ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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 前の話で、つくしちゃんへの接待は終了。またゆるっとした話を書きます。

 美咲ちゃんのリクエストは色々あるんですけど、指定されたシチュで話が思い浮かばないので、こんな感じで。




64.奥沢美咲と駄弁るシチュ

 昼休み、俺は今日も弁当を片付けながら奥沢美咲と語らう。

 くだらなく、しょうもないことしか話さないこの時間だが、俺はこの時間を気に入っている。この何でもない平和な時間が、本当に好きだ。

 高校生らしく、ごく普通のことしか話さないけど。

 

「そう言えば、ミッシェルの足の裏に搭載されたジェットエンジンのことなんだけどさ」

「待て美咲。『普通』の意義とは!?」

 

 『普通』の基準は、人それぞれってことらしい。

 

「別に珍しくもないでしょ?大型の会場の時は何回も飛んでるんだし」

「お前も自分が大型の会場で何回も飛ばされてることにちょっとは疑問を持てよ!いくら何でもこころに毒され過ぎだ!」

「飛べないクマはただのクマじゃん。ミッシェルにハッピーフライトモードが搭載されてるのは、前にも話したでしょ?てか、あたしの話は別にいいじゃん。いい加減ジェットの話をさせてよ」

「そもそもなんでただのマスコットのくせにジェットなんか搭載してるんだよアイツ。着ぐるみのくせに男の夢詰め込み過ぎだろ。パワードスーツじゃねえか・・・」

「まぁ、製作段階では手のひらにも搭載する予定だったらしいよ。バランスがどうとか言って」

「アイア〇マンじゃねぇか・・・」

 

 マジで何者なんだ。あのクマ公・・・。

 お前は平凡な街のマスコットだった筈だろ・・・。

 

「まぁいい。いや、全然良くはないけど、一旦本題に移ろう。ジェットエンジンがどうしたんだよ?」

「そうなんだよ。あたしも長いことハロハピやってるけど、ジェットの面に関しては、当然、知識も無いわけだし、全面的に黒服さんたちに任せてる訳よ」

「あぁ、開発とか、メンテナンスとか?」

「あと、書類関係もね」

「書類だって?そんなの必要あるのか?」

「火薬使いまくってるんだから都道府県に申請しなきゃいけないに決まってるじゃん。常識でしょ?」

「お前マジ1回でいいから辞書引いて『常識』って調べろ。ほんとマジで」

「場合によっては国土交通省に上空使用許可の届け出も必要だし、そこら辺のことまでやってくれる黒服さんには頭が上がらないよ。いや、『弦巻家には』の方が正しいのか?」

「あの、ごめん。色んな意味でついていけない・・・」

「・・・?」

 

 えっ、これ俺がおかしいのか?

 

「というかお前らって、いつもライブする度にそんな許可取ってんの?」

「流石にいつもじゃないって。ああいうのは外とか大きい場所で派手にやっていい時だけ。保育園や老人ホームでカッ飛ばす訳にはいかないでしょ?その時はちゃんとジェットが搭載されてないミッシェルでやるし」

「そもそもジェットが搭載されたミッシェルってのが既に変なんだけど・・・。てか、ミッシェルってその辺りの使い分けとかされてるんだ・・・」

「逆に聞くけど、1体しかないと思ってたの?」

「ミッシェルは『2体』あったッ!」

 

 ジェットも含めて色々とスクープだ。今すぐ記事に・・・!

 いや、ダメだ。この手のメタい話はこころやはぐみを始めとする子供たちの夢を壊しかねない。

 くそっ!俺のジャーナリスト魂が・・・!

 

「まぁ、厳密に言うともっとあるよ。素材やコーティングが使い分けられてるらしくてね。商店街を歩くミッシェルに、ハロハピのライブでカッ飛ばないミッシェル、カッ飛んでいくミッシェル、雪原特化型ミッシェル、etc・・・」

「へー。そうなのか(思考停止)」

「まぁ、こんな感じで、ハロハピは黒服さんたちのお世話にはなってるんだけど、ことミッシェルにおいては特にお世話になっててさ。それこそ、ジェット以外でも、本当にお世話になってるの」

「まぁ、そうだろうな」

「だから中の人として、何か恩返し的なことでも出来ないかなって考えててさ。今日はそれをあんたに相談しようって思って」

「恩返しって・・・一般人が返せる恩義のレベルじゃないだろ。ジェット貰ってんだぞ?」

「いやいや、流石に貰った分の全てを返そうとまでは思ってないよ。けど、だからって何もしないのは違うじゃん?当然のように何も感謝しないで受け取るだけなのは、ダメだと思う。だから物量的には無理でも、せめて気持ちぐらいはさ」

「気持ちかぁ・・・」

 

 確かに、恩義自体はとてつもなく大きいとは思うし、返そうという心掛けも悪いとは言わないが。

 

「でも、渡せるもんとか無くね?」

「そうなんだよ!何渡せば喜ぶか見当もつかないの!趣味趣向も知らなければ好きな食べ物も知らないし・・・」

「でも、どうせ物量で返しきれないって分かり切ってるなら、後は気持ちの問題だろ?美咲の感謝の証なら何渡しても喜んでくれると思うぞ?」

「『何でもいい』が一番困るんだって」

「じゃあ、無難に手作りクッキーでも渡せば?」

「手作りクッキーは、果たして無難なのか?」

「えっ?女子って渡すものに困ったら取り敢えずクッキー作る生き物じゃないのか?」

「それを素でやってんの、あんたのお姉さんだけだよ。・・・でも、クッキー自体は悪くないかも?」

「うん。手頃だし、クッキーには『ライトな関係』って意味があるから、日頃の感謝とか、『これからも良い関係でいましょう』って伝えるなら、ちょうどいいと思う」

「へぇ。よく知ってるね」

「つい最近、調べたことがあっただけだけどな。で、贈り物はクッキーで決定?」

「そう、だねぇ・・・。お菓子作りとかそんなにやらないし、クオリティは不安あるけど」

「不安ならうちのバカ姉貴貸そうか?クッキーなら無双できるぞ?」

「お隣さんに調味料貸すみたいなテンションで家族を派遣するな。あたしが決めたことだからクッキーはあたし一人で片付ける!」

「別に1人だけでやる必要もなくないか?姉さんはともかく、黒服さんたちに世話になってるのはお前だけじゃないんだし、ハロハピ全員で作ったらいいじゃん」

「うーん。あの3人を従えてお菓子作りは大変そうだけど・・・」

「感謝の証をお前しか渡さないのも違うだろ」

「まぁ、それもそうか。じゃあ、今度こころに相談するよ。ありがとね」

「構わんよ」

 

 それにしても、美咲は本当に変わったと思う。前までは自分から仲間を集めるような性格でもなかったのに。

 

「なぁ、もしハロハピが良いならさ、そのお菓子作り、俺もカメラマンとして同行していいか?」

「いいけど、なんで?」

「せっかくメンバー全員で仲良く作業するなら、思い出も残したいだろ?その手伝いぐらいなら出来ると思ってさ」

「ふぅん。善意ですか」

「善意です」

「本音は?」

「『ハロハピはプライベートも仲良し☆』みたいな見出しで来週分の記事でも書けたらなと・・・」

「商魂たくましいね。あんたも。まぁ、誰も反対しないだろうけどさ・・・」

「へへっ、どうも~☆」

 

 記事のネタ、ゲット。

 

「でもレンって、本当に取材のことばっか考えてるよね。この話の流れですらサラッと取材の交渉して」

「そりゃあ、常にアンテナ張ってないとこの仕事は出来ないからな」

「ふぅん?」

「何だよ?」

「もしかして、レンが色んな人と仲良くしてる理由って、全部取材のためだったりする?」

「そりゃないだろ。確かに話すきっかけが取材だったことは多いけど、それ以降は普通に遊びに行ったりするぞ?」

「どうだかな~?本当はあたしのことも友達だと思ってなかったりするんじゃないの~?」

「友達だと思ってなきゃ昼休みに楽しく話したりなんてしないだろ~!」

「「はっはっはっはっはっはっは・・・!」」

 

 パンッ!!(強めのハイタッチ)

 

 

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 後日、取材は順調に進み、ハロハピの5人が仲良くクッキーを作る様子から、その5人が黒服さんたちにクッキーを渡すシーン。そしてついでに余ったクッキーを5人で仲良く食べてるシーンまでしっかりとカメラに収まった。

 あと、余ったクッキーの何枚かは俺も分けてもらったが、結構美味かった。

 記事の評判も大変良かった訳だが、

 

『薫さまの写真が足りない!』

『廊下で失神者が出るから瀬田さんの写真を載せる時は生徒会を通すように言っていたでしょう!!後で反省文です!!』

『エプロン姿のこころちゃんが可愛すぎる!どうしてくれるんだ!』

 

 といった苦情も、大量に寄せられた。

 




 ミッシェルをカッ飛ばす時の書類関係、結局どうなってるんでしょうね?
 
 そう言えば昨日、この作品と雰囲気がよく似たバンドリ小説を見つけました。
 設定も共通点があってシンパシーを感じましたね。
 もしかしたら参考に出来るものがあるかもと思って感想も送ってみたのですが、返事は無かったです。
 色々と聞いてみたかったんですがね…。

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