正真正銘の初投稿です。
ガンダムバトルネクサスオンライン、略して『GBN』
アニメ作品「機動戦士ガンダム」のプラモデルを用いて、電脳仮想空間でバトルを行うネットワークゲーム。
そのプレイヤーである『ダイバー』は、自分の組み上げたガンプラを用いて様々なミッションに、あるいはダイバー同士のガンプラバトルに挑み、時には広大なディメンションに繰り出して旅をしたり、それぞれのやり方でこの世界を楽しんでいる。
ディメンションは地上の様々な環境だけでなく、宇宙やスペースコロニー、月面、異世界風の場所まで数多く存在し、今もアップデートによって拡大を続けながら、バトルの舞台となってダイバー達を誘う。
そして、そんなディメンションが持つフィールドのひとつ。戦神の名を冠する、荒野広がる赤い星。
太陽系第4惑星……『火星』
地球圏外、マーズ・エリアと呼ばれるここは────
「……えーっと、今回の探索の概要をおさらいするぞ」
赤い大地を疾駆する鉄の巨人
両足に据え付けられたミサイルポッドや背中に背負う二本の斧、全体的に青いカラーリング対し、血のような赤で染められた両肩のスパイクアーマーが目を引く。
『MS-08TX[EXAM] イフリート改』の名で呼ばれるモビルスーツ、もといガンプラ……そのコックピットの中で、一人の青年型のダイバーが通信を始める。
「今回の目標はアルカディア平原だ。進路はこのまま東、もう少ししたら合流する。カズマ、今日は途中で課題終わってないとか言いだすなよ?」
その言葉に対し、カズマと呼ばれたダイバーから返事が返ってくる。
「大丈夫、今日はちゃんと半分まで進めてきたからさ」
「お前提出明日だぞ……?」
……暫しの沈黙
「…………何とかなるだろ」
「……もう手伝わないからな?」
「勘弁してくださいハスバさぁん!!」
「馬鹿野郎リアルの名前で呼ぶんじゃねぇ!! ここではニンバスって呼べっつってんだろ!!」
青年型のダイバー「ニンバス・シュナイゼル」は相棒である「シュウ・カズマ」に対し、もう何度言ったか分からない注意を叩き付けた。
マーズ・エリアは、GBNサービス開始初期のアップデートで追加された、「地球とそれを取り巻くコロニー群」以外の環境を構築したエリアの一つだ。
当時、世界では新型の火星探査機が大きな注目を集めており、それに乗じてかガンダム作品ではなく現実の火星に近い物がテラフォーミングされたという設定で、ややオリジナル色が強くなっているのが特徴となっている。
しかしエリア自体が持つ性質は現実の火星を忠実に再現している……すなわち重力は通常の約4割ほど、その広さは平方キロメートル換算でなんと約1億4480万k㎡!
その余りの広さに誰もが度肝を抜かれた。
そんなマーズ・エリアのシステム面での最大の特徴は「探索」である。
当時から特定のエリアを探索してアイテムを回収するミッション等は存在していたが、このエリアは特に探索要素が前面に押し出され、複数箇所に点在する拠点を中心にランダム生成されるダンジョンやクエストを、時には旅を、時にはフィールドを闊歩するエネミー討伐を……と、箱庭ゲー、オープンワールドと呼ばれるゲームのような性質を持っていた。
その余りの広大さから実装当初から多くのダイバーがこの広大なエリアの探索に乗り出し、情報を出し合い、時にはユーザー間でダンジョンの発見に懸賞金までかけられる一大コンテンツとして発展し、そして今でもなお、その全貌は窺えない。
赤い大地は、今でもフロンティアスピリッツ溢れるダイバー達の心を掴んで離さないのである。
「合流ポイントに到着……っと、待たせた」
「おう、けっこう時間食ったな」
「ここから晩飯に間に合わせねぇといけないのか……」
「なら速攻で仕留めないとな」
一足先に合流ポイントの岩場に到着していたニンバスに、シュウが追い付く。
名前の元ネタに則して機体はそのままに細かな改修を重ねたニンバスのイフリート改に対し、シュウの機体はジェスタの改造機であった。
僅かに青みがかった黒いボディの上に銀色の追加装甲が被せられており、それを補うようにバックパックに大型のブーストポッドが2つ備えられている。
ブルーディスティニーを意識してか胴体には大型のマシンキャノンが二門取り付けられ、両肩のビームサーベルや、両腕のコンテナ状のユニットも目を引く。
そんなシュウのジェスタは、現在岩場から少し身を乗り出して「目標」の動きを窺っている。
「……他に敵影無し。行けるぜ」
「よし、仕掛ける」
「あいよ」
そうして飛び出したニンバスの視線の先には、鉄血のオルフェンズ二期に登場したモビルアーマー、ハシュマルの姿。
実装から長い間、ダイバー達の冒険を彩ってきた存在。
彼らの機体を跳ね除け、阻み続けてきたフィールドに常在する大型エネミー。
このエリアが実装当初から現在まで、常に高難度エリアとして挙げられ続ける理由がここにあった。
ランダムで強力なエネミーがポップするため、並のダイバーではダンジョン探索どころではないのだ。
故にダンジョンに挑むための露払いとしての大型エネミー討伐依頼は絶える事はなく、この地での冒険はこれからも続く。
そして自身を奮い立たせるため、彼らは出撃する時ではなく、戦いに挑む時に名乗るのだ。
「ニンバス・シュナイゼル、イフリート・カグツチ改二」
「シュウ・カズマ! ジェスタBD-09(ゼロナイン)!」
「「出る!」」
戦神の名を冠する、荒野広がる赤い星。
太陽系第4惑星……『火星』
地球圏外、マーズ・エリアと呼ばれるここは、その特異さ故に独自路線を進み始めるダイバー達のフロンティアである。
今回の登場人物
ニンバス・シュナイゼル
機動戦士ガンダム外伝に登場するニムバス・シュターゼンをもじったダイバー。使用機体はイフリート改を改造した「イフリート・カグツチ改二」
こんな名前だがそんなにEXAMガンギマリでも頭ジオンの騎士でもない
シュウ・カズマ
同作品の主人公、ユウ・カジマをもじったダイバー。使用機体はジェスタを改造した「ジェスタBD-09」
学校帰りにプラモ屋でGBNをやっているが、課題などで時間を圧迫されがちなのが悩み