神と呼ばれた少年は平穏な日常を夢見るか   作:さとう

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前回までのあらすじ
明後日は輝夜の誕生日。

今回は番外編です。第二話の続きは第四話で。



第三話:厨二病ではないですが

僕の両親は変人だが、常識人として振る舞っている僕も外から見れば変な人なのだろう。

 

あれは7年前。僕がまだ3歳だった頃だ。

そのときから目つきはきつかったが、別に森羅万象にガンをくれていたわけではない。……はずだ。それなのに、何故か同級生からよく喧嘩を売られていた。突き飛ばされたり、叩かれたり、そんなふうに暴力を振られがちだった。

身長がとりわけ低いでもなし。他の身体的特徴といえば、この赤い目くらいだが、目が赤いくらいなんだ。明るい茶色の子もいるし、たまに青い目をした子だっている。

暴力自体は痛いしできればやめてほしかったが、それよりかは原因を教えてほしかった。

向こうの言い分は大抵、『なんかよくわかんないけど頭がカッとなって』ばかりだ。よくわからないで済んだら警察はいらないんだぞと言いたいところだが、とにかく僕が何かをしたせいで殴られたわけではないようだった。

 

「幼稚園で叩かれたんだって?」

「どうして言わなかったんじゃ」

傷の治りは早いほうだったから、しばらくは両親にも気づかれなかったのだが、先生が見かねて連絡をしたようだった。

痛いのは嫌だけどわざわざ言うほどでもない、が本音だった。別に忙しい2人を捕まえて『なぜかいつも殴られるんだよね』など言えるものか。解決策もないというのに。

しかしそれを言うと怒られそうだ。既に怒っている様子だが。

どう言い訳しようか、でも僕は被害者では? そう考えていると、テッサイさんが助け舟を出してくれた。

「何故暴力を振われているか、わかりますかな?」

わからないんだよ、身体が勝手に動いちゃうんだって。と言ったつもりだった。しかし、僕の口から発せられ僕の耳に届いたのは、全く違う言葉だった。

「赤い目のせいだよ。この目は人間を惹きつけちゃうんだって」

いやいやちょっと待て。さっき目の色は関係ないという結論に至ったはずだろう。しかも人間を惹きつける? 3歳にして厨二病を拗らせているつもりはない。

聞き間違いだと思いたかったが、目の前の大人3人がみんな『赤い目……?』と微妙な顔をしていたので残念ながら合っているらしい。

「誰かに言われたの?」

お父さんが優しく聞いてくるけど、全然心当たりはない。思い出せる限り遡ってみるも、子供がそんなことを言うわけがないし、先生だってそうだ。そうなるとあとはこの3人しか関わりを持っていないから……。

いや、誰かが言っていたはずだ。

『私たちが持つ赤い目は、人間を惹きつける。だから気をつけなくてはならないの』

これは、誰が言ったんだ? 女の人の声で再生されたような気がする。でも、誰が。

ありそうなのは、夢くらい。このときはまだ本も読んでいなかったし、ゲームもしていなかった。

「……うん。言われたことある、かも。でも誰かはわかんない。夢かもしれないし」

「そうか。じゃあ明日からは眼鏡をかけてみたらどうじゃ? 気休めかもしれんが」

「ああ、試してみる価値はありますね。これから買いに行きましょうか!」

結局、眼鏡をかけるとほとんど殴られなくなったため、それから一昨年までずっと眼鏡をかけて生活していた。眼鏡が守ってくれたのか、全く別の要因で暴力が止んだのか。僕にはわからないが、小学校中学年になると同級生も安易に暴力を振るわなくなったので、眼鏡はお役御免になったのだった。

 

このように、言われた覚えのない言葉が頭に流れてくることが昔から多かった。例えば、『私も外に出たいわ』『そろそろ血を飲める時期ね』などだ。血を飲める時期ってなんなんだよ……。

それに加えて何度も同じ少女が出てくる夢を見るものだから、自分でも変な子だと思わざるを得ない。

そして2年後、5歳になった僕は『夢の少女はこの世界のどこかにいるかもしれない。きっと助けてほしいから夢に出るに違いない。絶対に見つけて助けてあげるんだ!』と言い出した。

思い出すだけで恥ずかしい。どこにいるかもわからないのに少女を探そうと家を飛び出すのを、両親に必死で止められたのだった。

実は今でも探しているが、これは2人にバレたら腹を抱えて笑われるので絶対に内緒である。




これ以外にも幼稚園や小学校で、今回のように受信した言葉を周りに言うという出来事は何度もありました。しかしどれも些細すぎて本人は気づいていません。
そんなこんなで輝夜は昔、幼稚園や学校の先生から『不思議ちゃん』認定されてました。幼少期特有の『お腹にいたとき声が聞こえたよ』的な発言だろうと思っている担任の先生たちは、私も昔あったわそんな時期、と温かい目で見守っていました。
声は今でも聞こえますが、喉で留める技術を会得したため不思議ちゃん扱いをされることはなくなりました。


ついに1500字を超したぞ! やったね。
第四話より前に書かなければならない話で、本編に強く関わってくる場面だったので、サブタイトルは番外編ではなく第三話としました。
もう第三話!? 更新かなりゆっくりって書いてたはずなんですけど……。なぜか、自分でも引くペースで書いております。勉強しないといけないのに。現実逃避かなあ……。
次回こそシリアスに、なります! よろしくお願いします。
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