そして、疲れを癒すべく泊まる宿を探したのだが……。
なんてこったい……。
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最後らへん若干の下ネタ要素があります。
『……か』
『こ……ぬか』
『……龍輝! これ! 起きぬか!!』
ユイさんの声が聞こえた、気がしたので、私はハッと目を覚ました。
そこはさっきいた場所とは違い、綺麗なお花畑だった。
そこで私は、あることが頭を過る。
「え、私死んだ?」
『たわけえ!!』
「いやーチョービックリしたよ!」
ユイさんの他にナオミさんもいた。
しかし、全く状況が読めない私。
多分めっちゃ間抜けな真顔をしてたとおもう。
でだ。本題の、そのあとのことだと、私は騎士たちと共にギルファー倒し、ギルファーが滅びたことで、このとっくりの中の悪の魔力が浄化され、このような花畑に変化したらしい。
こういうことらしい。
「そうやったんか……でも、倒したんや。」
『そうじゃ、よくあの強敵を倒した!』
珍しく褒めてくれるユイさん。
正直すごい嬉しいけど、残念ながら頑張ったのは私ではなく騎士やデ・スザーク達だ。
あいつらが居なければ、私たちは確実に全滅していたに違いない。
「でも、私も水晶から君らの戦いを見てたけど、あの黒い鳥にはチョー驚いたよ」
『そうじゃな……』
「なんで、召喚できたんですか?」
わりと疑問に思ってることを言う。
なぜ、こちらで作られた物ではなく、私のいた世界のカードを召喚できたのか。
「うーん。あのカードに強い力があって、君のピンチにそのカードが応えてくれたとかかな?」
ナオミさんは、うむむー。
と言いながら呟く。
そのデ・スザークのカードも、さっきの戦いで力を使い果たしたのか、カードがボロボロになっていた。
私はそれを拾い、助けてくれてありがとう。
そう心の中で呟いた。
「そいで、アークストーンは!?」
私はキョロキョロと見渡しながら、言う。
しかし、ユイさんは無慈悲なる一撃を浴びせる。
『アークストーンの欠片は出たぞ』
「ああああ?!」
↑
訳:「はぁぁぁ!?」
『もしかしたら、全ての邪悪の眷属を倒さないといけないのかも知れんのぅ』
私は、絶望という名の弾丸に撃たれた。
膝からガクリと倒れ、魂が抜けたように動かなくなる。
「ま、まぁ、見事にギルファーを倒したことだし、二人をとっくりから出すねー」
『頼むぞナオミ』
「あ、ナオミさんにはユイさんは見えるのね」
「当たり前じゃない」
なにいってんの?って顔をしながらそういうと、ナオミさんは呪文を詠唱し、私たちをとっくりから出してくれた。
こうして、私は邪悪の眷属、アークヘイロス・ギルファーを討伐することができた。
とっくりから戻ると、私はデモーアルーの街の人々から凱旋をうけた。
アイツを倒したのは、私の手柄ではなく騎士やデ・スザークのお陰なので、なんか素直に喜べない……。
私は歩いていると、衛兵がやってきて、ランカン将軍がお呼びになっていると言われたので、私は衛兵についていくことになった。
決して悪いことは言われないだろうと思いながらも、心の中では少しビビる私。
二人の衛兵に連れられ、私(ユイさん)はランカン将軍のところにきた。
「英雄殿、ご無事でしたか! お怪我の方は?」
小走りで私の元へ駆け寄り、開口一番に私の心配をするランカン将軍。
これだけでも、この将軍が非常に人間ができた将軍であることが伺える。
てか、その光景は何処と無く、親と子にも見えなくもない。
「ええ、大丈夫ですよ」
私は深く一礼する。
こういうとき、どういう感じに振る舞ったらいいのかが分からず、とりあえず一礼をしたのだが、礼儀作法学んどきゃよかったわ。
「それは、よかったです!」
ホッとして笑顔で笑うランカン将軍。
40は過ぎてる強面のおっさんが、溢れんばかりの笑顔になるのだから、可愛くおもえてくる。
女子高生かよ!!
「英雄殿、アークヘイロス・ギルファーを討伐していただき、ありがとうございます!!」
ランカンが深く頭を下げて感謝の言葉を述べる。
それと同時に100人はいるだろう周りの衛兵も「英雄殿、ありがとうございます!!」っといって甲冑を取り外し、頭を下げる。
「え。あ、ちょ。え?あ」
こんなこと、私は一度も経験したことがなかったので、ガチでオドオドする。
「いさ、しえ……いえ、俺は特にこれといっぺしたこもは……」
『……ぶぅふ……ぷっ……ぷはははははは!!!』
動揺し、めっちゃ噛みまくって焦りまくる無様な私を見て、空中で子供のように手足をバタバタしながら笑い転げるユイさん。
後で覚えとけよ!!
『これといっぺ…………あっははははははは!!!』
仰向けで涙を流して、空気を叩きながら大爆笑する。
私がここでコイツに何かいえば、確実に私が変な人になる。
私はグッと我慢する。
後ではったおしてやる。
そう心の中で誓って……。
マジでコイツに実体あったら、ベッドに張り倒してやるところだ。
まぁ冗談やけど……。
そう考えていると、ランカン将軍や衛兵たちは顔をあげて、真剣な眼差しをこちらに向けた。
さっきまで笑顔だったのに、急に真剣な顔になられたらビックリする。
「英雄殿。この度は、本当にありがとうございました。どうか、こちらをお受け取りください」
そういって、ランカン将軍は私にあるものを差し出した。
それは白鞘の日本刀だ。
それをみた私は思わず「おおおお」っと感動を漏らす。
刃が輝いており、切れ味と折り紙つきであることに疑いの余地はない。
「これは、英雄殿達が住んでいた世界の刀を、前の英雄殿から教わりましてな。それを様々な大陸で名を挙げた職人たちで作った刀です。名を【天征光】と言います。どうですか?」
「……いや、私もこんな刀は見たことがなくて、もう……あまりの衝撃で言葉が出ないほどです……」
「それはよかった。どうぞ。これをお受け取りください」
「え、あ、ありがとうございます!!」
私は感動の涙を浮かべて感謝の言葉を添えてお辞儀をする。こんな物をいただけるなんて……。
そうして、私は【天征光】を手にいれた。
私は刀を腰に掛けて、ルンルンで宿を探していると腹を擦りながら、フワフワとやってきた。しかも涙目で。
『あぁー……あぁー……笑いすぎた……』
「今までずっと笑ってたんすか……」
『お腹いたい……』
「知らんがな」
私はユイさんのアホさに呆れていると、ユイさんは腰に付けている刀に気づいたようだ。
マジマジと見つめて、驚いたように手を叩いた。
『おー、これは白鞘の刀じゃなー。懐かしいのおー』
「え、懐かしい?」
私は口を開けてポカンとする。
『ん? あー、そういえば言うてなかったの。ワシも龍輝と同じく向こうの世界の住人だったのじゃ』
「え!?」
衝撃の一言に私は驚いて後ずさる。
ユイさんってこっちの世界の人じゃないのかよ!?
『ワシは江戸の街で住んでおっての、突然ここに召喚されたんじゃ』
「江戸時代!?」
目を丸くし、声をあげて驚く私。
こいつ何歳なんや!?
「えーと、ユイさんって江戸では武士の家の方?」
『違うぞ。ワシは普通の民じゃ』
「な~るほど」
確か……白鞘が一般に知れ渡ったのは、江戸時代後期だったはず。
つまり……ユイさんの年齢は……
私は考えたが、首をブンブン振り、考えをやめる。
「(いや、やめよう。年齢を考えれば、こいつはロリババァということになる……)」
私は思考を停止する。
考えてはいけない。
聞いてはいけない。
知ってはいけない。
やぶ蛇過ぎる。
「お、おーん」
とりあえず、訳のわからん返事をする私。
非常に馬鹿間抜けな返事だったと思う。
ユイさんも???といった不思議な顔をしていた。
午後5時
「さて、今日はどこで泊まろうかな」
時間も時間なので、私は早いところ宿を見つけて泊まろうと考えた。
あの宿だけは絶対に泊まりたくはない。
私は心にそう誓いながら必死にデモーアルーを散策する。
しかし、どこの宿も満員だ。
あそこを除いて……。
やばい。
私は冷や汗がダラダラと垂れ始める。
これはヤバいことになりそうだ。
また今日? 昨日? どっちでもええや、そんなことになるのは絶対に嫌だ。
あんなものを聴かされたら、当面の間鶏が嫌いになっちまう。
私は慌ただしく全力疾走をしながら宿を探す。
『見つからんの……』
「やべえぞ、またあの宿に泊まるのはごめんや!!!」
私は全力で宿を探した。
その結果……。
「イュラッシャイヤフェエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!!」
「……」
『……』
お察しである。
あー……。
なんてことだ……。
こんなことってないよ……。
あれから宿を探したのだが、全て満席で結局ここの宿に泊まることになった。
「オッキャッサマアアアアアアアア!!!!!!」
「ハイ」
「プオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"!!!!!」
「ナンスカ?」
もう……勘弁してくれぇ……。
耳が痛い。
「ンンンマッタアイマシタヌイイイイエエエエエエ!!!!!」
「ハイアイマシタネ(会いたくなかったけどな!!!!!)」
誰か助けてくれ、私の心がどうにかなっちまいそうだ……。
ユイさんに至っては、悟りを開いていらっしゃる。
「ディハ!!! お部屋を!!! おぁんない!! あ、シマスウウウウウウウ!!!!!」
あーもう、歌舞伎役者みたいな喋り方せんと、はよ部屋案内してくれ!!!!!
すると、突然、鶏野郎は私の方をジッと見つめると、急に真顔になってこんなことを言い出した。
「お客さま、これで三回お泊まりになさっておりますが、いつもお一人ですね」
「あ、はい」
「お友達とかいらっしゃらない?」
「え、まぁそうですね」
「彼女さんも?」
「はい」
「あ、あぁ~。それは御愁傷様でございます。人生生きていたらいいことありますので、どうか気を落とさないでください」
「……」
私は無意識に貰った刀の鞘を抜こうとした。
一躍それに気づいたユイさんが必死に止めようとする。
『龍輝、抑えるんじゃ!! 刀を抜いてはならん!!』
「んじゃあ、ハンドガンは?」
『たわけ!! ダメに決まってるであろう!!!』
「あ、失礼しました。お客様のお部屋はこちらになります。元気だしてくださいね?」
「あ、はい」
ぶん殴りてえ……。
私は沸き上がる憤怒のマグマを抑えつつ、ニコニコとした表情で私は案内された部屋へと入った。
「ああああああああもう!!!!!」
部屋に入るなり、私は大声をあげる。
物に当たりたかったが、流石にそれはやめた。
『とんだ災難じゃったな』
「ああ、正直、ギルファーよりエグいものだったよ……」
『なはははは!!』
「笑うな!!」
『まぁ、何にせよ。これで少しはゆっくりできるのー』
床に寝転ぶ私に対して、ユイは一人用のベッドで我が物顔で寝そべる。
それをみた私はあることに気づいた。
「なななな、ユイさん」
『なーんーじゃー?』
枕にモゾモゾしながら、私のほうを見つめる。
その仕草、そしてその表情は、それはさながらうら若き乙女そのものだ。
めっちゃ可愛く、私はドキッとして顔を赤らめる。
「あ、いや、えっと、あのさ、ユイさんって言ってしまえば霊体みたいな感じなんでしょ?」
『そうじゃなー』
「いまベッドで寝転がってるけど、寝たりするの?」
『そうじゃな。別に寝なくてもいいんじゃが、なにもすることないから、ワシはいつも寝ておるぞ?』
「そうなんだ」
『うむー』
10時
私たちは、宿でゆっくりとしていると、不意にユイさんが笑いだした。
『しかし、ランカンに感謝されたときの龍輝の様子はもー。凄い滑稽じゃったの~』
笑いの成分が入った口調でいうユイさん。
……その話やめろ!!
「やめーやその話!」
『ぷっ……くふふふ……』
「笑うなあああああ!!」
『だって……だってぇ……!!』
あっはははは!!!とゴキブリが死にかけてるときみたいな感じで大爆笑をする。
「こいつ……ベッドで張り倒してやろーかー!」
『ほう、ワシ……いや、私を堕せるO TU MO RI DE?』
ユイはニマニマと笑みを浮かべ、スカートと胸の部分をチラッと開けながら、私を誘惑してきた。
このやろ……。
童貞の私に、とんでもねえことを……。
『残念だけど、私はそう簡単には堕ちないよ~?』
急に老年口調から若い乙女の口調に変えて、私をからかうユイさん。
はぁらぁ立つわぁ。
『それに、いま私はこの通り霊体。実態はない……。残念じゃが、私とするのは無理よ~?』
「こんにゃろー……アークストーン手に入れたとき覚えてろよ……。ユイさんの実態を戻して、ベッドで押し倒して、私の物に変えてやるわぁ……!!!」
『へぇ……それはそれは、楽しみね~。私を龍輝の物にできるものなら、やってみてよ……!!!』
「ああ……お前を物にするために邪悪を倒してやらぁな!!」
二人は顔を合わせ、にらみ合った。
売り言葉に買い言葉とは、この事を指すのだろうな。
電気がバシバシ走ってるであろうことは火を見るより明らかだ。
続く
朝、鶏に起こされた私は、次の街に向かうことになった。
次の街は魔法を主に扱う大都市だそうだ。
魔法を使用できる私には非常に興味深いので、楽しみだ。