おじさんがズレた原作知識で宇宙世紀を生き残るお話   作:ファットン

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 ダイクン饅頭にダイクンフィギュア、ダイクンカフェ!今ダイクンが熱い!
〜当時の経済雑誌の見出し〜


ジオン共和国の成立

 その日は若手兵士を対象にした戦術集合教育(※1)の最終日であった、前日実施された戦術に関する学科テストの結果を元に、様々なグループに分け、補備教育が実施されていたのである。

 その合間の休憩時間、皆食い入るようにテレビを見ていた。

 ジオン・ズム・ダイクンによる重大な演説がある、それを見ようとしたのは一部の兵士であるが、演説の途中でダイクンが倒れ、病院に搬送されたというのである。

 「マジかよ、ダイクン様死んじまうのかな?」

 「そうなったら誰がこの国を率いていくんだ?」

 「ラル派とザビ派の喧嘩次第だな。」

 「また内ゲバかぁ(政治が)壊れるなぁ。」

 ガンダムに詳しくない飯田でも、この先ザビ家独裁になる事は知っていたので、後継者争いの結果は憂慮してはいなかったが、なんとも言えない不安があった。

 (確かザビ家は4人兄弟だった筈、しかしニュースを見る限り5人兄弟だ、つまり開戦までに1人なくなるわけだが、それはどっちだ?)

 ザビ家のメンツはある程度知ってはいたがなんとなくふわっとした知識しかない、取り敢えずギレン、キシリア、ガルマが生き残る事は確かだがもうひとりのガタイのいい人はどっちだったけ?

 もしもドズル様がやられたら私の戦史教官はどうなるんだ?

 そこからはあっという間に政局は進んだ、死の間際にダイクンは、後継者をデギンに選んだと発表され、後を継いだデギンは、国号をジオン共和国に改める事を発表したのであった。

 そして場所は変わりズムシティ市庁舎

 「なんだと!ダイクンの子供達の身柄拘束に失敗しただと!」

 「すいません、兄上」

 サスロの怒声が響く、その怒りの矛先はザビ家兄弟の紅一点キシリアだ。

 思わず酷い罵倒の言葉と手が出そうになる中、サスロはドズルに連れて行かれたアンガーマネジメントの教育を思い出す、本気でキレそうな時は10秒間置いて、そこから行動する。

 余裕を置いて12秒考えた後、今ここで、兄弟間の禍根を作る事は、当面の政争や将来の連邦との対決に大きな影響を与えると考えたサスロは、ひとまず怒りを収めて、キシリアに対し、次はないぞと釘を刺すだけで済ます事にした。

 「所で兄上、キャスバル達の身柄の確保には失敗しましたが、その代わりの報告があります、どうやらラル派の手のものが、我々へのテロ攻撃を考え、車両に爆弾を仕掛けようとしていたそうです。」

 「それは誰が対象なのだ?」

 「とらえた下手人曰く、ザビ家なら誰でもよかったとの事で、因みに爆弾を仕掛けようとした車両は、兄上達の乗る予定の車でした。」

 この情報は、偶然の産物だった、急に態度を変えたサスロを訝しみ、周辺を探らせていたら、偶然サスロを標的にしたテロを発見したのである。

 「これで貸し一つだな、キシリア。」

 「兄上、キャスバルの件をこれで挽回させてはいただけないですか。」

 「構わん。」

 こうしてダイクンの国葬は無事に終わった。

 その後、ラル派による暗殺未遂事件が発生した事、ラル派およびその他中小の派閥の有力者のセックススキャンダル等が世間を賑わせた事で、ザビ家の求心力は一挙に拡大、ジオン共和国の権力は、ザビ家一党に一本化されていくのであった。




※1 将来的に兵卒達をジオン軍の士官クラスにする教育の一環、主人公含めて多くの兵士は、「一兵卒でもこれぐらい知ってなきゃいけないんだなぁ」ぐらいの認識で教育を受けてます。
 
ちなみにこの世界線では、ザビ家の兄弟仲は比較的マシです、前回の件でドズルが「この兄弟仲は一兵卒に至るまで心配されている。」と喧伝したため少なくとも表面上は取り繕い、お互いに足をひぱったり、蹴落とそうとするのはある程度よその脅威が少ない時にしようと考えるようにはなりましたが、心の奥底ではゲバゲバしてます。
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