そう言えばこの前のアンケートの結果
【全20話、どの話が好き?】
1位 燐子編
2位 こころ編、ましろ編(同率)
3位 有咲編
上位3位、全員巨乳キャラなのは気のせい?
俺は・・・いや、俺たちは今、姉弟でリビングのソファに寝そべっている。ソファ自体はそこまで大きいものでもないので二人で足を向け合いながら上手いことポジションを取っている。
お互い忙しいので中々休みが合う訳でもないが、休みが合ったところで特別なことなんて別にしない。姉弟なんてそんなもんだ。一緒の空間にこそいるが姉さんは最近買ったという恋愛小説に夢中だし、俺も惰性でSNSを漁っているところだ。
「ああぁー・・・」
恋愛小説を読み終えたのか、パタンと本を閉じた姉さんが天井に向かって呟いた。
「恋したいわぁ・・・」
「結局恋しない奴の代表格みたいなセリフ吐くやん」
「いや違うから。したいとは思ってるんだって。マジ出会いが無いだけだもん」
「結局恋しない奴の代表格みたいな言い訳するやん」
「いやホント違うって。だからさ・・・そのー・・・ほらアレだよ。うーんと、まぁ簡単に言うとさ、えーっと・・・すぅー・・・、分かって?」
「無茶言うな」
いくら身内だからってコミュニケーションの取り方が雑過ぎると思う。
「そもそもRoseliaだけでも忙しくなってきたってのに、学業もそつなくこなして、部活にも参加して、その上バイトまでして、今の大変で忙しい姉さんのどこに恋愛にうつつを抜かしてる暇がある?」
「いやいや、大変で忙しいからこそだよ。数多くのハードワークをこなして、家に帰ってお風呂に入って、ベッドの上で大好きな想い人との通話で疲れた自分を癒してもらいたいもんなのよ」
「疲れた自分を癒したいならさっさと寝ろよ。なに疲れた体に鞭打って夜中に通話なんてしてやがんだ」
「えぇー、寝落ち通話とかしたくないの?」
「途中で寝落ちしちまうレベルで疲れてるなら猶更寝ろよ。明らかに癒されてねぇだろうが」
「わーかってないなぁ・・・」
別に心配してる訳じゃないが、弟としてはやはり自分の姉にこれ以上の無理はしてほしくない。特にこの姉は自分よりも他人のことばかりを優先してしまうところがあるから猶更だ。
「そんなに彼氏欲しいのかよ?」
「いや、「彼氏が欲しい」ってのは違うの。さっきも言ったけどアタシは恋したいの。恋人が欲しいというより、恋愛していく中で味わっていく甘酸っぱい気持ちやドキドキする感情を体験したい感じなんだよね。だからアタシの一方的な片思いとかでもいいんだ。」
「人生で一回も無かったのかよ。そういう経験」
「無いね。友達の恋バナとか聞く分には楽しいんだけど、自分の事となるとどうも厳しくて・・・」
少し意外だ。顔も性格も抜群に良い姉さんのことだし、もう少し浮ついた話題はあるものだと思っていたが、結構ピュアだったらしい。
取るに足らない威力でお互いの足をゲシゲシ蹴り合っていると、今度は姉さんから切り出してきた。
「で、かく言うあんたはどうなのさ?好きな子や気になる子の一人でもいないの?」
「いないいない。確かに知り合いはみんな可愛いけど、恋愛的に好きなるかって言われると話は別だ」
「そうなの?みんないい子たちなのに・・・」
「そりゃ違いないけど」
「レンのストライクゾーンが狭いのかな?確か、小柄でツインテールのあざとい子がタイプなんだよね?あことか紹介しようか?」
「紹介なんてされなくてもあことは仲良くやってるよ。この前ゲーセンで遊んだし」
「えっ、そうなの?この小説、今まで20話ぐらい連載してるけどそんな話あったっけ?」
「いい加減メインで登場する度にメタ発言差し込もうとするクセ治せよ。これでも「レン兄」って呼んでくれてたりするんだよ」
「「宇田川あことゲーセンで遊ぶシチュ」・・・あ、やっぱり無いね」
「おい」
そもそも、別に魅力を感じないとかじゃなくて、単純に恋愛対象じゃないだけなんだよな。香澄とか有咲はただの良き友人だし、紗夜さんや彩さんだってただの頼れる先輩だし。
「いやぁ、でもお姉ちゃんは心配なんだよ。その年の男子高校生が浮ついた話の一つもないなんてさ」
「姉さんだってその年の女子高生のくせに浮ついた話無いだろうが」
「浮ついた噂なら立ったことありますー!一時期、友希那にベタベタし過ぎて「湊さんと付き合ってるの?」って言われたことありますー!」
「それ平常運転が周りに誤解されただけだろうが・・・」
いや、でも・・・
「そんなに恋したいなら本当に友希那さんと付き合えばいいじゃねえか」
「いやいやいや無いって。いくらいい子って言ったって相手は女の子だよ?」
「じゃあ告白されたらフるのかよ」
「えっ・・・」
「「今まで黙っていたけれど、ずっと前からリサのことが好きだったの」って言われてフれるか?」
「いやそりゃそう・・・いや、でも友希那だもんなぁ・・・うーーーーーん「考えさせて下さい」!」
「おぉ・・・」
なんだかんだ冗談のつもりで言っているのだろうが、結構お似合いだとは思う。
「でもさ、レンもそういうことに興味持っていいと思うんだよね。部活とバイトばっかりじゃ味気なくない?」
「そんなもん無くても俺の生活は充実してるんだよ。そもそも恋愛なんて絶対にしなきゃいけない訳でもないじゃないか。それとも人間は何かにときめいてなきゃ死ぬのか?少なくとも今の俺には必要じゃない。」
「その結論、もう「悟ってる」じゃ済まないレベルのこと言ってるよ?何?レンは愛情を失った哀しいモンスターなの?」
「誰が哀しいモンスターか!」
「哀しいモンスターでしょ。少なくともアレは思春期男子のセリフじゃない」
「えぇ・・・」
なんで女子ってこう、浮ついた話題を好むのだろうか。
「まぁ、恋愛だけが全てじゃないってのは、アタシも賛成だけどね。それ以外で楽しいことなんていっぱいあるんだし。」
「そうそう。結局俺が言いたいのはそこなんだよ」
「だよね。それに、恋愛は100%良いものって訳でもないもんね。恋愛してからダメになる人だっているし」
姉さんは小説を端へ置いて天井を眺める。
「それこそ、姉さんだって恋愛を必要とはしてないだろ」
「そうなのかなぁ?まぁ、確かに恋愛に興味はあるけど、別に渇望してるって程でもないし、必要かと言われると・・・」
「結局姉さんも哀しいモンスターなんだよ。「恋がしたい」なんてセリフは、裏を返せば自分が恋からほど遠い証拠だ。姉さん、誰かを愛したことなんてないんだろ?」
まぁ、恋にかまける姉さんは見てみたい気もするが。
「でもさぁレン。アタシ、恋愛経験は無いけど愛してる人ならいるよ?」
「えぇっ!?」
「うん。大好きな人」
「待って。本当に誰!?」
「まったく鈍いんだから・・・それっ!」
そう言うと姉さんは起き上がって俺に跨ってきた。
なんか押し倒されたみたいな体勢になっている。顔も妙に近い。
「・・・なんだよ」
「あれ?伝わんなかった?」
「いや、まぁ、なんとなく分かったからさっさと離れてくれ。いちいち言わなくてもいいから」
「愛してるよ」
「い、言わなくていいっつったろうが!」
「もー、ただの家族愛じゃん。なに恥ずかしがってんの?」
ダメだこの女。完全に悪い顔してる。
「最近、ちょっと積極的過ぎじゃないか?」
「そうかな?アタシはレンを愛してるだけだよ?」
「まだ言うか貴様・・・」
「最近仲良くしてくれて嬉しいよ。恥ずかしがってるけど嫌がってないのは分かるし」
「・・・」
恥ずかしくなってることが分かるならやめて欲しいのだが
「レンといると安心するんだぁ」
俺にのしかかり、両手で俺の頭をワシャワシャと撫でながら姉さんは続ける。
「優しいところも照れ屋さんなところも大好きだよ。人として」
「しつこい。逐一言わなくてもいいだろうが」
「アタシは言いたいのー!」
自分の体勢が上にあるのをいいことに、姉さんはハグをしてくる。抵抗はできないが、ここまでされると引っぺがす気にもならない。現に俺だって文句を言いながらもこうされることで安心感を得てしまってる。
・・・姉さんがしばらく離れる気配も無かったので、そのまま抱き返した。
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しばらくして、姉さんが背中を伸ばしながら起き上がった。
「よし、弟とイチャついて元気も出たし、バウムクーヘンでも食べようかな。レンもどう?」
「え、いいの?」
「差し入れで貰ったはいいけど大きくてさぁ。むしろ手伝ってくれると助かるんだけど」
「やった。超欲しい」
「じゃ、お皿の用意お願い☆」
食器を出そうとした時、ふと思った。
自分の愛情を素直に伝えてくれて、差し入れのバウムクーヘンまで分けてくれて、なんなら料理も美味くて、おまけに顔が良い姉。
女子としてはかなり出来る人間だと思う。それこそ、周りの美少女たちの魅力が霞むほどに。もしかしたら俺は既に感覚を麻痺させていて、恋愛対象に姉さん以上のものを求めてしまっているのではないだろうか。
じゃあ、俺が恋愛対象として誰も好きにならないのって・・・
「原因、姉さんなのでは・・・?」
「あれ、何か言った?」
「あぁいや、何も?」
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