ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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※今回はアプリで設定に関わってくるイベントが始まったのでこの話をねじ込みました。ガルパの中で今やってるイベントスト―リーを見てない方は、一旦イベストを見ることを勧めます。

 ましろちゃんとりんりんのリクエストくださった方、申し訳ないですがもうしばしお待ちを。

 あと、だいぶ前の話にはなるのですが、いつぞやのアンケートでどんな話が見たいかって集計を取った時に「R18の話が見たい」が1位になってしまってたのですが、実は1か月以上前にさくっと投稿してたりします。
 駄文だし恥ずかしかったので言ってませんでしたが、報告無しってのも不誠実な気がしたのでここに書いときます。


25.二葉つくしに取材するシチュ

 俺は今、つくしとカフェテリアで向かい合っている。いるのだが、優雅に楽しくお茶を楽しんでいるかと言われるとそうではない。

 届いたコーヒーに口すら付けずに俺は正面の相手を見据える。

 

「二葉つくし、俺は今怒っている」

「はい。たまたま遭遇して「話がある」って言われた時点でそんな感じはしてたんですけど・・・どうしてですか?」

 

 はぁ・・・。

 

「しらばっくれても無駄だぞ。モカのやつからネタは上がってるんだ。まさかあんな特ダネを黙っていたとはなぁ・・・」

「待ってください。本当に身に覚えがない・・・え?モカ先輩から?」

 

 そう、モカからチャットで飛んできた羽沢珈琲店の新スイーツの情報と共にリークされた情報。

 

「もしかして、羽沢珈琲店でバイトし始めたことですか?いや、そんなことは別に大したことじゃないし、どうだっていいよね?うーん・・・」

「いやいやお前さぁ」

 

 そんな極上の情報(ネタ)をよぉ・・・

 

「どうしてこの俺に黙っていやがったんだお前ぇ!明らかに大したことある情報だろうが!」

「えっ!?これのことだったんですか?大したことないでしょ。近所の喫茶店にバイトが増えただけじゃないですか!」

「その近所の喫茶店が羽沢珈琲店だから言ってるんだよ。いち早く記事にしなきゃいけない非常事態じゃねえか」

「なんでただの女子高生がバイト始めただけで記事に・・・」

「そのただの女子高生がお前だからだ」

「えぇ・・・」

 

 寧ろ近所の喫茶店でこんなに可愛い新入り店員が入ってきて話題にならない方がおかしいだろう。何を思って「大したことない」などと(のたま)っているのか。

 

「まぁ茶番はここまで・・・いや、俺の感情的にはそこまで茶番でもないが、そろそろ本題に入ろう」

「本題・・・?」

「端的に言うと、今ここで取材したい。バイトしてみてどんな感じか・・・とか」

「取材かぁ。個人的には受けたいですけど、流石に私一人で勝手に決める訳にはいかないし・・・」

 

 

 すっ(つぐみとのチャット画面)

 

『つくしちゃんへの取材?あぁ、本人が良いなら大丈夫だよ!お店の宣伝にもなるし、つくしちゃんの自信にも繋がると思うから。

 なんならお店まで取材に来て欲しいぐらいだよ。スイーツの紹介もできるし、制服着て働いてるつくしちゃんの画とか、あった方がいいでしょ?お父さんの撮影許可も下りてるし』

 

 

「レンさん。用意周到すぎません?つぐみ先輩も完全に準備してるし・・・」

「交渉で外堀を埋めるのは基本だ。それで・・・どうだろう?」

「・・・・・わかりました」

「よっしゃああ!!!」

 

 ガッツポーズを取りながら、俺はメモ帳とボールペンを取り出す。

 

「取材って言っても、何するんですか?」

「今日は色々聞くだけだよ。撮影とかは別の日に羽沢珈琲店でやる予定。取り敢えず、バイトすることになった経緯から教えて欲しいんだけど」

「きっかけはつぐみ先輩からスカウトされたからです。イヴ先輩がシフト減らさなきゃいけないからって」

「あー、そう言えば人手が足りないとか言ってた気がするな・・・。それでそのまま採用?」

「はい。私もバイト始めたかったし、ピッタリだと思って」

「でも、飲食のバイトって大変だろ。キツくなかったのか?」

「正直、最初は出来ないことが多くて大変でした。いや、出来ないことが多いのは今もなんですけど、最初は特に酷くて、イヴ先輩からいっぱいダメ出しされました」

「あのイヴが人にダメ出しか。なんか想像つかないな」

「ダメ出しって言っても優しい指摘でしたし、その後つきっきりでトレイの持ち方の特訓までつけてくれて・・・」

「へぇ、特訓はイヴから言い出したのか?」

「いえ、特訓は私から言い出したんです。お客さんを不安にさせたくなかったので」

「・・・偉いな」

「あ、ありがとうございます」

 

 俺もCiRCLEでバイトを始めた頃は失敗を繰り返したものだが、改善するにあたってここまでの向上心は持ち合わせていなかった。根が真面目で頑張り屋なつくしの性格がよく出たエピソードだと思う。なんだろう。自分のダメさ加減が恥ずかしくなってくる。

 ・・・偉いな。

 

「個人的には、少し心配なところもあるけどな」

「心配・・・ですか?」

「つぐみもそうだけど、頑張り屋なお前はどこかで頑張り過ぎてしまう気がしてな」

「・・・実は、似たような話題でつぐみ先輩とお話してたりするんです」

「つぐみと?」

「はい。レンさんの想像通り、自分の限界も考えないで、完璧にやろうとして、出来ないことまで無理してやろうとしちゃったりして・・・失敗して・・・すぐに落ち込んで・・・」

「・・・」

「でもそんな時、つぐみ先輩が言ってくれたんです。「少しずつでいいんだよ」って。それからは焦らずに、出来ることを一つずつ増やしていこうって思えるようになったんです。今はモヤモヤも晴れて、仕事にもやりがいが出てきて・・・」

 

 それからもつくしはアルバイトの経験談を活き活きと語ってくれた。まるで自分が取材されていることを忘れたかのように、つくしは純粋な瞳で自身のアルバイトの魅力を話し続けた。

 そして取材の最後、俺は分かり切ったことを、敢えて聞いてみることにした。

 

「なぁつくし、仕事は・・・楽しいか?」

 

 答えは決まりきっていた。そして・・・

 

「はい!とっても!!」

 

 その決まりきった答えを、彼女は今日一番の笑顔で応えた。

 

 

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「取材、あんな感じでよかったんですか?」

「あぁ。後は羽沢珈琲店でつぐみとイヴ、あとお客さんからもつくしの話が聞けるといいな。新スイーツの話も含めて」

「その時、バイトの制服姿の写真も撮られるんですよね?やっぱり緊張するな・・・」

「俺は楽しみだけどな」

「もう、なんかレンさんだけ得してませんか?」

 

 つくしのバイト制服、絶対似合ってると思う。

 

「でも、俺だけが得してるのは確かな気がする。取材協力してくれたし、ここのお代、俺が持とうか?」

「いいんですか!?私、ただ聞かれたことに答えてただけですけど・・・」

「それで助かってるのは事実だからな。あっ、でもあんまり高いやつは頼むなよ?俺だって今月は厳しいんだ」

「じゃあ、このデラックスパンケーキってやつにしますね☆」

「おい待て。その法外な量と値段はなんだ?明らかに限度を超えてるだろ」

「だって学業とバンドにバイトまで両立してるから、体力の使い過ぎですぐにお腹が空いちゃうんです」

「量の心配もそうだけど俺が言ってんのは値段の話だ」

「でも、レンさんが奢ってくれるって言いましたよね?」

「高いものは頼むなとも言った筈だ」

 

 両者、睨み合い。

 

「私バイト始めたばかりだから、まとまった給料とか無いんですよねぇ・・・」

「俺も今月は厳しいと言った筈だが?」

 

 両者、膠着。

 

「レンさん・・・」(あざとい猫なで声)

「ダメだ。というか無理だ。俺だって出来ることなら年下の女子にパンケーキを奢る甲斐性ぐらい見せたいさ。でも本当に厳しいんだ」

「せんぱい・・・」(上目遣い)

「くっ・・・」

 

 つくし、優勢。

 

「・・・」

「・・・」

 

 両者、再度膠着。

 

「・・・お兄ちゃん♡」

「好きなだけ頼みなさい」

「やったぁ!」

 

 今井レン、陥落。

 

「お兄ちゃんありがとっ♡」

「卑怯だぞ・・・!」

 

 今回の取材で得たもの多かったが、同時に失った金額も相当なものとなった。

 しかし、満足そうな顔でパンケーキを頬張る姿を見ると、失った金額も、寒くなった財布の中身も気にならなく・・・いや、やっぱり腹立つな。

 うん。可愛いけど腹立つ。

 

 

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 あの後、つくしは届いたパンケーキを無事に完食し、俺たちはそのまま帰路についていた。

 

「ヤバい。もう財布の中に小銭しかない・・・」

「あの、やっぱりお金返しましょうか?ちょっと調子乗っちゃったし」

「いや、別にいいよ。取材のお礼だし、可愛い妹にご馳走するのは兄の役目だ」

「いもっ・・・」

「「お兄ちゃん」、なんだろ?」

「ううぅ。今思い出すと恥ずかしい・・・」

「へぇ?」

 

 照れ顔で目を逸らすつくしが可愛かったので、俺は頭を撫でる。

 

「ふえ?あの、レンs」

「んー?」

「・・・お兄ちゃん?」

「ごめん。なんかこうしたくなった。嫌だった?」

「むぅ、すぐ子ども扱いして」

「じゃあ、やめるか?」

「そうは言ってないでしょ。お兄ちゃんの意地悪!」

 

 正直嫌がられるかどうかは不安だったが、つくしから敬語が抜けて妹口調になっているなら大丈夫そうだ。

 道の端により、歩くのをやめて「妹」に向き合う。

 

「お兄ちゃんから撫でられるの、好き」

「俺もつくしを撫でてると幸せだったりする」

「なんか、こうされると安らいじゃうんだ。」

「つくしは普段から頑張ってるし、たまにはいいだろ」

「頑張ってる・・・のかな?」

「そりゃあもう」

「じゃあ、もっと撫でて?」

「急に甘えてきたな」

「だって頑張ってるんだもんっ。お兄ちゃんはもっと褒めてくれてもいいと思うけど」

「そうだな。よしよし」

「えへへ・・・」

 

 夕暮れの帰り道、俺はつくしを撫でて、いっぱい褒めた。そして撫で終わってから分かれ道に差し掛かるまでの間にも、俺は「お兄ちゃん」と呼ばれ続けるのだった。

 

 

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 後日、羽沢珈琲店での取材は滞りなく進んだ。つぐみやイヴからつくしの働きっぷりを聞き出し、バイト初日のつくしの様子を千聖さんから教えてもらうこともできた。つくしの制服姿も様になっており、いい画が撮れた。

 強いて問題を挙げるとするなら・・・

 

「おにい・・・じゃなかった。レンさん、こちら新スイーツのパン・デ・ローになります」

 

 若干俺の呼び方が危なかったことぐらいだろうか。

 

 

 しかし、イヴやつぐみに仕事を学び、お客さんから優しく見守られ、出来ることを増やすべく、積極的にアルバイトへ打ち込んでいくその姿は、年下ながらも尊敬できる姿であり、小柄な少女ながらもカッコいいと思えた。




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