夜魔物語リリカルウィザード‐魔法少女と夜闇の魔法使い‐《更新停止》 作:アルシェス
更に月日は流れ、俺はいつの間にか中一になっていた。
俺はだいぶん背が伸び、いつの間にか160cmになっていた。
ウィザードとしての実力も結構上がったと自覚しているが、前線に出た経験は少ない。
まあ、ガキを戦わせたくはないよな。
それから麗の発育が良くなり、男子連中からの告白は日常茶飯事となったが、
全て断っている上に、俺にべったりなのも変わらない。
つか、くっつくすぎじゃね?っと思うこともしばしばだ。
ついでに同じ転生者で、ウィザードの仲間もできた、2人とも小学生だが。
前世での年齢も俺が一番上だったんだよな。
まあ、それは別にどうでもいいことだろう。
それともう一つ変わったことがある。
「来ちゃいました!」
「はいはい、いらっしゃい」
あの時出会った少女、高町なのはが家に入り浸るようになった。
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公園での一軒があった翌日、翠屋というケーキを売っている店の話を
前々からクラス内で仲がいい面子から聞いていた俺はそこに入った。
すると、そこにはエプロンをつけて店の手伝いをしているなのはがいた。
その後、なのはの母親である高町桃子さん、兄の高町恭弥さん、姉の高町美由紀さんから
色々と話を聞きながら、父親の高町士郎さんが入院していること
店が忙しくてなかなかなのはに構ってやることができずに悩んでいたことを知った。
それから恭弥さんに斬りかかられるなど一悶着あったが
忙しい間は、俺の家になのはを預けることに話が決まった。
正直信用しすぎでは?と思ったが、まあ俺に幼女をどうこうする趣味はないし、
麗も妹が出来たみたいだと喜んでいたので気にすることはないか。
それから士郎さんが退院した後も、結構な頻度で家に来るようなった。
シスコン恭弥さんと親バカ士郎さんの俺を見る視線が相変わらず怖いのだが。
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というわけで、すっかり我が家の一員みたいになっているなのは。
前世でも後輩というか、年下には好かれていた。
理由は全く分からないんだが。
「本当にしつこいんですけど、どうしたらいんでしょう?」
今回の相談はストーカーについて。
何でもクラスメイトの男子2人がなのはと親友二人(面識アリ)に
「俺の嫁」だとか言って付きまとってくるらしい。
おまけに近づく男子達をぶちのめすので、仲がいい男子は
ウィザードの二人(なのは達は知らない)だけらしい。
いるんだな、そんな中二病こじらせたみたいな奴、もしや転生者か?。
「とりあえずひっぱ叩いて本音をぶちまけろ」
「えぇ!?」
「そういうバカはな、なんでも自分の都合のいいようにしか受け取らないんだ
自分が世界の中心だと思ってるからな、だから口で言ったところで全く通じないさ
痛みで目を覚まさせた後にはっきりと本音を言ってやるのが効果的だ」
「で、でも……」
ドが付くほど優しいからな、抵抗はあるんだろう。
「できないなら空気か、飛んでくる蝿だと思って無視しろ
そういった手合いは相手にされないのが一番つらいんだ」
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俺の名は諸星翔馬、[魔法少女リリカルなのは]の世界にやってきた転生者だ。
最初はよくある……[踏み台]よろしくハーレムを狙っていたが、
今はそんな考えは捨て去った。
俺は現世では海鳴市を昔から守ってきた、いわゆる[超能力者]一族の出身だ。
だからお手伝い程度だがその活動に参加したんだが、
[エミュレーター]っていう化け物に襲われて絶体絶命になり、
そこを同じ転生者である天宮時人さんに助けられて、慕うようになった。
その後小学生に上がり、出会った原作キャラの一人月村すずかに一目ぼれして、
俺はハーレムを目指すことがバカバカしくなってやめた。
「将来の夢か…」
なのはが空を見上げながら弁当のおかずを口に含みつつ呟く。
このセリフは原作が始まる合図だよな。
この時のなのはは自分にできることが見つからなくて悩んでたんだよな。
「どうしたの?なのは」
「うん、ちょっとね、アリサちゃんとすずかちゃんは大体決まってるんだよね?」
「私はいっぱい勉強して、お父さんの会社を継がなきゃいけないかなって思ってるけど」
「私は・・・・工学系の専門職かなって」
「二人ともすごいなあ」
すずかと、金髪の勝気そうな少女アリサ・バニングス。
二人ともいいところのお嬢様で、なのはを含めて三大美少女と呼ばれている。
三人とも親友なんだけど、きっかけは喧嘩という熱血マンガみたいな展開だったんだよな。
「私達は小学生ですよ、決まってる方がどうかしていると思うのですが」
もう一人の男子、諸星翔馬が丁寧な口調で話す。
こいつも同じ転生者で、同じこの[街を守る存在]、現世での親友でもある。
結構いいところボンボンで、妹をかわいがってんだよな。
「ところで・・・なのはは何かないの?翠屋の二代目とか」
「私は・・・よく分かんないかな?」
アリサの切り返しになのはは困った顔をする。
俺達男子組は、大事な物を守るために今のやってることを続けようと思ってるんだが、
過去の出来事から、なのはは自分にできることを人一倍渇望してるだあよな、
時人さんのおかげで原作ほどじゃないらしいが。
「私は取り柄が無いから自分に何ができるか分からないんだ」
「このバカチン」
アリサがなのはにスライスレモンを食らわす。
あれ結構痛いんだよな~、てか食い物粗末にするなよ。
「自分に取り柄が無いですって?なのはにはなのはにしかできないことが絶対にあるわよ!」
「そうだよ、なのはちゃん。なのはちゃんにはなのはちゃんにしかできないことがきっとあるよ」
「アリサちゃん・・・・すずかちゃん・・・・」
前世だと、女子は絆が薄い存在だと思う節がチラチラあったけど、
この三人はそんな感じが全くしない、いいことだ。
「まずはやりたいことを探せばいいんじゃねえか?」
俺は思ったことを口に出す。
「やりたいこと?」
「人間、何かに夢中になれば凄まじい力を発揮します、いわゆる○○バカです
それぐらい夢中になれることがあれば、自然とその道を行きますからね
好きなこと、やりたいこと、なりたいものなどが例に上がりますね」
「夢中になれること、か……何があるかな」
俺は少し考えて、あることを思いついた。
「少なくともさ、なりたいのはあるんじゃねぇか?」
「なりたいもの?思いつかないけど」
「時人さんの嫁とか」
「ええぇ!?」
なのはを除いた全員が、成程納得といった表情を浮かべる。
本人は隠してるつもりなんだろうけど、時人さんを
恋愛対象として見ているのはバレバレだからな。
すずかとアリサも、時人さんとは交流あるから知ってるし。
「……にへへぇ~」
うを!?、何て幸せそうな表情!?。
おまけに雰囲気が砂糖吐きそうなくらい甘い!。
「やめなさい」
翔馬が頭にチョップをすることで、意識を戻す。
よっぽど幸せな結婚生活をイメージしてたんだな。
「でもさ、その前に勝たないといけない相手がいるだろ」
赤羽麗さん、時人さんの幼馴染で、ギャルゲーヒロインみたいに可愛い人。
友人として応援したいけど、なのはが勝つのは難しそうだな。
「「ここに居たか、嫁達よ!」」
「「「「「うげぇ……」」」」」
この場に二人の男子生徒が乱入し、俺たち五人は顔を顰める。
天道清司と大和健治、自称オリ主でハーレム作成を目論む、いわゆる踏み台キャラだ。
すずか達が自分を好いていると思い込み、近づく男たちを排除し、
嫌われてると一切気付くことなく言い寄る典型的な奴らだ。
俺も元々はあいつら同類だったんだよな、恥ずかしい。
「探したぜ嫁達よ」
「まて、俺の嫁達だろうが」
「は、お前みたいな踏み台野郎ごときが何を言うか」
「寝言は寝ていいな、踏み台はお前だろうが」
「笑えねえ冗談だな」
「そっちこそ」
また始まった醜い争いに、俺達はやれやれとこめかみを押える。
「行こう」
さっさと食事を片付けた俺達は、気付かれないように教室に戻るのだった。