ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

17 / 113
 アンケート結果

1位 28% R18
2位 25% 日常系
3位 16% 胸絡み
4位 15% 可愛さ重視
5位 11% ↑よりもエッチに
6位 6%  小話や掘り下げ

 ふざけてねじ込んだ選択肢がまさかの1位に・・・
 取り敢えず今回は得票数の多かった日常系でリクエストの紗夜さんを書いてみました。

 ・・・R18は、ちょっと考えさせてください。


17.氷川紗夜に共感してもらうシチュ

 自分で言うのもなんだが、俺と紗夜さんは結構仲が良かったりする。少なくとも、自分から遊びに誘う連絡を入れたりする程度には。

『紗夜さん。次の終末、一緒にポテトでも食べに行きませんか?都合が良ければですが』

 そして、送信してから気づいた。

 

「やべ、誤字ってる」

 

 「週末」と打ちたかった箇所が「終末」になっている。でも送った相手が紗夜さんならまだマシだ。相手がモカや日菜さんだったら茶化してくるに違いない。

 でも誤字の放置も嫌なのでメッセージの削除を押そうとした瞬間、紗夜さんから返信が届いた。

 

『アルマゲドンの当日ぐらい、お姉さんと一緒に過ごしてあげて下さい』

 

「いや真面目か!!」

 

 その後チャット内で誤解を解き、俺と紗夜さんの予定は無事に決定した。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「それで、話を聞いて欲しいということでしたが、何か悩み事ですか?」

「いや、悩み事ってほどでもないんですけど、最近になって姉さんのスキンシップが激しくなったんです。」

 

 まぁ、姉さんのことを避けていた時期もあったし、多少なら受け入れてやろうとも思うのだが、やはり身内とくっついたりするのは恥ずかしい。

 

「そのスキンシップが恥ずかしいのが悩みだと?」

「いや、恥ずかしいのもそうなんですけど、この恥ずかしさを分かってくれる人が周りにいないんです。例えば——」

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

牛込りみの場合

「うーん。お姉ちゃんとは仲いいけど、そこまでくっついたりはしないからなぁ・・・」

 

山吹沙綾と奥沢美咲の場合

「うーん。うちは妹も弟も小っちゃいからなぁ。年が離れてると恥ずかしいとかは・・・」

「山吹さんに同じく」

 

戸山香澄の場合

「うーん。私、抱き着いたりする側だからそうゆうのわかんない!」

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「こんな状態で・・・」

「なるほど。皆さん仲が良いですからね」

「紗夜さん。俺の気持ちっておかしくないですよね?身内にくっつかれたりするのって恥ずかしいもんですよね?」

 

 聞かれて、紗夜さんは眉間を抑えて息を大きく吸い込んだ。そして

 

「・・・わかります」

「ですよね!反応とか困りますよね!」

「ええ。人前とかだと特に対応が・・・」

 

 うん。やっぱり紗夜さんなら分かってくれると思ってた。

 

「一緒に歩いてる時とかいきなり手繋いでくるんですよね。街中でそこら中に人いるのに」

「ウチなんて腕組んできますよ。「こっちの方がるんってするでしょ?」とか言いながら」

「日菜さんらしいですね」

「私が照れてる顔も含めて楽しんでるんです。間違いありません」

「超わかります!「恥ずかしがるなよ~☆」ってすげえ楽しげに言ってくるんですよね」

「何が「こっち向いて」なのよ!向ける訳ないじゃない!」

 

 そしてお互いに心の内をさらけ出し、ジュースを飲んだ。そして

 

「「大変ですよねぇ・・・」」

 

 窓から入ってくる爽やかな日差しを浴びながら、俺たちはため息交じりに呟くのだった。

 

「それにしても、今井さんとはちゃんと仲良くやれてるんですね。愚痴を聞かされてこんなことを言うのも変な話だけど、少し安心しました」

「安心?」

「ええ。去年の今頃だったら考えられません。あなたも今井さんも、どこか遠慮していましたから」

「そんなこと言ったら紗夜さんだって去年は日菜さんと険悪だったじゃないですか。今でこそラブラブですけど」

「だっ、誰がラブラブですか!そんなことを言ったらあなた達だってそうでしょう!その年で歩く時に手なんて繋ぎませんよ!」

「ついさっき腕組んだって話してたあんたにだけは言われたくねぇよラブラブ姉妹!」

「なっ・・・!」

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 あの後も言い争いは続いたのだが、しばらくしてお互いに疲れたので、どちらから言い出すでもなく戦いは終わった。

 今は二人で仲良く追加した山盛りポテトを食べているところだ。

 

「そう言えば、この間は日菜がお世話になったそうですね。まったくあの子ったら・・・」

「いえ、日菜さんと話すのは楽しいですから。でも結構落ち込んでましたよ。ハグ禁止されて」

「そうみたいですね。あの子の仕事に影響があっても困るし、もう少し慎重になるべきだったわ」

「悪いのは日菜さんだと思うけどなぁ・・・」

 

 しかもあの後一緒の布団で寝たらしいし、紗夜さんもそれなりに苦労してると思う。

 

「レンさんにはお世話になりっぱなしね」

「えっ?俺がですか?」

「ええ。日菜のこともそうですし、生徒会の仕事やRoseliaのライブの告知も手伝ってくれますし」

「まぁ、それが俺の仕事ですからね」

「それに日菜と同様、私もレンさんに話を聞いて貰って助かったことがありますからね。日菜とうまくいってなかった時に共感してくれたり」

「あの時は俺も姉さんとうまくいってなかったですし」

「仲良くなってから日菜がくっついてきた時も共感してくれますし」

「俺も姉さんがくっついてくるので・・・」

「なんだか似ていますね。私たち」

「ですね。でもお世話になってるのは俺ですよ。そもそも今回、共感してもらおうと思って呼び出したのは俺ですし。後、いつも勉強見てくれるのも助かってるんですよ?俺、要領悪いし・・・」

「成績は上位を保ってこそいますが、私は日菜のように天才ではありません。私も要領が良い方ではないので、レンさんの躓き方もなんとなくわかるんです」

「やっぱ似てるんですかね?」

「境遇が似てるからこそ、こうして仲良くできるのかもしれませんね」

 

 紗夜さんそう言いながらポテトを平らげていく。

 確かに俺も紗夜さんとここまで仲良くできるとは思っていなかった。お堅い風紀委員だし、絶対合わないと思っていたのに。

 そして理由を考えてみると、一つ思い当たった。

 

「紗夜さんって、姉力ありますよね」

「姉力・・・?まぁ、確かに家でも姉ですからそうかもしれませんが、それが何か?」

「ほら、案外仲良くできる理由の話ですよ。俺、家では弟なんで」

「確かにそうですが、それだけですか?」

「でも大きいと思いますよ。小っちゃい頃に姉さんや友希那さんに甘やかされまくったからなのか、どうにもお姉さん系の人に弱いんですよね」

「好きなタイプの女性は小柄な人ではなかったのですか?」

「そうなんですけど、なんか懐いちゃうって言うか・・・わかりません?」

「なるほど。つまりレンさんは私に懐いているということですね。犬のように」

「最後のは余計ですけど、そんな感じが近いような気がします」

 

 振り返ってみると、彩さんや燐子さんにも仲良くしてもらってるが、懐いているという側面がどこかにあったかもしれない。

 そう考えているうちに、最後のポテトを食べ終わった紗夜さんが指を拭きながら口を開いた。

 

「レンさん。良ければでいいのですが、頭を撫でてもよろしいでしょうか?」

「頭を?どうして?」

「いえ、懐いていると言われると、なんとなく撫でたくなって・・・嫌ならいいのですが」

「俺は、別にいいですけど・・・」

「ありがとうございます。では失礼しますね」

 

 そう言うと紗夜さんは俺の隣に移動し、座って俺の頭を優しく撫で始めた。

 

「で、男の頭なんか撫でて楽しいですか?」

「楽しい・・・かどうかはわかりませんが、なんだか弟ができた気分です」

「はぁ・・・」

 

 正直、ちょっと気持ちいい。キレイなお姉さんに撫でて貰うというのもそれなりにご褒美なのだが、なんだろう。すごく安心する。

 

「昔、日菜が泣いていた時も、こうやって宥めていたことを思い出します」

「俺は姉さんが褒めてくれる時にこうやって撫でてもらってましたよ?「偉いね」って」

「本当に仲が良かったのね。私も褒めた方がいいですか?」

「じゃあ、せっかくなんでお願いします。撫でる力、もうちょっと強くてもいいですよ」

「ふふ。サボらずに勉強できて偉いわね。私も教えがいがあるわ」

「・・・なんか思ってたよりいいですね。もっと褒めてください。今みたいに敬語抜きで姉っぽく」

「甘えん坊なんだから。ほら、いつも頑張ってて偉いわ。私たちも助かってるから」

「ヤバい。クセになりそう・・・」

 

 それからも紗夜さんは俺のことを優しく撫でながら、たくさん褒めてくれた。

撫でられて気持ちよくなり、大量にポテトを食べた満腹感や窓からの日差しの温かさが重なったせいか、しばらくして俺の瞼は重くなった。

 ある程度抵抗はしたがそれも無駄に終わり、俺は紗夜さんの肩を枕にして日々の疲れを癒すように眠った。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「すいません。褒めろって言った挙句、寝落ちなんかしちゃって・・・」

「いえ、可愛い寝顔でしたよ」

「姉さんみたいなこと言わないでくださいよ」

「なんというか、姉として振舞ってみると、男性相手でも愛嬌を感じるものですね。今井さんの気持ちもわかる気がします。」

「勘弁してくれよ・・・」

 

 夕暮れの帰り道を歩きながらそんなくだらない会話を続ける。そしてそんな時間も紗夜さんとなら楽しいと思ってしまう。

 やっぱり俺は紗夜さんに懐いているのだろう。日菜さんが好きになる理由もよくわかる。

 

「では、帰りましょうか。私はこちらですので」

「ですね。じゃあ、また明日」

「はい。後、今日のことは日菜や今井さんには秘密ですよ?」

「わかってますって。後で大変ですからね」

「はい。ではまた」

 

 こうして二人で小さな約束を交わし、俺たちは帰路についたのだった。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 帰ってしばらくすると、日菜さんからチャットが届いた。

 

『バイト中の彩ちゃんからおねーちゃんがレン君をなでなでしてたって報告を受けたんだけど、どうゆうことか説明してくれない?

 怒ってる訳じゃないんだよ?ただ訳を聞きたいの。なでなでなんて最近のあたしですらしてもらったことないのに、なんでレン君はしてもらっちゃったりしてるのか凄く気になるんだ~!

 あ、説明するのは強制ね☆現役アイドルとたっくさんお話できるよ!

 るんって・・・するよね?』

 

「いや、怖っ!」




 「読みにくい」や「良かった」などの感想や意見、また「このキャラを見てみたい」、「このシチュが見てみたい」などのリクエストがあれば受け付けていますので、気軽にお願いします。
 後、「この話が一番好き」などの感想も待ってます。参考にしたいので。
 
 感想、一言でも書いてくれたら嬉しいです。待ってます。


 アンケートの結果を見ると香澄編や蘭編みたいな小話や主人公の掘り下げが読みたいって人も少数ながらちゃんと居てびっくり。
 また別のアンケートも作りました。毎度応えて貰ってありがとうございます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。