ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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 皆さん、どうして見に来てしまったんですか?

 今日はバレンタインですよ?想い人からチョコを受け取る日ですよ?
 なんで二次創作サイトで私のページ開いてるんですか?暇なんですか?

 えっ、そう言う私はどうなのかって?
 当然、私は暇ですよ。渡す用事も渡される用事も皆無です。
 おのれヴァレンティヌス。死んだらええのに…。
 
 いや、もう既にくたばってんのか。じゃあ、本編どうぞ。今回は短編です。




61.今井レンのバレンタインデーなシチュ

【今井家 朝】

 

「ほれっ」

「うおっ」

 

 バレンタインデーの朝は、世話焼きギャルからの投擲に始まる。

 

「毎年毎年・・・わざわざ気遣わなくていいのに」

「言うべきことはそうじゃなくない?」

「嘘だよ。ありがたく頂くから。さんきゅ☆」

「友希那が作った分も入ってるから、後でちゃんとお礼言うんだぞ?」

「わかった。じゃあ早速いただき―」

「あっ、コラ!ちゃんと朝ごはん食べてからにしなさい!」

「何だよ。堅いこと言うなよ今日ぐらい・・・」

「ダーメ。食い意地張らないの」

「えぇぇ~・・・」

「『え~』じゃないよ。ちゃんと味とか楽しみにしてて欲しいの」

「そうは言っても、いつも失敗作の処理とか味見で食べたりしてるんだぞ?。姉さんのクッキーは」

「何だァ?貰ってる身分のくせに文句かぁ?」

「違う。美味しいって分かってるのにお預けだから嫌なんだよ」

「・・・」

「これでも好きなんだぞ?姉さんのクッキー」

「・・・!」

「だからお願いだよ。ちょっとだけでいいから」

「・・・1枚だけだよ?」

「(チョロいなぁ)」

 

 ちなみにクッキーは美味しかった。

 チョコ風味な生地のクッキーや、チョコチップの入ったクッキーは、どれもサクサクしていた。

 

 

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【2年A組 朝の教室】

 

「美咲~。おはー」

「お、レン。おはおは~。って、何?その手提げ袋?」

「あぁ、これ?ほら、バレンタインのチョコだよ」

「嘘でしょ・・・これ全部?何?あんたって、もしかしてモテるの?レンの分際で?」

「モテるとかじゃねえよ。仕事柄、色んなところに恩を売ってるだけだ。ほら、これぜーんぶ義理チョコだし。あと『レンの分際』ってなんだコラ」

「ははっ。まぁ、そう言いなさんなって。あたしの分も渡すからさ。ほら、あんたの大好きな義理チョコだよ。ロールケーキの切れ端だけど」

「えっ!?何だよコレ!?完成度高ぇなオイ!マジか!超嬉しい!」

「変に意地張ったりせずに、ちゃんと『嬉しい』って言葉にしてくれるのは、レンの良いところだと思うよ」

「そうか?」

「うん。あと、男子相手にチョコ渡してんのに、今のあたし、全然ドキドキしてないんだよねぇ。だから、男なのに変に緊張しないで済むのも、レンの良いところかな」

「・・・それつまり、男として意識されてないってことでは?」

「いやいや、意識ならギリしてるって」

「『ギリ』って何だよ!『ギリ』って!お前、俺のことを何だと思ってやがる!?」

「え?親友だけど」

「」(赤面)

「親友・・・だよ」

「うっせぇ。ばーか」

「ふふ。これからも頼りにしてるよ。親友」

「おまっ、こういう時だけそうやって呼ぶのアレだからな!?卑怯だからな!?」

「え?じゃあ、レンはあたしのこと何だと思ってるの?」

「親友!」

「勝った」

 

 美咲のチョコロールケーキは、段違いに美味しかった。

 アレはもう、店に出したっていいと思う。

 

 

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【2年A組 昼の教室】

 

 昼休み、美咲と駄弁りながら弁当をつつこうとしていると、教室の扉から視線を感じた。

 しかし、机から振り返ると、その人はすぐに扉の影に隠れてしまう。でも、その影から突出したその人の胸部は見える。

 まぁ、隠れた状態なのにこちらから見えるほど胸が大きい人なんて限られているが。

 

「あのおっぱいの大きさ・・・多分燐子さんだな」

「おっぱいだけで判断するとかサイテー」

「仕方ないだろ。おっぱいしか見えないんだから。ちょっと行ってくる」

「うん。行ってら」

 

 多分、美咲と一緒だったから声を掛けにくかったのだろう。

 

「で、何か用です?燐子さん」

「レン君・・・ごめんね。わざわざ来てもらって」

「いえいえ。俺も暇でしたし」

「その・・・これ・・・」

 

 燐子さんの手には、可愛い紙袋が。

 

「いいんですか?」

「うん・・・。日頃から、お手伝いとか、お世話になってるから・・・」

「ありがとうございます。大切に食べますね」

「感想とかも、後で送ってくれたら・・・嬉しいな」

「いいですよ。新聞部で培った文章力をフルで活かしますので」

「いや、その・・・一言でいいからね?」

「何字ぐらいがいいですか?200字ですか?それとも400字、思い切って1000字ぐらいでも・・・」

「レン君。流石に無理があるよ。チョコレート1つで」

「そんなことないですよ。燐子さんが望むなら2万字だっていけます!」

「えっ、卒論じゃん・・・」

 

 まぁ、流石に2万字は無理だ。

 いくら燐子さんが作った特別製とは言え、チョコ1つの感想で埋められるのなんて500字がやっとだ。

 

「でも、思ってたより、緊張せずに渡せて・・・よかった」

「緊張なんて大げさな。相手は所詮、俺ですよ?」

「男の子相手に渡すのは慣れてないからね・・・。それに、ハードルが高い理由はそれだけでもないよ」

「じゃあ、その他の理由って?」

「朝から今井さんのクッキー貰ってるだけじゃ飽き足らず、他の女の子からもいっぱい義理チョコ貰ってる相手に渡すとなると、クオリティの不安とか・・・」

「大丈夫っすよ。俺、何でも食うんで!」

 

 燐子さんは、恥ずかしそうに目を逸らす。こうして渡すだけでも、燐子さんにとってはハードルだったのだろう。

 

「『いつもありがと』って言いたかったから、頑張ってよかった・・・」

「お疲れ様です。嬉しかったですよ」

「うん。じゃあ、もう行くね・・・」

「はい。それじゃ」

 

 俺にチョコを渡した先輩は、少しはにかんでから、愛らしい仕草でパタパタと駆けていった。

 ちなみに燐子さんのチョコはビターテイストで、ちょっと大人っぽい味がした。

 

 

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【2年A組 昼の教室】

 

 燐子さんの次に来た客人は、アイドルの先輩2人組だ。

 

「レン君!来たよー!」

「来てやったわよ」

「すいません。美咲と飯食ってるんで後にしてください」

「あたし、バレンタインにアイドルがチョコ背負ってやって来てるこの状況下でそれ言える男子、多分あんただけだと思うよ」

「だってお腹空いてたんだもん・・・」

「そうだね。燐子先輩が来たの、お昼食べる前だもんね。でも、流石に今ぐらいはね?」

 

 まぁ、流石に先輩相手に「後にしろ」ってのは冗談だし、さっさと要件を聞かないと。

 

「あたし、退きましょうか?」

「いいえ、大丈夫よ。そんなに手の込んだものを渡す訳じゃないし。なんなら美咲ちゃんも、レンと一緒に食べたらいいわ」

「・・・?あの、彩さん、千聖さん。何を渡すおつもりで・・・?」

「ふっふ~ん。驚かないでよ?」

 

 そう言って彩さんは、手に持った袋に手を突っ込む。

 しかも、その袋。かなりのビッグサイズだ。

 

「あの、本当に何を・・・?」

「そうね。本当はロケ地で見つけたちょっと良いお菓子でも渡そうと思ったのだけど、どうせレンに高価なものなんて渡しても、猫に小判でしょ?」

「まぁ、所詮はただの男子高校生ですしね」

「だから・・・」

「じゃーん!トッ〇のお徳用サイズ、大量詰め合わせだよ!!」

「スゲェェェ!!!最後までチョコたっぷりぃ!!」

「いかにも男子高校生みたいな反応、大変嬉しいわ」

「お2人とも、ありがとうございます!これ、毎日学校に持っていって少しずつ食べていきますから!」

「うん。食べて良し、みんなと分け合って良しの万能お菓子だからね」

「そうね。おまけに最後までチョコたっぷりだし」

「どうしよう美咲!?俺、この2人のこと推しになっちゃう!」

「推す理由、俗っぽいにも程があると思う・・・」

 

 昼食の途中ではあったが、この後は4人で一緒にトッ〇を食べながら雑談した。

 味?美味かったに決まってるだろ。最後までチョコたっぷりなんだから。

 

 

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【新聞部 部室】

 

 放課後、PCの横に置かれた大量のチョコをどうやって消費したものかと考えていると、部室の扉がノックされた。

 

「失礼します。レンさん」

 

 流れるように入室を許可をすると、そこには本来、いない筈の少女がいた。

 

「あれ?つくし。なんでここに?」

「はい・・・。レンさんを探して校舎の中で迷ってたら、美咲先輩が多分ここにいるって」

「いや、そうじゃなくて、お前の学校から遠いだろ。ここ。・・・まぁ、座れよ。疲れたろ?」

「はい。どうも・・・」

 

 珍しいこともあるもんだ。まさか他校からこの新聞部に乗り込んでくるやつが出るとは。

 

「あの、もしかして机にある、この袋って・・・全部バレンタインの?」

「そうだな。仕事柄、交流が多いから義理チョコが多いんだ。あぁ、そこのトッ〇、お前も食っていいぞ」

「いえ、今は、遠慮しておきます・・・」

 

 つくし、ここに来てからというもの、まだ緊張しているように見える。

 もう少し、こっちから歩み寄るか。取り敢えず、緊張を解すなら。

 

「つくし」

「はい」

「この部室、立地は人通り少ないし、ここなら、誰も見てないからさ・・・」

「・・・」

「呼び方、変えていいよ」

「制服着た状態で言うのは、緊張するな・・・」

 

 俺の隣に座る妹は、少し顔を赤らめて、モジモジとした様子を見せる。

 バレンタインで男相手に話すのは、慣れていないのだろう。

 

「お兄ちゃん、立ってもらっていい?」

「あぁ」

 

 静かな部室に、2人分の影が伸びる。

 窓から差す日差しは、夕暮れの色を帯びている。

 

「じゃあ・・・はい。これ」

 

 小柄な少女の手から、可愛いラッピングの箱が差し出される。

 

「ありがとう。箱の中、見ていいか?」

「うん」

「・・・これ、キャラメル・・・じゃない。マカロンか?」

「どっちも正解だよ。キャラメル味のマカロン」

「凄いな。もしかして手作り?」

「うん。頑張った」

 

 カラメル色のマカロンは箱の中の仕切りで綺麗に並べられており、食欲をそそられる。

 そそられるが、俺は箱を閉じ、机に置いてつくしに向き直る。

 

「嬉しいけど、これのためだけに来たのか?ここまで離れてるのに」

「そうだね。他の人たちみたいに、別の日にCiRCLEで渡してもよかったんだけど・・・やっぱり渡すなら当日がいいなって。それに・・・」

「・・・」

「お兄ちゃんのこと考えてたら、会いたくなっちゃって」

 

 つくしの顔は夕日に染まって、俺の顔も、夕日によって温められる。

 

「俺も、会えて嬉しいよ。この日を選んで来てくれて、本当にありがとう」

 

 つくしの頭を撫でると、上目遣いで、恥ずかしそうに見つめてくる。

 放課後に、居るかも分からない俺に会うためだけに、わざわざ他校まで駆けつけてくれたのだ。

 勇気を出してくれたのだろう。妹が頑張ったなら、労うのは当然。頑張った理由が俺のためだったなら猶更だ。

 

「お兄ちゃん。私が今日渡したもの、どうしてキャラメル味のマカロンだったと思う?」

「・・・もしかして、これ自体に意味とかあったりするのか?花言葉みたいな」

「そうだよ。キャラメルにも、マカロンにも」

「なぁ、つくし―」

「意味、聞きたい?」

「聞きたい」

「・・・キャラメルの意味は、『安心する存在』」

「安心?」

「うん。お兄ちゃんと一緒にいると、安心するから」

「・・・じゃあ、マカロンは?」

「うーん。言わなきゃダメ?帰って調べたらすぐに分かるよ?」

「俺は、つくしから聞きたい」

「・・・」

 

 つくしは、自分のツインテールを指でいじりながら、恥ずかしそうに口を開いた。

 

「マカロンの意味は、『特別な人』」

「特別・・・。『特別』か。確かに俺たち、普通の関係じゃないもんな」

「まぁ、それもあるけど、それだけの意味合いでもないよ」

「違うの?」

「だって、それを抜きにしたとしても、お兄ちゃんは私にとって特別な人だから」

「そう、なのか?」

「うん。少なくとも、放課後に他校から会いに来ちゃったりする程度には特別だと思ってるよ」

「・・・そうか」

「しかもそのマカロン、結構作るの大変だったんだよ?ただでさえ工程が多いし、途中で失敗もした時もあったし、それでもお兄ちゃんに渡したかったのは、やっぱりお兄ちゃんが特別で、それを伝えたかったからなんだと思う」

「つくし・・・」

「うん。あなたは私にとって、それだけの存在」

「・・・」

「そうだなぁ。前にも、何回か言った言葉ではあるんだけど・・・」

 

 つくしは両手を後ろで組み、微笑みながら真っ直ぐに俺を見つめる。

 

「好きだよっ。お兄ちゃん」

「・・・!!」

 

 つくしの言葉に恥ずかしくなって、俺は思わず目を逸らした。

 でも、つくしの言葉も、吹っ切れた笑顔も、頭からは離れなかった。

 

 夕日に照らされる笑顔が、あまりにも綺麗だったから。

 

「・・・ありがと」

「もしかして照れてるの?顔赤いけど」

「夕日のせいだ」

「そっか。じゃあ、私とお揃いだ」

 

 ・・・

 

「つくし」

「何?」

「ハグしよう」

「ここ学校だよね?」

「ダメ?」

「・・・」

「・・・」

「お兄ちゃん」

 

 珍しいこともあるものだ。俺の知ってるつくしは、もっとしっかり者で、しちゃいけないことはしない性格なのに。

 つくしは両腕をゆっくりと開く。

 

「いいよ」

 

 つくしの背中に腕を回すと、つくしの体温が、じんわりと俺の体に伝わってくる。

 そして俺の背中にも、つくしの腕が回される。

 

 つくしと、抱き合う。

 

「珍しいね。お兄ちゃんからこんなことしてくるなんて」

「うん。なんでこんなことしてるのか、俺も分からない。取り敢えず、今の俺は自制効いてないなってことは分かる」

「そうだね。付き合ってる訳でもない女の子に、こんなことして」

「いいだろ。妹なんだから」

「そうなの?」

「そうだよ。兄妹だったらいくらハグしてもいいんだよ。分かんないけど」

「横暴だなぁ。まぁいいけどさ」

 

 ・・・

 

「つくし」

「何?」

「好きだ」

「・・・ありがと」

 

 しばらくの間、新聞部の静かな部室には2人分の影が重なっていた。

 つくしのマカロンは、ほんのり甘い味がした。

 

 

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【後日談】

 

 ちなみにこの翌日にも、俺はバイト先のCiRCLEでチョコを貰いまくった。

 まりなさんから感謝のチョコを貰ったり、ますきからカップケーキの差し入れを貰ったり、ましろからホワイトチョコを貰ったり、友希那さんから『クッキーの感想ぐらい寄越しなさいよ』と怒られたりした。

 




 
 まず、今回の短編でつくしちゃんの話だけ明らかに文量が多かったことを、ここに謝罪します。まさかあんなに接待しちゃうとは…。
 でも信じてください。つーちゃんだけ贔屓しようとした訳じゃないんです。
 なんか、キャラが勝手に動いたんです。キャラを書いてるつもりが、いつの間にかキャラに書かされているというか。勝手に動くあの子たちを見て、その動きの文字起こしだけをしてるような感じというか。このまま告白シーンみたいにならないか、自分で書いてるのにハラハラしちゃいました。
 …ここで小説書いてる人なら分かりますよね!?

 リクエストの燐子ちゃん、なんとか差し込めたけど、アレでよかったかな?

 感想、待ってます。話の感想と一緒にバレンタインの愚痴も書いていいですよ。チョコ貰ったならその自慢やエピソードでもいいですし、推しキャラのバレンタインの妄想でも構いません。
 ちゃんと読んで返信します。

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