世の中、目に見える物だけが全てではない。
だが、他の人に見えないものが自分にだけ見えるとなると、それは普通とは外れた存在になってしまうということだ。
そして、その見えないものに気づかず、普通の生活を過ごしている者は普通から外れた存在から見たらどう見えるのだろうか。
黒い髪の毛が綺麗で、一見可愛らしい女の子。
だが、その目線の先は普通の人が見るべきではないところを見ている。
俺には彼女に何が見えているのか分からない。
彼女の名は『四谷みこ』。
今回、俺がスカートをめくるターゲットである。
「心霊現象って信じる?」
また何を言い出すのだこの女性上司は。
だけども、よくよく考えてみたら心霊現象以上のことを俺は体験できている。
漫画の世界に入り、その世界で好きに過ごすことが出来る。
漫画の世界に入り食事を楽しむもよし。
冒険譚の世界に入り、普通に生きていたら見ることが出来ないものを見ながら旅をするのも良し。
一生に一度できるか出来ないかの珍体験も漫画の世界の中では出来る。
もっとも、俺はこの力を使ってメインにしてるのは女の子のスカートめくりなのだが。
当然公言することは出来ないし、そもそも言ったところで信じてもらえないだろう。
俺のPCやスマホの中にある可愛い女の子のスカートめくりは皆二次元キャラばかりなので、そういったエロサイトからダウンロードしたという風にしか受け取られないだろう。
もっとも、それはそれで白い目で見られそうではあるが。
俺はまだこの世の中で生きることを捨ててるわけじゃない。
「どうしたの?」
おっと、考え事をしてたら怪訝そうな目で見られている。
さて、どう答えたものか。
「うーん、自分は今まで体験したことはないですけど、TVとか見てると心霊写真とか撮影されたりしてますよね」
もっとも、今の世の中合成ソフトなどいくらでも技術は進歩している。
おかげで心霊写真らしきものを作ることなどお茶の子さいさいになっている。
ネットでそういった胡散臭い心霊写真なら何度も見ている。
「そういうのじゃなくて、ポルターガイストとか」
特に何も触ってないのに、物が勝手に動き出す、というやつか。
それは今の今まで見たことはない。
漫画の世界で似たような体験をしたことがないわけではないが、そういうのは大抵超能力とかというオチだった。
もっとも、超能力自体この現実世界だとすごいことだと思がそれはそれ、これはこれだ。
「見たことないっすね。そういう先輩は体験したことあるんですか?」
「ないけども、友達が家の中を整理整頓した覚えがないのに勝手に物が移動してたりするんだって」
それはただのズボラではないだろうか?
整理整頓が苦手な人に限って、ここに置いたという確信だけは無駄に強く、そこにないとなるとすぐになくした、勝手に動いていったなどと言い出す。
まぁそんなこと、上司に言えないが。
あ、ちなみに俺としては話を切り出すときに『友達が』とつけてるとき、8割ぐらいは自分のことだと思っている。
だから敢えて細かくツッコミを入れることはしないわけ。
「それは恐ろしいですね」
「でしょ?」
そして同感してもらえたことで少し満足そうにしている。
まったく、ちゃんと家の中ぐらい整理整頓しておきなさいと。
あ、ちなみに俺の場合は漫画の世界に潜り込める以上、気に入った世界にすぐに飛び込めるようにお気に入りの漫画はちゃんと棚に入れて整理してある。
おかげで借りてるアパートの部屋の4分の1当たりが本棚に侵食されてきているが……いやいや、俺はちゃんと整理して床掃除もきっちりしてるから。
「じゃ、俺も自分の机の上の物が無くならないように引き出しの中にでもしまっておきますか」
本日の仕事に必要な資料を引き出しの中にいれ、俺の机の上がある程度すっきりした。
今机の上にあるのはノートパソコンと、途中で小休止するためのお茶入りペットボトルだ。
「そうね。じゃ、仕事頑張ってね」
一体何だったんだ。
っていうかもしかして、本当にただ部屋の整理整頓が出来てない事実を心霊現象と言い張り、同意を求めてきただけ?
……まぁ、俺自身もあんまりプライベートに口出しされたくないから、何も言わないでおこう。
さて、心霊現象自体は信用はしていないが。
漫画の世界では演出として心霊現象が起きている。
実際薄暗い部屋の中で読んでいて時折背筋が震えるときはある。
だけども、幽霊はエロいことを考えてる人間には寄り付かないという話がある。
変な事ばかり考えてる人間に対して心霊現象を起こしてもつまらないか、もしくは女の子のことばかり考えてる人間に美少女の幽霊が取りついても、不気味がられるどころかむしろウェルカムな姿勢で受け入れられるだろう。
それは幽霊としては願い下げだろう。
というわけで、心霊現象が起きる漫画の世界の中で女の子のスカートをめくって、どうなるか確かめてみるとしよう。
俺は意を決し、漫画の世界の中に飛び込んでいった。
俺がたどり着いたのは、何の変哲もない道通り。
しかし、心霊現象が現実のこととして起きてる世界の中では、俺の目には何も見えないだけで、実は恐ろしい何かがそこにいるのかもしれない。
そう考えると、普通に道を歩くだけでもスリルがあるというものだ。
さて、それはさておき。
せっかくだし、霊現象が見える女の子をターゲットにしようと思う。
目に見えないものに怯えるよりも、目に見える存在にエッチな目に遭わされ恥ずかしがる様の方がまだいいだろう。
……あくまで俺個人の意見だし、他の誰に問ても前者と言われる気しかしないが。
そんなこんなで歩いていると、ターゲットである四谷さんを見つけた。
友達もおらず、一人で歩いているみたいだ。
ただ、その目線はまっすぐではなく、どこか別の方を向いている感じがした。
その目線の先に、その恐れてる何かがいるのだろうか。
……そう考えると、あんまり目線を向けたくない気がする。
とりあえず、今回はやることがあるからそれから先にして、その後にお楽しみのスカートをめくる行為を行うとする。
というか、ある意味一連の流れとも言えなくもないし。
そして俺の視線の先に、こちらに向かって歩いてくる四谷さんがいた。
角から自然さを装い、彼女の前を歩いていく。
彼女は俺の存在に気づくが、特に怯えた様子もなくこちらに向かって歩いてくる。
どうやら俺の後ろ、ひいては俺には幽霊は取りついていないのだろう。
やはりエロいことを考えてる人間には幽霊は寄り付かないのだろう。
まぁ俺も幽霊だったら男よりも女の子に憑依したりちょっかいをかけたいだろう。
っと、それはさておき。
四谷さんが通り過ぎてから少しして、俺は振り返る。
そして音を立てないように歩いていき、前を歩いている四谷さんのスカートの下に手を滑り込ませ。
「そーれっ!」
バサッ!
四谷さんの学校の制服であるスカートが俺の万歳の動きに合わせて捲りあがる。
その中に隠れていたのは……おお、ピンクのパンティ。
特に柄もないというのは今どきの女子高生にしては珍しい気もするが、それもよし。
それに、あんまり主張してないお尻でも線が少し浮かび上がっており、お尻の形がはっきりと分かる。
「……っ!?」
慌てて後ろ手でスカートを抑え、こちらを振り向く。
恥ずかしいのと怒りが混ざった顔をしている。
いいねぇ、そういう顔。
見えないものに怯えるよりも、見えてるセクハラ男に侮蔑の目を向ける方がまだ可愛らしさがある。
「どうかしたの?」
「今……私の……スカート」
彼女は恥ずかしさのあまり、言葉がとぎれとぎれになっている。
何をされたのか、口に出すのも恥ずかしいという感じだろうか。
「何、歯切れ悪いなぁ。そんな子はこうだ!」
だが、俺は容赦なく前から勢いよくスカートをめくりあげる。
後ろ手でガードをしていたから前からめくられるのを防げるわけがない。
同じピンク色のリボンが付いていて、女の子らしいパンティだ。
「~またっ! もう!」
そして慌ててスカートを手で抑え俺を睨みつける。
「ふふ、やっぱ隠れてる物が丸見えになる瞬間っていいねぇ。じゃ!」
俺は手を振り、きっと睨みつけてる彼女を尻目にその場から離れていった。
さて、追いかけてくることもなかったし、早速戦利品を見てみるか。
後ろからこっそりと近づいていき、四谷さんの後姿が徐々に大きくなる。
そして俺の手が彼女のスカートの下に潜り込み、勢いよく万歳される。
スカートは豪快にめくりあがり、四谷さんのピンクのパンティと、それに包み込まれてるお尻が丸見えになる。
お尻のラインはほんの少しだけ浮かび上がっており、彼女のお尻の形がよく見ると分かるようになっている。
そして四谷さんは恥ずかしさと怒りが混じった顔で振り返り、ぼそぼそと文句を言っている。
その文句に切れた振りをしながら今度は勢いよく前からスカートをめくった。
ピンク色のリボンとそのリボンとほんの少しだけ違うピンク色のパンティが丸見えになる。
再びめくられたことではっとした顔になり、怒りの方が少し強い顔に……ん?
なんか俺がめくってる手のほかに、もう2つ手が……?
もしかして、この霊も俺のスカートめくりに便乗して?
……エロいことを考えてる人間に幽霊は来ないが、同じ思考をしてる幽霊は見えないことをいいことに便乗して、同じことをしに来る?
なんか変な結論が出たが……やはりスカートめくりはいいものだと分かってる同志がいるということははっきりした。
謎の手が俺のスカートめくりに便乗しめくる動作をし、ピンクのパンティと太ももが丸見えになってる動画を見て、妙なシンパシーを感じながらいつもの行為に励むのであった。