ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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 今回はリクエスト回、CiRCLEのバイトの様子です。

 今回は1話の中に短い話をいくつか入れる感じの形式にしてみました。

 また、思うことがあれば感想欄まで。では、本編どうぞ。




47.月島まりなやCiRCLEの日常なシチュ

【受け付けの雑談タイム】

 

 CiRCLEの受け付けは暇なことも多い。ライブやイベントの予定がしばらく空いていると客の入りも穏やかになる。

 こういう時はお客さんを待ち、店内のBGMを聞きながらまりなさんと雑談をすることになる。

 ついでに今日流れてるのはRASの曲。

 今は『JUST THE WAY I AM』の冒頭に流れてるチュチュのバチボコにカッコいいラップパートを聴いている。

 

『アーダ コーダ ウルセー! さぁ道を開けろ! 有象無象へとknock knock!』

 

「・・・ふーむ」

「?」

 

 少し引っ掛かった部分はあるが俺は再び曲を聴きなおす。今もチュチュのラップパートに入ったところ

 

『マア登場人物Aサン アリガトサン 早速デスガ ゴ退場願イマセウ!』

 

 チュチュのラップパートはやはりカッコいい。俺の厨二な部分を的確に突いてくる。中高生男子でコレが刺さらないヤツはいないだろう。

 だが、やっぱり引っ掛かる部分がある。それは・・・。

 

「中2女子とは思えねぇ口の悪さだな・・・」

「いや、そこツッコんじゃダメでしょ。実際そういう世界観でカッコよくやってるんだし」

「いや、確かにそうですよ?別にケチつけようって訳じゃないんです。俺も大好きですし。ただ、心配になっちゃって・・・」

「心配?」

「だって歌い出しが『あーだこーだうるせぇ』ですよ?」

「うん」

「・・・ストレス溜め込んでるんじゃなかなって」

「考えすぎだよ」

「音楽ばっかりで学校生活うまくいってないんじゃないかなって」

「考えすぎだって」

「周りの人間が敵にしか見えなかった中学時代の俺みたいに」

「なってないから」

「やっぱり心配です!今から『CiRCLEはいつでもお前の味方だ』ってチャットしてきます!」

「やめなって!絶対チュチュちゃん困るって!」

 

【今井レンのヒミツ】

 音楽を演奏する才能も聴く才能も無かった分、歌詞をよく読み取り、歌詞を考察することによって楽曲の理解をしようとする癖を高1の頃につけている。

 ※考察が合ってるかどうかは別問題。

 

 

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【CiRCLEの昼休憩】

 

「あ、レン君。もう昼休憩だよね?お昼って持ってきてたりする?」

「いや、今日はその辺で買うつもりです」

「じゃあ丁度良かった。昨日、別のライブハウスから差し入れで箱一杯のカップ麺いただいちゃってさ・・・よかったらどう?」

「いいんすか?やった」

 

 思わぬ形で昼食代が浮いたことに喜びつつ、俺は段ボールの中をガサゴソしているまりなさんに向き直る。

 

「そういえばこれ、カップ麵にしてはちょっと珍しい味なんだよね」

「珍しい?どんな味なんです?」

「どんな味だと思う?」

「『カップ麺にしては珍しい』しか情報無いんじゃ分かんないですよ。ヒントとか無いんですか?」

「ヒントか。うーん『生まれ変わるほど強くなれる』?」

「『辛味噌』?」

「はい正解。これ、レン君の分ね」

「なるほど。確かにカップ麺にしては珍しいですね。辛味噌なんて」

「いやー、うちのスタッフってバンドで歌う子も多いから、辛いものはどうしてもレン君にしか回せなくて・・・」

「歌うことと、辛いものって・・・別に関係なくないですか?」

「そうでもないよ。ボーカルの子にとって刺激物は喉へのダメージに繋がるし、ケアするのも大変になっちゃうから」

「ほへー」

「ちなみにボーカルから重宝されるのはのど飴とかはちみつだね。最近聞いた話だと、はちみつは運動にもいいらしいよ」

「いやいや。はちみつと運動なんて、それこそ関係ないでしょ」

「えー。でもこの間すれ違った女の子は歌ってたんだよ?『はちみーを舐めると足が速くなる』って」

「えっ、待って!?この近所、テイオー来てます!?」

 

【今井レンのヒミツ】

 バイトの昼休憩はまりなさんから音楽関係の知識を聞くことが多い。それ以外の雑談もする。

 

 

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【宇田川あこが提案するシチュ】

 

「なぁ、まりなさん。1つ聞いてもいいか?」

「何?」

「前に働いてたスタッフさんが過労で倒れたの、いつでしたっけ?」

「2年前だね」

「まりなさんがバイトの報酬でプチブーストドリンクを渡すようになったの、いつでしたっけ?」

「・・・2年前だね」

「じゃあ、最後に1つ」

「・・・」

「俺とあんた以外のスタッフ、どこ行った!?」

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ・・・!」

 

 ・・・・・・

 

 ・・・

 

「っていう感じのドラマでレン兄とまりなさんが宣伝したら、絶対CiRCLEもお客さん増えるよ!」

「「却下」」

「え~~っ!!」

 

 

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【チュチュが提案するシチュ】

 

「君、ウチのシマで随分と好き勝手やってくれたみたいだねぇ」

「まさかバレてないとでも思ったのか?」

 

 俺は今、まりなさんと共にCiRCLEの敷地内で不逞を働いていた男を締め上げ、倉庫に追い詰めているところだ。

 命乞いのつもりか、奴は「ごめんなさい」などと言っているが。

 

「『謝れば何だってOK』とでも?」

「『だったらポリスメンはいりませ~ん』よねぇ!?」

 

 聞く耳などは持たない。そして俺たちは2人で銃口を向けて告げる。

 

「『Please,choose!(選びなよ)』」

「『HELL! or HELL?(地獄と地獄の2つから)』ってなぁ!!」

 

 ・・・・・・

 

 ・・・

 

「っていう感じのドラマを流した後にワタシ達の曲をフェードインさせればCiRCLEだってもっと盛り上がるわ!」

「「却下」」

「なんでよ!!」

 

 

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【受け付けのお客さんの話】

 

 CiRCLEのお客さんは基本的に良い人達が多いが、愛想の良い人達ばかりかと言われるとそうでもない。スタッフを下に見てる態度のお客さんもぼちぼちいる。

 そしてそんなお客さんにも優しく対応するのが大人のまりなさんだが、たまにはバイトのスタッフに愚痴をこぼす時だってある。

 

「ほんっと頭きちゃう!最近の子っていつもそうだよね!スタッフのことなんだと思ってるの?」

「一部の連中だけですよ。そりゃあライブ終わってもスタッフに挨拶せずにさっさと帰っちゃうバンドとかもいますけど・・・」

「あー!いるいる!あんまり言いたくないけど何様なのって感じだよね!誰が場所用意してライト当ててると思ってるんだか・・・!」

「まりなさん絶好調だなぁ・・・」

「じゃあもうこの際だから聞いてよ。この間、困ってる様子の子がいたから「何か困りごと?」って声かけたの。善意だよ?それなのにさぁ!」

 

『チッ・・・』

 

「舌打ちされたんだよ!?酷くない!?」

「あー、めっちゃ分かります。後ろ姿は普通なのに話しかけたらすごい不機嫌そうな顔してるっていうか・・・。何か嫌なことでもあったんですかね?」

「だからって私たちに当たらないで欲しいよね。何があったのかは知らないけどさ・・・。」

「初っ端から敵意剥き出しだと話だって聞いてやれないですもんね・・・」

「スタッフに人権って無いのかな?私たち、人として扱われてる?ちゃんと必要とされてる?」

「「はぁ・・・」」

 

 愚痴大会も悪くはないが、やっぱり嫌なお客さんを思い出すのは心が重くなる。

 

「なんか、やる気上がらなくなっちゃいましたね」

「そうだねぇ。この状態で接客なんて・・・」

 

 と言いかけた辺りで扉が開く音がした。開いた者は―

 

「レーーン!まりなーー!」

 

 弦巻こころ。

 

「あれ、こころちゃん?予約の時間、まだ先じゃない?」

「そうだけど、楽しみだったから待ちきれなかったの!」

「だからって早く来ても仕方ないだろ」

「そんなこと無いわ。練習のためだけに来たわけじゃないもの」

「じゃあ、何のために?」

「それはもちろん―」

 

 

「レンとまりなに会いたかったんだもの!」(パアアァァァ!!!)

「「(ズキュン・・・ッ!!!)」」

 

 さっきまでのモチベーションの低下は、もうどこにもなかった。

 なんだこの気持ちは・・・尊み?

 

「こころちゃん、いつまでもその笑顔を忘れないでね?」

「ヤバい。さっきまでの愚痴大会、全部どうでもよくなった・・・」

「2人とも、いきなり顔を隠してどうしたのかしら?2人とも?」

 

【CiRCLEのヒミツ】

 弦巻こころの笑顔は勤務中の癒しの1つ。マイナス思考の駆逐に効果的。

 

 

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【受け付けのお客さんの話2】

 

 CiRCLEで受け付けをやっているとガールズバンドのお客さんから話しかけられたりすることも多い。

 今回は自主練終わりの友希那さんが話しかけてくれている。別にそれはいい。俺にとっては大事な幼馴染だし、優しいお姉さんなのだが。

 

「あなた、また成績が怪しくなってるって紗夜から聞いたわよ。授業はちゃんと付いていけてるの?」

「絶対バイト中に仕掛けてくる話題じゃないだろソレ・・・」

 

 たまに母親みたいなことを言ってくるのだ。確かに成績が振るわないのは事実だが・・・。

 

「別にいいだろ。赤点だって回避してるし、仮に赤点でも誰にも迷惑なんて掛からないんだし・・・」

「あのねぇ。「回避」って言い方になってる時点で心配なのよ。紗夜だっていつまでもあなたを見れる訳じゃないの。寧ろRoseliaが忙しくなればあなたに割ける時間だって減るんだから・・・」

「友希那さんだって勉強苦手なくせに・・・」

「今はあなたの話をしているの。話を逸らさないで」

 

 確かに紗夜さんの名前を出されると弱い。あの人は責任感が強いから、自分が見なくなってから成績が下がったことを知れば、その原因の何割かを自分のせいだと思うかもしれない。

 俺だっていつまでも他人に頼る訳にはいかないと思ってる。

 

「レン。大体、あなたはいつも・・・―」

 

 そうだ。頼らずとも大丈夫なようにしなきゃいけないのは俺が一番分かっている。わざわざ友希那さんに言われるまでもないのだ。それなのにいつまでも・・・。

 

「ちょっとレン、聞いてるの?」

 

 子ども扱いして長々と説教なんて。それもバイト中に。幼馴染だからって干渉にも限度があるだろう。

 俺は怒りに任せて受け付けの卓を叩きつける。

 もう、我慢の限界だ・・・!

 

 バンッ!!

 

「うるせぇな!『ゆきちゃん』には関係無いだろ!!」

 

 ・・・

 

「へっ・・・!?」(いきなり昔の呼び方されて恥ずかしい)

「あっ・・・!!」(恥ずかしい呼び方して恥ずかしい)

 

 ・・・

 

「きょ、今日はこの辺にしておいてあげるわ」

「うっせぇ。二度と来んじゃねぇぞ」

 

【幼馴染あるある】

 油断すると昔の呼び方で呼んじゃう。

 

 

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【CiRCLEの休憩中】

 

「レン君ってさ。彼女とかいるの?」

「バイト先の上司っていつもそれ聞きますよね。バイトのことなんだと思ってるんです?あるあるなんですか?」

「いやいや、やっぱ大人としては学生特有の甘酸っぱい話とか聞きたいじゃん。たまにはさ」

「えぇー・・・」

「で、いるの?」

「いないですよ」

「じゃあ、好きな子とかは?」

「同じくいないですよ。そもそも恋愛に身を沈める予定もないですし」

「ふぅん・・・」

 

 まりなさんは水筒の中身を減らしながら見つめてくる。

 

「身を沈める予定が無くても、気付いた頃には沈んでる。それが恋愛の沼ってもんだよ」

「なに大人みたいなこと言ってるんですか」

「大人だよ。良くも悪くも、ね・・・?」

 

 ダメだ。まりなさんが大人のオンナみたいになってる。

 

「そもそもさ。好きになろうと思って好きになる訳じゃないじゃん?恋って、いつの間にか好きになって、それを自覚してからが始まりな訳だし」

「・・・はぁ」

「好きじゃないにしても、気になる子はいる?」

「気になる・・・ですか」

「レン君のタイプに一番近い子は?確か、年下が好きなんだっけ?」

 

 確かに、姉がいることも関係し、俺のタイプは年下の女子だ。甘えるよりも甘えられたい、頼れる人よりも、俺を頼って必要としてくれる人の方がいいし、「綺麗なお姉さん」よりは「可愛い女の子」の方がそれに近いかもしれない。

 小柄でツインテールが似合う、ちょっとあざとい子なんかがストライクゾーンだ。

 

「強いて言うなら、つくし?」

「あぁ、確かに。最近懐いてるもんね」

「いや、でもこれといって特別に意識とかしてないですよ?あそこまでいくと妹みたいなもんですし・・・」

「ふぅん?どうだか」

 

 なんだろう。今日のまりなさん、ちょっと面倒くさいかもしれない。

 

「別にタイプに近いからって好きになるとは限らないでしょ」

「でも、妹みたいに思っちゃう程度には可愛いとは思ってるんでしょ?」

「そりゃあ、つくしは可愛いですし・・・」

 

 寧ろ、あんな小動物みたいなやつが可愛くない方がおかしいだろう。

 

「いいこと教えてあげる。好きって気持ちに気付くのって、必ず後になってからなんだよ?」

「?はぁ・・・」

「そして、それがどれだけ後になるかは誰も予測できない」

「・・・?」

「会えなくなって、連絡取れなくなってからやっと気付くことだってあるんだよ。「あ、私って実はあの人のこと好きだったんだ・・・」ってね」

「・・・」

「付き合って、別れてから気付く人だっていたな。「私って、こんなにもあの人を愛していたんだ」って。不思議だよね。自分から手放したのに。手放してからやっと気付くんだよ?

 ・・・なんで人間ってこうなんだろう。大切なものはいっぱいあるくせに、その大切さに気付くのは、いつも取り返しがつかなくなった後。近くにそれがある時に、その有難みには絶対に気付けない。・・・後悔ばっかりだよ」

「まりなさん・・・」

「後悔しないで済む人間なんていない。誰もがみんな、大なり小なり人生の後悔ってやつを、無理やり引きずりながら生きてる」

「・・・」

「それでも、私は敢えて君にこう言わせてもらう」

 

 

「後悔、しないようにね」

 

 

 面倒に感じていたはずのまりなさんの話を、俺は真剣に聞いてしまった。

 

「まりなさん、俺―」

「さっ、そろそろ休憩は終わりだね。仕事仕事!」

「えっ、まりなさん!?」

「休み過ぎてもダメだからね。余計にサボらず、地味なことでも少しずつ。小さな仕事の積み重ねが、明日への一歩を切り開くのです。なんちゃって!」

「待ってくださいよ!話のキリ悪すぎじゃないですか!?ちょっと!?」

 

【CiRCLEのヒミツ】

 まりなさんの過去についてはよく分かってない部分が多い。

 レンはそんなまりなさんに取材を決行した時、まりなさんの年齢を質問して締め上げられたことがある。

 




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