いま現在最悪の事態が起こっている。
このままでは、グリムマギア崩壊は免れない。
何としてでも阻止しなければ……。
神殿が崩壊する音は我々のいる場所にも聞こえていた。
「な、なに、なに!?」
私はその崩壊する音と地響きに驚き、目を覚ました。
家具などが揺れ、最初は地震かと勘違いしてしまう。
幸い、この家の家具は耐震強化を施されており家具たちが崩れることはなかった。
「何事!?」
『なにがあった!?』
揺れに起きた二人も飛び出す。
私たちは急いで家から飛び出した。
「なんや!?」
「うそ……」
『あそこは……』
ユイさんとケミックさんは、驚愕の表情をして何かを見つめていた。
私も二人の方を見ると、一瞬時間が止まったような感覚に襲われた。
遠方に煙が立ち上っていた。
しかも、ただの煙ではない。
赤と黒が混ざり合った不気味な煙だった。
「え? なにあれ?!」
私がそう聞くとユイさんは首を傾げた。
『わ、分からぬ。ただ、あの方角はグリムマギアの場所……』
「まじ?」
『龍輝!! 早くグリムマギアのところへ……!!』
「あ、ああ!!」
私とユイは全力でグリムマギアへと走ろうとする。
しかし、それをケミックさんが止めた。
「ちょっと待って!」
と。
そういったケミックさんは、家の隣にあるガレージに駆け込んだ。
そして、シャッターを開けて中からバギーを持ち出してきた。
「早くのって!!」
そういってケミックさんは扉をあける。
私はすぐにバギーに乗り込んだ。
ユイさんは、浮遊しながら、見たこともないスピードでグリムマギアへ飛んでいった。
ケミックさんも、険しい表情でバギーを動かす。
「歯を食い縛って、しっかり捕まって!!」
「は、はい!」
バギーのドスの効いたエンジンを鳴らして、地面を駆け出した。
賢者の丘を物凄いスピードで走り、倒木を引き潰し、グリムマギアへと進む。
その間に二人の会話はなく、ケミックさんは冷や汗を流しながら、眉を潜めた険しい表情でバギーを乱暴に運転する。
賢者の丘を10分ほどで抜けると、急な下り坂にたどり着く。
そして、その坂を下った場所にグリムマギアと呼ばれるイクス大陸の四大都市が見えた。
超広大な街のド真ん中にシンボルと思われる巨大なタワーがドンと立っている。
そして、やはりグリムマギアの北部から赤黒い煙が立ち上がっていた。
「やっぱり……」
「何か事件が……」
「坂を下るわよ!!」
そういってアクセルを全開にする。
私はグワングワン揺れながら、必死にしがみついていた。
私はあまりの恐怖に顔は真顔である。
時々、外れそうな眼鏡を抑えながら、急な坂を見つめていた。
坂を下り、車を降りてグリムマギアの門へと走る。
門の付近にテントや、簡易的の小屋がいくつも設置されていた。
そして、ゴツイ鎧を身に纏った人や、ローブを着ている人、皮の服を着た人等々が沢山いたことから、かなりヤバイことが事態になっていると感じた。
「……」
私とケミックさんは走ってその場所へと向かう。
「おや、ケミック様!」
走ってくる私たちに気づいたのか、老年の神官らしき人が駆け寄った。
「単刀直入に訊くけど、まさか封印が解かれたの?」
そう言うと、老年の神官は険しい表情でコクりと頷いた。
ケミックさんは頭を抱える。
その言葉と仕草に私は、まさかと思いつつも、確認するために老年の神官に問いた。
「封印が解かれたって、邪悪の眷属がですか?」
と。
神官は頷く。
私は予想していたことが当たり、「マジかよ」と言葉を漏らした。
「現状、アークヘイロス・マフィーナは地下深くのマナが貯まってある場所でマナを吸収しています。吸収が終わり、この地に舞い上がるのは、2日後だと想定されています。いまソルジェスやバイカルに救援要請を送っております。貴方も英雄ですよね?」
「はい、一応」
「お願いします。アークヘイロス・マフィーナの討伐、ご協力お願いします」
そう言うと老年の神官は、深く頭を下げた。
「もちろんです」
断る理由がない。私は頷いた。
老年の神官は「ありがとうございます」と言いながら何度も頭を下げた。
こうして私とケミックさんは、邪悪の眷属であるアークヘイロス・マフィーナの討伐部隊に入ったのだ。
暫くして、各国からの増援が到着し、私たちは、中央の広場に集められ作戦会議を行うこととなった。
私は辺りをキョロキョロと見渡すが、神官や私たちの世界から召喚されたであろう人々、兵士達しかおらず、民間人は一人としていなかった。
しかし、周辺には売店等が立ち並んでおり、昨日までは皆笑顔に暮らしていたと想像できるが、いまはその影もない。
街全体がグレー掛かっており、気持ちまで陰鬱としてしまうほどだ。
しばらくすると、一人の男性が中央の噴水の上に立って大声で言った。
どうやら、あの男性がこの討伐隊のリーダーのようだ。
2mはあるであろう巨漢で、角刈り、森林と言っても誤魔化しが効くレベルのモサモサとした髭、て言うか何処から何処までが髭で、何処から何処までが揉み上げなのか分からん。
……私が元住んでいた地球の森で歩いていたら、十中八九ビッグフットと間違えられるであろうな……。
「我が名はサスクワッチ。これより、アークヘイロス・マフィーナ討伐の作戦会議を行う!!!」
やっぱりビッグフットじゃねえか!!
私は心の中で突っ込みを入れた。
「まず、我々の討伐すべき敵であるアークヘイロス・マフィーナについて説明をしておく」
そういって、サスクワッチは1つの書物を取り出して、それを開いた。
すると、その本のページに記載されてある内容が虚空に映し出された。
さながら、それはホログラムのようだ。
「アークヘイロス・マフィーナは、邪悪の眷属のうちの1人だ。やつは膨大な魔力持ち、炎、水、雷、風、氷、土、毒の魔術を使用してくる。さらに小型の虫型の魔物を使役し、操ってくることも確認されている」
そう言いながら、ホログラムにアークヘイロス・マフィーナの全身の姿が映し出された。
見た目は女王蜂を巨大にして物凄い装飾品を着けた感じだろうか。
ポケモンで言うところの「ウルガモス」。
PHANTASY STAR ONLINE2で言うところの「ダークファルス・アプレンティス」もしくは「オメガファルス・アプレンティス」みたいな姿をしている。
見た感じ、かなりでかい。
「現在、マフィーナは魔力を補充するために地底に潜伏している。ヤツが地上に出れば、どんな災害が起こるか分かったものではない。何としてでも、地上に出る前に討伐しなければならない!!」
画面には、マフィーナが使役するであろう虫の画像が映し出される。
どれもこれも、虫嫌いが見たら嫌悪感や不快感を出すものばかりだ。
「部隊は潜伏するマフィーナに直接攻撃を加えるための討伐部隊、使役する虫を迎撃する部隊、万が一マフィーナが地上に出た場合にそれを迎撃する部隊、それらを支援する部隊。この4つを編成する! 決行は明日の早朝に行う!」
そう言われ、各々の人々がどの部隊に入るかざわざわしていると、1人の男性が手をあげた。
みんなが一斉に注目する。
「僕の発明した兵器を地底に持ち込めないかと思いまして」
眼鏡をかけた18歳ぐらいの少年が得意気にそう言った。
それをみたケミックさんが声をあげる。
「卓郎じゃん!」
「ケミック師匠!」
ケミックさんと卓郎が互いに駆け寄った。
あいつが丸野卓郎か。
眼鏡をかけて黒髪短髪の極一般的な少年という印象を持つ。
服装も白い無地のTシャツ、ジーパンの上にちょっとした鎧を装着しているというものだ。
なんだろうか、特に理由もないのだが高校で科学部部長を勤めていると言われても、違和感ないだろう。
「その兵器とは?」
サスクワッチさんが、卓郎に訊ねる。
すると、卓郎はニヤリと笑みを浮かべて、ポケットから鞄から1つのコントローラーを取り出した。
ps4のコントローラーを彷彿とする形状をしている。
そのコントローラーを弄ると、光を放ちながら、自走砲が出現した。
それをみた卓郎は眼鏡のブリッジをクイッと上げてドヤ顔で話す。
「この自走砲で潜伏しているマフィーナに砲撃してダメージを与えるのはいかがでしょう。威力も保証しますよ」
得意気に語る卓郎。
何の根拠もないが、妙に信憑性があった。
だってケミックさんの弟子だし。
「マフィーナが使役する虫たちなら私が、何とかできるかも知れないわよ」
ケミックさんが「はーい」と手を上げてそういった。
「何とかできるのか?」
「たぶん。私は邪悪大戦のことは知らないから何とも言えないけど、マフィーナが使役する虫ぐらいなら……」
「……信じよう」
「わかったわ。今から持ってくるわね!」
そういうとケミックさんは早々と自宅へと向かった。
「では、マフィーナ討伐部隊は、明日永遠 鈴亜(アストワ レア)を隊長に編成を行う」
サスクワッチはそういうと、少女が前に出た。
金色の瞳に青く長い髪、アニメから出てきたんじゃないかと思うほどに整った顔立ち。これほどの美少女は存在しないと言いきれる程に可愛く、そして綺麗な美少女だ。
年齢的には私よりは断然若い、18か7ぐらいだろうか?
その姿をみた人々たちは、まるで希望の星が現れたような表情をしてザワザワし始める。
「鈴亜さんだ!」
「あの邪悪の眷属を倒した英雄だ!!」
各々がそんな言葉を口にしていた。
たぶん、あの女の子が昨日ケミックさんが言っていた人なのだろう。
そら、アークヘイロスを倒した人がいたら士気も上がるわな……。
そんなことを呑気に思っていると……。
「ちょっとよろしいですかな?」
一人の大男が前に出る。
その男の姿を見て私は「あっ」と思った。
ヤルソー将軍だ。
「ヤルソー殿!?」
「この中に朱雀龍輝君はいますかな?」
そういった。
辺りが少しざわめく。
私は「はい」っと言って小さく手を出した。
全員が一斉にこちらを向く。
サスクワッチは奇怪な顔で「あの方がどうかしましたか?」という。
ヤルソー将軍は誇らしげに「彼はアークヘイロス・ギルファーを倒したこの討伐隊の主要戦力の1人だ」と言った。
それに全員がどよめき立つ。
私もどよめき立った。
とんでもないことになりそう。
私はそれを肌で感じ取った。
だって、私自身がアークヘイロス・ギルファーを倒したわけではないし……。
なんならケミックさんのお陰で物凄い弱体化食らってるし……。
「アークヘイロス・ギルファーを!?」
「まさかアークヘイロスを倒したやつが鈴亜さん以外にもいたのか!?」
他の人々が口々にそんなことを言っている。
「それで貴殿の作戦の討伐部隊龍輝くんに加えたい」
「ええ、私は構いません。アークヘイロスを倒したとなれば、問題ないでしょう」
私の有無関係なく勝手に事が進み出す。
そして、地底でマナを吸収しているアークヘイロス・マフィーナを攻撃する班に私ともう一人、邪悪の眷属であるアークヘイロス・ドラコーイルを倒した女の子。
鈴亜さん、他数100名が編成される。
そして、外に待機するソルジェス、デモーアル、サントプトから派遣された軍隊。そして英雄たちによる総軍。
周囲には大量の重火器といった兵器が用意されており、万全の態勢といったところだ。
その間、各々が武器の手入れなど、決戦に向けての準備が行われていた。
色々あって気づかなかったのだが、ユイさんの姿がいなかった。
私は仮設拠点に戻らず、ユイさんを探し回った。
「ユイさんどこに行ったんや……」
私は小声で独り言を呟きながら、住民一人としていないグリムマギアの街中を走った。
マジでどこいったんや?と思っていると、私はある場所にたどり着き、足を止めた。
私がきた場所は、崩落した神殿近くの場所……。
そこにユイさんは居たのだ。
「ユ、ユイさん?」
私は戸惑いながら近づくと、ユイさんは俯きながら、あるものを見ているのに気づく。
『……』
ユイさんは、恐らくこの神殿を防衛していたであろう、兵士の死体を悲しげな表情で見ていた。
恐らく、この死体は……封印を解いた何者かによって殺られたものだろう……。
大きく見開き、虚ろな瞳をして死んでいる兵士の目を閉じさせようとするが、霊体であるからか、すり抜けてしまうのだ。
それを見て、私は話し掛け辛くなって、戻ろうとした。
『たつき……』
ユイさんの方から声をかけられた。
突然だったので、私はビクッと肩が羽上がる。
「……ん?」
『……マフィーナは……危険な相手じゃ……』
今にも消えそうな……か細い声で、私にそういった。
ユイさんは体を少し震わせ、泣くのを必死に我慢していた。
『……やつを倒して……グリムマギアを、助けて……』
必死に我慢しているが、涙がポロポロと出ていた……。
私は「ああ」と返事するしかできなかった。
その後……
全員が集まったとき、後ろから誰か私の肩を叩いたのだ。
振り向くと、そこには鈴亜さんがいた。
「明日はよろしくね!」
にっこりと笑う笑顔に私はドキンとしてしまう。
ヤバい……。
かわいい。
私は顔を赤らめてしまった。
童貞はこういう時に上手くコミュニケーションをとれないから……参ったものである。
私は内心で自身を苦笑しつつ、鈴亜さんと少しだけ会話を交わした。
他愛ない話である。
やはり、少しでも緊張を解すためだろうか?
色々とはなしをしていると、サスクワッチさんが大声を上げた。
サスクワッチさんは私たちに地下洞窟の地図を渡された。見た感じ長い一本道の洞窟。
もしかしたら、アークヘイロス・マフィーナが使役している虫型魔物が道中に遮る可能性があるとの事だ。
虫が大嫌いな私からしたらめっちゃ逃げたい。
逃げたいのだが、まさかのアークヘイロスを討伐した実績があるということで、鈴亜と私がリーダー的立ち位置になってしまった。
アークヘイロス討伐者ってだけでだ。
はっきし言う。
地獄。
どないせえっちゅうねん。
私は心底落胆し、大丈夫なのか?と心から感じた。
そして、その不安と緊張は私の腹痛を引き起こすトリガーの要因になるには十分すぎることだった。
近くにいた兵士にトイレの場所を聞いて、全力でトイレに駆け込んだ。
そして、トイレから出ると辺りは暗くなっており、全員が集まって晩御飯を食べていた。
私も出されているご飯を食べて、そそくさと仮設の拠点へと入り、眠りについた。
明日に備えて。
正直不安でしかない。
朝を迎え、私たちは即座に部隊編成を行い、アークヘイロス・マフィーナがいる地下洞窟へと向かった。
グリムマギアから少し離れた場所に巨大な岩山があり、その岩山に大きな洞窟へと続く穴があった。
ここから洞窟へと入り、最奥にてマナを貯めているアークヘイロス・マフィーナを討伐する。
「いよいよだね!」
鈴亜はワクワクウキウキのようで、ジェットコースターに乗る前の子供のようだった。
一方、私は死にかけた虫のようにげっそりとしている。
緊張が爆発していまにも死にそうなのだ。
卓郎は自走砲に搭乗し、レーダーでマフィーナのいる場所を索敵するという形だ。
「じゃあ、行こうか!」
鈴亜の言葉と同時に、私たちはアークヘイロス討伐のため、洞窟の中へ歩きだす。
それと同時に自走砲も音を立てて進む。
中は、薄暗くギリギリ前が見える程度だ。
「暗いわね」
「せやな……」
私たちは警戒心マックスでそんな会話をしていると、やはりというべきか虫型の魔物が襲いかかってきた。
[キシャアアアアアア!!!]
[シャアアアア!!!!]
[ボオオオオオオオ!!!!!!]
カマキリのような魔物。
ハエのような魔物。
巨大な蟻のような魔物。
それらが50匹ほどの数で襲いかかる。
「前方から魔物がくるよ!!!」
卓郎の声で、魔法職の人々が一斉に炎の魔法を唱えた。
炎の塊が一斉に虫型の魔物目掛けて飛んで行き、焼きつくす。
「(私も魔法使えたらなぁ……)」
それを見て心の中でそう呟いた。
いや、使えるには使えるんや。
ただ、それを使えば確実にやられる。
MONSTER HUNTERに言えば、炎王龍テオ・テスカトルが、ランゴスタやブナハブラ、カンタロス、オルタロスにボコボコにされるみたいなもんである。
さすがにそれは情けなすぎる……。
そもそも、それで足を引っ張ればお仕舞いである。
ここは、始めに商人から頂いたこのハンドガンで狙撃するしかない。
私は、ハンドガンを取り出してリロードした。
「またきた!!! 数は100匹!!」
再び襲来する虫の群れ。
今回の群れは多い。
さまざまな虫たちが襲いかかってきた。
魔法職の方々が炎の魔術を使うが、やはり、この大群では射ち漏らしが出てくる。
それを他の人々が撃ち落とす。
私も何発か飛んでくる虫目掛けて発砲をした。
意外と当たるもので、撃たれた虫はピクリとも動くことはなくなった。
そして、暫く歩いていると、大きな鍾乳洞のような場所についた。
ここから下っていくらしい。
「うわぁ……不気味すぎる……」
その鍾乳洞の壁や床に赤い卵のような物が無数にあり、さらに所々に赤い血管のような物体が張り巡らされていた。
グロテスク過ぎてビビる……。
あまりにもドエライ酷景に他の英雄や兵士たちも、眉を潜めてドン引いていた。
「このまま真っ直ぐ降りると、マフィーナがいる!! 今のところ敵の気配はない。このまま進もう!!」
卓郎がそう言うと、私たちは一応警戒をしながら、最奥へと進んだ。
先ほどとはうってかわって、敵の襲撃がない。
寧ろ、そちらの方が不気味に思えてきた。
「不気味なまでに静かや……」
「そうね」
そんなことを話ながら、進んでいると卓郎が大声を上げた。
「みんな気をつけて!!! 壁から生体反応が増大してる!!!」
それを聞いた全員が背を自走砲に寄せて壁にある巨大な卵を睨む。
すると、壁にあるありとあらゆる卵から訳のわからん液体を吹き出しながら、小さな虫が何千匹と現れた。
その光景は目を背けるほどにえげつないものだった。
バイオハザードとかサイレントヒルじゃないんだからさ……。
奇声に近い甲高い声をあげながら、生まれでた虫たちは、私たちのほうを見るや否や、ものすごい勢いで襲いかかってくる。
先ほど強襲してきた虫の比じゃないほどの数だ。
私たちは一斉に攻撃を開始する。
炎の魔法らしき火の玉や熱線、火炎放射などが襲来する虫を襲う。
自走砲からも備えられた10個のアサルトライフルから火を吹いて援護射撃をしていた。
しかし、それでも千匹を超える虫たちを屠ることは出来ずに、炎や弾丸の弾幕を潜り抜けた虫が、人間を襲いかかる。
虫の断末魔に合わさって、人間の悲鳴が私の耳を突き刺した。
私はそれをなるべく聴かないようにして必死に迫る虫を撃ち落とす。
5分間の攻防が続き、やっと卵から孵った虫全てを葬り去った。
だが、こちら側の被害も中々で100人いた部隊が30人ぐらいまで減っていた。
減った人がどうなったかは……。
うん。
地面に倒れているけど……その状態はあまり見たくない。
てか、私は見ない。
トラウマ待ったなしであろうことは火を見るより明らかだ。
若干今でも耳に残ってる人間の悲鳴と断末魔……。
夢に出てきそうだ……。
影廊に出てくる憎悪振り撒く影並みに精神持ってかれる……。
しんどすぎる……。
重い空気の中、我々は歩みを進める。
更に奥へと行くと、次第に不気味な鼓動が耳に入ってくる。
ドクンッ……。
ドクンッ……。
ドクンッ……。
と……。
それは、徐々に鮮明に聴こえてくる。
全員はより一層に警戒心を強めて進む。
そして、我々の目の前にそれは現れた。
アークヘイロス・マフィーナ
地底の最奥に彼女は鎮座して魔力を吸収していた。
その光景を見た我々は固唾を飲んだ。
恐ろしい怪物を見ている。
写真で見たよりもずっと迫力があった。
「行くよ!!」
卓郎はそういうと、自走砲のエネルギーをチャージ。
我々は自走砲から離れた。
「ハイパーマナ粒子砲……。てええええええええ!!!!!」
なんかどっかで聞いたことのあるセリフを吐いて、大質量のレーザーを鎮座するアークヘイロス・マフィーナにぶっぱなした。
マフィーナを覆う膜をぶち抜き、マフィーナ本体に直撃をする。
「やった!?」
そのような声が聴こえてくるが、私にはその程度で倒すとは思ってない。
「いや、この反応は!? まずい!!」
卓郎の狼狽する声に全員が身構える
私の考えは当たっているようでマフィーナは、お返しと言わんばかりの特大レーザーを放射。
それは自走砲を一撃で貫いた。
「脱出!!!!」
卓郎は咄嗟の判断で脱出したことで、最悪の事態は免れた。
我々も自走砲から離れていたことで、誰一人として消し炭になることはなかった。
マフィーナは我々に追撃をすることなく、巨大な羽を広げて空へと飛び立った。
その光景に、いまいる30人の人々が青ざめる。
「ヤバい!! 早く外にでないと!!!」
鈴亜さんがそういいながら、全速力で外に向けて走り出す。
我々も鈴亜さんの後を追った。
地底から出た時、外では阿鼻叫喚となっていた。
2つの部隊がアークヘイロス・マフィーナ及び使役された魔物(虫)と交戦中なのだが、既に部隊の半数がやられている状況だ。
部隊の人々がグリムマギアへと近付かせまいと奮闘しているが、それもいつまで続くかわからない状態。
特に使役する虫を討伐する部隊がヤバい。
我々の想像以上に、マフィーナが使役する虫が多すぎる10000以上はいる数に部隊は、成す術がなく蹂躙されているばかりだ。
人々の悲鳴が聴こえてくる。
虫に斬り刻まれたり、喰われたりと最早トラウマものである。
「私は雑魚を殲滅するから、みんなはマフィーナをお願い!!!」
鈴亜さんがそういって、虫たちに突撃しようとした。
そのときだった。
女性機械音声が聴こえたかと思えば、虫たちが密集している場所が大爆発を起こした。
さらにビームの雨が降り注ぎ、虫たちを葬り去る。
「なんだ?!」
「何が起こっている!?」
人々はあわてふためく。
しかし、それは3つの巨影を見て呆気に変わる。
「お待たせ!! 少しだけ起動に手間取っちゃって!!」
そう言って、魔法の力で浮いているであろう戦艦ゼネラル・レビルから話すケミックさん。
周囲にはゼネラル・レビル仕様のカラーリングがされたジェガンA2型やリゼルが空を滞空していた。
そして、その後ろからケミックさんの言っていた何とかできる物。
それらが姿を現す。
その姿を見た私はケミックさんの技術力というか行動力に呆れ果てる。
「マフィーナが使役する虫たちなら任せて!!!」
自信満々に言うケミックさん。
ヘリコプターに近い形をした3つの円盤型の翼を持ち、胴体にはレールガンにレドームが搭載されている戦闘兵器。
-AI搭載垂直離着陸戦機(ケミック・サイエス仕様) クリサリス-
巨大やキャタピラーに巨大な体躯、さらに各所に取り付けられた無数の武装。
陸を往く戦艦とすらも思える超巨大戦闘兵器。
-AI搭載超級戦機(ケミック・サイエス仕様) コクーン-
2機のAI兵器から発する無機質で不気味な歌声がグリムマギア周辺に響き渡る。
続く
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KS-cocoon7000コレヨリ敵殲滅ヲ行ウ
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