なんだか不可解な言葉を残しつつ、私は意識を失った。
それで気が付いたら、1歳になっていた。
ヨタヨタと二足歩行で歩く。
「お〜よしよし!歩けまちたね〜!」
この甘ったるい言葉を使うのは、我がパパンである。
パシャパシャとカメラで高速撮影している。
私の認識できる限りでは、恐らく90枚は撮っている。
カメラに映るのは、昔(転生前)から苦手だった。
「いゃ〜ん。」
照れ臭くなって、そんな声が出てくる。
我ながら可愛い。
「「かぁ〜いい〜!!」
両親が同時に声を上げる。
いつの間にかママンもパパンの隣にいた。
…流石にママンとパパンはふざけている。父、母と呼ぼう。
あ、忘れていたが、今私がいるのは家である。
日がよく当たり、昼下がりになると、温かい光が窓から降り注いる。
家には飼い猫が二匹いる。二匹ともよくそこで日向ぼっこをしている。
私もそこで、猫とともに微睡んでいる。とても気持ちがいい。
ちなみに、私の性別は男であった。
父はイケメンで母は美人。私の容姿も結構整っている。やったぜ。
さて、そんな私は今何をしているのかというと。
「よ〜し!今度はここまでおいで!」
「あーい。」
母によって歩行の練習をしている。
生まれて一年しか経っていないので、うまく歩けない。
まぁそこはなんとか頑張って歩く。時には踏ん張りも必要なのだ。
でも…
「「あ。」」
コテン。
転んだのだ。バレない様にうま〜く受け身を取る。
そして
「ふぇ…」
と泣き出してしまう。
う〜ん。精神が体に引っ張られている。
まぁ赤ちゃんは泣くのが仕事と聞くし。ここは一発!
「ふぇ〜〜〜ん!」
かましました。
「あぁ〜痛かったよね!大丈夫大丈夫!」
母が私を抱っこして引き寄せる。
「おぉ〜大丈夫か?!よしよし、いたいのいたいのとんでけー!」
父が頭を優しく撫でてくれる。
あぁ、とても優しい人達の下に生まれたようだ。
前世の両親もとても優しかった。今世の両親にも負けないくらい。
だが、小さい頃の記憶とはとても曖昧なもので、すぐ忘れてしまう。
前世の両親も物心ついた時に認識した。その頃からの記憶しか無い。
今世は記憶を持ったまま転生しているが、こんなにも温かい記憶を忘れてしまうのだろうか。
なんだかもったいない。すごくもったいない。
「おぉ〜よしよし。いたいのいたいのとんでけー!」
私が感慨にふけっている間にも、今世の両親は優しく介抱してくれる。
それがあまりにも温かくて、余計に私は、
「ふぇ〜〜〜〜ん!!」
泣き出してしまう。
あぁ、本当に忘れたくない、愛おしい時間だ。
この思い出は大切にしなくてはいけない。
なるべく、まったりと、のんびりと、温かく作っていこうと思います。
PS なんだか過激なのも作ってみたくなりました。
(ざまぁ系とか)