神と呼ばれた少年は平穏な日常を夢見るか 作:さとう
黒崎家に行って一心さんからラブレターをもらった。
「……黒崎一護、さん。今大丈夫ですか」
「え? ああ」
ノックを三回して、呼びかける。扉の向こうから返事があるのを確認してからノブに手をかけた。
「何か用か?」
「あ、えっと……これを、一心さんから」
しかたないから言われた通りラブレターもどきを渡す。しかし、ドギマギする様子はない。それどころか、苦い顔だ。
「悪いな、馬鹿親父のイタズラに巻き込んで」
大きく息を吐いて言われた言葉で得心いった。普通にバレていたのか。なんでも、すでに五回は同じ手口をしているらしい。流石に手口くらいは変えろよ。
そこで、ふと視界にオレンジが入った。もちろん黒崎一護ではない。
「……ぬいぐるみ?」
「あ」
彼は、目にも留まらぬ速さでぬいぐるみを引き出しにしまった。引き出しを戻すときに聞こえた断末魔のような声は、聞き違いだろうか。
「何すんだ一護ーー!!」
「喋んじゃねえ馬鹿!」
……気のせいではなかったようだ。
「俺はコンっつーんだ。よろしくな」
ライオンらしきぬいぐるみが、机の上に仁王立ちしている。可愛いけど偉そうだ。
「僕は浦原輝夜。浦原商店って知ってる? あそこに住んでるんだけど」
「俺もそこに──ってか、さては取り返しにきたのか!?」
僕が浦原商店と言うと、コンは目に見えて動揺しだした。俺もそこに、ということは同じところで寝起きしていた?
しかし、動くぬいぐるみを見た記憶はない。知らないものを取り返しにくるわけもなく、僕はよくわからず頭にはてなを浮かべるしかできなかった。
「あー、話せば長いんだけどよ」
見かねた一護さん(と呼ばせてもらうことになった)が説明してくれる。
コンはもともと違法に作られた魂魄で、廃棄寸前だったこと。一護さんたちが浦原商店で買って保護していること。適当にぬいぐるみに魂を突っ込んだら動いたからそのままにしていること。
事前に死神や吸血鬼といった非現実的な存在を知らなかったらふざけんなと言いそうな話だ。一文一文が意味不明すぎる。しかしこの世界はなんでもありだと知っている僕は、とりあえず信じることにした。実際ぬいぐるみが動いているわけだし。そして僕も喋る扇子を持っているのだから、信じないわけにもいくまい。
「えっと、別に廃棄するつもりはないから、安心して」
「……おう」
なんだよ、びびって損したわ。そう言ってコンは床に大の字になった。初対面の人の前で腹を晒せるとはなんとも肝が強い。人見知りの僕には真似できないな。絶対しないけど。
一護さん、153……。一護さんは口なじみが良くない気がしたので、最初は一護くんって呼ばせようと思ってました。他の案はお兄さんとか『いちにい』さんとか、色々考えて結局一護さんに。お兄さんは新垣あやせみが強いので却下。
ちゃんと一護はコンの出自をぼかしています。死神になるときは身体をコンに預けてることとか雨が間違えて売ったこととか。
毎日投稿できなくなると言った次の日に朝から投稿するし、次回の予告をしたら次の次の回になるし、嘘ばっかりじゃないですか! すみません。しかも次は何も決まってないので嘘予告すらできません。いろいろやりたい話はあるのですが……。とにかく頑張ります。