Infinit Fall :Re   作:刀の切れ味

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 ⚪︎BT-7274
 ラスティモーサ、そしてクーパーとリンクするバンガード級タイタン。忠実にプロトコルを実行するが、パイロットのことを信頼しており、その身を呈して守ろうとすることも。
 大破しかけた自身を利用してフォールド・ウェポンの発射を阻止するが、パイロットであるクーパーだけを逃して爆発に巻き込まれてしまう。
(◎)b〈信じて! 

#追記
エイペックスの新PVを見ましたよー!
おかげでストーリーの流れを変えようかと迷うほどですよー!


Log.29 データ更新:ラウラ・ボーデヴィッヒ③

「ごめんなさい、兄様。サラは……兄様に何の了解も得ずに……!」

 

「いや、もう分かったって。というか、別に俺は怒っていないって」

 

 俺の部屋で泣きそうなくらいに落ち込んだ様子のサラ。何度怒ってないって言っても、サラは中々に重く捉えすぎているようだ。

 この間のアリーナでの騒動、ラウラが俺の素性を暴露したあの後、サラは一夏たちに俺やサラがこの学園に来たわけやその他諸々を話したらしい。

 確かに最初は一夏たちにはバレないよう秘密にしていたが、いつかは話さなくっちゃならないことだった。だから、サラが話したって別に問題なんてないのだ。

 明日話すか、今日話すか、その程度くらいのことだ。寧ろサラが代わりに話してくれて助かったくらいだ、

 

「だからそんな顔するなよ。叱って欲しいなら叱ってやるぞ、下らんことでメソメソするな、ってな」

 

「でも……」

 

「でもじゃない、お前はそうするべきだと思ったんだろうが。だったらそれでいいじゃないか? 俺のいうことをいちいち気にしてたら……以前のお前と何も変わらないじゃないか」

 

 以前と変わらない、その言葉にサラは一層悲しそうな顔をするが、目元の涙を拭うと、いつものしっかりとした表情に戻るのだった。

 

「……ありがとうございます、兄様。サラは……もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」

 

「ん、よしよし。それでいいそれでいい」

 

 慰めになるかも分からないが、サラの柔らかなブランドの髪を軽く撫でてやる。その時、ふと違和感に気づいた。

 サラの頭を撫でた手の位置が以前よりも高くなっている──気がする。もしかして、身長が伸びたのだろうか? 

 

「サラ、お前背が伸びたか?」

 

「そう……でしょうか。あまり実感はないのですが……そ、それより兄様……」

 

「どうした?」

 

「あの……その……撫でられるのは……は、恥ずかしいです……本音さんも見てるんですよ」

 

 横を見れば、風邪からようやく治った本音が、頬を膨らませてこちらを見ていた。なんだ、その物欲しそうな目は。

 

「む〜……」

 

 相変わらずの着ぐるみパジャマの本音は、珍しくジト目で俺を睨んでいた。そして、何を思ったのか、両手で俺の手を掴んできたのだ。

 その目は俺に何かを訴えてきているのだが──いや、何を訴えてきているかは分かっているんだ。お前にもせにゃならんのか? 

 

「サーたんばっかりずるいよー」

 

「兄様は私の兄様なのですからっ」

 

「いいじゃんか〜。減るもんじゃないしー、いいじゃんか〜」

 

 なぜか自慢げに胸を張るサラに対して、これまた珍しく強気に応じる本音。二人に挟まれたままなのも面倒なので、俺は本音の頭を少し荒っぽく撫でてやる。

 

「わわっ……」

 

「これでいいか?」

 

 一瞬ポカンとした顔をしていた本音だったが、すぐにいつもののほほんとした笑顔に戻るのだった。

 

「えへへ〜……レイレイに撫でられちゃったー」

 

「むー……」

 

 いつもの雰囲気に戻る本音に対して、今度は不機嫌そうな顔になるサラ。ええい、分かってはいたがやはりそうなるか。

 

『私もナデナデして欲しいな、お兄ちゃん♡』

 

「……ふぁっ⁉︎な、なんだ今の声は⁉︎……もしかしてリーゼ、お前の声かっ⁉︎」

 

 突如、待機状態のリーゼから響く、耳が痛くなりそうなくらいな萌えボイス。思わず変な悲鳴をあげてしまった。

 

「うふふっ、どうですかーパイロッ──お兄ちゃん!」

 

「あ、あっ……⁉︎」

 

 お前、そんな声じゃないだろ、キーが一つ二つ高くなってるぞ! というかそんなセリフ吐くような性格でもないだろ⁉︎ バグか? それとも変なウィルスに感染したのか⁉︎

 

「束博士によって搭載された男性パイロットの心理的戦意高揚を促す特殊音声だよ☆……如何ですか?」

 

「あのウサギィっ‼︎」

 

「お兄ちゃん怒らないでっ!」

 

「やめろその声っ⁉︎」

 

 いつのまにか束に変な改造を施されていた相棒に、思わず目眩がする。前もリーゼに変な知識を植え込んでいたが、こんな爆弾まで仕掛けていたなんて……

 

「妹ボイスというのは、束博士曰く男性が深層心理的に癒しと感じる声であり、あらゆる男性を魅了できる力があるとのことです。事実、私や貴女たちの声を聞いた時のパイロットは、心音や脈拍が落ち着き、かなりの『癒し』が得られていたと考えられます」

 

「嘘つけっ! 俺がそんな癒しを得られたように見えたか⁉︎」

 

「まさかそんなことが……男性の心理というのは不思議なものなのですね……!」

 

「そうなんだー……え、私も妹扱いなの?」

 

「38%の確率でパイロットは貴女をそう認識してる、もしくはそれに近い存在と認識している可能性があります」

 

「やめろやめろ! デタラメを鵜呑みにするなーっ!」

 

 いつも俺を冷静にサポートしてくれていた相棒が、束の魔改造のせいでこんなアホの子に──あのウサギ、今度会ったら一発ぶん殴ってくれようか。

 とにかくそれは間違った知識なんだ、目を覚ましてくれ! 変態の国ジャパンの偏った知識だから、俺は決してそういう趣味はないから……! 

 

「総じて萌えボイスと呼ばれるこれはっ──」

 

「もう喋んなお前はっ!」

 

「パイロット、無理やりシャットダウンするのは……──っ」

 

 相棒のシステムを強引にシャットダウンさせて、俺は大きく肩を落とす。もし、今度束に会う機会があったら、文句を言っておかねばなるまい。

 

「サーたん、私もレイレイには妹みたいな扱いされてるかもだって〜」

 

「うーん……まあ、私も兄様とは本当に血が繋がっているわけではありませんから……」

 

「そっか〜……じゃあ今日から私もレイレイのことはお兄ちゃんって呼ぶ〜?」

 

「ダメですっ! それはサラが許さないのです!」

 

「えぇ〜? でも、レイレイは私が風邪引いている間、ずっと看病してくれてて、本当に『お兄ちゃん』って感じだったよ〜」

 

「サラだって! 兄様に看病してもらった事ぐらいあります! ……殺されかけたこともありますけど……」

 

「相棒、束に修理させたせいでこんな事に……うぅ……」

 

 後ろでは何やら謎の言い合いをしている二人を他所に、俺は頭を抱えてしまう。いや、これは肯定的に考えみよう。

 よく考えてみろ、普段は無骨なタイタンだが、ある時は美少女の声で俺に寄り添ってくれるんだ。最高じゃねえか。いや、待てよ? そんな美少女とニューラルリンクを確立するってのは、つまり──

 

(…………何考えてんだろうな、俺。疲れてんのかな? 最近色々あったもんなー……はぁ)

 

 問題は山積みでやらなきゃならんことはいっぱいある。それなのに下らない妄想に耽ってしまった事に、俺は海より深いため息をついてしまうのだった。

 

 

 ──

 

 

 その翌日、廊下にある紙が張り出されていた。大きく学年別トーナメントと書かれた張り出し。俺はその前で凄まじく間抜けな表情をしていた。

 

「に、兄様……」

 

「おいおい……これはどういうことだよっ……⁉︎」

 

 学年別トーナメント、今年は二人一組のタッグ形式で行われるというこの大会。何週間か前から、タッグ申し込みの通達はあったのだ。

 一夏はルームメイトであり、諸々の事情もあってシャルロットと組むと言っていた。セシリアは確か鈴と組むとかなんとか……だが、俺はこんな大会正直どうでもいいと思っていた。

 だから、申し込みしなければ不参加になるかと思っていた。しかしまさか、申し込みがなかったものは勝手にランダムにタッグを組まされてしまうのだという。

 

「いえ、兄様。ちゃんとそのように連絡があったのです」

 

「嘘だろオイっ……でもだからって、なんでこいつと組まなくっちゃあいけないんだよっ⁉︎」

 

 その張り出しには、ランダムで組まされたタッグが発表されていたのだ。当然、申し込みをしなかった俺の名前もそこにあったのだが、そのタッグの相手は……! 

 

「なんで……よりによってラウラ・ボーデヴィッヒが相方なんだ……」

 

 俺の組む相手は、なんとあのラウラ・ボーデヴィッヒだったのだ! 俺の素性を皆の前で暴露してくれた、ドイツの軍人少女だ。

 

「だから兄様、私と組みましょうって言ったのです」

 

「言うな……それ以上は言うんじゃない……」

 

 サラには前々から組もうとは言われていた、何なら本音にも誘われていた。だが一夏らとは顔も合わせにくいし、あまり表には出たくないと思ってたのだ。

 それがまさか、こんな形で裏目に出てしまうなんて思いもよらなかった。でも、何故ピンポイントでこいつに当たるんだぁ……

 

「これは兄様の日頃の不真面目な態度が裏目に出てしまったのでしょう。いい機会じゃないですか、あのラウラという人と仲良くなってみてはどうですか?」

 

「真っ平御免だよ……なんか今日のサラはトゲがあるな。もしかして、昨日のことをまだ怒ってんのか」

 

「いいえ、怒っていないのです。全く怒っていません……」

 

 そのふくれっ面はどう見ても怒っているようにしか見えないが、きっとそれは昨日のアレが原因だ。

 昨日、俺が本音もサラと同じように頭を撫でてやったことが気に入らなかったらしい。それから今日まで、サラはずっとこんな顔をしているんだ。

 

「とにかく、これは兄様の問題です。私が口を出すような事ではないのです」

 

「いや、それはまったくもってその通りだけどさ……なあ、そう怒るなよ。俺が悪かったって、な?」

 

「うむむ……」

 

 サラの頭をポンポンと叩いてやると、今度はなんだか複雑そうな顔で唸るサラだった。そんな様子を周りの女子生徒たちにまじまじと見られていたのだが、その中でも一際強く鋭い視線があった。

 

「おい、貴様」

 

「ん? ……噂をすればなんとやら、か。ご本人のお出ましだ」

 

 俺に高圧的な声色で話しかけてきたのは件の少女、ラウラ・ボーデヴィッヒだった。俺の胸くらいの身長しかないラウラだったが、その威圧感のせいでずっと大きく見える。

 

「来い、貴様に話がある」

 

「……そんな殺気丸出しで話しかけてくるんじゃないよ。ついて行くから落ち着けって……サラ、先に部屋へ戻っていてくれ」

 

 サラに一声かけてから、俺はラウラについて行く。後ろから見ると華奢で小さな背中ではあるが、その風格は立派な軍人のそれ。

 シャルルはシャルルで中々な面倒ごとを持ち込んでくれたが、こっちはこっちで面倒くさそうだ。

 それに、この前の束から受けたメッセージもある。何を隠そう、俺は束からラウラを始末しろと言われてしまっている。

 

(いや、恐らく束が気に入らないのは一夏や織斑千冬に対する態度だけじゃなく、ISに搭載されてるっていう()()のことだろうが……)

 

 しばらくは黙ってラウラに付いて行く俺だったが、その行先が分かると、盛大にため息を吐いてしまった。行先は第2アリーナだ、間違いない。

 俺はポケットからキャンディを取り出して口にくわえると、予めリーゼを戦闘モードに移行させておくのだった。あそこに行って、こいつと戦闘にならないはずがない。

 

(ドイツって確かソーセージとビールが美味いんだってな……一度味わってみたいもんだなぁ)

 

 現実逃避にそんなことを考えながら、俺は嫌々ラウラの後ろをついて行くのだった。




友人とタイタンフォール2のパイロットとHALOのスパルタンはどちらが強いかというしょーもない議論をしてました。
機動力はともかく、素のパワーや防御力はミョルニルアーマーに敵わないかも。普通に戦車をひっくり返したりしますもんね。
しかしBTとコルタナの可愛さなら間違いなくBTの方が可愛いでしょう!
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