呪術廻戦───黒い死神───   作:キャラメル太郎

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最高評価をしてくださった、まかろにさらだ sana1022 Tomb0508 さん。

高評価をしてくださった、まうまうずい さん。ありがとうございます。





第六十二話  奥義

 

 

 平安初期から存在する黒怨無躰流。あらゆる武器を使い、極め、手数で敵を翻弄し、反撃の隙も逃げる隙すらも与えず、常に追い詰めに行き、必ず殺すことを目的とした殺人術。敵に背を見せず、逃げないことから黒怨の血筋は凶人と呼ばれていた。

 

 飛び道具を使わず、己の強靭な肉体と、重ねて研鑽を繰り返した技術が全てのこの武術には、たった1つだけ奥義が有った。そしてその唯一の奥義は、1000年以上の長い歴史を全て遡っても、扱えた者は誰1人として存在していない。

 

 黒怨無躰流の初代にして開祖である黒怨源継は、龍已を除いて最高の才能と肉体に恵まれていた。彼あってこそ黒怨無躰流ありとさえ言える人物。しかし、そんな黒怨源継でさえ、奥義を使い熟すことができなかった。半分の力さえも引き出すことができず、継承していくしかなかったのだ。

 

 代を重ねても、才能溢れる継承者が生まれても、この奥義だけは1人も、たったの1人も十全に扱えなかった。だが、使うことはできた。使い熟せずとも、奥義は皆が使えたのだ。ただその際に、どれだけ引き出せるのかの違いでしかない。

 

 最も修得難易度が高く、最も扱えた者が居ない黒怨無躰流の奥義。それは、1度使えば万人を殺すとされている。半分の力も引き出せなかった初代の黒怨源継は、この奥義を使って一刻(約30分)の間に1万人以上撲殺したとされている。正式な記録は無いが、戦争の中で、戦場を動き回る黒い線が見えたと話す者が居たそうだ。

 

 半分以下の力でそれだけの実績を積んでいる奥義。黒怨無躰流の歴史で使い熟すことができた者が居な()()()御業。だが、長い歴史の中で研ぎ澄ました怨念は、最高最強の肉体と才能を持つ怪物を生んだ。継承者達が10%やそこらの修得率で、高くて20%だった。あの黒怨源継で40%である。

 

 

 

「黒怨無躰流奥義──────」

 

 

 

 最後の黒怨。完成した怨念の怪物。黒怨無躰流最終継承者、黒怨龍已は……100%。唯一の奥義であり、唯一誰にも使い熟せなかった奥義を、唯一我が物とした傑物。彼はこの奥義を数える程しか使ったことがなかった。あまりに圧倒的で、強すぎたからだ。

 

 自分の力に溺れそうになるのを、彼が危惧するだけの力を秘めた奥義を、使った。凝縮した光の光線で肉体を欠損し、呪術師に囲まれて袋叩きにされている中で、彼は笑いながら使った。彼等にならば、使っても良いだろうと。見せるに値すると認めたのだった。見よ。そして恐れよ。これが総てを怨む怨念達の創り出した最強の牙である。

 

 

 

 

「──────『黒躰(こくてい)』」

 

 

 

 

 継承だけはされていった奥義。生まれて間もなくから、特殊な筋肉の付け方を行っている黒怨一族。その特殊な筋肉配列は、確かに素の身体能力向上もあるが、この奥義を使った際の伸び代を爆発的に上げる為の土台作りでしかない。不完全でも、使えば万人を殺す必殺の御業。

 

 黒怨龍已の肉体が、黒く染め上がっていく。怨念により黒く染まってしまった呪力と相まって、彼は何もかもが黒くなった。皮膚も何もかもが黒い。光の光線で抉られた肉の断面も、全てが黒くなっていた。露出した心臓も黒くなる。色が変わっていないのは、血液の赤色と眼球の白眼部分だろうか。

 

 足先から指先まで、黒くなった龍已に、言葉で表せないものを感じ取る面々。虎徹の言葉を聞いて反射的に下がった者達は、彼の異質さに息を呑むばかり。術式でもなく、呪具の効果でもない。純粋な肉体の変化だった。人の肌があれ程黒くなることがあるだろうか。何が変わったのだろうか。何をしているのだろうか。湧いてくる疑問は様々だ。

 

 不可思議な光景であるが、眺めてばかりではいられない。今の龍已は反転術式がスタンガン型の呪具によって痺れさせられてできない状態だ。決めるなら今しかない。そこで甚爾と真希が目だけを合わせて、同時に駆け出した。何かがあった際に超人的な肉体で対応することができるだろうと思ってのことだ。

 

 全速力で駆け出して距離を詰める。その間も龍已に動きは見られない。相変わらず上半身の右側が大きく抉れ飛んでいる。痺れで動けないのか、その場から動こうとはしない。甚爾と真希はそれぞれの獲物を構えた。薙刀と3節棍。薙刀は脚を狙い、3節棍の『游雲』は顔側面を狙って振り抜かれた。

 

 

 

「……おいおい。冗談だろ」

 

「かっ……てェ……ッ!!」

 

 

 

 薙刀は刃の部分を使った。脚を斬り落とすつもりで振った。少しでも避ける動作を作らせるためだ。そこを甚爾が詰めるなりして『游雲』を振り抜くという作戦だった。しかしそれは、微動だにしなかった龍已によって崩される。そう、彼はその場から一切動いていない。指先すらも動かしていないのだ。棒立ちのまま、受けただけ。

 

 脚に振るわれた薙刀の刃は、脚に触れた部分から罅が入った。使用者の膂力によって威力が倍増する『游雲』は、顔の側面を完璧に捉えて打撃を入れたが、弾き飛ばされる事も無く、毛ほども動きを見せない。まるで、絶対に動かない物質を叩いたかのような、意味の解らない感触に、2人はコンマ1秒だけ固まった。そこを突かれた。

 

 

 

「づァ……ッ!?」

 

「ぐッ……ごぼッ……ッ!?」

 

 

 

「……は?」

 

「何が……起きた?いや、何をしたんだッ!?」

 

「ダメです。私には見えませんでした」

 

「ま、真希さんッ!!」

 

 

 

 何も見えなかった。見えなかったのに、事は既に起きていた。宙を舞う腕と脚。弾き飛ばされた、それらを失っている体。甚爾だった。甚爾の右腕と左脚が宙を舞っており、彼の体が弾き飛ばされていた。対して、傍に居た真希が1番重傷かも知れない。彼女の腹には、龍已の黒く染まった腕が深々と貫通していた。

 

 殴ったのだろう、握り込んだ拳が背中から出ている。呪力から脱却して超人となり、鋼の肉体を手に入れた真希の体を易々と貫通していた。龍已の右腕がだ。腕が貫通している真希は、大量の血を吐き出しながら貫いている腕を掴み、引き抜こうとしながら驚愕していた。

 

 光の光線により抉れていた肉体が、完治していた。瞬きをもしていないのに捉えられない動きをしたかと思えば、彼の体は完全に元の状態へ治っていた。それも、黒く染まっている状態である。まるで映像のある場面から場面へ過程を飛ばしているよう。

 

 いつの間にか取り溢していた薙刀が、龍已の足元に落ちている。爪先で地面を軽く叩くと、その衝撃だけで刃が欠けた薙刀が起き上がった。彼はそれを左手で握る。軽く握ったように見えて、長い柄に亀裂が生じた。瞬間的にマズいと察した乙骨と五条が動いた。左手の薙刀を振り上げる。腹に腕を貫通させている真希を、そのまま殺すつもりだ。

 

 天罰の如く振り下ろされた薙刀は、幸いなことに真希に当たることはなかった。刃が届く前に、龍已が持つ柄部分が砕け散ったのだ。軽く握っただけで、黒く染まり超強化された肉体の握力に負けて罅が入っていた。大きな罅は振られた威力に負け、結果的に真希へ刃が到達する前に柄が完全に砕け散った。

 

 受け止められるでもなく、横槍が入るでもなく、振っただけで砕けるとは流石に思わず、通常時の腕力と奥義を使っている場合の腕力の差異に認識の違いが生まれた。要は慣れていなかった。だが()()()()()。次はこんなミスは犯さない。龍已は()()()()()()()()()()()右腕を見下ろしながら、左手で右前腕を撫でた。

 

 

 

「──────五条先生ッ!!」

 

「大丈夫!柄が砕けて刃は届いてない!絶対おそらく多分ホント!」

 

「どっちですか!?」

 

「伏黒先生の腕と脚持ってきた!」

 

「真希とオッサンは硝子に治してもらって!悠仁!特急でお願い!」

 

「おう!!」

 

 

 

 甚爾と真希を除いて最も足が速く、高い膂力を持つ虎杖に指示を出す。2人を抱えて後方で控えている家入の元へ一直線に疾走していった。ゆっくりと、しかし急ぎめで横にされた甚爾と真希に手を翳す家入。反転術式のアウトプットを行える数少ない人物である彼女の力により血は止まり、筋肉や血管、皮膚が繋がっていく。

 

 どちらも重傷と言えるので少し時間が掛かるが、治せないことはない。甚爾に関しては腕と脚をもがれているのだが、細胞が死んでいく前に回収されて接着が行われているのでギリギリだった。もう少し遅かったらくっ付かなかったかも知れない。

 

 治療を行いながら、家入は先程まで見ていた龍已の変化した姿を思い浮かべていた。全身の皮膚が黒く変色していた。肉の断面から表面だけでなく、筋肉も黒へと変化していた。距離があって離れていたが、そこまでは目視で確認出来た。あれは異常だ。細胞が黒くなるなんて聞いたことも無い。

 

 何らかの病気ならば有り得る。斑点模様になっていたり、痣になっているならまだ分かる。しかしあれは違う。意図的なものだ。どうやっているのかは皆目見当が付かないが、分かった事が1つ。それは、明らかに黒くなる前と後では戦闘力が格段に違うということ。加えて、肉体の耐久性……と言えば良いのだろうか。刃を一切通さない硬さを獲得していた。

 

 こんな龍已は知らない。だが虎徹ならば知っているのではと思い、治しながら彼の方へ目を向けた。そこには、顎に手をやり至極真剣な表情で龍已の事を睨みつけるように見ていた。その様子を見れば、あの虎徹でさえ知らない手札であったことが窺える。

 

 

 

「あれは……一体何だ?僕ですら初めて見た。体が黒く変色してるし、身体能力が爆発的に上がってる。甚爾さんや真希さんでも捉えきれない速度に、彼等の鋼の肉体を紙のように破る腕力。刃を一切通さない皮膚の硬さ……奥義って言ってたけど、黒怨無躰流の奥義があれなんだ……どうする……今の龍已に何が効くのか……ッ!」

 

「天切さん。この後どうしますか。はっきり言って、今の龍已の強さは異常ですよ」

 

「……そうだね。多分爆発的な肉体の強化があの奥義の力だと思う。なら、取り敢えず五条君に相手をしてもらうしかない。体勢を立て直すんだ」

 

「……まあ、それしかないですよね」

 

 

 

 単純に肉体を強化するだけの奥義。しかしそれは、単純故に脅威でもあった。元より身体能力が超人的な龍已。そこに加えて同じ超人の甚爾や真希でも比較にならない程の域まで強化されたともなれば、物理が基本効かない五条に任せるしかないだろう。他だと、認識するよりも先に頭を潰されてしまう可能性がある。

 

 呪術界最強の五条悟。黒怨一族最高傑作の黒怨龍已。2人の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「術式反転──────『赫』」

 

「──────邪魔だ」

 

「あはは。それマジー?」

 

 

 

 虎徹からの指示が入り、黒く染め上がった龍已の相手は五条が引き受けていた。その他は一旦下がっている。いつでも戦闘に参加出来るように準備は整えているものの、2人の戦闘を見ているしかない。下手に手を出そうとすれば、異質な状態の龍已にやられるか、五条の術式の範囲内に入って巻き添えを食らうかだ。

 

 背後に仲間達が控えていることを逆手に、五条は反転術式を応用した術式の反転を行い、弾く力を持つ『赫』を問答無用で放った。その性質から、順転『蒼』の倍の威力があるという術式に対し、龍已は術式反転すら使わず、虚空に向けた蹴りの風圧で『赫』を2つに割った。

 

 掬い上げる後ろ回し蹴りにより、左右に割られた『赫』が地を削り、残っていた木々を地平線の向こうまで吹き飛ばしていった。それだけの威力がある、あの五条悟の技を難なくと捌いて見せた。嘘だと思いたいし、言われても信じられないような光景を見て、術者の五条も笑うしかなかった。

 

 六眼が疲れるという理由で付けている目元だけを覆う眼帯を外し、澄み渡る青空よりも美しい水色の瞳を晒した。呪力を原子レベルで視認するという、世界に1人だけしか持って生まれる事ができないとされる最高の眼。それで龍已の事を視れば、映るのは黒々とした怨念による呪いだった。

 

 黒い濃霧が龍已の全身を包んでいる。彼を守るように見えるそれは、その実彼に力を与えている元凶の怨念。千年を超えて蓄積し貯め込まれた凶人達の牙の集合体。大きさはそれ程でも無いように感じられても、凝縮されているその怨念は恒星の如く。呪術界で乙骨に次ぐ2番目の呪力総量である五条でも、底があるのか疑わしくなるだけの呪い。

 

 肉体を呪いで強化するのには限界が当然存在する。でなければ、呪いが多ければ多いほど延々と肉体を強化できてしまうことになる。仮に無限の呪力があったのだとしても、一定以上は強化できなくなる。つまりはそれ以上の強化が望めない状態だ。この状態に至るまでを強化上限とするならば、龍已の強化上限は五条の強化上限を遥かに上回る。

 

 考えれば誰でも理解出来ること。強い人間が、強くなる術を持つことへの脅威意識。侍の手に刀が渡った感覚。近接戦にて無類の強さを誇る龍已に、世界で最も高い強化上限が備わっている。飄々とした態度で笑いかけている五条の心の中は、焦りに似た感情が渦巻いていた。

 

 

 

 ──────いやぁ、マズいよねぇ?まさか『赫』を術式も使わず生身で凌ぐとか思わないじゃん?この強化状態のセンパイってどんだけ強いのさ。

 

 

 

「センパイ、それ相当体に負担掛かってるでしょー?黒怨無躰流の奥義なんだし、あんま無理しない方がいんじゃなーい?」

 

「反転術式がある。それに確かに負担は()()()

 

「……あー、もしかして」

 

「明らかなデメリットを放って置くわけがないだろう。既に体への多大な負荷は克服している。4日は維持できる。まあ尤も、お前達を相手するのに1日も要らんがな」

 

「……はぁ。センパイって……普通克服できないものまで克服してくるよね。味方ならホント心強いのに、敵になると最悪だよ」

 

「原因はお前達にあるだろう、呪術師」

 

「昔のね!……ごめん、センパイが殺して回った腐ったミカン共も同じか。使い潰すつもり満々だったもんね。学長には悪いけど、半ば無理矢理呪術界に入れたのも呪術師だし……センパイは居心地悪かった?」

 

「……()()()。今となってはどうでもいい。終わったことで、終わることだ」

 

 

 

『赫』を瞬時に展開して刹那に加速する。発散のエネルギーを使った、瞬間移動に近い高速移動。並の呪術師どころか、上位の実力を持つ呪術師の目にも捉えられない速度は、流石は呪術界最強と言うだけある。真っ直ぐ向かわず、不規則な動きをして現れては消えてを繰り返せば、転々と転移しているようにしか見えない。

 

 最速の呪術師を上回る速度と、術式の展開速度。それらを合わせた、まさに神速の移動方法を繰り返し、時が圧縮されてスローモーションに流れていく中で、五条は龍已の視線を切れないことに対して舌を巻いていた。肉眼で捉えることはほぼ不可能の速度に達しているというのに、彼は肉眼で追いかけてくる。

 

 撃ち出された弾丸よりも速く動いているというのに、それを視認しているというのだから恐ろしい動体視力だ。振り切るのは無理かと諦め、フェイントを混ぜながら近づく。『赫』の複数同時展開を行い完全不規則な軌道を描いた。そんな五条が龍已に向けて手を伸ばした瞬間、無限越しの顔面に拳が突き刺さっていた。

 

 動きが全く見えず、反応すらできなかった。変色した黒い拳が無限越しとはいえ五条の顔面を捉えている。無限が無ければ、今頃五条の非常に整った顔は消え失せ、首から上が無くなった死体が1つ出来上がっていたことだろう。そして、それが容易に想像できると共に不可解だった。彼の拳が、無限に阻まれたこと。

 

 領域展延を行えば、圧倒的なまでの呪力差で無限は紙のように破れる。代わりに生得術式が使用できないとはいえ、今のこの状況ならば最強の呪術師五条悟を殺せた。それをしなかった理由は何故か。五条は一瞬考え、目を細めた。

 

 

 

「センパイひどくなーい?いつでもオマエ殺せると暗に言っておきながら、僕のことをサンドバッグ扱い?」

 

「滅多に使う機会が無いからな。それに、これは警告だ。今諦めるというのならば苦痛無く終わらせよう。一切の痛みが無いことを縛る。五条で今一度死んだ。ならばその他が死なない理由は無いだろう?」

 

「流石に今のは肝が冷えたよ。やだねー、無限があると届かないって先入観が頭のどこかに巣くってるんだもん。けど、諦めるのはまた別だよね。例え僕より弱くても皆は諦めないし、センパイより弱くてもセンパイを倒すよ。絶対ね」

 

「絶対……──────最も信用できん言葉だな。この世に絶対は無いッ!」

 

 

 

 龍已の体が一瞬霞み、五条の体が数メートル後退する。体が軽くくの字に曲がっている事と、右腕を伸ばして掌底を繰り出した後の姿勢になっている龍已を見れば、今の一瞬の内に攻撃を入れたというのは察せられる。ダメージが無いことから、今回の攻撃も五条の無限に阻まれているのは確実だろう。しかし、無限越しにまたしても攻撃が入っている。

 

 いつ領域展延を行い、無限を破るのか定かでない状況で、無闇矢鱈に龍已の攻撃を受けるのは推奨されない。阻めるものと考えていて、無限が破られた場合、今の龍已の膂力を考えれば、鋼の肉体を持つ甚爾と真希が耐えられない一撃で絶命しうる。それに、確実に殺せるように頭を狙うだろう。

 

 数メートル後退した五条は腹部、鳩尾辺りを擦って顔を上げ、くの字になっていた体勢を元に戻した。いつどこにどんな攻撃が来るかを見定めようとしたのだが、あまりに膨大な呪力により攻撃の予兆が読めず、速過ぎる攻撃で目が追いつかない。身構えていれば、攻撃は既に叩き込まれていた。

 

 

 

「領域展延を使っていれば、お前は今1()4()7()()死んでいた」

 

「……ははっ。マジでその奥義出鱈目じゃない?」

 

「これもまた、お前達呪術師が招いた結果だ。何も無ければ、何も無かった。黒怨無躰流は殺人術ではなく、活人術にも、単なる数ある武術の1つにさえなっていただろう。俺()とて初代が創り上げた黒怨無躰流を、怨念晴らすためだけの道具にしたくない。これは本来……大切な家族……恋人……そして、友人。それらを守る為のものだ。怨念を晴らすために編み出した訳ではない。力無き俺達が苦渋を味わい、陰で生きることを強いられ、虐げられながら研いだ、呪術師に対抗するための……俺達に赦された、たった1つの牙だ」

 

「呪力も術式もセンパイ持ってるのに?」

 

「縛りにより、呪術師を殲滅できる力を持った代に、相応しい力が備わるようになっていた。千年以上の時を掛け、備わったもの。本来は術式も宿らなかった可能性すらあった。だが呪術師の力が強くなりすぎた。呪術師を殲滅するには、術式も必要だった。だから俺に備わった。積み重ねられた怨念は呪いとなって宿り、術式が発現した。全ては、呪術師のこれまでの行いだ」

 

「罪の無い呪術師も居るよ。それはセンパイならよーく分かってる筈だよね。恵や悠仁。野薔薇。七海。歌姫。憂太も真希も……幾らでも居るさ。呪詛師は最悪皆殺しにしてもいいとしても、彼等のようなこれからを作っていける善の芽も摘むつもり?」

 

「呪術師に例外は無い。呪詛師は既に殺し尽くした。残るは呪術師のみ。お前達を殺して呪術界を消す。この世界に『呪術師』は必要ない」

 

「じゃあ、仮に呪術師を皆殺しにしたら、センパイはどうするつもりなの?新世界の神になるーとか言わないよね?」

 

「世界を回すための機構となる。必要ならば術式を持ちながら悪意を抱く者を間引く。発生した呪霊は祓う。それだけだ」

 

「つまんなくない?縛りで殺された人達の寿命が還元されて、千年以上生き長らえるのだとしても、そんな毎日送るつもり?」

 

「──────俺達にはそれしかなく、呪術師の殲滅に全てを賭けた。ならば終わった後、普通の生活ができなくなろうと、それを良しとするしかない。俺達は、それを承知の上で次代へ繋いできた」

 

「そんなの……」

 

 

 

 そんなのは生きてるとは言えない。そんなのは、あまりに悲しいだろう。人として生きることを諦めている。呪術師の殲滅に、息子、孫、曾孫……それ以上の末代まで繋ぎ、たった1つを目指して生きてきた。いつ生まれるか分からない、怨念の救世主。それを誕生させ、継承してきた全てを授け、呪術界に積年の怨念を降り注ぐためだけに。

 

 本当の黒怨無躰流は、大切な者達を守るためだけに生み出された武術。そのためならば手段を選ばず、結果的には殺人術にはなれど、明確に人を殺すため創られた訳ではない。普通に生きていれば、呪術師が余計なことをしなければ、普通の暮らしをしていただろうに。膨れ上がり過ぎた怨念は、これまでの呪術師の行いそのもの。

 

 悲しい生き方をしなくてはいけなくなったのは、呪術師が黒怨無躰流を千年以上虐げてきたからだ。悲しい生き方だが、そうさせたのは呪術師であり、呪術界だ。それを分かっているからこそ、五条は悲しい生き方だと口にできなかった。口にできる筈がなかった。それを言ってしまえば、黒怨龍已を、黒怨一族を下に見ていることになるから。

 

 

 

「話はもういいか?『黒躰』を使っているときの体の感覚には完全に慣れた。お前をサンドバッグにする必要はなくなった。ここからは──────()りにいくぞ。呪術師最強。五条悟」

 

「……ふーッ」

 

 

 

 ──────マズいんだよなぁ。センパイの動きがまるで読めない。しかも見えないし、呪力の流れも呪力が膨大過ぎて全然判んない。今からの攻撃は領域展延で無限を破ってくる。ワンチャン死ぬよね、僕。

 

 

 

「──────って、訳にもいかないかッ!!」

 

 

 

 まだ龍已の動きの速さについていけていないのに、当の本人は準備が整ったという。五条は今置かれている状況がこの上なくマズいことを再確認している。しっかりとした足取りで、真っ正面から音も無くやって来る死神。その死神が魂を刈り取る大鎌が、五条の首に添えられている。

 

 思考することを放棄して、ただ術式を発動した。『赫』と『蒼』を合わせることで生み出される仮想の質量を持った『茈』。触れたものを消し飛ばす特異点を、自身の周りに複数展開した。

 

 幾つも展開された『茈』は五条を中心として太陽系の惑星達が行う公転のように回り、高速で五条を守った。近づきすぎて触れれば消し飛ぶ『茈』の防御結界。常人が入り込む余地など無い。……そう、常人ならば。

 

 

 

「『赫』『蒼』『茈』……お前の技は知っている。大凡展開できる数もな。『茈』を盾にするのはいいが、あまりに遅い」

 

「……ッ」

 

 

 

「五条先生ッ!!──────リカッ!!」

 

 

 

「──────わかったぁあぁぁぁぁッ!!」

 

 

 

 複数個展開し、高速で回る『茈』の間を縫って近づき、五条悟に知覚されずに事を終えた龍已。五条は右半身の殆どが消し飛んでいた。素手による攻撃だろうに、まるで巨人の手で千切られたような状態になっている。無限は機能していない。領域展延により無限に穴を開けたのだから。

 

 明らかな重傷により、血を噴き出しながら膝を付く。反転術式が使えるものの、刹那の完治は無理だ。それよりも龍已の追撃の方が速い。背後に立つ龍已が脚を振り上げる。それを見る……いや、見なくても東堂が手を打った。

 

 重傷により無限を解いたことを勘で読み取り、予め呪力を込めた石を後方に投げて手を叩く。東堂の術式が発動し、五条と石の位置が入れ替わった。振り上げられた足が入れ替えられた石に向けて落とされた。空中が塵になり、勢いついた踵落としは地面に叩きつけられた。瞬間、地割れと間違う亀裂が()()()()広がった。

 

 東京ドーム約7つ分の広さを持つ島が、たった1度の踵落としで崩落の危機に瀕している。とてもではないが人間業ではなく、この蹴りを受けていれば、如何に呪術師最強と言えど死んでいただろう。足元が崩れかけてバランスを崩しながらも、乙骨がリカを完全顕現させて龍已に向けた。

 

 東堂が放った石は家入の傍まで飛んで行き、位置の入れ替えが起きて五条に変わる。自身で反転術式が使えるとしても、念のためだろう、東堂の咄嗟の判断により家入の傍に五条が居る。手当は必要かと問う家入に、噴き出していた血を早急に止めて反転術式による治癒を開始する五条は要らないと力無く答えた。

 

 乙骨は祈本里香に呪っていて、既に解呪されているのだが、遺して逝った指輪を通してリカと接続することにより、リカの完全顕現を行うことができる。リカとは外付けの術式であり、呪力の備蓄だ。特級過呪怨霊だった頃ほどではないが、それでも相当な呪力を持つ。

 

 完全顕現したリカは膂力も底上げされ、高い身体能力を持つ虎杖の動きを封じ込めることが可能である。リカは乙骨に出された指示を守るために、単身で龍已の元へ飛んで行き掴み掛かった。大きな体を利用して、両手を使い彼を握り潰さんと掴んだ。ギチギチと音がなるほど強く握り込んでいるが、彼の表情は変わらず。それどころかリカの頭を鷲掴みにした。

 

 

 

「あ゙……ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……ッ!!」

 

「弱い。そんな力でよく迫ってこれたものだ。術式反転を使う必要性すら感じないな」

 

「い゙だい゙ッ……い゙だい゙ぃ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙ッ!!」

 

「力比べをしたかったのだろう。お望み通りしているわけだが、この程度で根を上げるのか」

 

 

 

 リカの顔を掴んでいる龍已の手からは、尋常ではない力が加えられている。体の大きさに差があるというのに、それを覆している。体を掴んでいる握り潰そうとしていたリカは、いつの間にか離して顔を掴んでいる龍已の腕に縋り付いていた。離させようとしても外れない。万力なんて言葉では表せない理外の握力に泣き叫んでいる。

 

 式神となったリカと言えど、消されてしまえば暫くの間顕現はできない。そうなると、乙骨の戦闘能力が格段に下がる。それを把握しているからか、五条との戦いで巻き込まれないようにと控えていた者達が一斉に前に出た。その中で釘崎は、藁人形を放り五寸釘に呪力を込めて金鎚を振り下ろしていた。

 

 

 

「芻霊呪法──────『共鳴り』ッ!!」

 

「それは()()()()()。残念だったな」

 

「──────『不義遊戯(ブギウギ)』」

 

「──────それも、()()()()()。詰みだな、()()

 

 

 

 離れているところから、相手に直接ダメージを与える『共鳴り』は、遠距離攻撃を問答無用で無効化する龍已に対抗できる数少ない弱点だった。しかしそれは『慣れる』までの間のみ。驚異的な成長率で対抗する術を身につけた龍已は、釘崎の呪力が弾けて魂にまで影響を及ぼすと同時に、魂を呪力で覆い守った。

 

 普段は知覚できない魂だが、攻撃を受けたことで知覚できるようになり、結果として龍已は魂を呪力で守る術を身につけた。そしてそれは釘崎の攻撃が無効化されたことを意味し、一瞬でも怯ませるつもりが全く怯ませることができなかった。

 

 拾った石に呪力を込めて、散弾のように撒き散らしながら放った東堂が何度も手を叩いて位置替えを行い七海を龍已の傍へ送った。だがその位置の入れ替えも、パターンとして把握し『慣れた』。七海は入れ替わると同時に呪具の鉈を振って、龍已の前腕の7対3の位置を攻撃しようとしてガクリと体勢が崩れた。

 

 驚くほどあっさりと地面に倒れ込んだ七海は訳も分からないといった様子だが、視線を自身の体に向けて納得した。腰から下が無くなっていた。入れ替わると同時に攻撃を仕掛けた七海より早く()()()動いていた龍已の蹴りが入れられ、体が上半身と下半身に断ち切られていたのだ。よって踏ん張りが効かず、7対3の位置に鉈を当てることもできなかった。

 

 

 

「──────次」

 

「くッ……おぉおおおッ!!!!」

 

「式神が俺に使えないとなると、そうするしかないだろうな。魔虚羅が破られた今、お前はこの場に相応しくないと思わないか、恵。そして釘崎。金鎚と釘を失ったお前は他に何ができる?」

 

「がッ……ッ!?」

 

「ぶふ……ッ!?」

 

「そして東堂。シンプルにして厄介な『不義遊戯(ブギウギ)』は手があってこそ。だろう?」

 

「──────ッ!!」

 

 

 

 自身の影を媒介に物の出し入れを行えるようになっている恵は、呪具の剣を引き抜いて立ち向かった。東堂の入れ替えを行いながらの接近なのだが、最早慣れてしまっている龍已に撹乱は効かず、速過ぎて見えない蹴りで呪具の剣は半ばから折られ、膝蹴りを腹に受けて大量の血を吐き出して倒れ込んだ。

 

 釘崎は効かないと分かっていてもやるしかなく、『共鳴り』をもう一度打ち込もうとした。が、それは不発だった。手の中にあった虎徹お手製の金鎚は無くなり、腰に巻いていた釘を入れた袋も無くなっている。その代わりに目の前には、その2つを持った龍已が立っており、反射的に近接に入ろうとした彼女の腹部に掌が当てられた。

 

 掌底でもなく、ただ手を腹に添えただけに思えるそれは歴とした攻撃になり、どこん……という鈍い音が響いたと思えば、釘崎は目元、耳、鼻、口などから血を流し、その場に倒れ込んだ。一瞬で倒れていく一同に、東堂が目を細める。これ以上戦線離脱者を出さないために手を叩き、やられた者達を龍已から距離を取らせようとした。

 

 釘の入ったバッグから釘を2本取り出した龍已が、握り込んだ手で釘を固定し、親指だけで放った。銃で撃たれた弾丸よりも速く飛来した2本の釘は、東堂の手首に当たり、破裂するように手首から先を引き千切った。両手を失った東堂は術式が使えず、位置の入れ替えができない。そこへ飛来する3本目の釘が腹部を捉え、直径20センチ程の風穴を開けた。

 

 

 

「残ったのはやはりお前達か。虎杖。乙骨。反承司。五条」

 

 

 

「黒怨先生強すぎだろ……ッ!」

 

「これが、黒怨先生の実力なんだ。あぁ、ありがとうリカ。皆を家入さんのところへ連れていってあげて」

 

「ゔん゙……っ!」

 

「龍已先生の奥義で、何一つ演算ができない……ッ!」

 

「一気に重傷者が増えたから、硝子の反転術式が間に合わないな。じゃあ少しの間、僕たちでどうにかしないとね。気合い入れてこー!」

 

 

 

「長く持つと良いがな──────領域展開

 

 

 

「零奈は下がってて!──────領域展開」

 

「領域展開──────」

 

「チッ。面倒な縛りをさせおって小僧が。まァ……いい。怨の一族を殺せるならな、ケヒヒッ。──────領域展開」

 

 

 

 領域展開を修得していない反承司を除き、龍已1人に対抗して3者が領域展開をした。3対1の領域の引っ張り合いが発生している。虎杖は生得領域の中で、龍已と戦いたいならば戦わせてやるが、その代わりにその他には絶対に手を出すなという縛りを設けされることで入れ替わった。

 

 熟された黒怨一族の、その更に最高傑作と殺し合う機会は今しか無い。虎杖が死ねば殆どの指を回収した宿儺も死ぬので手を貸さない訳にもいかない。仕方なくといった具合に人格が入れ替わり、体表に幾何学模様を浮き上がらせた宿儺が、殺意の籠もった瞳を向けてゲラゲラと嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────家入さん。死なない程度に傷を治したら、後はもういいよ」

 

「……何故ですか」

 

「戦線に復帰させる必要がないからだよ。最早、この戦いは勝てない。誰もね。龍已はあまりにも強くなりすぎた。強くなるだけのことをしてきてしまった。だったらもう、終わらせるしかない」

 

「…………………。」

 

「勝てないけど、終わらせることはできるよ。……死んでも使いたくなかったよ……()()は。造ったことを心底後悔するくらいの代物だ。でも使うよ。約束だからね」

 

 

 

 寂しそうに虎徹は呟く。呪具を造ってこその天切虎徹だろうに、そんな彼が造って後悔しているという程の呪具。一体どんな物が出てくるのだろうか。言われた通り、命に別状は無い程度に皆の傷を反転術式のアウトプットで治した家入は立ち上がり、虎徹を眺めた。

 

 彼は懐に手を入れる。中にある何かを掴むと手に取り、懐から取り出した。それは箱だった。長方形の黒い箱で、中には何かが入っている。虎徹は溜め息を吐きながら表面を撫でて、何かを呟いた。すると繋ぎ目が無かった箱に亀裂が入り、砕けた。

 

 虎徹の声で、設定した言葉を言わないと絶対に開けられない特殊な箱。その中に入っていたのは、一丁の黒い拳銃だった。寂しそうな表情から悲痛そうな表情に変わった虎徹は銃身を手にしてグリップを家入に向けた。受け取らせるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

「家入さん──────君が龍已を救ってあげて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 






五条悟

奥義を使った龍已の動きを捉えられない。六眼で呪力の流れを読もうとしても、呪いが膨大過ぎて読めない。無限を領域展延で破られ、1度重傷を負ったものの反転術式により完治した。

龍已のことを本当に尊敬していた。良い先輩だったので慕ってもいた。だからこそ、今の殺し合う仲が悲しくて残念。本気で勝つつもりでやっていたが、怨念の怪物は強くなりすぎていた。最強は最凶に呑み込まれる。




家入硝子

反転術式のアウトプットで治療をしていたが、一気に重傷者が増えたため治療が間に合わない。虎徹に言われて命に別状が無いくらいには治したが、渡されて手にした黒い拳銃に嫌な予感を感じている。




黒怨龍已

踵落としで東京ドーム7つ分の広さを持つ島を叩き割っちゃった人。……人?(多分)人。黒怨一族の中で、奥義を完璧に使い熟せる唯一の人物。幼い頃、それこそ生まれた時から特殊な修業を繰り返し、普通の人間とは全く別の筋肉配列をした肉体を持つ。

知覚していなかった魂に攻撃を受けたことで知覚し、釘崎の『共鳴り』に慣れた。以降、魂を莫大な呪力で防御しているため術式を弾き無効化している。

一定の呪力を持ったもの同士の位置を入れ替える不義遊戯に関しても、慣れたので完璧に対処できるようになってしまった。多数を相手にしてもその強さは変わらず、怨念の強さを見せつけた。




黒躰無躰流奥義『黒躰(こくてい)

黒怨無躰流に継承されてきた技の中で、最も難易度が高く、最も完全に会得できた者が居ない唯一の奥義。継承しているので使えると言えば使えるが、使い熟せない。龍已を除き最も強かった初代黒怨源継ですら40%の出力しか出せなかった。しかしそれだけで、30分の間に1万人撲殺されたとされている。あくまで噂。

龍已はこの奥義を100%使うことができる。使用した際には全身が黒く変色する。身体能力の爆発的上昇。皮膚の超硬質化。膂力の底上げ等といった、肉体に関する能力が向上する。踵落としだけで島1つを粉々にできる。呪力は殆ど使わずに。

生まれた瞬間から黒怨無躰流の修業が開始されるが、それは黒怨無躰流を修めるためではなく、この奥義の出力を上げるための特殊な筋肉配列にするためのもの。なので、龍已の全身の筋肉は超密度であり、常人の筋肉配列とは全く違うものとなっている。

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