最初は何言ってんのかまったく意味が分からなかった
自室謹慎も遂に十日目、未だベッドの上で寝たきり生活を強いられる俺は、情けない顰めっ面で読書に耽っていた。
口にはいつもの禁煙用のハッカキャンディ、だが、何故かその味はいつもよりも甘ったるく感じてしまう。もちろん、キャンディの種類を変えたわけでもないし、俺の味覚が変わったわけでも無い。
「ねぇ〜レイレイー、私のISスーツ知らない? 何処にしまったか分からなくなっちゃったー」
「……知るわけないだろ」
「本当? あれが無いと次の授業に出れないよ〜」
のんびりとドタバタする本音を尻目に、俺は読書中だった小説を閉じる。どうやら本音は、次のIS実習の時に着るスーツを何処かに閉まって忘れてしまったようだ。
当然、俺は本音がスーツを何処にしまったかなんて知らない。逆に知ってたらなんか変態っぽいだろ。まあ、たまに本音が俺のクローゼットと間違えて自分の衣類をしまいこんでいることはあるが。
「あっ! 見つけた。レイレイのクローゼットに間違えてしまってた〜」
「言ったそばから……いい加減に区別できるようになれよ。女物の下着やら何やらが入ってた時に、俺がどれだけ気まずくなってると……」
「本当はエッチなこと考えてるんでしょ〜?」
「…………やかましいわっ!まったく、さっさと授業に行かないと遅刻するぞ」
「わっ、ホントだー。更衣室に行っても間に合わないし、ここで着替えよっかな……レイレイ、見ちゃダメだよっ?」
「ちょっ──お前こそ何考えてんだッ‼︎いきなり服を脱ぐんじゃねぇっ⁉︎」
本音がいきなり着替えを始めた事で、俺は手に持っていた小説を放り投げて頭から布団を被る。
我ながらなんてウブな反応を見せてるんだ。前だったら嬉々として覗こうとしてたのに……それもこれも、楯無から与えられたあの超難関ミッションのせいだ。
(畜生、こんな事は初めてでもなんでもないのに、何故こうも意識しちまうんだっ)
俺の欠点を克服する特別指導と称して、楯無は俺にある課題を課した。それが、『彼女を作ること』だった。
正確な課題の内容は、二学期の開始までに一人以上の彼女を作る事、となっている。なんでも、夏休みは男女の仲を縮めるようなイベントにアクシデントが盛りだくさんだそうだ。それに一人以上って、二股もOKなのか?
(しかし、彼女を作れって……つまり、恋人とか、そういう関係になれってことだろ? それが俺の為になるのか? ……いや、これまで溜め続けたこの煩悩を解き放てるのなら……)
そうだ、彼女を作れと言ってるんだ、生徒会長がそう言ってるんだ。手を出してもいいっていうお墨付きなんだ。俺の内に滾る欲望のままに、今ここで本音を押し倒したって……
(──ああぁぁっ‼︎何考えてんだ俺はぁ⁉︎そんなことしていいわけねぇだろ、楯無がわざわざこんな課題を押し付けてきた意味をよく考えろ‼︎本当に誰かと恋仲になれって意味じゃないだろっ⁉︎)
これはきっと俺の自制心が試されてるんだ。福音の時みたいに己を見失って暴走したりしないように、精神を鍛え直せということなんだ。だから我慢だ、とにかく我慢だ。
そう自分に言い聞かせながら、俺は時折聞こえてくる衣擦れの音にドギマギするのだった。
──
「レイ、入ってもいい?」
「おぉ……」
俺の部屋のドアをノックするシャルロット。俺は弱弱しく情けない声で返事をすると、シャルロットが心配そうな顔で部屋に入ってきた。
「大丈夫、レイ──ど、どうしたの?」
「……大丈夫だ、問題ない」
また傷が開いたりしたのではないか……そんな危惧でも抱いたのか、シャルロットは慌てた様子で駆け寄ってくる。
だが、俺がシャルロットの方を見ようとせずに、そっぽを向いたまましかめっ面をしているのを見て、不思議そうに小首を傾げていた。
「えっと……何かあったの?」
「いや──ああ、そうだな。少し、困ったことがある」
「僕にできることがあるなら何でも言っていいよ?」
「じゃあ……そこに散らばってる、本音の下着を片付けてくれ……」
「えっ……」
俺は顔を背けながら、ある方向を指さす。きっとその先には、本音の本音が散らかしていった下着やら服やらが散らばっていることだろう。
「さっきの授業はISの実施訓練だったろ? 本音のやつが自分のスーツがどっかにいったと騒いでてな」
「……更衣室で着替えなかったの?」
「それは、ほら……あいつ、のんびりというか、のほほんとしてるだろ。更衣室まで行ったら間に合わないとか言って……」
「そうなんだ……あれ? ということはもしかして……」
女子二人の部屋ならともかく、ここには俺がいるのだ。誰だってもしかして……と邪推してしまうだろう。ほら、シャルロットがジト目で俺を見てるぞ。
「……俺は悪くねぇ、悪くねぇったら悪くねぇ!」
「……見たの?」
「見てないっ!」
力強く否定する俺に、シャルロットは呆れたようにため息をつく。本当だからな、決して本音の着替えの覗き見なんてしてないからな。
「……とりあえず、レイが平気そうで良かったよ。ある意味、私はいいタイミングで来たのかな」
「まあな。この状態じゃあ、おちおちトイレにも行けやしなかったからな」
「あ、立ち上がって大丈夫なの? 肩でも貸そうか?」
ベッドから降りて立ち上がろうとする俺を見たシャルロットは、すぐに心配そうにかけよってくる。俺は無用な心配だと断るも、シャルロットも中々引かない。
「大丈夫だ、一人で歩ける」
「大丈夫じゃないって、僕が手伝うよ」
「俺はトイレに行こうとしてるんだぞ、何を手伝うんだよ」
「…………」
「……すまん、変な事を言った。だから落ち着け、な?」
一体何を想像したのか、顔を真っ赤にして俯いてしまうシャルロット。声をかけても反応がないので、俺はそのまま一人でトイレに行こうとベッドから立ち上がる。
しかし、部屋のドアノブに手をかけたところで、やや強引にシャルロットがドアと俺の間に割って入ってきた。そして、俺の肩を支えながらドアを開くと、赤かった頬をさらに紅く染めるのだった。
「……トイレの前まで一緒に行くだけなら……い、いいでしょ?」
「いや、大丈夫だって……むしろこの状況の方が大丈夫じゃないって」
「で、でも……レイ、フラフラしてるんだもの」
「「…………」」
しばらくそのまま黙り込んでしまう俺たちだったが、とりあえず男子トイレの方へと歩き出す。ただ、シャルロットに支えてもらいながらのせいか、トイレまでの道のりがやけに遠く感じる。
やはり以前ならこの状況を楽しむくらいの余裕はあった。けれど今は、頭の奥まで響く心臓の高鳴りに眩暈を覚える始末だ。こんなに意識してしまっている自分が恥ずかしい上に、浅ましいことこの上ない。
でも仕方ないじゃない、男だもの。
──
「次は私が来たぞ」
「次は、って何だよ。シャルロットならさっき部屋に戻ったぞ……今日は帰ってくれ、俺はもう疲れた」
「そう言うな、私とて話したいことの一つや二つはある」
ただトイレに行くだけでえらく疲弊した俺を待ち受けていたのは、他の女子生徒たちとは違うニッカーボッカーズボンの、軍人を思わせる服装のラウラだった。
いつものように腕を組んで長い銀髪を揺らめかせるラウラは、普段俺が使っている椅子に腰掛ける。そして、げんなりした表情の俺を見て何故か嬉しそうな顔をする。
「傷はもう大丈夫らしいが、なにぶん謹慎中の身だ。暇を持て余しているのではないかと思ってな」
「……お前らが部屋に来るだけで、十分に暇は解消されてるよ」
「ふむ、そうなのか。ならば、私の悩みを聞いてくれないか?」
「また今度にしてくれ……」
「……このあいだから悩んでいる事なんだが、どうにも私一人では中々に、な……」
「人の話聞けって!」
俺の突っ込みも聞かずに、目下の悩みを話し出すラウラ。 始めは適当に聞き流していたが、とある単語が飛び出てきたことに意識が傾く。
「私は部下と、シュヴァルツェ・ハーゼの隊員たちとの関係が芳しくないということは話しただろう?」
「シュ、シュヴァルツェ・ハーゼ……」
ドイツの誇るIS配備の精鋭部隊、ラウラはその部隊の隊長なのである。そして俺は以前、ドイツにお邪魔した際に、そのシュバルツェ・ハーゼの副隊長であるクラリッサと出会っている。
束の命令やラウラのためとは言ったものの、向こうからすれば唐突にやって来て基地一つをめちゃくちゃにされているのだ。良い心象を持たれているはずがない。
「私はこの状況を改善するために、クラリッサたちに定期的に連絡を入れるようにしようと思うのだ。メールだけではなく、直接口で語り合うのが大切かと思ってな」
「おう……」
「だ、だが……私一人では心細いのだ。だから師匠、私がクラリッサたちと話している間、側にいてほしいのだが……」
「……」
恥ずかしそうに俯きながら上目遣いで頼み込むラウラに、面倒だから一人でやってくれ、というセリフが喉元で詰まる。
それに、以前ドイツでクラリッサに会った時に、去り際にラウラと話をする機会を作らせてくれと頼まれてたっけ。あの時はそんなこと不可能だ、って思ってたのにな。
(織斑千冬は俺とラウラが似た者同士と言っていたが……今のラウラは俺以上に前を向いて生きている、自分を変えようと努力している。師匠だのと呼ばれてるが、むしろ俺がラウラを見習うべきだな……)
俺とラウラは出自だったり軍人だったりと、確かに共通点は多い。だがラウラには、俺みたいにはなってほしくない。そのためにも、クラリッサたちとの和解は必要だろう。
「……分かったよ。俺は横にいるだけでいいんだろ、それくらいならお安い御用だ。ただし、俺は特に口を挟んだりしないからな」
「おおっ、やってくれるのか! よし、なら早速……」
「い、今からやるのか……?」
善は急げ、とラウラはISのプライベートチャンネルを開き、クラリッサのISへとコールする。ご丁寧に展開したディスプレイのカメラもオンにして、フェイストゥフェイスで話をするようだ。
しかし、会話を始める前からラウラはすっかり緊張で固まってしまっていた。ラウラはそれを和らげようと深呼吸をして椅子から立ち上がると、俺のベッドの端にちょこんと座るのだった。
『回線接続、こちらクラリッサ・ハルフォーフです。ボーデヴィッヒ隊長、如何されましたか?』
「う、うむ……」
『隊長が直々にプライベートチャンネルで連絡するほどですから、よほど重要な……っ⁉︎た、隊長っ、貴方の横にいる、そ、そそその男は……っ⁉︎これは一体どういう状況なのですかっ⁉︎』
回線が繋がり、ディスプレイの画面にシュバルツェ・ハーゼの副隊長であるクラリッサ・ハルフォーフが映し出される。もちろん、向こうにはこちらの姿がディスプレイに映っているのだろうが……
「いや、これは……私は今、師匠の部屋にいるのだ。彼にはただ付き添ってもらっているだけで……」
『し、し……師匠っ……⁉︎いや、それよりも隊長、貴女は今その男の部屋にいると……‼︎しかも貴女が腰掛けているのは……べ、ベッドですか? その男と同じベッドに……っ⁉︎』
「あ、あぁ、そうだが……」
『こんな、ことが……我々の隊長が、あの隊長が……』
(なんだか妙な誤解を招いている気がするぞぉ……ドイツの誇るIS特殊部隊の副隊長よ、お前さんはそんな性格だったか? キャラ崩壊してないか?)
画面の向こうでは、クラリッサが呆然とした様子で固まっていた。その様子に、ラウラもまた困り果てた様子で俺の方を見てくる。そんなに眉を八の字にしたって、俺は余計な口出しはしないぞ。お前が自分の言葉で話すんだ。
「……クラリッサ、少し私の話を聞いてくれ。実は、私がIS学園に来てから色々あってな……」
ラウラはたどたどしくはあるが、タッグトーナメントでの一戦や先日の福音の事件のことを話し始めた。無論、クラリッサもある程度事情は把握していただろうが、それでも先ほどの惚けた顔とは打って変わって真面目な表情で話を聞いていた。
「──と、私は自分を見つめ直す事にしたのだ。私はシュバルツェア・ハーゼの隊長として恥じぬように、ドイツの軍人であることを誇れるように、より強くならねばならぬ」
『……なるほど、大まかにはご報告をお聞きしていましたが、本当に色んなことがあったのですね……』
「うむ、心配をかけたな。だがこれからは……も、もう少し小まめに連絡を取るようにする」
『……っ! はい、いつでもご連絡してください‼︎例えどんな状況だとしても、ワンコールで反応いたしますのでっ‼︎』
会話を重ねるうちにラウラの緊張もほぐれたのか、大分スムーズにやり取りできるようになってきた。クラリッサもラウラとこんな風におしゃべりできるのが嬉しかったのか、破顔して柔らかな笑みを浮かべていた。
クラリッサたちシュバルツェ・ハーゼの隊員たちがラウラのことをなんだかんだで慕っているのは察していたが、こうもあっさりとすれ違っていた分の確執が流されてしまうとはな。
まあともかく、これでめでたしめでたし──と思いきや、クラリッサはまともや一転して厳しい表情になると、話題の標的を俺に向けてきた。
『あの、ラウラ隊長は、その……そこにいるレイ・オルタネイトを師匠にしたとお聞きしましたが……以前、織斑教官以外に師事されるつもりはないとか仰ってましたよね?』
「まあな。だが、私とレイは既に互いに心内を覗きあった仲だ。織斑教官に次いで私のことを理解してくれている。それに、この学園に彼ほど優れた『兵士』はいない。見習うべき点が山ほどあるぞ」
『こ、心内を覗きあった仲、ですか……その、つかぬことをお聞きしますが、本当にレイ・オルタネイトとは師匠と弟子という関係だけなのですか? いわゆる……だ、男女の仲、みたいな……』
「ぶっ……‼︎」
「男女の……仲?」
思わず吹き出しそうになった俺は口元を抑えながら、ラウラの方を見る。すると、ラウラは何故かドヤ顔になると、胸を張ってこう言うのだった。
「馬鹿を言うな、私と師匠はそのような不埒な関係ではない」
(お、おお……きっちり否定したぞ……偉いぞラウラ、そのままクラリッサに余計な印象を与えるなよ〜……)
「もっとも、私にはまだ恋愛だの色恋だといった感情はイマイチ理解できていないのだが……単純にスキ、キライで区別されるようなものではないのだろう?」
『え、ええ、まあ……そうですね。恋というものは複雑なものです』
「しかし、そんな私にもはっきりと言えることはある。私は師匠のことはスキかキライかで言えば……スキ、だ。それは間違いない」
『すっ……⁉︎す、好き……えぇっ⁉︎」
「むぅ、不思議なものだな。言葉にすると、胸の奥があったかくなるような妙な感覚を覚える。師匠、これが初恋というやつか?」
「おまっ──何言ってんだラウラ……⁉︎」
ドヤ顔はそのままに、イマイチ自分の言っていることを理解していいのか頭の上にクエスチョンマークを浮かべるラウラ。俺は盛大に冷や汗を浮かべながら、小声でラウラを諌める。
「うん? 私は本当のことを言ったまでだが」
「本当のことも何も、クラリッサに変な誤解を与えるような言い方しなくても……」
『……レイ・オルタネイト、貴様……‼︎隊長に何を吹き込んだっ⁉︎そうやって無垢な隊長が好意を抱くように仕向け、あんな事やこんな事を……好き放題するつもりだったんだろう、この変態めっ‼︎』
「ほらっ⁉︎誤解されてるじゃん!」
画面の向こうで顔を真っ赤にして怒り狂うクラリッサ。そうだ、クラリッサには何かあったら部隊総出で日本まで引っ捕らえに行くとか脅されてたっけ。
どうしよう、このまま怒りに任せてドイツからここ日本まですっ飛んできたりしないよな?
『はっ⁉︎ま、まさか貴様……そのベッドの上で既にラウラ隊長をっ……⁉︎同人誌で見たのと同じような展開が……お、の、れぇぇ……ッッ‼︎』
「ひぃっ……画面越しでも怖ぇよ……マジで日本まで来るつもりじゃ……」
「クラリッサたちが日本に来るのか? よし、その時には師匠を部隊の皆に紹介しよう」
「やめろっ、俺を殺す気か⁉︎……ああ、もうっ! 頼むからさっきのは言い間違いだったって言ってくれ、クラリッサを何とか説得してくれっ‼︎」
「こればかりは、師匠の頼みでも否定などできん。スキなものはスキなのだ」
『ッッ〜〜っ⁉︎…………』
「や、やめろぉ……火に油を注ぐようなことばかり言うんじゃないぃ……ん?」
鬼の如き形相になっていたクラリッサが、急にすんと冷静な表情になる。落ち着きを取り戻したのかと淡い希望を抱いてしまったが、当然そんなことはありえない。
『シュバルツェ・ハーゼ、全隊員に通達。こちらはクラリッサ・ハルフォーフ大尉、副隊長による代理権限をもって緊急出撃命令を下す。総員、フル装備で集結せよ。隊長を誑かす害虫を駆除しに行くぞ……』
「おぉ……や、やる気まんまんだぜオイ……」
ある意味では冷静になったのだろう。冷静になった結果、クラリッサは愛する隊長を守るために俺を始末した方が良いと判断したんだ。隊長想いの良い部下を持ったな、ラウラよ。
「何やらクラリッサが騒がしいな……それで師匠よ、お前はどうなのだ」
「どうって……何が?」
「いや、私のことがスキかどうか気になっただけだ」
「お、お前のことが好きかどうか、だってぇ……?」
自分のことが好きかどうかなどとストレートに聞いてくるラウラに、思わず思考が停止してしまう。まあ、ラウラの言うスキはちょっとズレてるかもしれないが。
しかし、俺はその問いに対して答えが出てこなかった。変に答えたらまたクラリッサから恨みを買いそうというのもあるが、自分でもよく分からなくなったのだ。誰かを好きになるという気持ち、文字通りの恋心。俺は今までに一度でも、心の底からそんな気持ちを抱いたことがあっただろうか?
誰かと肌を重ね、一夜の逢瀬に身を委ねたことはある。けどそれとはちょっと違うような気がする。アイツらが──青春の只中にある彼女らが抱く恋心というものは、もっと明るくて、甘酸っぱいものだろう。
(……そりゃそうだよな、俺って……別に恋人とか出来たことないし……パイロットだった頃は、ゲイツ姉さんとか女性の知り合いはいたけど……)
いつ死ぬかも分からないから、踏み入った関係になることを無意識に避けていたのだろうか。それを言ったら、今だって皆に知られたくないことばかりだ。もちろん、一線を引いている理由は他にもある。
というかそもそも、恋人なんて人に言われて作るもんじゃないだろ。互いに好いた関係だからこそ成り立つものじゃあ──そもそも好きになるって何だ? 恋とは何だ? 愛とは何だ? 恋と愛では何が違うっ⁉︎
「だあぁぁっ‼︎もうワケが分からん! 教えてくれよリーゼ、俺はどうすりゃいいんだぁ──っ⁉︎」
俺は頭の中でぐるぐると迷走し続け、まるで答えに辿りつけないもどかしに悶える。そんな俺の横では、ラウラが質問の答えを返してくれないことにしゅんとした顔になっているのだった。
ちなみにこの後、1時間ほどの説得を経てクラリッサの誤解を解くことに成功した。ギリギリのところで俺の命は救われたのだ……ふぅ。
タイタンフォールではグレの爆発で加速してすっ飛ぶテクニックがありましたが…
一般人が真似するとオクタンみたいになるので真似しちゃダメですよ