ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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 今回はリクエストのリサ姉です。ボリュームは少なめ。

 そして前回のアンケート、読みやすいか読みにくいかですが、なんと読みやすいが100%でした。他作品の漫画、ゲームのネタやセリフをおふざけでぶち込むこともあるので、読みにくく感じてる人もいるかと思ったのですが、40話近く読み続けて下さってる読者様に今更聞くことでもなかったようですね。


41.今井リサと休日を過ごすシチュ

 新聞部のデスクワークは部室以外で進められることもある。作業量が多すぎて部室で片づけられなかった時や、休日に顧問の教師がいない時は自室で進めることになる。

 今日も休日の昼から外にも出ずに、自室でPCと睨み合っている。

 

「今日中には片付けたいよな・・・」

 

 そんなことを呟いていると、部屋の外から足音が聞こえてくる。

 たぶん姉さんだろう。そのまま姉さんの部屋に向かうならスルーだが、たまに面倒事を持ってきたりすることもあるので油断は出来ない。「一緒にお出かけしよ♡」なんて言われて付き合ったりしたら間違いなく荷物持ちだ。いや、荷物持ちだけならまだいいが、あの女は買い物の道中で隙あらば手を繋いでくる。人前ではやめろと何度も言っているのに。

 

「よし。とにかくこの部屋の扉を開けてこようものなら間髪入れずに無視とスルーと拒絶を―」

 

 バタンッ

 

「レン~。さっき調子乗ってチャーハン作り過ぎちゃったんだけどさ~、食べる?」

「えっ、マジ!?ぜってー食べる!」

 

 ・・・休日昼過ぎの男子高校生にチャーハンの誘惑は卑怯だと思う。

 

 

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 リビングに置かれたチャーハンは時間が経って少し冷めてはいた。だが、

 

「美味いんだよなぁ・・・」

 

 姉さんが作るチャーハンなんて、そもそも美味いに決まってるのだが、やはり実際に食べてみるとより美味しさが押し寄せてくる。

 分かりにくいとは思うが、「あ、俺、チャーハン食ってるわ」ってなる。

 

「・・・で、チャーハンは美味しいのは結構なことだけど、姉さんは食べないのか?」

「え?だってアタシもう食べたもん。」

「・・・そうか」

「心配しなくてもチャーハンのおかわりはレンのものだよ?」

「・・・おう」

「?」

 

 チャーハンは美味しい。おかわりも嬉しい。でも俺は少しモヤモヤしていた。違和感と言うか、なんだかスッキリしないような・・・。

 しかし、そんな俺など目もくれず、姉さんはソファで恋愛小説を読みふけっている。

 

「おかわり貰お」

 

 ・・・もしかして俺、姉さんと一緒に食べられなかったのが嫌だったのだろうか?

 

 

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 チャーハンを完食し、洗い物も済ませ、リビングに戻っても姉さんは相変わらずソファで読書に耽っている。さっきまで背もたれに三角座りをしていた姉さんも、今はうつ伏せでソファの大部分を占領している。

 ・・・そう言えば、こうして姉さんと休日を家で過ごすのも久しぶりな気がする。今までもお互い忙しい身ではあったが、最近Roseliaがもっと忙しくなるにしたがい、同じ時間を過ごす機会は更に減っていた。

 今までの俺ならこのまま姉さんをスルーして部屋に戻っていたが、この機を逃すと次にいつ姉さんと過ごせるかは分からない。最近も何かと姉さんには素っ気ない態度を取っていたし。

 なんか、寂しくなって甘えるみたいで嫌ではあるが・・・

 

「(まぁ、たまにはいっか)」

 

 小さい頃はどうやって姉さんと接していたか。そんなことを考えながら、俺は姉さんに近づき、

 

「何読んでんの?」

 

 うつ伏せの姉さんに重なるように、そのまま背中に乗っかった。

 

「重たっ!」

「無視かよ。何読んでるかって聞いてるだろ」

「いや「無視かよ」はこっちのセリフだって!重いって言ったじゃん!」

「そうか?別に太ってる方ではないと思うんだけど」

「太ってなくてもJKに男子の体重は重いんだよ!ほーら離れた離れた!」

 

 ・・・怒られた。今回はさっさと部屋に戻ろう。やっぱ慣れないことはするもんじゃない。小さい頃はよくやってたんだが。

 そう思って離脱しようとすると、姉さんが服の裾を掴んできた。

 

「どこ行くの?」

「いや、離れろって言うから・・・姉さんも嫌がってたし」

「乗っかられるのはイヤじゃないよ。重いのがイヤなだけ。まったく、全体重乗っけてくるバカがどこにいる・・・」

「・・・ごめん」

「ほんっと不器用なんだから。ほら、腰回りは体重乗っけて大丈夫だから。後はいい感じに分散させて」

「わかった」

 

 あまり負担を掛けないように少しずつ体重を乗せ、姉さんの温もりを感じ取れるようになって、ようやく落ち着いた。

 

「それで何読んでるか、だっけ?例の如く恋愛小説だよ。思ってたのとは違ったけど」

「違ったの?」

「いやぁ、『ちょっと大人な恋愛小説』みたいな売り文句で本屋に置いてあってさ・・・たまにはこんなのもいいかなーって思って買ったらさ、なんて言うか、ちょっとどころじゃないぐらいオトナな感じでさ」

「オトナな感じね・・・」

「この際だからハッキリ言ってやるよ。今がっつり濡れ場読んでる」

「最初に何読んでるか聞いた俺がいうのもアレだけどさ。あんた家族の前でなんてもん読んでんだよ」

「仕方ないじゃん。思ってた感じじゃなかったのはアタシなんだから」

「まぁ、本の内容が思ってたのと違うのはよくある話だけどさ」

「ホントだよ。ヒロインの喘ぎ声に鉤括弧つけんなよな・・・」

 

 とは言いつつもページをめくる手は止まらない。想定外の要素はあれど、内容自体は気に入っているようだ。

 

「レンってさ」

「んー?」

「甘えるの下手になった?」

「・・・どうだかな?」

 

 これでも年上からは可愛がられる方ではあるが、手放しで上手いコト甘えられるかと言われると、微妙な気はする。少なくとも昔のような絡み方はもうできない。

 

「下手になったかどうかは分からないけど、好みの問題ではあるかな」

「好み?」

「俺は誰かに甘えるよりも、甘えられたり、頼ってもらえたりする方が好きなんだよ。小さいときは姉さんしかいなかったけど、最近は年下の連中から慕われるようにはなったからさ」

「なるほど、アタシの背中にくっついて回るだけだったレンも、頼れるお兄さんになった訳だね。流石アタシの弟だ」

「姉さん程じゃないよ」

「別にレンはそれでいいって。年上に可愛がられて、年下に慕われて、同期からも話しやすい存在でいられる人間性は貴重だよ。・・・こうして整理するとレンって上手いこと生活してるよね。付き合いの良さはアタシ譲りか?」

「かもな」

「アタシに対してはツンデレなくせに」

「ツンデレじゃない」

「ツンデレでしょ。普段は絡んでも素っ気ないくせに、放置したら背中乗って甘えてきて・・・猫かお前は」

「うるせぇ」

 

 人にもよるとは思うが、ある程度成長すると身内に甘えるのが一番難しいのだ。

 

「よし、弟。ちょっとだけ離れて。ちょっとでいいから」

 

 小説を閉じて端に追いやった姉さんの言う通りに体を離すと、姉さんは仰向けでこちらに向き直った。

 

「よし、もういいよ」

「いや、もういいって・・・」

「言わなきゃわかんない?」

 

 姉さんは両腕を広げる。

 

「ハグ、しよ♡」

 

 ・・・ちょっと可愛いと思ってしまえるのが悔しい。でも今更、この人に甘えないなんて選択は取れない。

 

「ん・・・」

 

 さっきよりも温かい姉さんの体温が伝わってくる。姉さんの乳房に顔を乗せ、女の子特有のいい匂いを感じた頃には、姉さんの腕は俺の背中に回され、片手が頭に乗せられた。

 

「いい子いい子」

「んん・・・」

 

 姉さんに全てを受け止められ、何もできずにただ頭を撫でられる。

 

「姉さん、やめてくれ。眠くなる」

「ご飯食べたばっかりだもんね。じゃあ、このまま姉さんとお昼寝しよっか」

「子供扱いするな・・・」

「ヤダ。だって可愛いんだもん」

「いじわる・・・」

「そんなに寝たくない?」

「もっと話とかしたいんだよ。今日ぐらい姉さんと・・・」

「お、眠くなって素直になった。最近は2人でゆっくりすることもなかったもんね。もしかして寂しかった?」

「ちょっとしか寂しくなかったし・・・」

「そうかそうか。ちょっとは寂しかったのか」

「だから、もう撫でるな・・・」

「ダーメ☆もうレンはアタシの可愛い抱き枕になるしかないの」

「むぅ・・・」

「はい。お休み」

「・・・・・・・・・」

 

 姉さんの優しさに包まれ、頭を撫でられた俺は、陽だまりのような微睡みに沈むことしかできなかった。

 

「・・・可愛い弟だな。まったく」

 

 ・・・

 

「・・・」

 

 ・・・

 

 

「・・・やっぱ、ちょっと重たいなぁ」

 




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