「リーリヤ、今日も頑張ろうねー」
「うん」
アイドルになる素質を秘めた子たちも集まる学校、初星学園。
その学園でアイドルを目指し頑張っている女の子が俺の視線の先に2人。
綺麗な金髪で元気いっぱいな女の子が『紫雲 清夏』
そしてその女の子が名前を呼んだ子。
彼女の本名は『葛城リーリヤ』
金と対比的な銀色のふわふわとした髪の毛が特徴的なかわいらしい女の子。
スウェーデンの出身らしく、日本人の父親とスウェーデン人の母親を持つ、いわゆるハーフの子だ。
日本人とは違う雰囲気を持ちつつも、ふんわりとした感じがかわいらしさを増している。
そしてその子が、まずこの学園での最初のターゲットだ。
「アイドル養成校?」
「そうそう。実際その学校を題材にした漫画がついにコミカライズっすよ!」
アイドル好きの後輩が目を輝かせながら俺に一冊の漫画を差し出す。
いや休憩時間とはいえ部署の中で漫画本を出すなよ。
「ほーん」
「とはいえ養成校といっても、普通の高校生たちもいる中でアイドル活動をする子たちを専門的に育てるコースがあるという感じっす」
「そうなのか。それは面白そうだ」
「そうでしょそうでしょ! というわけで早速一冊どうぞ」
そして後輩は俺にその漫画本を手渡した。
いやまぁただでくれるのならありがたいが……
「いいのか? せっかく買ってきた本だろ?」
「安心してくださいっす。読書用保存用布教用とすでに3冊購入済みっす」
……まさかリアルで、よく創作物で聞くオタクがやってることをしてるやつに出会うとは思ってなかった。
いやまぁ俺がたまに潜ったりする漫画の中にそういうキャラは割と多くいたけども。
「今日の仕事終わったら是非とも読んでいつか感想くださいっすね~」
そう言いながら後輩は自分の席へと戻っていった。
まぁいつかとは言ってたし、翌日とは言わないあたりそこらへんは節度があるのだろう。
いや仕事場に本を持ってくるのは節度あるのかどうかは知らんが。
そんなことがありながらも外回りの営業を終わらせ、アパートへ直帰する。
今日の夕食は外の定食屋の外食で済ませた。
疲れた肉体にはトンカツのたんぱく質でパワーをつける。
そしてシャワーも終わらせ、トンカツで力はある程度みなぎっている。
というわけでせっかくなので後輩が勧めてくれた本を読むとするか。
……そして読み終わった後、早速その漫画の世界へと飛び込むことを決めた。
しかしまぁ、後輩が純粋な気持ちで勧めてくれた本の世界の中で『スカートめくり』という不純な行為を行う、か。
まぁ今更そんなセンチメンタルな気持ちに浸る気はない。
早速その世界へと飛び込んでいった。
そしてたどり着いた初星学園。
そこは中学、高校、大学のエスカレーター形式の私立学園。
そしてターゲットと決めたリーリヤさんがいるのは高等部。
いつもだったら学園へともぐりこむときはその学園の男子の制服が常だった。
しかし、今回は黒いスーツに水色のネクタイという、現実世界での会社でのスーツ姿と似たような格好だ。
せっかく漫画の世界へと入ったのだからいつもの格好とは違う格好をしたいものだが。
「先生~」
少し戸惑っていると、後ろから茶色の髪の毛の女の子が話しかけてきた。
「え、あ、うん?」
「ちょっとわからないところあるんですけども、教えてもらっていいですか?」
女の子が出してきたのは国語の教科書。
いきなり先生呼びされるとは思ってなかったが、どうやらこの学園での役割は先生らしい。
「ここの主人公の心情なんですけど」
いやいきなり飛び込んだ世界で見たことない教科書の中の主人公の心情を教えてほしいと言われても。
「えっとね……」
とりあえず流し読み程度で物語を読み、思った感想を素直に述べる。
「うーん、そうですね……」
そして訪ねてきた少女は少し考えつつも、自分はこう考えてるんですけども、と意見を述べてきた。
それに対して自分が主人公に対して思ったことを率直に述べる。
「なるほど、そういう考えもあるんですね。ありがとうございます!」
少女はにっこりと笑顔を浮かべその場を去っていった。
さすがはアイドルを育てる学校。
普通の生徒の女の子もかわいらしさのレベルが高水準だ。
とはいえ見も知らないはずの自分をいきなり先生と呼んでくるのはどういうことなのだろうか。
(まぁそういう設定なんだと納得しておこう)
そして教師という設定なら、まぁ悪知恵も浮かぶというわけで。
そしてアイドル科の方へと向かい、今回ターゲットに決めた少女を探す。
目に留まったのは葛城リーリヤというふんわりとした女の子。
色々な女の子がいてどの子も可愛かったが、まずはおっとりとして癖が少なさそうな女の子からスカートめくりの毒牙にかけることにする。
そしてリーリヤさんと清夏さんが途中で分かれたところでしばらく待機する。
すぐにリーリヤさんに接触してスカートめくりしようものなら、清夏さんが怒鳴り込みに来るだろう。
無論彼女も毒牙にはかけるが、それは今回ではない。
今回考えた作戦はしばらくこの学園で利用する作戦なので、すぐにやってしまってはいけないのだ。
「葛城さん」
「はい」
後ろから彼女に話しかけ、声をかけられて彼女は振り返る。
何事かとキョトンとした顔だ。
「ここ最近赴任したのですが。葛城さんはアイドル科としていろいろなことを学ばれたりレッスンを行われてるそうですね」
「はい」
リーリヤさんはこくこくと頷く。
どうやら教師としての自分をまったく疑ってないみたいだ。
「しかし、まだ受けられてないレッスンがあるみたいで……自分がその指導を行うように言われたのです」
「そ、それってどのような指導なのでしょうか?」
リーリヤさんはじっとこちらを見る。
「それは……痴漢対策がちゃんと出来てるかどうかの確認です!」
バサッ!
瞬時にかがみこみ、こちらの話を聞こうと無防備だったリーリヤさんのスカートを両手でめくりあげた。
水色のパンティに白色のリボン。
しかもフリル付きと、かわいらしい下着だった。
「きゃああっ!」
リーリヤさんはかわいらしい悲鳴を上げながら慌ててスカートを抑える。
「何するんですかぁ!?」
「言ったでしょう、痴漢対策だと。アイドルにもなるとこのように不埒なことをする輩にも狙われるかもしれません。なので即時に対応できるかどうかチェックするように言われたのですが……どうやらまだ甘いようですね」
「で、でもいきなり」
スカートをいきなりめくられても顔を真っ赤にしつつ、レッスンの一つだと信じて恥ずかしさに耐えている顔だ。
これはこれでなかなかそそる表情だ。
「これは他のアイドル科の皆様に抜き打ちで行います。もちろん、あなたのお友達である紫雲さんも例外ではありません」
「そ、それは」
「言っておきますが、告げ口はダメですよ。もし私がチェックを行った際に他の子からこのチェックのことを聞いた場合、その子はお尻ぺんぺんの体罰も追加ですからね」
リーリヤさんはそれを聞いて何かを躊躇う表情になった。
どうやら友達である清夏さんには同じ目に遭ってほしくないから忠告しておきたいが、そうしたら清夏さんはお尻ぺんぺんをされてしまう。
どうしようか葛藤してる間に、自分は頭を下げる。
「これからはきちんと気を付けておくように。では、これにて」
自分はそう言いながら振り向きその場を歩いて行った。
当然それらの様子はスマホで盗撮しており、スカートをめくられてパンティ丸見えにされそこから恥ずかしがり、顔を赤くしながら葛藤してる様子もすべて撮影しておいた。
これは珍しい光景が撮れた。
いつもより良い行いが出来そうだとほくそえみながら、俺はこの世界を去ったのだった。