グラップルデュエル-忘却されし街の機士- 作:EXIA00Qt
世界を巻き込み、全世界の6割と言う計り知れないほど甚大な犠牲と共に終わった大戦から幾十年か過ぎた現在ー多くの人々は世界を統一した「機関」の管理の元、平和な生活を送っていた。
ーそう、"多くの人々は"である。ごく少数だが、「機関」の管理下に置かれることを拒み自分達だけで生活する者たちがおり、彼らの住む領域はFORGOTTEN CITYと半ば揶揄するように呼称されていた。そこには全体をまとめる管理者はおらず、利害関係の一致や親しい関係であることなどを理由に小規模に人が集まった団体が複数存在しそれぞれが自治を行っていた。故に安定するはずもなく、治安もNEO COLONY CITY ー「機関」の管理下にある都市はそう呼ばれるーに比べれは当然悪い。
そんなFORGOTTEN CITYの中でも最も大規模な集団の自治により比較的安定している「ステイブルタウン」と通称される町に、とある情報が舞い込んできた。
「グラップルデュエル」それは戦時中に失われた数々の技術の復元及び新たな技術の創成を目的として構想された18メートル級ロボット同士のトーナメント対戦ーそれは通常「機関」の管理下にあるその目的に応じ機械的に番号を振られたNumbers Company、通称ナンバーズが個々に開発した機体で行う予定だった。
しかし「機関」の一部の人間がどこからかFORGOTTEN CITYに大戦時代の遺産から復元したものの他に独自の技術があることを聞きつけ、こうしてグラップルデュエルへの参加を募っているらしい。
話によると他の自治団体にも知らせが届いているようであった。
「なあリョーヤさん、これ俺らだけでやるのか?」こうこの団体の幹部と思われる男に親しげに話しかけた黒髪の少年、彼の名はコノハ・ヤシャカタという。反射神経と運動能力のほか咄嗟の機転に優れ、荒事は好きではないにしろ得意分野ではある、そんな人物だ。17歳。
「そうだな…それも悪くないし、基礎フレームの設計図は与えられるようだからそれでも構わないが、その場合資金と資材の点においてナンバーズと比べて圧倒的に不利なんだよな…だから近場の他の奴らには協力を要請するべきかもな」そう思慮深さを感じさせる声で答えたのはリョーヤ・サクラダ、この団体の幹部の1人でありブレーン的存在であった。
「そうなのね!じゃあ私ちょっと連絡とってくる!」そう言って通信室へと向かっていった彼女の名はユウリ・タカヤ、皆からはユウリと呼ばれる明るく利発な少女である。コノハとは幼馴染で、2人で今まで助け合って生きてきた間柄だ。17歳。
不思議に思った人もいるだろう。なぜ他の団体と簡単に連絡が取れるのか?と。
自治団体同士は然程関係が悪いわけではなく、むしろ助け合わなければ生きていけない状態に近いため地理的に近ければ友好関係を結んでいることも少なくないのだ。
数時間後ー数個の自治団体と連携して、正式にFORGOTTEN CITYを拠点とするグラップルデュエル参加団体「CONCRETE FOREST」が誕生した。
これは、世界の流れから外れることをかつて自らの意思で選んだ者たちの戦いの記録であるー
こんにちは。EXIA00Qtです。手違いで一度予約を済ませていたものを消してしまい、今慌てて投稿しています。お気に入り入れてくれた方、ありがとうございました。そして申し訳ないです。
今回はプロローグなので短いですが、明日正午には2話を投稿したいと思います。
ログインせずに閲覧されている方でも構いませんので、感想などありましたらガンガン書いちゃってください。展開の案なども参考にするので書いていただいて結構です。
では、次回でお会いしましょう。