おじさんがズレた原作知識で宇宙世紀を生き残るお話   作:ファットン

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防衛隊は君達を求めている
年齢や出自は関係ない
スペースノイドの中のスペースノイドは
国防隊に入って華と散る
〜UC0063頃に使われていた防衛隊募集ポスターの文章〜


防衛隊に入ろう

 私はヴァルター氏に連れられ病院に連れて行ってもらった、鏡を見て気絶した時に、頭を強打したのでその診断と、変な言動を心配されて心療内科にまで罹らせてもらったのだ。

 頭部の外傷は特になし、たんこぶ程度、脳波も以上なしだった。

 「うーん、特に大きな外傷や脳波の乱れはないので、もしかしたら心因性のものかもしれませんね。」

 「なんてこったい!彼は治るんですかね!」

 ヴァルター氏が大声で捲し立てる。

 「なんともいえませんが、身分を証明できるものがないか、確認をして、当局に行方不明者として相談するしかないでしょうな、家族に会えれば、何か思い出す事ができるかもしれませんし。」

 それは不味い、この異世界(もう夢だと思う現実逃避は諦めた)に戸籍(※1)なんかあるはずない、このままだと不法入国者として処刑されるかもしれない(※2)。

 「ヴァルターさん、ちょっと良いですか?」

 「どうしたのかね?」

 「僕は今記憶があやふやなんですが、家族のことを思い出そうとすると、なんとも言えない恐怖に襲われるんです。」

 「なんてこったい...それは大変だ。」

 暴君のような姉がいたので、恐怖がないといえば嘘であるが、概ね良好な関係を築いていた家族を出汁に同情を図る。

 「わかった、その点は私がどうにかしよう。」

 「それでは仕方がない、私が一時的な身元引き受け人となり、彼が治るまで暫く面倒を見るよ。」

 「本当ですか、ヴァルターさん、まぁ貴方らしい選択ですが、奥さんには話されましたか?」

 「なーに、あいつもわかってくれるさ!」

 その医者は、何度もやり慣れたやり取りなのか、やれやれと呟くと

 「喧嘩は明日以降にしてくださいね、今日は当直なんですよ。」

 そう医者は返すとたんこぶ用の薬の処方箋を書いて渡してくれた。

 病院を後にした後私はヴァルター氏に尋ねてみた。

 「身元引受の件、凄くありがたいのですが、なんでそこまでしてくれるんですか?」

 「困った人を助けるのに理由がいるかね?まぁ今回は私の方にも少し事情があるがね。」

 「事情と言いますと?協力できることなら協力しますよ。」

 見ず知らずの人間を助けて、病院に連れて行ってくれた上に身元まで引き受けるというのだ、なんらかの恩返しをするのが人としての最低限の仁義であろう。

 「私が防衛隊の所属だというのは、最初に言ったよな。」

 「そうですね、そんな事言ってた気がしますね。」

 「君、なかなか健康そうな身体してるし、防衛隊に入ってみないかね?」

 




(※1)そもそも戸籍制度は日本と中国にしかないのでムンゾには戸籍制度そのものすらない。
(※2)ジオンが独裁国家という偏見による、なおUC0065時点ではザビ家は有力な一派でしかなく国家元首にすらなってない。
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