人には見た目が9割と呼ばれることがある。
中身が良くても、外見で人は判断される。
彼女は古ぼけた街並みで、大きい赤いリボンをつけて街並みを歩く。
彼女は『綾月芽衣』。
俺がスカートをめくると決めたターゲットだ。
「先輩ってやり直したいことってあるっすか?」
アイドル好きの同僚がなんか暗い顔で尋ねてくる。
同僚がこんなネガティブな態度をとるということは、何かやらかしたからだろうか。
「俺か?」
……しいて言うなら、漫画の世界に潜って女の子のスカートをめくるこの日常が楽しくないわけではない。
だからこそ、やり直したいことは今のところは特に浮かばない。
そう考えると、過去に黒歴史なんてないんだな俺は。
まぁ、スカートをめくっていたということが黒歴史になるときがあるかもしれないが、今は今。
「特にないかな。どうしたんだ?」
まぁここはちゃんと話を聞いてあげるとしよう。
「聞いてくださいよ~。昨日、うっかり寝落ちしてアイドルの限定商品が物販されるライブのチケットが取れなかったんすよ」
ああ、まぁ君はその程度だよな。
もっとも、そんなことを口にすれば『その程度ってなんすか!?』と怒られるのは目に見えてるし、暗いのは事実だから傷口に塩を塗り込む真似はしない。
「それはうっかりだったな。でも、ネットで二次抽選とかそういうのはないのか?」
「ないっすよ~。それに商品が物販で出されても、転売ヤーに高値で売りつけられるし」
そう言いながら同僚は俺にスマホを見せてきた。
うわ、この間同僚に誘われて行われたライブの限定商品が定価の20倍で売られてる!?
「これは……」
「でしょう? 転売ヤーのような愛のないような奴に食いつぶされるっすよ」
同僚が盛大に悲しそうな顔をする。
俺は転売ヤーの目につけられそうな商品は買わないからなぁ。
せいぜいスーパーの特価商品ぐらいが欲しいぐらいで、漫画本は通常版しか買わないし……
あれ、俺って物欲少ない?
別の意味でショックを受けてると、同僚が更に溜息をつく。
「ああ~、時間を戻してやり直したいっすよ」
「まぁ今回はうっかり寝落ちした君にも非がないわけじゃないし、今回の反省を生かして次からは気を付ければいいさ」
「うう~、上司みたいなことを」
ウチの部署の女上司さんは失敗は咎めないが、二度目はないと怖く脅してくる。
それがトラウマになってるんだろうな、きっと。
「まぁ今度アイドル談義に付き合ってあげるから、元気出してくれ」
「うぅ」
そうはいったものの、顔色は明るくない。
今度のアイドル談義、俺の想像以上に長話に付き合わされそうだ。
そんなことを考えながら仕事を終え。
長いアイドル談義に付き合わされる前に、俺は俺の趣味を行うとしよう。
幸い漫画の世界には時間制限とかはないし。
ターゲットにした女の子が複数いても、漫画の世界は時間が経過しても逃げはしない。
さて、今回のターゲットはっと。
おや、タイムスリップした女の子か。
時間が巻き戻れればいいんじゃないかと同僚は言っていた。
こういったタイムスリップした女の子が現代を思い出すような行為……昔にスカートめくりなんてないよな……多分。
どういう反応をするか興味が俄然湧いてきた。
というわけで、思い立ったが吉日。
俺はタイムスリップではなく次元移動をしてる気分で、漫画の世界へと飛び込んでいった。
俺が飛び込んだ漫画世界の中では、明治時代辺りなのだろうか。
木造建築、それに人が和服を着ている。
普通の髪型でちょんまげとかはさすがにいないから少しは現代に近づいてきてる証ではある。
さて……わ、俺の服装が現代風!?
洋服でGパンとかだから、明らかに浮いてる。
うわ、周りの人に変な物を見られる目で見られてる!?
おそらくこの時代の人々から見れば外国人の格好をした日本人に見られているのだろう。
さすがにこれだけ注目を浴びるのは好きじゃない。
俺は慌ててその場から逃げ出した。
はぁ、疲れた。
まさかターゲットを見つける前に変な目で見られてしまうとは。
この疲れは、ターゲットのパンティを見ることで癒されるとしよう。
さて、難があったが……
「はーっ、疲れた」
少しだけ溜息をつきながら歩く女性を見つけた。
この時代になじむように袴を着ており、見事にこの時代になじんでいる。
だが、巨大な赤いリボンだけがこの時代にはあんまりなじんでないように見える。
ターゲットである綾月さんは見つけた。
さて、ミニスカートでないからめくりづらいことこの上ない。
全力で袴を持ち上げればパンティが見えるぐらいまでめくりあげることは出来るだろう。
この時代の人はパンティを履く風習があるのかどうかは覚えてないが、現代からやってきた子がタイムスリップしたからと言って、風習になじむために下着を履かないということをするとは到底思えない。
まぁその時はノーパンという今までにない禁断の領域を拝めるわけだが。
まぁ今はそんなくだらないことを考えてる場合ではなく。
この今どきの格好で接触すると、目立つことこの上ない。
他の世界で出会った栗栖さんみたくすれ違い様スカートめくりという技を披露するときか?
いや、すれ違い様でめくるには袴の丈は長すぎる。
「あの……」
う、うわ!?
まさかのターゲットが目の前に!
「あ、どうかしましたか?」
落ちつけ。
こういう時こそ冷静に。
「その格好……」
「あ、いやその」
いやいや、君は現代からタイムスリップしてきたのだからこの格好の方が見慣れてると思うのだが。
「少し話があるので、来てもらえませんか」
あ、腕の裾を。
意外と力強っ!?
俺は彼女に引っ張られていき、どこかへと連れていかれる。
彼女に連れていかれたのは、誰もいない路地裏。
普段だったら、スカートをめくるまたとない絶好の場所。
だが、何かを問い詰めようとしてる彼女相手にはスマホを開いてる隙が無い。
「その恰好、もしかしたらこの時代とは別の時代から来たんじゃないですか?」
「確かに風変わりな格好をしてるけど、どうしてそう思うんだい?」
「……ここだけの話、私も別の時代から来たんですよ」
この時代の人の格好に合わせてこんな服装をしてるけどね、という言い訳が綾月さんから放たれる。
「だから……もしかしたら、元の時代への戻り方も知ってるんじゃないですか?」
……ああ、なるほど。
綾月さんは俺の格好を見て、自分と同じだと判断したのだろう。
だから、俺に元の世界への戻り方を教えてもらいたいと思ったのだろう。
厳密には元の時代に戻るのではなく、元の世界に戻るだけなのだから原理は違うのだが。
だけども、これはまたとないチャンスだ。
自分から誰もいない場所に、スカートめくりを企んでる男を引きずり込むとは。
おそらく俺が今から行う一挙一動に目を配らせるだろうが、止めはしないだろう。
俺は胸ポケットからスマホを取り出し、動画撮影準備を行う。
「あ、それって」
「俺が元の世界に戻るための行いの一つだよ」
まぁあくまでは『俺が』であり、綾月さんが戻れるわけではない。
だから嘘はついてない。
「ふむふむ……」
そして綾月さんはそれに気づかず、俺の行為をじっと見ている。
「そして、この時代にない行いをするんだよ」
俺は準備を済ませ、改めて綾月さんに向き直る。
彼女はじっとし、俺が何をするかを待っている。
「この時代にない行い、ですか?」
「うん……それはね」
俺は勢いよくしゃがみ、綾月さんの袴の裾を掴む。
「スカートめくりだよ!」
そのまま立ち上がる勢いで一気に袴をめくりあげる。
袴で隠れていた綾月さんの生足がまずは露になる。
長袖だから日焼けなどせず、白色が眩しい。
さて、その太ももから上にあるのは……
おお、白色をベースにした、水色の水玉パンティ!
この古い明治の街並みに歩く明治時代の格好をした女の子の、唯一の現代要素。
一層輝いて見えるのは、時代の違いだからだろうか。
「きゃああああああっ! いきなり何をするんですかぁ!?」
顔を赤くして両手で一気に袴を抑える。
スカートをめくられた時に女の子がパンティを隠す仕草であり、そこは現代の女の子らしいなぁと感心する。
「わ、私のパンティを丸見えにさせて現代に戻れるんですかぁ!?」
「うん、あくまで『俺』はだね。君はどうかは分からないね。じゃあね」
そして袴を抑えて顔を赤くしてる綾月さんにそう告げ、俺はその場から逃げ出した。
「あっ、待ちなさい!」
彼女が慌てて路地裏から飛び出したとき、そこにはすでに自身の袴スカートをめくった男の姿はなかった。
あれだけ目立つ姿なのだから、見失うわけがない。
「本当に私のパンティ見るだけで帰るなんて……私もこの時代の男の人に現代的なセクハラをすれば、もしかして……」
綾月さんが変な決意をしていたことに、その場にいた誰もが気付かなかった。
ふぅ、元の世界に戻ってこれた。
路地裏を走り出して少ししてから追いかけられたのは少し慌てたけど、彼女には元の世界に戻るところは見られていないはずだ。
だけど、もしかしたら元の世界に戻れるかもしれないという希望を与えられたかもしれない。
その時、彼女が俺のスカートめくりに感謝するのだろうか。
いや……さすがにないだろうな。
それはおいておいて。
彼女は元の世界に戻れるかもしれないというワクワク感で俺の動きを待っている。
そのワクワク感を裏切るように俺は彼女の袴の裾を掴み、一気にめくりあげる。
長い裾だからこそ、日焼けしてない白い生足が映える。
そして、その上にある水玉パンティも白い生足によってその良さが引き立てられている。
お互いがお互いの良さを引き出しあってる、ベストマッチだった。
そして袴をめくられたことでワクワク感から恥ずかしい感情が表に出て、慌てて袴を抑え俺を睨みつける。
うーん、いい視線だ。
さて、この行為が現代に伝わるのっていつだったんだろうなぁ。
そんなことを思いつつ、綾月さんのパンティを見ながらいつもの行為に励むことにした。