救ったものたち、そして彼女はその組織の最後のマスター『藤丸立香』である。
カルデアの朝は早い。
そりゃ世界(どちらかといえば人類)を救うというくそヤバい仕事だ。
だが仕事となればどこぞの某企画もビックリのブラックぷりを発揮するが基本はそれなりに普通の生活をしている。体を鍛えたりご飯を食べたり魔術の修練(!?)をしたり歴史の授業をしたりガチ恋勢に突然廊下から襲われて百合の花が咲きそうになったり、とある人がケツアゴにポテトを挟んでyoutub〇にアップしようとしたりと普通(?)の生活を送っている。
「おはようございます先輩。よく眠れましたか?」
「おはようマシュ、ぐっすりと眠れたよ」
藤丸立香の隣にいるピンク色の茄子の擬人化は『マシュ・キリエライト』彼女よりも先にカルデアに所属していた後輩であり偉人を現世に降臨してあるサーヴァント……それを体に宿すデミサーヴァントである。
「いやちょっと待ってくださいなんで茄子の擬人化にされているんですか!?」
地の文が見えるのか!?
この小説に出すつもりの
「いや知りませんよ!?ていうか私誰と話しているんですか!?」
「大丈夫?マシュ、またなんか新しい
ちぃ!さすがはデミサーヴァント、開始早々どちらかとある人達のアイゼンティティを強襲するとは…まだギャグの余地は残されているらしい。チェイテ城とピラミッドと姫路城を悪魔合体させてそれをイベントにしただけのことはある。デ〇ルマンも驚いて思わず悪魔を滅ぼすわ。
「もぉ〜、どおしたの?大丈夫?」
「あっ、いえ大丈夫です。」
ギャグをぶっ頃して進む姿はまるで
「それにしても最近は忙しかったですね」
「別のユニバースに行ったりバレンタイン騒動…次には怪盗騒ぎもあるのか」
多すぎである。はっきり言ってカルデア運営している皆さんが過労死しないかとても心配だ。
労働基準監督署を呼んでこい。むしろこっちに来い。
「あっ、そうだ」
ぽんと手を叩いてあの夢を話そうとする。なにかとても
「そう言えば今日はなんか変な夢を見たんだ。なにか……とても大事なことを失敗した人の夢を」
そう頭の中で反芻する。一言一句、見たことを思い出しながら目の前で怪訝な顔をしている後輩に伝えていく。
ピンク色の髪をした男、緑色のメガネ、現実には似つかわしくない光景なのにどこか日常とマッチしてしまう見た目を話す。
どこか儚げでぶっきらぼう、嘘はとても苦手そうな少年が悲しんでいる夢。それでも彼は諦めていなくてまた繰り返す。
「そんな夢を見たんですか……ですがこのようなサーヴァントはまだ居ない筈……」
そうだ。あんな見た目をしたサーヴァントならば彼女が覚えていないはずはない。こう見えてカルデアにいる全ての人やサーヴァントをを覚えている人だ。
「じゃああの人は一体……?」
そう思い出そうとすると……
ビー!!ビー!!ビー!!
『エマージェンシー、エマージェンシー!!』
『特異点が発生、特異点が発生!!』
『あっ、あ〜マイクテス、マイクテス。え〜っと……立香ちゃん?特異点の発生を確認した、今すぐブリーフィングルームに来て欲しい』
カルデアが赤い蛍光色の色に包まれそこかしこに仕込まれたスピーカーから若い女の声が緊急事態を告げる。この状態は特異点の発生を確認した証拠だ。
「……ッ!?行こう!!」
「はい!先輩!!」
「やあやあ、よく来てくれたね。ありがとう」
ドッドッドッと柄にもなく走りながらブリーフィングルームへと着く。
廊下から走って着くまでの速さはまるで韋駄天の如く。大英雄と『チキチキ☆捕まったら死ぬ地獄の大運動会☆』を女神を抱えながら成し遂げただけのことはある。
ブリーフィングルームに着くと出迎えくれたのは特異点を観測しているカルデアのスタッフの人達と1人のサーヴァント。
スタッフの方はコンピュータのようなものを弄る者とそのデータを紙に印刷するもので別れている。すっげー忙しそう(コナミ)
綺麗な手に妖艶な顔、ナニとはは言わないがデカいブツ。同性ですら見惚れてしまいそうな…そして見た目が完全なモナリザと呼ばれる絵画にそっくりの女…真名を『
「うーん?私の紹介が言いようのない悪意が出たような気がしたんだけど?」
「気の所為じゃないですか?それよりもまた新しい特異点が見つかったんですよね?今回はどんな感じなんですか?」
いかにも納得をしていないという顔をしているが今は緊急事態、色々な言葉を飲み込んで異常事態の説明を行う。彼女は基本ふざけるが緊急事態にはきちんと言いたいことは呑み込める良識的な英霊なのだ……良識的な英霊ってなんだ?(哲学)
「あぁうん……まぁいいか。今回の特異点はズバリ、日本だ」
日本といえばこの前ノンレムレイシフトによってその日本の平行世界に飛ばされたりその前には
「だが……いや今回の特異点はなかなか不可解でね」
なかなか珍しい、彼女(?)が渋い顔をするなどそうそう無かった筈だ。あったとしても『こんなことがあろうかと』というドラ〇もんのようにひみつ道具ならぬ自身の発明品を見せびらかす彼女がこんなにもはにかむとは中々大変なのだろう。
「まぁ勿体ぶっても仕方がない。単刀直入に言うと……」
ゴクリと息を飲む。どうやら相当意味の分からないことが起こっているらしい。こんなにも気迫に濡れているのは相当珍しい。
「まぁ簡単に言うとね………………1年間ほど時間が戻ったんだ」
「はい?」
どういうことなのか。そう思いながら私は問う。私はケイローン先生と行った授業の様子を思い出した。
『いいですか?時間を無理やり進めるのは出来なくはないですが時間逆光というものは魔法の域です。ゲーティアが行った人理焼却並のエネルギーがなければ出来ませんしそれですらも計画の裏をつつけばかなり穴が開きます。個人でやるには『 』に接続するしかないですし理論上はできても実践でやるには大抵は出来ません。これをよく覚えているように』
そう、授業で教わっていたことを思い出す。
「しかしですがダヴィンチさん!!時間逆光は魔法の類いでは無いのでしょうか!!」
「いや私もそう信じたいんだけどね?1年間ほど一気にぐわっと戻ったんだよ。それに細かくだけどちょくちょく時間が戻っているs………」
「ダヴィンチ女史!!また数時間ほど時間が戻ったのを観測しました!?」
「ええいまたかね!?これで何回目だ?」
「これで543回目です」
「543!?」
マシュがぶわりと汗をかきながらそう指摘をする。そう、そうなのだ。時間逆光は魔法ということ。つまりは魔法を起こせる存在がいるということになる。魔術王であるゲーティアですら入念な準備が必要だったのだ。たとえ1年間だけであろうとも魔術初心者の立香ならまだしも他の魔術師にとってはこんな事実は発狂ものだろう。というかループが本当に多いな、何回戻っているんだ?
「それにシバの観測状況も悪い…ハッキリ言って立香ちゃんを観測することで精一杯な程にラグが発生している。このため今回はサーヴァントは無しに、現地サーヴァントだけで対処してほしい。お願い…出来るかな?」
「なっ!?ダメです!!許可しかねます!!特異点は危険が大量に有ります!!もしかしたらレイシフトした瞬間襲われて殺されてしまう可能性も……!!」
レイシフトは危険が伴う。
それは当然だ。もしも、可能性として計算が狂いそれを修正しなければ世界の修正力に強制的に消滅させられる。
また他にもレイシフトした後の現地にも危険がいっぱいだ。
エネミーに襲われるのはまだいいほうだ。運と度胸さえあれば逃げ切れる可能性もある。
だがサーヴァントは論外だ。1人で特異点をほっつき歩いていたら氏ぬ…いや死ぬ。
現地サーヴァントですら聖杯によって召喚されたサーヴァントよりも仲間にしやすいと言うだけでいざとなれば裏切り殺害からのアゾられる*1こともあったりなかったりするのだ……おうお前のことやぞキャスター。
「………行きます」
「先輩ッ!?」
「よーし、ありがとう何せ異常事態でね。まさか立香ちゃんを観測するだけで精一杯になるとは思ってもいなかったよ」
危険だが成し遂げなければならない事だと立香は認識している。
というよりそれを成し遂げないと世界が終わるor現在に甚大な被害を及ぼすという絶望のアトモスフィアが漂う地獄のようなものがほとんどだったのだ。神は死んだ!!尚、神は居るしむしろサーヴァントになってる。
「よし、それじゃあちょっと待ってくれ。なに直ぐに終わるし危険になったら素早くレイシフトを停止させるから。立香ちゃんはカルデアの戦闘服の準備を、マシュは立香ちゃんの観測を頼もう。お願い」
「「はい!!」」
そう言いながらもダヴィンチちゃんはスタッフと共に特異点の観測の作業を進める。私はその後ろ姿を見ながら踵を返し、準備を整えるためにマイルームへと足を運んでいった………………。
『霊子変換開始』
『コフィン反応あり』
コフィンに入って状況を確認する声が聞こえてくる。このような事は沢山ありすぎてもう慣れた。今ならばレイシフトしながら居眠りも出来るだろう。
服はカルデア戦闘服、サーヴァントが居ないということはいつもより危険ということ。そのためガンドと呼ばれる敵の動きを停める魔術を兼ね備えた代物だ。しかも特異な奴らを除いて誰だろうと効く。魔獣だろうがサーヴァントだろうが、はたまた魔術王だろうが当たれば例外なく動きを止めるというトンデモ無い服だ。家族の安全の為に一家に一着は欲しい。
『スイッチON』
暗い孔が穿たれる。ここに飲み込まれれば過去の世界へとレイシフトが完了する。
あぁ次は何処に着くのだろう?出来ればラスベガスのような危険では無いところがいいな。というかそこじゃないと死ぬ。
『レイシフトを開始します』
この音声が聞こえたと同時に私は軽い睡魔に襲われて意識を失った。
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やれやれ、やっと僕のターンがやってきたか。遅かったな。作者は小説を書く才能が無いんじゃないか?
さて必要ないとは思うが自己紹介だ。
僕の名前は斉木楠雄、超能力者である。
今画面の前にいる皆は超能力と聞いて何を思い浮かべるだろうか?
物体を意志の力だけで操る『サイコキネシス』?
好きな時間に好きな場所へ行ける『瞬間移動』?
遠い場所もよく見れる『千里眼』?
個人で微妙な違いかあるかもしれないが少なくともこれくらいは思い浮かべるだろう。
そして僕はこう言おう。全部使える。
超能力ならば僕はほとんど使えると言っても過言ではない。
瞬間移動、念力、千里眼、透視、
まさに夢のような人生!!
この超能力のせいで僕の人生はボロボロだ。
なんでも出来る?あぁそうさ。これを与えられたということは認めよう。この力さえあればギャンブルで大勝する事も、世界中から称賛の嵐を浴びることも、異世界物の魔王のように世界だって征服することも可能だろう。なんでも出来る。だが何かを与えるというのは何かを奪うということでもある。僕の場合は色々な物を奪われた。
常人の何かを苦労して厄介事をクリアした時の達成感も、サプライズのドキドキ感も僕は味わうことが出来ない。
怒りも悲しみも無い代わりに、喜びも楽しみもない。それが僕のこれまでの人生だ。
それに超能力だって万能では無い。何かしらのデメリットが付き物だ。
さっきもタイムリープに巻き込まれた。常人でいうとしゃっくりと同じくらいの頻度で発生するのだがこれは心を無にしないと脱却出来ない。
このように僕の超能力は何かしらの欠点を抱えている。
タイムリープならば突発的に起こることがある、相手の心を読むテレパシーならば半径200メートル以内の生物の本心を全て読まされる、瞬間移動は3分のインターバルが必要だ。デメリットの無い超能力はほんのちょっとが"あれ"をするしかない………だから………
「あの…ここは何処ですか?後、髪の色凄いですね!!髪に付いている変なものはなんですか?」
『………ドウシテコウナッタ?』
突然目の前に現れたオレンジ色のピッチリスーツを着た人に話しかけられた。冗談じゃない、これ以上の厄介事は十分だ。燃堂たちで手一杯なのに。
どうやらまた新しいΨ難が始まるらしい。そんなものはアニメ番まで取っておけ。
新たな特異点で会うのは一人の
はてさてこの先どうなるのか。
それはまだ誰にも分からない。
ーーーーーこれは異なる世界を救う物語。
斉木楠雄のΨ難を知らないそこの君ィッ!!
ジャンプ+で読めるからみんな見よう!!