また別のアンケートを始めます。
いやー、この季節は忙しくていけませんね。執筆もなかなか進まない( ;´Д`)
休日の昼前、日菜さんから呼び出しを食らった。
『ねぇ、今日のお昼なんだけど、一緒にポテトでも食べない?どーせ暇でしょ?』
「ハンバーガー食べよ」じゃない辺り、すごく日菜さんらしいと思う。日菜さんから急に呼び出されるということ自体は珍しくもないが、他に誘う人いなかったのだろうか・・・?
まぁ、日菜さんと喋るのは楽しいし、急ぎの用事も無いから付き合おう。
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「日菜さん」
「なーに?」
「怒ってますか?」
「えっ?違うけど、なんで?」
「ストローめっちゃ噛んでます」
「あっ・・・」
合流してからも日菜さんとはいつも通り楽しく話していたのだが、何か様子がおかしい。話が切れると窓の外をぼーっと眺め、無意識にストローを嚙み潰す。普段はもっと美味しそうにポテトを食べるのに、浮かない顔だ。
「何かあったんですか?」
「ちぇー、やっぱりバレちゃったか」
「俺がなにかしちゃったなら——」
「いや、レン君は悪くないよ。寧ろ今は人肌恋しい感じだから、なるべく傍にいて欲しいな」
「それだったら紗夜さんに・・・もしかして紗夜さん絡みですか?喧嘩したとか・・・」
「リサちーと言いレン君と言い、こうゆう時になるとホント察しよくなるよね・・・」
「まぁ、話ならいくらでも聞きますよ。姉を持つ者同士、共感ぐらいは出来ると思いますし」
「ありがとね。まぁ、不機嫌になってる訳でもないし、喧嘩した訳でもないんだけど、おねーちゃん絡みなのはアタリだよ」
「本当にどうしたんですか?最近まで凄い仲良かったじゃないですか」
「うん。確かに最近おねーちゃんとは仲良くなったよ?一緒にお買い物したり、テレビ見たり、長電話とかしたり。おねーちゃんがあたしの相手をしてくれることがいっぱい増えたんんだ」
「紗夜さんが日菜さん絡みでピリピリすることもなくなりましたからね。でも、それならなんで?」
「いやー、おねーちゃんに受け入れて貰えるのがあまりにも嬉しくって、今まで遠慮してた分のスキンシップを余すことなくぶつけてたら・・・」
「ぶつけてたら?」
「ハグ禁止令出されちゃって」
「あんたもかよ・・・」
なんだろう。アイドルって抱きつかないと愛情表現できないのだろうか?
「でもおねーちゃんも酷いんだよ?「人前は恥ずかしいからやめなさい」なんて・・・」
「酷いどころか至極真っ当じゃないですか。せめて二人だけの時に抑えましょうよ」
「無理だよ。だって大好きなんだもん・・・」
でも、どうしたものか。元気づけてやりたいとは思うが、イヴの場合とはまた別問題だ。イヴは人肌が恋しくなってただけだから俺とまりなさんでくっつけば解決だったが、日菜さんの場合は完全に紗夜さんに対しての気持ちだから、他人からのアプローチは効かない。
「ねぇレン君、私の気持ちって迷惑なのかな?」
「それは無いと思いますよ。紗夜さんだって日菜さんと仲良くしたい筈だ」
「うん。優しいおねーちゃんがそんな簡単に嫌がったりする訳ないのは分かってるんだけどさ。なんか不安になっちゃって・・・」
何か、出来ることは無いだろうか?俺もこんな日菜さんは見たくない。
「俺、紗夜さんの気持ちが分かるかも知れません」
「どうゆうこと?」
「いや、俺も姉さんに対して素直になれるタイプではないので・・・」
「リサちーもあたしみたいにグイグイ行くタイプなの?」
「グイグイ行くタイプって自覚はあるんですね・・・まぁ、日菜さん程じゃないですけど、素直に気持ちを打ち明けてはきます。でも俺はそれに上手く応えてやれないので」
「じゃあ、そんな素直じゃないレン君はおねーちゃんの気持ちが分かるの?」
「はい。少なくとも迷惑だったり嫌がったりしてないのは分かります」
「じゃあ、おねーちゃんはどんな気持ちなの?」
「だから、照れてるだけなんですよ。身内から必要以上に抱き着かれたり、「大好き」って言われたりするのに」
「えー?そんなにダメなの?好きな人からだったら嬉しくない?レン君はリサちーからそうゆうことされて嬉しくないの?」
「いや、限度と言うか、許容量みたいなのがあるんですよ。確かに俺も姉さんからの好意が嫌なわけじゃないですけど、やられ過ぎたり、人前だったりすると恥ずかしいんですよ」
「そっか。あたし、自分の気持ちばっかりでおねーちゃんのこと何も考えてなかった。ダメだなぁ・・・」
嫌がってる訳じゃないってのは分かった筈なのに、日菜さんは落ち込んだままだ。
「日菜さんらしくないですね」
「どうゆうこと?」
「だから、紗夜さんは恥ずかしがってるだけなんですから、急に抱き着いたりしなければいいだけなんですよ。日菜さんが暗くなる必要はないんです」
「抱きつかなきゃいいだけって・・・それが難しいんだよ。」
「・・・日菜さん、あんたのことだから「やめて」って言われてるのにやめなかったんでしょ?問題はそこなんだ」
「だっておねーちゃん成分が足りなかったし・・・」
「何故足りなくなるのかが分かりませんね」
「え?」
日菜さんめ、ハグを拒否されたことに気を取られていて大事なことに気付いてなかったようだ。最大の紗夜さん成分に・・・
「照れくさくなって素直になれない紗夜さんの可愛さに、なんで他でもないあんたが気づいてないんだ」
「・・・!」
「・・・」
静寂。そして・・・
「あああぁぁっ!!」
その後、日菜さんは無事に吹っ切れた。
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「いやー、あたしとしたことがスキンシップに夢中でツンデレモードのおねーちゃんの可愛さを見逃すとはね!そう言えばあたしにハグ禁止を言い渡した時のおねーちゃんも顔を赤らめて「もうっ!」とか言っちゃって、あーもう今思い出しただけでもるんってする!!ヤバいよぉ!うちのおねーちゃんが可愛すぎるよぉ!!」
「知り合いのアイドルが限界オタクみたいになってる・・・」
こんな調子でもう何分経っただろうか?やっぱり相談になんて乗らずにもうちょっとしおらしくしておいてもらった方が良かったか?でも、日菜さんは元気になったし、まぁ良しとしよう。
「いやー、スッキリした。ポテトの味もいつもより美味しく感じるよ。あと2個ぐらい頼んじゃおっかなー?」
「やっぱり姉妹ですね。紗夜さんみたいだ」
「なに?ポテト好きなこと?」
「それもですけど、性格的な部分もです」
「そう?正反対もいいとこじゃない?」
「いいえ?普段は頼もしいくせに意外と繊細な部分があるところとか、そっくりじゃないですか」
「そっか。性格も似てるんだ。えへへ・・・」
姉妹絡みの話題に弱いところもそっくりだ。やっぱり姉妹なのだなと感じる。
「それを言うなら、レン君も姉弟だよね」
「そうですか?なんでも器用にこなす姉に、不器用な弟ですよ?」
「でも、レン君には何でも話せちゃうんだよね。気軽に相談もできるし、愚痴だって聞いてくれる。話してると安心するし、すっごく優しいの。ほら、リサちーそっくり」
「いやっ、そこまでじゃないと思いますけど・・・」
「案外褒められたら弱いのもそっくりだね。ほれほれ、この照れ屋さん姉弟め!」
「ちょっ、足でスネなぞらないで下さい!日菜さん!」
「ほれほれ~!」
その後、俺達は二人で足をぶつけ合いながら、しばらく姉トークに花を咲かせるのだった。
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「今日はレン君誘って正解だったなー!ホントにありがと」
「俺は話聞いただけですよ。テンション低い日菜さんとか嫌ですから」
「確かに、ウジウジ悩むなんてあたしらしくないもんね」
姉トークは想像よりも長引き、外はもう日が沈もうとしている。
「じゃあ、そろそろ帰ろっか。あたし、こっちだから」
「じゃあ、また今度」
「うん。リサちーと仲良くね!」
「そっちこそ、紗夜さんにくっつき過ぎたら駄目ですよ?」
「はーい!」
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帰って夕食を終えた後、日菜さんからチャットが届いた。
『今日、おねーちゃんと一緒の布団で寝るんだ~!』
姉妹仲良しで大変結構だが・・・あの人、反省してるんだろうか?
「読みにくい」や「良かった」などの感想や意見、また「このキャラを見てみたい」、「このシチュが見てみたい」などのリクエストがあれば受け付けていますので、気軽にお願いします。
後、「この話が一番好き」などの感想も待ってます。参考にしたいので。
感想、一言でも書いてくれたら嬉しいです。待ってます。
学生も社会人も忙しいですが、頑張っていきましょう。