行商人が一番大事なものは何かと聞かれるとなんと答えるか。
素人は資金だろうと考えるだろうが、有能な商人はウマ娘のパートナーと答えるだろう。
確かに資金は大事だ、だがウマ娘が引く馬車が無ければどんな有能な商人も商品を少量しか運べず大した利益を生み出せない。
ゆえに行商人はウマ娘と契約して馬車を引いてもらい、より多くの商品を運び利益を生み出すことに腐心する。
商人とウマ娘との契約には大きく分けて2パターンある(*1)、単純に金銭や福利厚生を条件に結ばれる労働契約と、労働の対価として生活の世話を受けつつ商人としての教育を受ける徒弟制度である。
期間は労働契約の場合は短いと一度の旅のみの契約から生涯雇用(*2)まであり、徒弟制度の場合はウマ娘本人が商人を諦めない限りは師匠の商人に一人前と認められるまでで、独り立ちするウマ娘には師匠が馬車を贈る文化があった。
また。上記の関係から進展して商人とウマ娘が婚姻関係を結ぶ場合も多かったようだ。(*3)(*4)
商人は妻を見ると街に長くいる者かどうか分かるということわざがあり、それは元行商人の者はウマ娘を妻として、街で育った商人は人の女性を妻とすることが多かった(*5)からだと考えられる。
行商人とウマ娘の関係はどうしてもビジネスライクになりがちだが、中には美談もあり、ウマ娘は元来臆病な性格のものが多いがく、驚いた拍子に暴走してしまい怪我をすることもままあるが、ある商人は暴走の末に大怪我をしたウマ娘を、馬車と商品を捨て置き町まで数日かかる距離を運んだとの逸話もある。
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*1.地域や時代にもよるが、ウマ娘の人権が認めれてない時代は家畜や奴隷として購入されている場合もあった。
*2.大きな商会や貴族との労働契約で見られる形態で、この場合その一族ごと世話を見るので馬車引きは最初のウマ娘から子や孫のウマ娘に引き継がれ、人は丁稚や使用人として雇われることが多かったようだ。
*3.ほぼ必ずウマ娘を連れて旅をする行商人は、騎士階級と違い身分を考慮する必要もなく、男女で長く共同生活を送るため関係性が恋愛に発展しやすいと考えられる。
*4.商人の個人所有の複数頭立ての馬車の場合、その馬車を引くウマ娘全てが商人の関係者の可能性があり注意が必要だった。
*5.先に書いた通り、行商人がウマ娘と婚姻関係になることが多かったが、町などで育った商人にはウマ娘に特別な思い入れはなく、他の商人との縁を繋ぐために、商人の娘と結婚することが多かった。