神と呼ばれた少年は平穏な日常を夢見るか 作:さとう
前回までのあらすじ
輝夜は黒崎家にお世話になっている。
さて、このあと月単位で親に放っておかれ黒崎家に大変お世話になる僕であるが、その間何をしていたかというと、取り立てて特殊なことはしていなかった。
特訓してやると言った真子さんたちと全く連絡が取れなくなったのだ。多分お母さんと同じように、自分の持ち場についたってことなのだろう。
だから僕はいつものように本を読んだりゲームをしたり家事を手伝ったりと、学校に行く以外は安定の引きこもり生活を送っていた。
と、思っていたのだが。
「お、輝夜じゃねえか」
呑気に手を挙げて僕の名前を呼ぶ一護さんの他に、僕と同じくらいの背の男の子や目つきの悪い男たち、露出の多い女の人がそこにはいた。
……なんだこの状況は。
このときの僕の心情を表すならば、動揺。この二文字に尽きる。
「大丈夫か? ずっと固まってっけど」
「あの……変なもの買わされそうになってもちゃんと断らなきゃだめですよ。『俺はいらないです』ってキッパリ断るのがコツです」
「「ブフッ」」
耳打ちのようにして教えたのに後ろに聞こえていたらしい、赤い髪とスキンヘッドの男の人がゲラゲラ笑った。
「こいつらをなんだと思ってんだ!?」
「え、怪しいクスリとか売る人……?」
「クスリって……!」
一護さんまで笑い始めてしまった。もしかして違うのか……!?
「失礼しました……!」
「大丈夫よ〜! あー笑わせてもらっちゃったわ」
まさか死神さんだったなんて。黒い和服を着てなかったから、てっきりやばい人たちかと思って無礼なことを言ってしまった。
「ねえ、その子は誰なの?」
「ああコイツ? 妹の友達で、今お泊まり会らしい」
黒髪の人相が悪くないお兄さんの視線がこちらへ向く。うひゃあ、人見知りには効きすぎる攻撃だ。
自己紹介の流れか……。
浦原輝夜です、お父さんがお世話になってます。浦原輝夜です、お父さんがお世話になってます。浦原輝夜です、お父さんがお世話になってます。
よし、いける!
「えっと、うらは──」
「ああああああああああ!!!!!」
「親父!?」
「な、何事!?」
僕が名乗るのに被せて、一心さんが叫ぶ声がした。
一世一代の覚悟で挑んだ自己紹介は失敗に終わってしまったが、今は一心さんが先。
僕は急いで一護さんの後を追った。
なんだったんだ……?
結局あのあと、一心さんに怪我はなく何かが壊れたわけでもなく。
本人に聞いたら『なんでもないぜ!?!? それより、今日はずっとリビングで遊ばねえ? 寂しいよぉ〜』としか喋らなくなってしまった。『なあ知ってるか?』と言われてちょっと見栄張って『はい』と答えたら『そうか、だよな! あんなの知らないやついねえもん』としか喋らなくなったNPCみたいだ。
その割に、僕が二階に行こうとすれば慌てて力づくで引き止めるって……やっぱりあの人たち、やばい人たちなんじゃ?
危ねえとこだった。
浦原のやつに、輝夜には迂闊に名乗らせるなって言われてんだ。特に、誰もいないはずのうちでなんて、絶対死神相手だろ。
大体、浦原も浦原だ。なにが『知らない人には気をつけてって言ってるんで大丈夫だとは思うんスけどね〜』だよ! 全然危機感ないぞあの子、実の親に殺されかけたんじゃなかったのかよ!?
ふと目線を上げると、自分で出したらしいオレンジジュースをちまちま飲んでいた。
友人の親で親の友人だからってこんなに馴染むもんか? まあそうだよなあ、まだ小学五年生だもんなあ……。
まったく、これから心労がやばそうだ。
「……?」
「いや、なんでもねえよ……」
最近授業で習ったこと(クスリの断り方)を披露する輝夜と誤解されがちな先遣隊の方々、他人の子供を預かる大変さを身をもって知る一心さん。
いやほんとに大変ですよ、特に浦原さんと夜一さんの子供で元は吸血鬼の子って……歩く爆弾って言われても言い返せないですからね。本人が引きこもりだからまだマシってそういう話でもない?
次は多分もう藍染さん封印されてるかな?
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます(気が早い)。次は尸魂界編に突入ってほんとですか!? また気長に待っていただけると嬉しいです。
まだ一ミリもできてないですが、よろしくお願いします。