「遊矢」
「あ、柚子」
緑色の特徴的な髪の毛をしてゴーグルを装備している少年に、ピンク色のツインテールの髪の毛の少女が話しかける。
少女の方は活発な声で、少年に対して親し気に話しかける。
少年の方も少女に話しかけられても特に嫌そうな顔をせず普通に話をする。
それだけならどこにでもいる少年少女の語り合いだが、2人の腕には特徴的な機械とカードの束らしきものがセットされていた。
少女の名は『柊 柚子』。
今回の俺のスカートめくりのターゲットだ。
「俺のターン!」
「今度は何に影響された?」
いきなりそんなことを言いながら話しかけてくる後輩に対して少し呆れ気味に話しかける。
アイドル談義で話を始めることはあれど、別に回転するわけでもなく話しかけられたのははじめてだ。
「いやぁ親戚の子がカードゲームを始めて、その様子を見てたら楽しくなっちゃって」
「つまりなりきりごっこってわけね」
まぁ子供の遊びに付き合うのは悪いことじゃないが、それを職場に持ち込むのはいかがなものか。
まぁ俺の隠された趣味が女の子のスカートめくりという人としてどうかというものである以上、あまり強く言えないが。
「まぁとりあえず仕事とプライベートはちゃんと分けとけ。アイドルの話に付き合うのもあくまで休み時間の間だけだからな」
「すみませんっす」
ちゃんと言えばわかってくれる点はこの後輩の良いところではある。
というわけで俺も仕事に戻ることにする。
「さて……きめ細やかな肌……チェリーなリップ……」
後輩がなんか呟いているが、うちの会社は化粧品の販売。
そして営業に売り出すためのフレーズを考えているのだろうが……なんか歌詞のように聞こえるのは気のせいだろうか?
とまぁそんなことがありつつ家に帰り、シャワーを浴びて軽めの夕食を取る。
なんかこんないつものルーティンを行うのも久しぶりのような気もするが……まぁ順調な仕事が出来て残業も行わずスムーズに直帰出来たからそんな気分になるのだろう。
そしてため込んでいた漫画を読み込みつつ、趣味を行うための世界を吟味する。
「さて、今回はここにするか」
決めた世界は、父親が行方不明になり落ち込んでる少年がエンタメを取り戻そうと頑張ろうという物語。
そんな少年を支える少女と男前な親友がいるという、王道な物語だ。
そして結構強気な少女であり、そんな子がスカートをめくられたらどんな反応をするのかが気になったからである。
というわけでいつものようにその漫画の世界へと飛び込んでいくのであった。
そしてその世界にたどり着き、俺の左腕が妙に重く感じた。
何事かとみると、俺の腕に機械とそれに乗ったカードの束が見えた。
「どうやらこれがこの世界での道具か」
この漫画はカードゲームを行い、少年がそれでエンタメを広めていくという物語を展開している。
その世界に来たから俺もその例にもれず、カードゲームを行う人……どうやら『決闘者』になったらしい。
カードゲームを行うことは絶対的なルールだろうし、郷に入っては郷に従えという。
というわけで早速ターゲットの少女を探すことにしよう。
そしてしばらく歩き回ったが……俺の腕の機械を見るたび見知らぬ男までもが俺に「デュエルしろ」と絡まれる始末。
ルールも知らないゲームだしそもそも何のカードが入ってるかよくわからないが、なぜだか知らないがルールは理解できた。
この世界に入ったことで基礎的な知識があらかじめ埋め込まれたということだろうか?
そんな風に絡まれて『アクションデュエル』なる戦いでデュエルを行った。
どうやらこの機械にカードを乗せるとカードに乗った魔物が実体化し、実際に戦うらしい。
動きがないカードゲームで魔物が実体化して戦うというのはかなり画期的だ。
これなら見てる読者も飽きが来ないというものだ。
そんなことを考えながら歩いているうちに、ターゲットになる少女、柊 柚子なる少女を見つけた。
遊矢と呼ばれた少年となんか話していたが、さすがに会話の内容までは聞こえない。
そしてしばらく話した後、柚子は遊矢の元から去っていった。
ターゲットが一人きりになってくれるのは好都合。
遊矢を励ましてる少女がスカートめくりの毒牙にかかったら、さすがに敵討ちとか言い出すだろう。
そんな面倒はごめん被るところである。
さて、一人で歩いていく柚子にどう声をかけようかと思ったが、この世界なら通用する言葉があるらしい。
意を決して、俺は柚子の元へと行く。
「おい……デュエルしろよ」
俺がぽつりとつぶやくと、柚子は振り返り俺を見てくる。
「デュエル? 私と?」
普通の世界ならいきなり見知らぬ男にそんな風に話しかけられたら不審がられる、下手したら即通報ものだが。
「……いいわ、受けて立ってあげる!」
柚子は断ることもなく腕の機械をセットして俺に向き合う。
カードゲームならよくあることなのだろうが、俺にとっては好都合だ。
「「デュエル」」
柚子が手札5枚を見る。
「私のターン! 私はモンスターをセットして、カードを2枚伏せてターンエンド!」
先攻はいきなり攻撃することは出来ず、モンスターと魔法・罠カードを駆使して後攻の動きに備える。
まぁ中には相手が魔法や罠などを使えずそれらのカード効果を無効にするカードを並べて相手の動きを封殺するということもするらしいが、どうやら柚子の手札にそれらを行うカードはなかったようだ。
そして俺のターンだ。
「俺のターン、ドロー。俺は魔法カード『大嵐』を発動!」
俺が機械にカードを置くと、場の真ん中に大渦が生まれ、そこから暴風が吹き荒れる。
「この効果でセットされた魔法・罠カードをすべて破壊する!」
その伏せられたカードを破壊する捲り札も使いこなすのがこのカードゲームだが、俺がこのカードを利用したのは当然。
「わ、わわぁ!」
暴風が吹き荒れれば当然柚子の赤色のミニスカートが捲りあがろうと激しく舞い上がろうとする。
当然柚子は顔を赤くしながら慌ててスカートを抑える。
残念ながら反射神経がよくスカートを抑えられパンティを見ることは出来なかったが、直にめくるという楽しみがなくなることが回避できたので良しとする。
「何するのよ!」
「魔法・罠カードを除去することだが?」
顔を赤くした柚子が俺を非難しようとしたが、ルールに則っただけのことをしようとしただけのこと。
そう切り返されたら柚子は言い返すことが出来なくなったようだ。
「そして俺は『スピア・ドラゴン』を召喚!」
場に現れたのはプテラノドンを模したようなドラゴン。
「こいつは貫通効果を持っている。そのセットモンスターを破壊して貫通ダメージを与えてやる」
俺がそういった瞬間、柚子は意を決して俺から目を離しきょろきょろとあたりを振り返る。
そしてあるところを見た後、そこへと駆け出す。
この世界では『アクションカード』なる、そのカードを取ることで有利になるシステムがあるらしい。
それによってスピア・ドラゴンなるモンスターの貫通によるダメージを無効にするか、もしくはバトルによる破壊そのものを無効にしようという魂胆なのだろう。
だが、女の子が下品なことを企んでいる男から目を離し駆け出すことは一種の自殺行為。
それをすぐに分からせてやらねばならない。
身体能力は良いが、俺が他の世界で出会ってきた忍の少女たちとかに比べればさすがに劣る。
俺は駆け出し、柚子の前に立ちはだかる。
「おっと」
「くっ」
「ちゃんとダメージを受けてもらわないと。ダメージを回避しようとする子には、こうだっ!」
バサァ!
「きゃああああああっ!」
前に立ちふさがれたことで動揺し立ち止まったスキを突き、俺は柚子のスカートを思いっきりめくりあげた。
先ほどは手で隠されたが、今度は完全にスカートが翻り音符柄のピンクパンティが露になった。
珍しい柄のパンティだが、こんな異質な世界だしそんなこともあるのだろう。
「やっぱりさっきも私のスカートをめくるためだったのね、このおおおおおおお!」
しかし、俺はこの世界における『決闘者』の身体能力をなめていた。
柚子がどこからか取り出したハリセンを俺の頭に勢いよくたたきつける。
その瞬間、俺の意識は飛んだ。
気づいたときには、俺はマンションに戻ってきていた。
「ハリセンだから威力は大したことないと思っていたけど……久しぶりに油断してたか」
だが、こっそりと起動させていたカメラは柚子のスカートめくりの光景をちゃんと一部始終映し出していた。
そして顔を真っ赤にしながらなんか角らしきものを頭にはやし、恐ろしい速度でハリセンを取り出し俺の頭を叩くところも。
「……デュエリストって、恐ろしいな」
ある意味人間を卓越した身体能力を持った生き物、それが『決闘者』
そんなことを実感しつつ、柚子のスカートめくりの光景を何度も再生しいつもの行為に励むのであった。