魔女想う、剣士の旅々   作:蛇廻

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第十五話

世界が滅びる・・・・・・・その過程として命を失ってしまう存在があった。それがイレイナーーーー二つの世界を繋ぐ存在。

 

「私が・・・・・世界を繋ぐ存在・・・?」

 

「お前には確かにその力がある。事実、少し前にその力の一部を発現している。・・・・もっとも、あまり綺麗なものとはいえなかったが」

 

例え世界が滅ぶこととそれを防ぐ手段を知ったとして、ユウマが他の剣士と戦ってまで聖剣の封印に躍起にならないだろう。にも関わらずあのような行動を取っているのは、そうするだけの理由があるから。

 

世界を救う・・・・・それ以上にイレイナを救うことこそが、ユウマが聖剣を封印する本当の理由。例えその結果がどうなろうとも。

 

「もしユウマが聖剣を封印していなかった場合、まず間違いなくお前は犠牲になる。ユウマはそれを良しとしていない」

 

「それはつまり・・・・・ユウマが本当に救おうとしているのは世界じゃなくて・・・・私、ってことですか?」

 

「そうなる・・・・・これで俺の話は終わりだ。何かあるか?」

 

あまりにも一方的な気もするが、そのことにユーリは何も思っていない。あくまでも今回は、イレイナがどういう存在なのかを伝えに来ただけなのだから。

 

「君が組織に狙われているのは君が世界を繋ぐ存在だからだ。本来であれば組織に狙われることはなかったはずだが・・・・・どうやら今代のマスターロゴスは自らの使命を捨てたらしい」

 

「・・・もし、私が組織に捕まったら、どうなるんですか?」

 

「そうだな・・・・まず確実にお前は消滅する。その上で世界が滅ぶだろう。それ以上のことは俺にも分からん」

 

「そう、ですか・・・・・」

 

真実を知った今、イレイナには選択が迫られている。組織に捕まらないように隠れて過ごすか、もしくは今までのように旅を続けるか。

 

「・・・・お話、ありがとうございます。少し、一人にさせてもらえますか・・?」

 

「分かった。何かあれば俺の元へ来るといい」

 

そう言い残して、ユーリは部屋から出ていく。たった一人残ったイレイナは、必死に頭を働かせる。事実を知った上で、今後どうするのか。何をするべきなのか。その答えを出すには、まだまだ時間が足りない。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

深い森の中・・・・・俺は何の目的もなく、その中をぶらぶらと歩いていた。普段であれば闇黒剣によって見た未来から剣士と戦うのだが・・・・・あいにく、残りの剣士の居場所は把握していない。方法としてはエスパーダの時のように、向こうから接触して来たところを迎え撃つぐらいだ。

 

「まだ封印した聖剣は二本だけ・・・・・なるべく急がないと・・・」

 

組織がいつイレイナを確保しに動くかは分からないが・・・・あいつの元には光の聖剣がいるはず。すぐには捕まることはないだろう。それに伴って光の聖剣の封印は後回しだ。俺の持つ二本の聖剣と光の聖剣を除いて、残りの聖剣は水・風・音・煙・時・無の六本。まずはそれらの聖剣を持っている奴らの場所を探さないと・・・・・ん?

 

「こんなところに洋館?」

 

今俺がいるのは人里からはかなりの距離がある森の奥。まさかこんなところで洋館を見つけるとはな・・・。まぁ関係ないな。ここに入る必要もないし、さっさとここを離れよう・・・・。

 

「ちょっとそこの人!止まってください〜!!」

 

「あ?」

 

声と共に森へと降り立ったのは一人の魔女。肩まで伸びる黒髪を持った少女なのだが・・・・こいつの帽子、イレイナと同じ・・・・。

 

「僕は魔法統括協会に所属している炭の魔女・サヤと言います!つかぬところお聞きしますが、あなたはこの場所を・・・んん?」

 

「・・・・なんだ?」

 

「この匂い・・・・イレイナさんの!?どうしてあなたから!?」

 

「・・・・・は?何言ってんだお前?」

 

「まさかイレイナさんの・・・・いやいや、イレイナさんに限ってまさかそんなこと・・・・でもそれじゃあ・・・・」

 

・・・・・こいつ、ヤバいな。どうやらイレイナとは知り合いらしいが、まさかこんな変態じみたやつが魔法統括協会の魔女とは・・・・大体イレイナの匂いって何だよ、俺からあいつの匂いがするわけ・・・・・あ、もしかしてあれ(・・)が原因か?それならまぁ納得するが・・・・。

 

「・・・それで?魔法統括協会の魔女が俺に一体何のようだ?」

 

「ちょっと待ってください僕にとってはそんなことよりも重要なことがありましいったぁ!?」

 

「テメェが呼び止めたんだろうがさっさと要件を言えゴラ」

 

危ない危ない・・・・危うく闇黒剣を取り出すところだった。何とか拳骨で止めることが出来た。

 

「うぅ〜・・・・急に殴るとか酷いですよぉ」

 

「お前が悪い。・・・・それで?要件は何だ?」

 

「あぁ、そうそう!あなたはこの廃墟のことを知ってここに来たんですか?」

 

「いや?ただこの森を歩いてたら偶然辿り着いただけだ。何だ?ここに何かあるのか?」

 

「何でもここでは人が消えるっていう噂があるんです。事実、僕は依頼を受けて行方不明になったおじいさんを捜索していたんですが、調べていくうちにここに辿り着いて」

 

「ふ〜ん」

 

人が消える廃墟、ねぇ・・・・・・・いくつか思いつく現象はある。例えば世界とワンダーワールドとの壁が薄い場所。前の俺のように偶然ワンダーワールドに入ってしまい、戻って来れなくなった可能性もある。もしくは純粋に閉じ込められてしまって出られないとか、あるいは自分から出てこないとか。

 

後者ならともかく、前者だった場合は魔女では対処出来ないだろう。ワンダーワールドに入れるのはソードオブロゴスに仕える剣士だけなのだから。

 

「あそうだ!せっかくだから手伝ってくれませんか?」

 

「・・・・は?お前は魔女だろ、俺が協力する必要なんか全くない」

 

「まぁまぁそう言わずに!・・・・・イレイナさんとどういう関係か聞きたいですし・・・・」

 

「何か言ったか?」

 

「いえいえ別に!それで、あなたの名前は?」

 

「・・・・はぁ、ユウマだ」

 

「あれ?ユウマ?・・・・何かどっかで聞いたような・・・・・ま、思い出せないということは大したことじゃないってことですね、はい!」

 

「・・・お前、失礼だな」

 

「何がです?」

 

・・・・はぁ、こいつの相手は疲れる。はっきり言ってこいつの仕事を手伝うメリットなんて無いし、むしろ時間を奪われるっていうデメリットしかない。ここはさっさと離脱して・・・・・

 

「ほらほら行きますよ!!」

 

「ダァ!分かったからその手を離せ!!」

 

クソが、強制連行かよ・・・・・まぁ離脱しても今は何も出来ないし・・・・しょうがねぇ、暇つぶしがてら付き合ってやるか。

 

 

 

 

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