夜魔物語リリカルウィザード‐魔法少女と夜闇の魔法使い‐《更新停止》   作:アルシェス

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今回は幼馴染に出会い、魔剣を入手するまで。


魔剣入手まで

「………ん、ッ!」

 

意識が戻ると同時に、俺の頭に痛みが走り、

記憶がアルバムを眺めているかのように浮かんでくる。

おそらく、転生してからの[俺]の記憶を整理しているのだろう。

やがて整理が終わったらしく、頭痛が収まった。

よし、確認してみよう。

 

名前は天宮時人(あまみやときと)

母親の誕生日、特別な[時]に産まれたからそう名付けられたそうだ。

現在は四歳、しかし年相応の明るさは無い。

……赤ん坊スタートじゃなくて助かった、笑えないからな。

一年ほど前に母親が他界し、今みたいな性格になったらしい。

俺も明るくは無い分ある意味好都合だ。

なので現在は父親と二人暮らし、しかし父親の仕事が忙しくなり始めて

家を留守にすることが多くなりそうなので、

信用できる知り合いに留守中の俺の世話を頼むために海鳴市と言う町に引っ越している最中。

俺の世話云々に関しての話は既に付けているそうだ。

 

「時人、もうすぐ着くぞ」

 

俺は車の助手席に座って眠っていたらしい。

目を擦った後に運転席を見る。

現世での俺の親父、天宮龍神(あまみやたつみ)だ。

って外見[柊蓮司]まんまじゃないか!

まさか柊力あるのか!?俺継承してるのか!?俺[下がる男]なのか!?

……魔剣使いになった結果として諦めよう。

 

____________________

 

付いた先は和風の少し大きな家だ。

隣は神社、なんだか因縁めいたものを感じるんだが。

サービスで総合レベルを10にしてもらった結果なのか、

四歳児にしてはやけに力がある。

しかし、何だか腕が細いうえに手もやけに綺麗だ。

嫌な予感がする………俺は鏡台を運んだ後、それを使って自分の姿を見た。

嫌な予感は的中した。

腰まであるであろうサラッサラで艶やかな黒髪、

ぱっちりとした大きな目にやたら整った鼻、

薄い唇に細く形がいい眉が抜群の形状を模る輪郭の中に納まって

優しげな美貌を作り出しているが、大きくて鋭い八重歯がアクセントを加えている。

さらに長く細い手足は将来性を感じさせ、体格も細く背は高めだろう。

 

そう……それが鏡に映った俺の姿だ。

流行りの[男の娘]か、この先苦労しそうだな。

まあ、魔剣使いを選んだのは俺自身だし、

不細工とか五体非満足とか身体障害アリに比べれば遥かにマシだ。

人は生まれを鰓アブ事は出来ない以上、文句は言えない。

文句があるなら整形なりシェイプアップなり努力すればいいだけのことだしな。

 

「時人~、後はお前の荷物だけだぞ」

 

おっと、親父が呼んでるな。

俺は玄関に向かい、自分の家具と荷物を二回の自分の部屋に運び込む。

家具は勉強机、ベット、本棚……何で俺今保育園くらいなのにデスクトップPC持ってるんだ?

それに大量の本、[飼育法シリーズ][幻想世界シリーズ][古今東西武器シリーズ]

[小説家入門][漫画家入門][サルでもわかるサバイバル][TRPGルルブ及びサプリ]

一応漫画やライトノベルもあるが……どう考えても四歳児の読むものじゃない。

というか、前世での俺の本棚まんまなんだが。

服も下着が[春・秋用][夏用][冬用]がそれぞれ五組。

私服もそれぞれ五組、前世同様俺はオシャレに興味が薄いようだ。

壁紙等も色やデザインが渋い。

後アルバムを見つけたので確認したところ、鬼籍に入った

母親[天宮涼音]は[赤羽くれは]まんまの外見だった。

神社関係の出自ではなかったらしいが。

 

「終わったか?」

「もう終わり」

 

次はお世話になるというお隣に挨拶だな。

 

____________________

 

お世話になるお隣は結局神社だった。

ここまで来ると因縁ではなく運命を感じる。

まず初めの挨拶だ。

 

「初めまして、天宮時人です」

「おお、しっかりしてるな」

「はい、初めまして」

 

眼鏡を掛けた神主の[赤羽劔(あかばねつるぎ)]と

茶髪を肩あたりで揃えた、奥さんの[赤羽奏(あかばねかなで)

仕事中だったらしく神主の格好をしていた。

奏さんは仕事帰りでスーツを着ていたが(アパレル関係らしい)

 

ん?もう一人いるな、奏さんの後ろに隠れてるけど。

 

「ほら麗、挨拶しなさい」

 

促されて出てきたのは、腰まであるであろう茶髪を後ろで結び、

巫女服を纏った、今の俺と同じくらいの少女だった。

顔立ちはたいへん愛らしく、まるで天使だ。

ん?どっかで見覚えが………あ!

某名作エロゲのくノ一ヒロイン、彼女にそっくりだ。

おいおい、いいのかよこれ。

 

「……赤羽麗(あかばねうるは)です」

 

俺は思わず鼻と口を押さえた、可愛い。

幼い子供の仕草は、時折戦車砲クラスの破壊力を持つというが、

これはまさにそれだ。

これが俺と幼馴染であり、パートナーと言える人間との

最初の出会い(ファーストコンタクト)だった。

 

________________________

 

キングクリムゾン!

 

世話をされるはずが完全に必要なくなっている。

[精神は肉体に影響を受ける]なのだが、

それを差し引いても中身が子供ではないので世話をしてもらう必要が今一無い。

親父は海外を飛び回っており、誕生日とか特別な時だけ帰ってくる。

そして[お小遣い]と称して、毎月十万円ほど送られて来る始末。

俺はそれからライフライン料金、食費雑費、その他もろもろを支払っている。

前世で一人暮らしをしながら働いていた手前、家事全般は問題無くこなせる。

やってることが前世と大差が無いな(汗)

ついでに髪が邪魔だから一度サッパリ切り落としたのだが、

奏さんと麗に大ブーイングを喰らったので、以後は

背の中辺りまで伸ばして、黒いゴムで適当に束ねている。

後最初は警戒気味だった麗には何故か懐かれ、

それ以降子犬みたいに付いてくるんだよな。

 

「それはこっちに運んでね」

「あ、はい……ブェホ!」

 

今日は赤羽家の倉庫整理を手伝っているのだが、

古い建物らしく埃がすごい。

 

「これで最後、うん?」

 

最後の荷物を既定の場所において、俺がモップ掛けをしていると、

倉庫の奥の方から、俺を呼ぶ声が聞こえてくる。

正直怪しいが、敵意や悪意は感じないので

俺はゆっくりと声の元へ歩いていく。

 

あったのは鎖で縛られた箱だ。

俺はそっと鎖に触れると、まるで霞の様に消える。

そして蓋が開き、中身が顔を覗かせた。

中身は小太刀に垂直の取っ手を付けたような武器、

トンファーブレードだった。

鍔がある部分が楕円形になっており、

片方は真っ黒、もう片方は銀色だった。

そして楕円形の部分が[目]になってこっちを見た。

黒い方は瞳孔が縦長の紅い目、

銀色の方は瞳孔が円い青い目、

そして気が付くと、どちらも俺の手に収まっていた。

 

「……お前らが俺の[魔剣]ってわけね」

 

返事をするように、目が怪しく光っていた。




魔剣使い

伝説の聖剣、殺人衝動を引き起こす妖刀、いかれた職人が
生きた人間を材料に作った鎧、連続殺人鬼が愛用した凶器。
そういった曰くつきの武具には、[自我]が宿ることがある。
そんな[自我]を持つ武具を相棒として戦うウィザードを総称して[魔剣使い]と呼ぶ。
前衛、特に近接戦闘員のアタッカーで活躍できる。

とある事情により、「魔剣使いは不幸になる」というジンクスが出来上がっている。


柊蓮司

NWキャラクターの中では最も有名な一人、魔剣使い。
事あるごとに様々な物が[下がる]ので、通称[下がる男]。
[魔剣使いが不幸になる]というジンクスの元である。


赤羽くれは

NWキャラクターの中で最も有名な一人、陰陽術師。
柊蓮司の幼馴染で、[恥ずかしい秘密]を握っているらしい。
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