呪術廻戦───黒い死神───   作:キャラメル太郎

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最高評価をしてくださった、鯱熊 セミさん 泰 時雨 burnyさん。

高評価をしてくださった、さばっぺ ダンまちファン チルッティドラグーン さんの皆さん、ありがとうございます。




第五十話  分岐点に向けて

 

 

 

 

「──────良かったんですか?折角の最後の交流会に参加しなくて……」

 

「良いんですよ別に。興味ないし。私の相手できるの東堂ぐらいなのに、私の方が強いから。私が出たら勝っちゃうもの」

 

 

 

 補助監督の鶴川が運転席に乗り、反承司零奈はつまらなそうに後部座席に乗っていた。龍已が絡まないと誰に対しても冷めた態度になる。何度もお世話になっている鶴川でさえこれである。例外が居るとすれば家入くらいのものだろう。

 

 強気な発言に苦笑いする鶴川だが、実際反承司が東京校の学生の中で飛び抜けて優秀で強いことは知っている。在学中にも拘わらず1級呪術師に昇級されているのは伊達ではない。それに加え、あの特級呪術師の黒圓龍已の任務に同行することができている時点で、その実力は非常に高いものだ。

 

 対呪霊に示す等級が人間相手にも当て嵌まるとは言えないが、それでも同じ1級呪術師にも力の差は存在する。特に、東堂は反承司と同じ1級呪術師だが、彼の術式と反承司の術式は相性が悪い。戦えば、反承司が勝つことが高確率なのだ。それでも彼は嬉々として戦うのだろうが。

 

 基本的に他人と深く関わらない反承司は、2年と1年とは殆ど会わない。任務も等級の違いから任される難易度的に1人が多く、誰かと一緒になるならばやはり龍已が相手になる。体術の訓練が実施されると共にやるが、呪力ありでも無しでも、反承司が他を圧倒する。真希の天与呪縛すら歯牙にも掛けないのだ。

 

 

 

「団体戦、3年生居ないですが大丈夫ですかね」

 

「大丈夫じゃないんですか。そもそも……」

 

「……?」

 

 

 

 ──────そもそも……団体戦は()()()終わるし。虎杖と東堂がアレの相手するでしょ?五条悟が『帳』消すのに時間掛かる。それで龍已先生はアイツに邪魔される。まあ大丈夫……あ。

 

 

 

「龍已先生の機嫌大丈夫かな……あとでデート誘おうと思ったのに……」

 

「え?龍已さんが何かありましたか?」

 

「……知ってます?龍已先生──────」

 

 

 

 

 

 

 ──────意外と気が短いんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────げぼッ……ごぼッ……オ゙ェ゙ェ゙……ッ!?」

 

 

 

「──────この俺をどこまでも虚仮にした挙げ句舐め腐りおって、大した呪力も力も持ち合わせん塵芥の有象無象如きが。お前の邪魔の所為で生徒が死んだらどうする?呪詛師が逃げたらどうする?どう落とし前をつける?何を以て償う?存在しているだけ邪魔以外の何ものでも無い、価値無き呪いが、何の大儀があって俺の前に再び現れた。嗚呼……腹が立つ。腸が煮えくりかえりそうだ。死ね。疾く死ね。死して悔い改めろ」

 

 

 

 ──────はぁ……ッはぁ……ッ……。動きが全く見えねェッ!俺様の眼でも捉えられねェ打撃が、気づかねェ内に2、30叩き込まれてやがるッ!再生が追いつかねェよクソッ!花御と()()はまだかッ!?この化け物をいつまで相手にしてりゃァ良いんだッ!?コイツの遠距離無効化しても、コイツには素手が有ンじゃねーかッ!!

 

 

 

 肩から千切られた左腕。8箇所の胴体に開けられた風穴。へし折られた右脚。半分抉れ飛んでいる顔面。地面に手を付いて、荒い息を繰り返す獸崇の獅子頭は、ゆっくりと近づいてくる龍已に対して、恐怖に似た感情を抱き、この場に居ない仲間の特級呪霊を急かした。

 

 地を踏み締める足音。手の関節がばきりと鳴る。感じる気配は濃密で、身を覆う呪いは破滅的だった。見られているだけで祓われてしまいそうな殺意と怒気を宿す双眸と、激情を抱いているのに反比例して動かない表情がどこまでも不気味で恐ろしく、狂気すらも感じる。

 

 獅子頭が発動している術式『枷斂堺牢(かれんかいろう)』は、自身と相手に一切の遠距離使用不可を与え、近接戦のみによる決着を強制する特異な領域を展開する。領域展開のように具現化させた生得領域に相手を引き摺り込み、結界内と外側での分断はしない。あくまで分断しないだけの空間を作り出すのだ。

 

 そしてこの近接戦強制空間は、定めた相手との距離があって他にも仲間が居るほど厄介な術式となる。範囲は既に決められたものではなく、術者である獸崇と術式を掛ける相手を包み込む形で展開される。つまり、獸崇を中心として龍已を領域の中に入れているのではなく、発動している円形の領域の端と端に両者は居る。

 

 最大有効範囲150メートル。獸崇が居る端から龍已の居る端までなので直径で最大150である。しかしこの領域は円形なため、獸崇と領域の中間に誰かが入っている場合、そのものも敵味方関係無く遠距離使用不可を与えられる。よって、距離を取れば取るほど、味方を捲き込んでしまうのだ。

 

 一方で、距離を詰めれば詰めるほど、発動している術式の領域は小さくなっていき、零距離にもなれば誰かを巻き添えにすることは無いぐらいの大きさになる。だから、龍已が獸崇と戦いを始める前、五条の『赫』が無効化されたのだ。標的として定められたのは龍已だというのにだ。

 

 この術式は、攻撃の余波で生み出されたものの影響も無効化する。例えば、龍已が刀を振って剣圧で斬撃を飛ばしたとしても、それが意図せず勝手に出たものでも無効化される。意図するしないに拘わらず、それが遠距離からの攻撃と成り得るならば、それは術式の対象となる。元来より人々の注目を集める拳と拳によるインファイト。小細工無しの鉄拳決戦。純粋な力勝負で弱肉強食の世界を再現する。

 

 

 

「鬱陶しい術式を持った呪霊も居たものだ。俺だけでなくその他にも作用する結界型の術式だろう。五条が術式を無効化されると同時に俺も『黑ノ神』が使えなかった。お前を中心としているのかどうかは知らないが、有効範囲は100から150といった具合か?中々に広いな。だが、近接を得意とする場合はこんな結界何の意味も為さん。さっさと目的と仲間の数、持っている術式の詳細を吐け」

 

「……ッ。く、クククッ……誰が吐くかよ間抜けな人間がよォッ!ちょっと動きが速ェからって調子ぶっこいてんじゃ──────」

 

「要らぬことを喋る口こそ要らんよな?」

 

「──────ッ!?がぼッ……!?ごぼ……っ!!」

 

 

 

 目的は何があろうと話さない。話せば、龍已に一瞬で祓われてしまうからだ。獸崇の役目は、広大な術式範囲を持ちながら規格外の呪力出力を持つ殲滅力に特化した黒圓龍已を足止めし、時間稼ぎすること。狙撃されれば、離れたところからでも一撃で祓われる可能性が大きい為、龍已の術式を完封することができる術式を持つ獅子頭にしかできない時間稼ぎ。

 

 これが無ければ、『帳』が降りる前に一緒にやって来た、眼から枝が生えた特級呪霊の花御(はなみ)が祓われる。他にも手を組んでいる呪詛師が、予め内容を設定してあり、誰でも簡単に『帳』を降ろす事ができる呪物を即座に破壊され、『帳』すら降ろせない可能性すらあった。

 

 そして、『帳』を降ろして注意を引きつけておかなければ、虎杖と七海が戦ったツギハギだらけの特級呪霊真人(まひと)の事が露呈してしまう。そうなれば目的が果たせない。なので今回の襲撃で最低限やらねばならないのは、『帳』で五条悟及び黒圓龍已の分断と、獸崇による龍已の術式無効化である。これを実行できなければ作戦もクソも無い。

 

 呪霊が肉体を修復するのは、反転術式を用いて傷を治す人間と比べて難しいものではない。全身が呪いによって形成されているため、生身の肉体を細胞から治す人間と違って呪いを込める事で傷は治る。そしてその修復速度は等級が高ければ高いほど早いとされている。身に宿す膨大な呪力を使ってすぐに完治させてしまうのだ。

 

 龍已にやられて風穴が開けられた胴体や千切れた腕、へし折られた脚と抉れた頭の修復を即座に終わらせた獸崇だが、目的を問い掛ける龍已に反発すると、瞬きすらしていないのに姿を消し、目前にいつの間にか居た彼に獅子の口、下顎を掴まれた。振り解けず、腕を掴んで外そうにも微動だにしない。

 

 腕の形をした恒星を、力でどうにか形を変えてやろうとしている感覚に近いくらい、全く動かない。岩よりも硬く、山よりも大きく、恒星の如く存在している。それを可能とする人間の理から逸脱している超人的肉体と、際限の無い呪力、限界以上に肉体を強化する呪力操作。

 

 掴まれた顎は、分厚い鉄板を引き千切る握力で離せず、伸ばされた腕を自身の腕力で折るなり弾くなりしようと試みても、一切動かない。隔絶とした純粋な力の差を見せ付けられながら、獸崇は下顎を力任せに引き千切られた。呪霊の血を吐き出し、後退した瞬間に蹴りを入れられて両脚の膝から下を両断された。投げ捨てられた脚の無い人形のように無様にも転がり、口を手で押さえる。

 

 痛みよりも恐怖よりも、黒圓龍已に対して感じるのは絶望感だった。術式があれば秒で祓われ、術式を無効化しても素手によってこの格差。身の内に秘める呪いの量は破滅的で、気配に敏感で察しも良い。こんな相手にどうやって勝てば良いのか。それに加えて、反転術式すらも修得しているという。獸崇は自身が、本当に時間稼ぎしかできないのだと痛感する。

 

 

 

「ぐぶッ……ごぼ……っ……はぁ……はぁ……矢鱈と急かすじゃねーかよ……えェ?そんなに人間のクソガキ共が心配かよ!?テメェよりも弱くて脆いガキ共ガよォッ!?」

 

「今は確かに弱い。釘崎も伏黒も虎杖も、真希も狗巻もパンダも、反承司ですらまだ俺からしてみれば弱い。だがそれは()()だ。俺や五条のように、呪術界で生きてきた者達の背中を見て、得て、学び、力をつけていく。彼等彼女等は確かに弱いが、弱いままではない。日に日に強くなっている。いずれは俺や五条の必要が無くなるだろう。俺ができるのは……これからを作る若者に生き方を教え、成長を促すことだ。どの子達も優秀だ。それを……俺の手の届く範囲に居る子等を殺そうとしている、お前のような塵芥が我慢ならん」

 

「くっだらねェなッ!強い者は強いッ!弱い奴は所詮弱いンだよッ!教える価値も、救う価値も、育てる価値も無ェッ!強い奴等だけが固まって生きていれば良いッ!自由こそが理想ッ!力こそが真理ッ!だから俺様は雑魚の存在を認めねェッ!数だけいっちょ前の人間はこの世界から消して、より優れた俺様達呪霊の……動物の世界を再形成するッ!そのためには五条悟……そして黒圓龍已ッ!テメェ等が邪魔なんだよッ!」

 

「その理論でいくならば──────お前もこの世から消えて然るべきだろう塵芥(雑魚)が」

 

「……ッ!クソがぁああああああああああッ!!!!」

 

 

 

 両脚の再生を即座に終わらせる。獸崇、彼は人間に狩られてしまった動物達が、今際の際で抱いた負の感情が凝り固まって生まれた動物の呪霊だ。故に彼の術式は、弱肉強食の世界故の遠距離を行わない術式、相手を仕留める純粋な速度の術式、時には相手から逃げる逃走の術式を持って生まれた。

 

 自由に、強者らしく、力で以てその他を狩る。今まで無惨にも殺されていった数え切れない動物達の負の感情の塊。仇を討つには、動物を最も殺してきた人間を絶滅させるしかない。動物の呪いから生まれた、人間を敵視する獸崇は、存在しているだけで人間を赦せない。負けられない。

 

 だがそれは、所詮獸崇という呪霊の身の上話。発生した理由。抱く理想。それを叶えるには力が必要で、目の前の人間を殺すことが最優先でもあり、呪霊の最上位クラスの彼の力では到底、最上位クラスの人間の彼を殺すことなどできなかった。

 

 

 

「情報を吐く気が無いなら死ね。お前の不幸話や理想論なんぞ、心底どうでもいい」

 

「クソッ……くそッ………くそ…………っ──────」

 

 

 

 彼に対話での交渉は不可能。特に呪霊、そして呪詛師が相手ならば尚のこと。再生した足を踏み締めて、動物の強靱な筋肉を再現した俊敏性と瞬発力、速度で龍已に差し迫る。爪を鋭く伸ばして、体を割いて引き裂き殺そうと手を伸ばす。これまで受けた動物の無念を思い知れと。

 

 しかしそれはやはり届かなかった。理想や願望だけで、力の差は埋まらない。奇跡は降り注がず、女神は微笑みすらしなかった。伸ばした手を横にズレて避け、手を伸ばして獅子頭を鷲掴みにする。向かっていった速度と龍已の腕力により、首はみちりと音を立てながら千切れ、文字通り頭が手中に収まった。

 

 少しずつ握力でちからをくわえられていく。目玉が耐えきれず飛び出し、口が拉げ、肉が引き千切れていく痛みを味わいながら、またしても傷一つ与えることができなかったと無念を抱く。獅子頭は本体ではない。故にまた復活する。しかしそれでも、弱肉強食を再現する術式下で完全敗北したことが、1番ダメージを負った。

 

 獅子頭は握り潰される。徹底的に、無惨にも、そして無慈悲に。手にこびり付いた体液を振り払って、龍已は術式効果が切れて再び使用可能となった『黑ノ神』を起動させ、降りてしまっている『帳』へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────五条、中に入らなかったのか?」

 

「センパイおかえりー。それがさー、中に入りたいのはやまやまなんだけど、どうも『五条悟の侵入を拒む代わりにその他一切の出入りが可能』って効果を持ってる臭くてさ?」

 

「辻褄が合うな」

 

「あ、この『帳』2枚あって、この奥にもう1枚あんの。多分センパイも僕と同じ事されてるから入れないよ」

 

「……チッ。歌姫先輩と楽巌寺学長は中か」

 

「そうだよ。歌姫弱いから特級呪霊と戦ったら死んじゃうけど、生徒の避難誘導くらいはできるでしょ。問題はその特級だよねー。中に居る生徒で特級と戦えるの(東堂)くらいだもん」

 

 

 

 ものの数秒で『帳』のところまでやって来た龍已は、五条と合流した。歌姫と楽巌寺学長は既に中に入っている。学生の避難誘導が最優先されるだろうが、問題は五条と龍已が中に入れないことだ。『帳』は2枚。1番外側が五条悟の侵入を拒むもので、内側が黒圓龍已の侵入を拒むものだ。よって2人は中側に行けない。

 

 触れると強く反発されてしまい、無限の障壁を張っている五条でも無理矢理中に入るのは無理だった。なので入る方法は『帳』を消すしか無いのだが、この『帳』は思っていたよりも頑丈な出来なようで未だ破れていない。

 

 そうこうしている内に、龍已が獸崇の獅子頭を祓って合流までしてしまった。中には特級呪霊が居る。生徒の中で特級の相手ができるのは東堂くらいなもので、その他だとやられてしまう可能性が高い。早くどうにかしないとな……と思っていると、龍已の脚に目が行った。長い脚に巻かれたレッグホルスターと、中に納められた『黒龍』に。五条は、ニンマリとした笑みを浮かべた。

 

 

 

「ねぇセンパイ。僕と一緒に『帳』へ攻撃してみる?──────ゴリ押しで♡」

 

「──────乗った」

 

 

 

 なんて頭の悪い提案と短絡的な答えだろうか。

 

 

 

 一応言っておくと、2人の侵入を拒む『帳』はその攻撃に対しても有効だ。彼等を侵入させないために、その他の出入りは可能としている効果のある『帳』を、ゴリ押しで消してしまおうとしている。ましてや一緒にと提案して乗っている時点で、この世界にこれ以上の攻撃があるだろうか。

 

 受ければ大体の者は死滅するだろうに、やろうとしていることは、まるでタックル対策してきた相手にタックルで攻略するようなもの。それでは女子レスリングの吉田〇保里みたいではないか。いや、あの人も筋肉によるゴリ押しタックルなので仲間なのか……?考えるのはやめよう。

 

 地上から撃つと『帳』を破った場合、射線上に居る者達を巻き添えにして殺してしまうので、2人は少し高度を上げて『帳』の上部を狙うことにした。五条は無限を使って空中を滞空し、龍已は『黑ノ神』1つを足場にして空を飛んでいた。

 

 最強と最凶が手を組んで呪いを練り上げる。無限の術式反転を、呪力出力に任せた埒外な呪力の塊を、それぞれ『帳』に向けた。五条の指先には黒い小さな球体が発散されるのを待ち、龍已はレッグホルスターから抜いた『黒龍』2丁と6つの『黑ノ神』合わせて合計8つの銃口を向ける。

 

 

 

「術式反転──────『赫』」

 

「一斉掃射──────『無窮ノ晄』」

 

 

 

 集束された無限を発散し、呪いの光線が8つ『帳』に注がれた。最初こそどうにか持ち堪えられそうにも見えたが、莫大な呪力に押されて『帳』には大きな穴が開けられ、あっという間に上がった。遮られて見えなかった中の様子が見えるようになる。気配も感じ取れるようになり、五条は六眼で、龍已は呪力の音波で状況を把握した。

 

 特級呪霊に襲われてやられてしまったのか、加茂と狗巻は西宮に抱えられて空を飛びながら移動している。歌姫は呪詛師らしき男と対峙し、その近くに釘崎と真依が居る。

 

 他の場所ではパンダが走っており、戦闘不能になったらしい真希と恵を抱えていた。問題の特級呪霊は東堂と虎杖が対峙している。その際に、五条と龍已は虎杖の呪力から格段に強くなっていることを察する。この短い間に一体何があったのかと思うが、今それは置いておくとして、早急に呪詛師と呪霊をどうにかしなければならない。

 

 五条は自身が特級呪霊をやるから、龍已には呪詛師をやって欲しいと告げる。情報を抜き取りたいから殺さないでとも付け加えて。問答無用で殺したいところだが、確かに情報を抜き取るためにも即座に殺すわけにはいかない。不服ではあるが、仕方ないと割りきって空に向けて呪力弾を撃ち放った。

 

 

 

「悠仁のところまで距離があるな……少し、乱暴しようか。術式順転『蒼』……術式反転『赫』──────」

 

「墜ちてこい──────」

 

 

 

「虚式──────『(むらさき)』」

 

「──────『碧落(へきらく)墜祓(ついばつ)』」

 

 

 

 順転の『蒼』と反転の『赫』をぶつけ合わせることで仮想の質量を押し出す、五条悟の扱う技の中で最速最強の一撃『茈』。呪力の銃弾が弾け、天より降り注ぐ細い呪いの光線『碧落ノ墜祓』。各々が定めた敵に向かって突き進んだ。『茈』は東堂と虎杖が手をしていた目から枝が生えた特級呪霊の花御に。『碧落ノ墜祓』は2人の呪詛師へ。

 

 しかし、『茈』は花御を消し飛ばす寸前までいったものの、植物を身に纏って移動したことで祓いきれず逃がし、『碧落ノ墜祓』は楽巌寺学長が対峙していた方の呪詛師の手脚を撃ち抜いて消し飛ばしたが、もう1人の歌姫が対峙していた呪詛師は()()()手脚を貫通するだけに留まり、大怪我を負いつつも気配を消して逃げた。

 

 逃げの算段がついていたことは明らかだが、龍已は取り逃がした呪詛師に舌打ちをした。確実に手脚を撃ち抜き消し飛ばそうとしたのに、何故か解らないが撃ち抜いただけで終わってしまった。大怪我を負わせられたが、逃げられた事に変わりは無い。

 

 もしかしたら、そういった何かしらに作用する術式なのかも知れないが、あの呪詛師を殺し損ねたということだけで、龍已は超絶不機嫌になった。姿形、気配などは全部覚えたので、次に会ったり見かけたら必ず殺すと心に誓う。

 

 

 

「──────いでぇっ!いでぇよォッ!!!!」

 

「黙れッ!」

 

「イエーイ!一件落着ぅっ!」

 

「チッ。チッ。チィッ……ッ!……この俺が呪詛師を1匹逃がした。恥だ」

 

「ま、まあまあ龍已落ち着きなさいよ、ね?見てたけどかなりの深傷だったし、もしかしたら逃げてる最中に……ってことも全然有り得るから!ね?」

 

 

 

 動ける者は集合し、重傷の者達は家入の居る医務室へ送られた。五条が明るく一件落着と言って誤魔化しているものの、実際はそんな簡単な話ではなかった。特級呪霊花御と獸崇の襲撃により、五条と龍已の意識は彼等のところへ逸らされていた。その間に、別動隊として侵入していたツギハギの特級呪霊である真人が、高専にある呪物を置いてある忌庫に忍び込んだ。

 

 以前、真人と邂逅した虎杖と七海だが、真人に唆されて呪術を扱うようになった吉野順平、その母親が『両面宿儺の指』に集って集まってきた呪霊に殺されている。回収した指は忌庫に保管されていたが、封印している符の内側に、真人の呪力で作った別の符を貼っていた。つまり、自身の呪力を追えば忌庫に辿り着けてしまうのだ。

 

 高専にある建物の寺社仏閣の殆どがハリボテであり、天元の結界術によって日々位置が変わっている。その中の1000を超える扉の内1つが、危険度の高い呪物を保管する忌庫へ繋がっていた。本来はそんな膨大な扉から正解を短時間で見つけ出すのは不可能に近いが、呪力を辿ることで真人は遣り遂げた。

 

 盗み出したのは特級呪物『両面宿儺の指』6本。同じく特級呪物『呪胎九相図(じゅたいくそうず)』1番~3番である。五条悟と黒圓龍已が居ながらに何という体たらくかと、上層部からの圧力が掛かるだろうが、生徒を優先したので仕方ないのだろう。龍已に関しては術式を封じられていた。

 

 持ち出されてしまったことは仕方ないので、それは1度置いておくとして、次に負傷者についてだった。警備のために配置していた2級呪術師3名。準1級呪術師1名。補助監督5名。忌庫番2名。どれもが現場に出て行った五条と龍已達と別行動をしていた者達だ。

 

 捕らえた呪詛師に情報を吐かせようとするが、要領を得ない発言が目立った。ただ、今回の襲撃は取引により行い、男か女か分からない白髪オカッパの子供に命令されてやったに過ぎないとのこと。誰もその特徴を持つ人物について心当たりがないので保留になり……。

 

 

 

 

 

 後日。1日の休憩期間を設けられた明くる日、交流会は中止どころか野球をして決着をつけた(東京校の勝ち)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いてくださいよ龍已さん!私はずっと危険なことはしないでって口を酸っぱくして言ってたんですよ!?なのに今回私の友達を助けるためとはいえ……もう!そういうのはやめてって言ってるのに!」

 

「……仕方ねーだろ。呪術師は常に危険が伴……ッ!?何すんだよッ!」

 

「そういう事言ってるんじゃないの!態々危険を冒さないでってこと!」

 

「まあまあ。津美紀も、恵が友達のこと救うために無茶したってことは分かってるんだから、もう少し優しく言ってあげなさい?折角助けてくれたんだから。それに、恵はもういっぱい怒られてるだろうから、もうしないわよ。ね?」

 

「……まあ」

 

「…………………はぁ」

 

 

 

 龍已は現在、伏黒家にお邪魔していた。最近は忙しくて来ていなかった恵と甚爾の家。そこには元気に怒りを露わにする恵の姉である津美紀と、母である暁美が居た。甚爾はパチンコに行っているので今は居ない。

 

 何故、津美紀がこんなにも怒っているのかというと、つい最近恵と虎杖と釘崎の1年生班でとある事件を解決したのだ。昔に当時肝試しとして有名だった八十八橋という橋があり、そこに行ってバンジージャンプをするのだそうだ。自殺スポットとしても有名で、それ故か肝を試す不良達が多かった。

 

 その中の一人が、数年前に八十八橋へ行ってから、最近になって家の扉が自分が帰ってきた時だけ開いている……という異常を示し、何も居ないが絶対にそこに居るという感覚に襲われているらしい。その人以外にも、20年以上前に行ってから今年に入り、扉の前で呪霊に刺し殺された者達が出始めた。

 

 問題は、その八十八橋に行った者の中に、津美紀の親しい友人も居たということ。病院で寝込んで起きない友人が心配で体調を悪くするくらい、津美紀は悲しんでいた。それを知った恵が事情を調べるが、任務の難易度が上がって1年生3人では手に負えないという判断が下った。

 

 しかし、恵は虎杖と釘崎を危険な目に合わせられないし、姉の友人が危険なだけで関係無いため帰らせようとした。結局はそれがバレて3人で補助監督の新田明に連絡せず、勝手に任務を続けたのだそう。その過程で、『両面宿儺の指』を取り込んだ特級呪霊1体。先日盗まれた『呪胎九相図』の受肉体2体を単独祓除した。

 

 虎杖は交流会で襲ってきた花御との激闘で黒閃を経験し、呪胎九相図との戦いで釘崎も黒閃を発現。恵に至っては不完全とはいえ領域展開を修得してみせた。もちろん、勝手な任務遂行は厳禁なので学長にしこたま怒られたし、勝手なことはするなと龍已にも怒られた。五条は特級呪霊の単独祓除すごいねー!だった。

 

 今回は上手く祓えたかも知れないが、もしかしたら全滅していた可能性すらもある。怒られるのは当然であり、それぞれは少しの間謹慎処分となった。龍已はその事を説明するために、久し振りとなる伏黒家へ来たという訳だ。

 

 

 

 ──────1年生で特級呪霊を単独撃破……凄まじいな。ましてや『呪胎九相図』の2番、3番を含めた特級呪霊だ。俺()の時よりも傑物揃いだな。3人居て3人生き残る……理想だな。

 

 

 

「龍已さん?」

 

「……どうした?」

 

「いえ、何だか悲しそうだったので……」

 

「……ふーッ。いや、何でもない。まさか教え子が無茶をして特級呪霊を祓い、謹慎処分を受けるとは思わなかっただけだ」

 

「……すいません」

 

「気持ちは嬉しいけど、無茶しないでよ!」

 

「分かったよ……」

 

「でも、本当にありがとう。恵」

 

「……俺だけじゃなくて、虎杖と釘崎が居たからだ」

 

「もちろん!それはそれで、虎杖君と釘崎さんにはちゃんとお礼言わないと」

 

 

 

 まだ面識は無いが、会うことがあれば是非ともお礼を言いたいと思っている。けど、危険なことを独断でやったことに変わりはないから、年上のお姉さんとしてそこはかとなく注意する予定だ。恵は弟なのでバッチリ叱ったが、弟の友人に強く当たることはできない。

 

 ちなみにだが、津美紀は恵と甚爾がどういう世界に身を置いているのか知っている。普通の学校だと嘘をついても良いが、母である暁美も知っていて、知らないのが津美紀だけというのも可哀想だし、何よりずっと嘘をつき続けるのは無理でいつかはバレるのだと思えば、自然と教える形になった。

 

 その際に、実は龍已も同じく呪術界に身を置いていて、お世話になっている五条も同じだということを聞いて、逆に安心したようだった。五条や龍已が居れば、恵がある日突然死ぬなんてことは起こらないだろうと。彼等がどれ程の高みに君臨するのか、そこまで深くは知らないが、頼りにしている。

 

 今回は独断であり、龍已も任務に行っていたし、五条も同じく違う任務中だったので教えられたときには全てのことは終わっていて後の祭りだった。今回は良い具合に話が纏まったが、今後はこのようなことが無いようにと厳重注意をしている。

 

 

 

「ねえねえ龍已さん!今日晩ご飯食べていきませんか?」

 

「……ん?」

 

「龍已さん来るの久し振りだし、恵が帰ってくるのも久し振りなんで、一緒に食べましょう?」

 

「すまないが、俺はこのあと──────」

 

「──────津美紀がそう言うと思って、近場だったから帰りに祓っといたぜ」

 

「あ、お父さん。ありがとう!龍已さん、良いですよね?」

 

「私も久し振りに龍已君の手作りご飯食べたいなー」

 

「……家入さんには俺が連絡しておきますんで、どうぞ。……津美紀がすいません」

 

「……はぁ。では、ご馳走になります」

 

「良かったぁ……ふふっ。楽しみです!」

 

 

 

 スマホで家入に連絡している恵を見つつ、こういう時だけは行動が早いと、帰ってきた甚爾をジロリと見る。戯けるように肩を竦めるのを見れば、パチンコに行っていたのかも怪しい。確かに近場の映画館に発生した呪霊だが、確か車で1時間くらい掛かった筈だ。まあ、甚爾が本気で走れば三十分以内には余裕で着くのだろうが。

 

 用意が良いから、恐らく伏黒家に行くことを事前に言っておいた時には既に夕飯を誘おうとしていたなと、計画的なものを感じ取った。何だかんだ嫁や娘に甘い甚爾ならば文句を言いつつ祓ってきたに違いない。恵が家入から承諾を得て、少ししたら寄ると聞いてきたのを皮切りに、望み通り手料理を振る舞うためにソファから腰を上げた。

 

 お馴染みの溜め息は吐きながら立ち上がったら、肯定の合図と受け取っているのか、津美紀が嬉しそうに龍已の背中に抱き付いてお礼を言ってきた。いつの間にか恵と同じく高校生になっている津美紀の成長具合に感心した。と、その時に後頭部に視線を1つ。

 

 

 

「甚爾、津美紀が彼氏を連れて来たらどうするつもりだ?」

 

「あ?ンなもん、まずぶん殴んだろ」

 

「殺す気か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三輪霞には悪いけど──────お前の救済はできないよ、メカ丸(与幸吉)

 

 

 

 歌姫は探していた。高専の内情を呪詛師延いては呪霊に横流ししている内通者のことを。解ったのは、誰なのか解らないこと。故に内通者を絞り込むことができた。身が潔白すぎる相手であり、最も内通者に向いている術式……傀儡操術を持つ与幸吉。

 

 肌は非常に脆い状態でありながら激痛が常に奔り、膝から下と右腕が無く、腰から下の感覚が無いという非常に脆く弱い体を持って生まれた彼は、天与呪縛によって生まれてからその肉体と付き合って生きてきた。しかし心から望んでいた、普通の体を。呪術を差し出して普通になれるならば喜んで差し出すと言う彼は、魂の形を変えられる呪霊の手を取った。

 

 天与呪縛により実力以上の呪力出力と豊富な呪力、そして黒圓龍已すらも凌ぐ……日本全土に及ぶ超広大な術式範囲。それを存分に使い、与幸吉は高専の内情を呪霊達に流し、その代わりに京都校の者達には手を出さないことと、自身の体を普通に戻すことを縛りで結んで手を結んでいた。

 

 そして、今回の交流会で京都校にも手を出した事で縛りを破ったとして与幸吉は同様に縛りの内容を放棄し、すぐさま体を元に戻すことを言いつけた。他者との縛りを破った場合、ペナルティがどのようなものになるかは解らない。故に、真人は与幸吉を治すしかないのだ。

 

 天与呪縛に縛られていた17年の歳月。それを呪力に変えて真人と殺し合いをした。自身の魂の形を変えて様々な形状を取れる真人に物理は効かない。しかしそこをシン・陰流簡易領域の呪力で以て攻略した与幸吉だった。が……彼は無惨にも殺された。殺したと思って安堵した瞬間を狙われ、接近を許してしまったのだ。

 

 本来居るべき場所からは退去しており、尋問するために訪れた歌姫、虎杖、釘崎に姿を見せず、人知れず独りで死んでいった。ある程度()()()が絞り込めた反承司は、高専の寮の窓に肘を置いて夜空を眺めながら、そっと呟いた。

 

 

 

「次は渋谷事変。大丈夫。大丈夫。私は強くなった。ぶっつけ本番になるだろうけど大丈夫──────()()()()()()()()()()。反承司零奈。あなたなら必ずできる。そのために、血反吐吐いて頑張ってきたんだから。()()()()()()()死んでも死にきれないのよ」

 

 

 

 小さな呟きは誰に拾われるでもなく、どれだけの人間が今眺めているか解らない広大な美しい夜空へ、静かに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 記録──────2018年10月31日。19:00。

 

 

 

 東急百貨店、東急東横店を中心に半径400メートの『帳』が降ろされる。

 

 

 

 渋谷。そのスクランブル交差点にて、一般人はあることを叫んで訴えている。『五条悟を連れてこい』と。相手側の要求は五条悟が単独で最深部へ来ること。

 

 

 

 そして……──────黒圓龍已の術式使用禁止。

 

 

 

 他一切へ害を与えず黒圓龍已ただ1人を観測するだけに生み出された式神『コガネ』は、縛りとして引き剥がせず、また無意味に祓うことができない。もし仮に術式を使用した場合、その報は夏油の元に送られ、『帳』内に居る人質を即座に殺していく。

 

 明らかな五条悟を誘う罠と、即座の広域殲滅を禁ずる多くの対龍已用の人質。上層部はそれを()()し、五条悟に単独での進行を命じ、黒圓龍已には術式の一切の使用禁止を達した。

 

 

 

 黒圓龍已率いる黒圓班。

 

 

 

 ──────伏黒甚爾(特別臨時講師)

 

 

 

「強すぎるのも考えモンだなァ?テロ野郎に術式使うの禁止されてンだろ。守ってやろうか?ククッ」

 

 

 

 ──────反承司零奈(1級呪術師)

 

 

 

「術式使うなってだけで呪力は使えるんだから、マダオより龍已先生の方が強いに決まってんじゃん。調子乗らないでウザイから」

 

 

 

 ──────黒圓龍已(特級呪術師)

 

 

 

「術式が無かろうがやることは変わらん。殲滅、嬲り殺しだ。呪詛師呪霊その他類する者を見つけ次第殺せ。遠慮は要らん」

 

 

 

 

 呪霊、呪詛師、呪術師による戦争が始まる。ある者はこの戦いを、渋谷事変と呼んだ。

 

 

 

 

 

 勝つのは誰なのだろうか。呪霊が勝つのか。はたまたそれらを押し退け呪詛師が勝利を掴むのか。それとも悪しきを祓い、呪術師が打ち破るのか。それはまだ、解らない。

 

 

 

 

 

 

 






龍已が逃がしちゃった呪詛師

中々に面倒くさい術式を持っている。回数制限があるとはいえ、龍已の攻撃で死なないくらい。でも深傷は負った。




獸崇(獅子頭)

龍已特攻の術式持ってるからって、時間稼ぎ要員として派遣された。死ぬことは決まっていたので、どれだけ時間を稼げるかの勝負だった。

馬頭が一緒に来ないのは、頭を再生させるのは時間が必要なので、もったいないという理由から獅子頭だけ来た。再生されると記憶話や引き継ぐので、殺される瞬間は覚えてる。




腐ったミカン(上層部)

明らかに不利に働く黒圓龍已の術式使用禁止を、相手がテロとして、そして何かしらの罠があると解っていて()()()()()承諾した。

黒圓龍已を五条悟のように強いのに、彼と同等に言うことを聞かず、ありえない呪力を持っているため邪魔という認識をしている。黒圓無躰流は知りたいが、寄越さないならばもう邪魔なだけ。さっさと殺されるように術式使用禁止を言い渡した。

人質は一般人なので、龍已が術式を使わないことを確信している。この際、五条も同じように戦闘不能になれば良いとさえ考えている。




コガネ

小さい虫みたいな式神。害を与えず観測するだけの術式故に、憑かれた龍已は引き剥がせない。術式を使ったり呪力を纏った拳で殴れば祓えるが、それをすると術式を使ったと見なされるのでできない。




夏油傑(?)

問題視しているのは、五条悟と黒圓龍已のみ。その他は別にどうでもいい。精々両面宿儺の器である虎杖悠仁くらいは認識している。

テロであり、首謀者でありながら、条件を提示した。黒圓龍已の術式使用禁止。普通はこんな要求呑まれないが、上層部は絶対に呑み込むと解っていた。

普通は全員に同じような要求をするが、問題視している者達以外はどうとでもなるので放置している。





伏黒津美紀

恵の義理の姉。原作では呪われて昏睡状態だったが、肝試しに誘われたことを甚爾に言ったら行く場所を聞かれ、八十八橋と答えるや否や行くのやめろと言われたのでやめておいた。

呪術界に身を置いている父親のやめておけなので、素直に従って一緒に行く予定だった友達にもやめるように声を掛けたが、こっそり言ってしまい呪われた。

彼氏は居ないが、しっかり者なので大人の雰囲気があり、優しく友達思いで容姿も優れているので結構モテる。彼氏は居ない。彼氏を家に連れて来たら最恐に殺されちゃうかもしれない。

初恋は出会ったばかりの時の高校生だった龍已。大きくなったら……と考えていたが、家入が居るので人知れず諦めて、優しくて強い大好きなお兄さん的ポジションに収めた。




伏黒甚爾

パチンコには行ったけど、負けそうだったので取り敢えずやめた。津美紀から晩ご飯に龍已と家入を呼びたいと聞いて、伊地知脅して代わりに呪霊祓ってきた。

放任主義に見えて、津美紀に彼氏が居ないか気にしてる。連れて来たからにはぶん殴る(死)




五条悟

地道に帳を解こうと思ったけど、面倒くさくなったので龍已とのゴリ押し戦法に切り替えた。虎杖が格段に強くなっていることにニッコリしている。やっぱり葵とは相性が良いか!そんな感じしてた!




庵歌姫

帳が上がったと思ったらしレーザー墜ちてきたのに驚いたが、呪力から龍已だとすぐに解った。けど、呪詛師の手脚貫通させただけで、逃げられてしまったのをあれ?と思った。

特殊な術式を持っていたらしく、詰めが甘く逃がしてしまったことにイライラしている龍已を宥めるのが大変だった。怒りで気配がとんでもないことになっていたので、冷や汗流しながらどうにか……って感じ。




黒圓龍已

どこぞのラッキー呪詛師を素で逃がした。まさか逃げられるとは思わなかったのでクッソイライラしている。見つけたら頭を踏み潰してぐちゃぐちゃにして殺す。確実に殺すために。

呪力で肉体を強化する際、基本的に弱く見せるカモフラージュをしているが、それが必要ない相手だった場合普通に開放して立ち上らせる。もう見た目から圧掛けてくる。

術式の使用を禁止にされようが、呪力さえあれば祓い殺すのは容易い。武器を使うなとは言われていないので、近接で蹂躙するつもり。




反承司零奈

誰かに言えるはずもなく、独りで抱え込み、取り繕い、時を待ち、己を磨く。全ては刹那の為に。刹那から生まれる希望のために。絶望の暗雲を穿ち散らす、希望と奇跡の矛を、彼女は唯一持っていると自覚していたから。

自身に出来るのはそれだけなのだと、狂気にすら身を浸しながら、己の(術式)を磨き上げた。

友人は求めず、恋人を作らず、青春を破り捨て、普通を放棄した。妄執と狂気を宿し、彼女は彼女の決戦に挑む。



黒圓班が1人、反承司零奈(謎多き少女)……いざ参る。







※龍已とめっちゃデートして楽しんでましたやん。

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