犬吠埼雷は叛逆の騎士である   作:崎バウアー

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すみません。一度投稿したのですが、機材の調子が悪く削除してしまいました。
再び投稿します。


第一話 その始まり

 第一話 その始まり

 

 

 よう! 俺は犬吠埼雷(らい)! 現在小学6年生の性別は女、心は男(偽)だぜ! さて、今俺は大赦ってとこの人間と対面で話している。こっちには母上と父上がいる。

 

 

「神樹様の神託により犬吠埼雷様にお役目を果たしていただきます」

 

 

 簡単に言えば、大赦の奴らは神樹様の神託で俺が選ばれたので仕事しなさいって言いに来たんだ。んで、俺の親も大赦に属しているから形だけの対談なんだが、

 

 

「なんで雷なのよ!?」

 

 

「お姉ちゃん行かないで?」

 

 

 俺の姉貴の風と妹の樹は納得してないらしい。それで大赦の人と両親と揉めている。

 

 

「なあ? 母上、父上」

 

 

「どうしたんだい? 雷? やはり雷も嫌なのかい?」

 

 

「嫌っていえば嫌だが、その前に………………そのお役目ってやつ、退屈しないか?」

 

 

 驚愕していた。使者も両親も姉貴たちも

 

 

「な、なに言ってんのよ雷! この家から出ていくの!?」

 

 

「もう俺は6年生なんだぜ? 別に好きにやっていいだろ? それに一生の別れってわけではない。たまには帰ってくるからさ」

 

 

「あ、あんたってやつは!」

 

 

「ええ。雷様。おそらく毎日が新鮮で退屈しない日々を送れますよ」

 

 

「そうか。ならそのお役目。やらせていただくぜ」

 

 

「承知しました。では日時が決まり次第連絡いたします」

 

 

 そう言って去っていった。

 

 

「雷………………。あなた………………」

 

 

「ごめん。母上。俺お役目を果たしてくる」

 

 

「なんで受けたんだい? 退屈しないからかい?」

 

 

 父上が聞いてくる。正直退屈とかはどうでもいい。ただ、神樹様が俺を選んでくれた。うれしかった。俺みたいなやつを必要としてくれたことが。俺はこんな性格だから親孝行なんてしたことがなかったし、学校でもトラブルメーカーと呼ばれていた。俺は必要とされてなかった。

 

 

「………………ああ。そうだ。楽しそうだったからな」

 

 

 でも、今更親孝行なんてできっこない。だから選んだ。おそらくお役目を果たすことは茨の道だろう。これを成し遂げてから素直に話す。だからそれまでは親不孝者でいよう。

 

 

 パチン

 

 

 平手が俺を襲った。そしてそれをしたのは………………樹だった。

 

 

「痛えな………………何しやがる? 樹」

 

 

「バカ! このバカお姉ちゃん! 私たちの気持ちも考えずに自分のことばっかり!」

 

 

 普段後ろでガタガタ震えている樹がこんなに怒るなんて思いもしなかった

 

 

「お姉ちゃんはいつもそう! 周りのことを考えないでいつも迷惑をかけてる! そのせいで私たちはどんな目で見られてるかわかる!? この親不孝者! なんで」

 

 

「うるせぇ! 黙ってろ!」

 

 

 俺は人生で初めて樹の胸ぐらを掴んだ。

 

 

「てめえ………………いつから俺のやることに指図するようになった? ああ? この小動物の分際で俺に指図するなんて100年早いんだよ」

 

 

 そのままソファーのほうに投げつける

 

 

「な!? ら、雷! あんたなにやって」

 

 

「なんだ? 姉貴もやんのか?」

 

 

 威嚇するだけで姉貴も動けなくなる。

 

 

「………………興覚めだ。部屋に戻ってる」

 

 

 その足取りはとても重かった

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 

 なんであんなことしたんだろう? 間違ってたのは俺だったのに。思い返すと俺はずいぶんと好き勝手やっていたと思う。学校では喧嘩は当たり前。クラスで一人で何人も相手にしてたこともある。でも負けなかった。でもあまりいい気持ちはしなかった。みんなが俺を恐怖の対象として見てくる。それがあまりにもつらかった。

 

 

 コンコン

 

 

「雷? 入るわよ?」

 

 

「………………なんだよ? 母上?」

 

 

「少し話があるの」

 

 

「ああ? 説教か?」

 

 

「説教か? って言ってる時点で自分に非があるって認めているのね?」

 

 

 図星だった。

 

 

「雷? 母さんはね? あなたを自慢の娘だと思っているわ」

 

 

「………………ついに頭がいかれたか? どうとらえたら自慢の娘になるんだよ?」

 

 

「あなたが喧嘩でボコボコにしてた子たちって、いじめっ子でしょ? そのいじめられてた子のお母さんが言ってたわ。息子のためにそのいじめっ子を殴って自分が悪者として演じているって」

 

 

 そうだ。確かに俺はそのいじめられてたやつを助けるためそいつらをボコボコにした。

 

 

「………………たまたまだろ?」

 

 

「うんうん。それは違うわ雷。あなたは本当は優しい子。さっき樹を投げ飛ばしたのってこの家から出ていくのに樹を遠ざけるためにやったことでしょ? 母にはすべてお見通しよ?」

 

 

「………………ちげぇ。何勘違いしてやがる。俺がそんなこと考えてるとでも?」

 

 

「ええ。考えてるわ。あなた自分の顔が今どうなっているかわかる?」

 

 

「?」

 

 

「………………とても泣きそうな顔をしているわ」

 

 

「!?!?」

 

 

 急いで鏡を見る。そこに映っていたのは

 

 

「な、なんだよ………………これ? ふざけんなよ………………」

 

 

 泣きそうな自分だった。

 

 

 ギュウ

 

 

「!?!?」

 

 

 俺は母上に抱きしめられた。

 

 

「ずっとつらかったでしょ? 自分を偽り続けるの?」

 

 

「な、なにをいって」

 

 

「母にはお見通しと。今回のお役目も親孝行をしたいって思ってたから受けたんでしょ?」

 

 

 さらに強く抱きしめられた

 

 

「泣いていいのよ? 雷?」

 

 

「!? うぅ………………母上。………………お母さん。ごめんなさい。こんな不出来な娘で。ごめんなさい。う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

 俺は泣いた。今まで泣かなかった分泣いた。

 

 

「………………大丈夫よ雷。あなたは自慢の娘。誰になんて言われようともそれは変わらないわ」

 

 

 その後泣きつかれて寝るまで俺は泣き続けた。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 一週間後

 

 

「いってくるぜ。母上、父上………………それと姉貴と樹」

 

 

「ええ行ってらっしゃい。ちゃんとお役目を果たすのよ」

 

 

「雷気をつけてな」

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

 き、気まずい。俺が原因だけど気まずい。

 

 

「………………姉貴、樹」

 

 

「な、なに?」

 

 

「ごめん。この前は。俺ここから頑張っていくからさ。姉貴たちも達者でな」

 

 

「………………この前のことは許したわけじゃないから」

 

 

「おう」

 

 

「許してほしかったら、帰ってきてもう一回謝りなさい。そうしたら許してあげるから」

 

 

「肝に銘じとくぜ。姉貴」

 

 

「………………お姉ちゃん」

 

 

「なんだ?」

 

 

 そしてこの前から一度もしゃべっていない樹が前に出た。

 

 

 ギュウ

 

 

 ん? なんで俺は抱きしめられてるんだ? 

 

 

「帰ってきて膝枕してくれたら許すから。………………だから頑張ってね?」

 

 

 何この子。可愛すぎる。

 

 

「………………あ、ああ。頑張ってくるぜ」

 

 

「では、雷様。こちらに」

 

 

 そうして俺は車に乗った。

 

 

「母さん!」

 

 

 俺は窓から母さんと呼んだ

 

 

「?」

 

 

「俺約束守るから! 頑張ってくるから!」

 

 

「………………ええ。行ってらっしゃい」

 

 

 母さんは微笑んでくれた。

 

 

 俺も笑った。その顔は今までと違う、年相応の少女の笑顔だった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 夢を見た。不思議な感覚だ。まるで俺が経験したことを見ているような感覚だった。そこには全身を鎧で覆った騎士が数えきれないほどの屍の上に立っていた。そして丘の上には俺とよく似た騎士がいた。

「貴方の国はこれで終わりだ! これが俺に王位を譲らなかった報いだ! ………………憎いか!? そんなに俺が憎かったのか!? 答えろ………………○○○○王!!」

 その鎧の騎士は叫ぶ。まるで自分を憎んでほしいかのように。

「私は貴公を憎んだことは一度も無い」

「!?」

「貴公に王位を譲らなかったのは」

 そして槍を騎士に突き刺した。

「なぁ!?」

「貴公には王としての器がないからだ」

「ち、ち………………うえ」

 そしてその騎士は絶命した。

 その時見てしまった。兜が砕け、その下にあった顔は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺だった

 

 




主人公は犬吠埼3姉妹の次女の雷です。
さて最後の夢に出てきたのはいったい誰なのか?
 
次回予告
神樹館に転校した雷!そこではほかの3人のお役目を背負った勇者がいた。

次回 第二話 神樹館での出会い
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